上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

髙田ぶらり・原本賢治遺作展

2022-12-03 09:06:28 | 高田散歩

上越市高田寺町 ←クリックと言われるだけあって、お寺がひしめいていますね。65寺社あるそうです。遺作展が催されたのは大厳寺と光樹寺。

 

11月の下旬に高田寺町の寺院で行われた原本賢治(1910〜2001)遺作展 ←クリックに行って来ました。3日間という短い会期でした。高田出身で地元の絵画文化に貢献した方ということでしたのでご紹介します。

地元の作家さんとあって圧倒的に頸城三山が多い。とりわけ妙高山は定番か。

 

原元さんの他の地元の作家さんの作品もあり、今年亡くなった日本画家の柴田長俊さんの作品。

地元の村山陽さんの作品

 

地元、富岡惣一郎さんの作品。富岡ホワイトと言われる独特の白絵具を作り出し、ヒビ、剥落、色褪に弱いジンクホワイトを超えたホワイトを作ったというのだが、今まで見た富岡作品でヒビ割れのない作品にはお目にかかったことがない。そのことで会場にいた方に呼び止められ、ヒビ談義。このかたはこの線はヒビではなく、ペンティングナイフでの意匠だということであったが、私はヒビだと思っている。優れた構成力を持つこの作家が、意図的にこんな線を入れてたとしたら、おかしな話である。富岡の画法は黒絵具の上に自前のホワイトを塗り込め、下地の黒をあらわにして白を表現しているとのことであるが、この黒絵具と白絵具の相性が悪く、富岡のいうヒビ、剥落、色褪のない白絵具も享年変化を経て、辛うじて着画していると言わざるを得ないと思う。画材の研究はレネサンス時代から研鑽され今に至る歴史があるが、既に鬼籍に入った親友でもあった画家の江田真治は、地塗りこそ絵画の命だと言って、キャンバス地に載せる膠の研究をしていたことを思い出す。ヒビ、剥落、色褪のない白絵具を見出したとする富岡ホワイトは、時の裁断を待たずに答えを出したのは、早計だったのかもしれない。

上の絵のヒビと下の絵の意図的傷とは明らかに違うのである。

地元 文化勲章作家 小林古径

妙高山、四季図の襖絵の春。黒姫、妙高山、火打山と桜

妙高山四季図 夏

妙高山四季図 秋

妙高山四季図 冬

勉強になった一日でした!



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