迷走していた「たんなさん」のつぶやき

※個人の感想です・・・

やっぱり必要ないんじゃないの 八ツ場ダム問題、推進派のデータはニセ情報紛れ込む

2009年10月03日 | 社会
テレビでこの問題を取り上げるのを見ていると、地元住民がダム建設中止に反対しているような印象を受けます。
でも、これだけ巨額の公共工事なら地元住民の声よりも、ダム建設を続行するべきか、中止するべきかを明確な根拠を持って説明するのがマスゴミの役割のはずなのですが、情緒的な報道ばかりしてまったく役に立ちません。
自らが役に立たないのであるのなら、『全国のダム問題を取材しているジャーナリスト』に解説をしてもらえばいいのです。
八ツ場ダム問題、推進派のデータはニセ情報紛れ込む
 政権交代の象徴となっている八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設中止問題で、前原誠司国交相は1日、本体工事の入札を中止する方針を明言、2日にも国交省関東地方整備局が正式決定する。こうした中、ダム建設の根拠となったデータなどに“ニセ情報”が紛れ込んでいるとの指摘がある。背後に何があるのか…。
 「建設途中の橋脚や地元の反発ばかりが取り上げられているが、本当にこのダムが必要なのか否かを、正確なデータをもとに冷静に判断すべき」
 こう話すのは、全国のダム問題を取材しているジャーナリスト、まさのあつこ氏。最近、自身のサイト「ダム日記2」に、「八ツ場ダムの七不思議」を掲載した。
 第1の“ニセ情報”は「工事の7割が終わっている」というもので、事実は「総事業費4600億円の7割を使った」。八ツ場ダムは1952年に建設計画が浮上。総事業費は当初の2倍以上という4600億円まで膨張したが、ダム本体工事は未着工。今年6月9日付の政府答弁書では、昨年度末時点で、付替国道は6%、付替県道は2%、付替鉄道は75%、代替地造成は10%しか完成していない。
 「ダム建設は少なめに予算を見積もり、事業が始まると膨張する。総事業費は国債、地方債の利子を含めると9000億円。工事の進捗状況を見ると、1兆円を超えかねません」(まさの氏)
 第2は利水(水需要)に関する情報。国交省は八ツ場ダム建設の目的の1つを「東京、埼玉、千葉、茨城、群馬の1都4県の都市用水の確保」としている。だが、利根川水系にはすでに11のダムがあり、首都圏への水供給を主目的としていた群馬・戸倉ダムは2003年に建設中止となった。
 「計画当時は水不足が深刻だったが、1970年代半ばに横ばいになり、現在の水需要は減っている。戸倉ダムの中止も『水余り』が理由。八ツ場ダムが完成予定の2015年には、利水予定の各県で人口減少が始まっている。東京都も日量最大690万トンの供給力に対し、170万トンが余っている」(同)
 第3は治水(防災)効果だ。
 八ツ場ダムは、戦後最大の被害をもたらした47年のカスリーン台風(死者1100人)を契機に、大雨などに対応する目的でも計画された。しかし、「国交省のカスリーン台風再来を想定した資料では、八ツ場ダムの治水効果は『ゼロ』。07年9月の台風9号で100年に一度の大雨が同ダムの集水域に降ったが、下流域に被害はなかった。そもそも、人命にかかわる治水目的のダムならば、57年間も建設が遅れたこと自体が問題」(同)という。

 公共事業には、多くの建設業者が参入するため、雇用対策という一面もある。加えて、同ダムの関連事業を受注した民間企業や公益法人には、国交省から46人の天下りが確認されている。
 こんな指摘も。群馬の県政関係者は「中選挙区時代、ダム建設予定地の旧群馬3区は、福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三の元首相が激しく争っていた。当時、福田氏はダム推進派で、中曽根、小渕両氏は反対派に近かった。自民党が政争の具にしていた」と語る。
 まさの氏は「ダム建設には、さまざまな思惑が交錯している。前原大臣は住民や関係知事らと議論し、最善の結果を導くべき。行政の犠牲になった住民を忘れないでほしい」と語っている。
ZAKZAK 2009.10.02