令和3年7月18日(日)
数年前から交流のある富士市岩淵地区の神社行事に参加させていただきました。新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年はこの夏の時期に開催される行事が全て中止、今年は神輿の練り歩き以外の祭式のみを実施し、地域の絆をつなぐ行事として開催されたものです。
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(神事が始まる前)
旧国道富士川橋を西に向かい渡りきった地域は旧富士川町岩淵地区です。この地域は川岸から西側の山間地に向かって斜面が続き、その中腹に八坂神社があります。ネット資料の引用ですが、由緒ある神社伊邪那岐神によって生み出された天照大御神と素戔嗚尊の弟神、須佐之男命が御祭神の神社です。毎年7月に、京都の八坂神社の流れをくむ「岩淵祇園祭典」が開催されています。
当時の岩渕村は水難、水飢餓、病虫害に悩まされていたので、五穀豊穣と厄病退散を願って祇園祭典を盛大に行って村内安全を祈願し、町内神輿渡御行列を催しています。祇園祭で引き回される神輿は60年以上前に築造された立派なもので見る度に感銘します。一方で、寛永9年(1797年)に現在の静岡市にある小楠神社から譲り受けた神輿が保存されており、現在の神輿ができる前まで使われていたそうです。
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(現在使われている神輿)
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(200年以上前に譲り受け、現神輿の前まで活躍していた神輿)
また、境内には水神宮が祀られ、昔から村人にとって貴重な水をいつまでも維持できるよう願ったもので、今でもそれに願う祭式が行われています。
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(境内には水神宮も祀られている)
さらに、この神社が近年注目されているのが、「鳥居講」と呼ばれる、12年に一度、申年に富士山の頂上に奉納される鳥居の神事です。富士山世界遺産登録以降は、その名が知れ渡るようになりました。
江戸時代初期から幕府より渡船役を司っていた岩淵村は、富士川渡船の船を造る木材が富士浅間神社の社領から伐り出されているため、その返礼として12年に1度の申年に鳥居を富士山頂まで奉納するという国内唯一の伝統神事となっています。次回は、7年後となりますが、地元の方の説明によれば、12年一度の行事であるため、意識を常に持ち続けるために毎年、先の二つの祭典の日に記念式として、神事だけを行うことになっているそうです。
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(12年に一度の鳥居講を忘れないようにと毎年記念式を催すという)
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(鳥居個運の様子を伝えるパネルも展示)
私とこの地域との関わりは、私の地元で毎年6月に開催される吉原祇園祭とその祭典の構成神社に吉原八坂神社があり、共通した名称、祭事であることから双方の交流の仲を取り持ったことがきっかけでした。以来、岩淵地区のこの行事には声をかけていただき、参加させていただいています。
久しぶりの交流に、時間が経つのを忘れて話し込んでしまいました。改めて地域のお祭りが地域の絆を深める機会であることを実感しました。
来年こそは、新型コロナウイルスが沈静化して、地域全体で祇園祭が開催されることを願うばかりです。
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