「はなれ瞽女おりん」ポスターより
日本アカデミー賞、第一回作品「はなれ瞽女おりん」1977年。
原作は水上勉さん。監督は先日亡くなった篠田正浩さん、主演は奥さんの岩下志麻さん。
折に触れてはこの映画の舞台となった場所を探す。先日、この映画のDVDを見ていて気がついたロケ地があったので
調べてみた。
この映画の冒頭、「おら、富山の薬売り、斎藤のおとうに連れられて、高田に来たんだ」という破れ薬師堂で
原田芳雄扮する鶴川仙蔵との会話の中で、おりん役の岩下志麻が子供の頃を回想するシーン。
強風吹き荒ぶ海沿いの荒涼とした残雪の道を、おりんが手を引かれて歩いている場所である。
この場所、直江津海岸からいつも見ている、あの山陵だと気がついたのである。
映画「はなれ瞽女おりん」DVDより
直江津海岸から郷津浜の丘沿い。直江津水族館西の道路を糸魚川方面へ。左に見える施設は老人施設
右手には海に突き出た鳥首岬がある。
映画の山並のシルエットと長浜の裏山が見事に一致。
「はなれ瞽女おりん」は1977年公開であるから制作は1976年頃と思われるから、浜村純扮する斉藤のおとうと、
幼いおりんが歩く場所は50年ほど前の風景である。