上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

早春賦・早川谷

2015-04-13 12:44:42 | 瞽女街道を行く

 

 

          糸魚川河口.鉄橋

 

 北陸新幹線が3月に開業したとのことなので,火打山,焼山,烏帽子岳を背景に,糸魚川河口付近の鉄橋で,車両を撮ろうと待ち構えていると,アッーと云う間に通り過ぎてしまった.私は鉄ちゃんではないので,単に思いつきでカメラを構えていただけなので,時刻表などあるわけもない.ただただ,鉄橋を睨んで待っているだけだから,うまく撮れるわけはない.そのうえなんとか撮ったものの,鉄橋の壁が高すぎ,新幹線の車両がほとんど見えない始末であった.

 

 

      最近分かったこの樹木の名・特に海岸沿いに植生する.さんご状の枝振りが特徴だ.カラスザンショウ

 

今の時期,河口から4,5kmの新町辺りの川原でコゴミを採るのでゆっくりと車を進める.まだ少し早いらしく見当たらないが,枯れ草の間から,新芽が顔を覗かせているのを発見する.

      雪代の流れ

                              丁度,食べ頃のコゴミ

                         寒い谷・集落 停留所

 ジブリの映画に出てきそうな集落の名前,私の大好きな場所である.この停留所越しに見る,早川谷を見守る残雪の山々はなんとも神々しい.あえて写真はのせません.残雪の4,5月,是非足を運んでみてはいかがですか.連休は田植えも始まり,美しい景観が広がります.

 

          中川原新田,葛屋と火打山,焼山       

  

     2015年 4月5日取材 


早春賦・能生谷

2015-04-11 21:42:49 | 瞽女街道を行く

 

 

            能生川の流れと稲架木 背景の山 権現岳,鉾が岳(右) 

 名立谷までは上越市であるが,能生谷からは糸魚川市になる.今日は昨日同様雨模様であるが,予報では晴れるようだ.晴れてくれば能生の特産,能生菅笠の雪さらし(日乾し・菅笠の乾燥と色を白くするため)が見られるかもしれないので,のんびりと撮影しながら能生谷最終集落,西飛山に向かう.

 

              桂谷付近

      桂谷を過ぎる頃には,陽がさしてきて青空の下に源流部の山が見え始める.

 

  

 3日振りのお天道様だが,お天道様の顔を出すローテーションが狭まってきて,春はもうすぐだ!

            能生谷・西飛山

 

 

 能生産の菅笠は冬の間の仕事として,10人程が作り手として,生産しているらしい.私も是非一つ,この菅笠を手に入れよう日乾しされた家の作り手に,購入を打診すると直接は売れないとのこと,農協で売っているというので,帰りがけに店によったが,まだ納品されていないらしく,菅笠はなかった.この手の笠,外国産の笠なら,大分安く買えるのだが,出来ればこの能生谷の菅笠が欲しい.調べると,ネットでも購入できるらしく,値段は,5200円程であった.かっては瞽女が被っていた饅頭笠も作っていたらしいが,需要もなく菅笠よりも一回り大きいし,手間もかかるとあって,今は地元の饅頭笠は生産していないようだ.

 

2015年4月4日取材


早春賦・名立谷

2015-04-10 19:06:56 | 日記・エッセイ・コラム

浜通りの国道を行かず桑取谷の高住集落から,名立谷の杉の瀬集落に抜ける道を選んだが,高住地蔵堂辺りで残雪に行く手を阻まれた。やはり、日陰には相当の残雪があり,ならばと,鍋の浦集落から挑戦するも,雪が多すぎ、それも徒労に終わった.上部の丘陵地帯には結構な残雪が残っているようだ.

桑取谷高住集落から名立谷杉の瀬集落への途中で上越方面を見る.山は米山

道ばたには,残雪の間にカタクリが

 雪の峠越えに挑戦したものの,四駆といえども車はなんとも雪に弱い.残雪に阻まれ,幾度となく常備してあるスコップで除雪しながら進むも,あえなくギブアップ,素直に国道8号線に戻り,名立道の駅で,昼飯用の寿司弁当を購入する.

