ここ数日、仕事から帰ると
いきなり「稀勢の里どうだった?」と家族に聞くのが
日課のようになってしまっていた。
そして「ああ~!」と悲鳴を上げるのも日課だった。
まさかの三連敗である。
とくに大相撲ファンでもないのだが
文字通り土俵際に追い込まれた人間の去就が気になった。
気になって気になって仕方がなかった。
結果はご存じの通りなのだが引退はいかにももったいない。
もう一度、途中休場して再起に賭けたって
それはそれでいいのではないか。
ボロボロになるまで相撲を取り切ってもいいのではないか。
すでにボロボロではあるけれど・・・
この人の存在が不祥事だらけだった大相撲を
大いに盛り上げたのは間違いなかったと思うのである。
そんな愛すべき力士だった。
引退会見で「相撲人生に一片の悔いもない」と言い切った。
そんなはずはないだろうと思いつつ
アニメ「北斗の拳」のラオウのセリフだと知って
うーん、言ってくれるねえ!と彼の洒落っ気に思わずニヤリとした。
一片どころか百片も悔いが残る我が人生を思った。
なかなか言えるセリフではないと思う。
土俵の信念はと問われ「絶対に逃げないこと」と答えていた。
相撲人生はむしろこれからの方が長く困難だが
決して逃げずに真正面から豪快にぶちかまして欲しいものである。
あの屈託のない可愛い笑顔をこれからも見たいと思う。