 

名立・道の駅のアイドル?後ろからだと「おばちゃん」と声をかけてしまいそうなほど、良く出来ていた.

見習いの配達員を同行し,先輩が先導して走っていた.名立谷・東飛山

貴重な民家がまた一軒,東飛山から無くなった.東飛山の草屋民家は貴重であるだけに残念だ.

 

  ようやく雪がなくなり,東飛山の石仏達に対面できた.

 雨の中,カメラ機材が入ったザックを背負い,大きな三脚と鞄をぶら下げた私は,歩行者のいない静かな山村は,いかにも異様な風体なのである.雪代で濁流と化した名立川の,橋の上から水面を覗いていると「写真かい」と70代の女性に声をかけられた.立ち話で瞽女の話をしばらくしたあと,たまにはよりなさいと云って,残雪の斜面に建つ赤い家を指さして,斜面を登っていった.

 

 

    

この日,雨は降り止まず,冷えた体を名立・花立温泉ろばた館の湯で暖めて,家に帰った.

 2015年4月3日取材

 


早春賦・桑取谷

2015-04-08 17:34:52 | 日記・エッセイ・コラム

 

      R8号線を走る 左前方に北アルプス,白馬岳が見える

 5年も通っているのに,一度も立ち寄ったことの無い集落が結構ある.意識的に避けていた訳ではない.単にその集落に瞽女宿が無かったことが原因であるだけで,足を運んでいないのである.谷に沿って走る道路から,ちょっと眺めただけで,足を運ぶ対象から外れていたりするが,いざ行ってみると,魅力があるにも関わらず,見落としがあったりすることが多い.また,季節によっては何気ない風景も,興味深い景色に変貌するのである.

         サクラはまだだが,足早に春は駆け抜けていく.桑取谷・東吉尾

 

 

      田んぼは春で埋まっていく

 

       桑取谷・東吉尾

     早咲きのサクラも膨らみはじめたところか 桑取谷・東吉尾 

      白山神社祭礼 桑取谷・東吉尾 

      比較的雪の多くない桑取谷では,農作業の準備がはじまっている 

 

       おじちゃん,三輪車にのる~~~と云われてもネ! 桑取谷・大淵

 

                桑取谷最終集落・横畑 「平左衛門カフェ」

 4月24日~11月29日 金,土,日,祝日 営業時間 11:00~16:00

 私も会員になっている NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部が運営しています。      

 


早春賦・五智界隈から

2015-04-06 20:25:54 | 日記・エッセイ・コラム

 3月末から4月末にかけての瞽女の遊芸の旅はおよそ一ヶ月あまり.直江津をまわり.西頸城の谷へと移動する.雪の残る山村に鮮やかな新緑が映える頃,瞽女の三味線の音が西頸城の谷間にこだまする.

 

風が温くまり,春雨が降り続くと、3,4mにも及ぶ積雪に覆われていた道も,やがて溶け出し大地が剥き出しになり,残雪のいたるところにふきのとうが顔を出す.現在のように除雪対策が構築されていなかった時代,村人が総出で,カンジキで積雪を踏み固め,道を設えていた雪道にさえも,春はしっかりとやってくるのだ.

 

3と8の付く日は直江津では朝市が開かれる

 

現在,上越市で中央町と呼ばれる辺りが,上越では一番古い集落で,かっては今町と呼ばれたところで、港が近くにあり、城跡があった。この城は福島城(1607年築城)と呼ばれ、上杉謙信らが築城した春日山城と城下を統一した形で、福島城は作られたが、僅か7年で廃城になり、新たに高田城が作られた。

私の家がある中央町はかっては今町とよばれていた.近くには五智国分寺がある.また親鸞上人上陸の地もある。それらは私の家からは歩いて20分程.そこから10分程足をのばせば,上越が一望できる,展望台があり,散歩コースになっている.

 

 

 

五智国分寺参道入り口には,柔らかな表情の如意輪観音様が

 

 

 

 

 

五智国分寺から低山が広がる,海岸丘陵地帯を散策すると.春の花が咲き誇り、芽吹き始めた山菜が目をひく

たらの芽

こしあぶら,後一週間もすれば食べごろに

まんさく

 

展望台から直江津市街,港,背後に米山