平成30年5月11日(金)
防衛議連三日目の視察は、海上自衛隊沖縄基地隊と米空軍嘉手納基地内での関係者の生活環境、ならびに米軍施設の返還とその跡地利用について視察しました。
最初の視察は、勝連半島先端にある海上自衛隊沖縄基地隊で、米軍のホワイトビーチ基地の中にあります。厳密に言えば隣接ということになるのかもしれませんが、米軍と共用する施設が多く、一体化しているようにも思えます。
この施設の任務は、魚雷除去などを専門に行う掃海艇を所有し、湾岸戦争時には国際貢献として中東地域までこの作業に出かけたといいます。そのほか、水中にある危険物の除去など、沖縄の沿岸、重要港湾等を防備し、また、南西諸島唯一の艦艇基地部隊として自衛隊艦船の後方支援を行っているとのことでした。
今日は所有するタグボートに試乗させていただき、沖合から日米の施設を視察させていただきました。日米の連携した取り組みが理解できます。
(基地司令自ら説明)
(試乗したタグボート)
(講義の後はタグボートに試乗)
さて、視察団の日程はこれで全て終了しましたが、自衛隊施設もさることながら米軍施設では機密事項も多く、大勢での視察を希望しても実現できないこともあります。そこで、人数を絞り基地内に勤務する関係者などの協力により、条件付きで視察できそうだということから、中谷、鳥澤、鈴木の3名で、日程を延長し視察を続けました。
午後からは、米空軍嘉手納基地内に入り、基地関係者の生活状況や関連視察などを、その後、基地外に出てこれまで米軍関連施設だったところが日本に返還され、その跡地利用などについて視察しました。また、明日、午前中は第二次世界大戦中の日本軍関連施設を視察させていただくことになりました。
嘉手納基地視察では、現在はリタイヤされていますが、かつて基地内で働いていた関係者に配慮をいただき、正式な手続きを経て基地内を視察しました。
空港施設は撮影禁止となっていますので、一部の許可された展示用航空機や基地内道路、視察内の写真を添付します。
(嘉手納基地をベースに飛んでいた飛行機郡の前で)
(基地内の道路。日本とは思えない)
(施設の司令塔の前には、必ず日米の国旗が掲げられている)
(施設の玄関に飾られていた、トランプ大統領や政府高官・軍司令官の写真)
当然のことですが、基地内は日本の法律が適用されないアメリカの直轄区域で、全てがその元で管理運営されており、前日視察した米海兵隊のキャンプハンセンと同様に、ほぼ全ての街の機能が整う小さなアメリカの街が再現されています。
視察の目的は、基地内で働く軍関係者以外の家族や日本人スタッフなどの生活や仕事などの様子を確認することでした。基地内には、大型のショッピングセンター、映画館、レストラン、医療機関、学校など全てがそろっており、軍関係者とその家族は基地の中だけで全ての生活が可能です。視察したショッピングセンターでは、軍服を着た関係者にたまに出会うこと以外は、基地の中にいることを忘れてしまいそうな錯覚に陥るほどの雰囲気と品揃えで、以前に訪れたことのあるアメリカ本土にある施設と全くといっていいほど変わりません。
ここで働いているのは、多くが沖縄県民であり、商業施設以外でも基地を支える日本人の働く場があります。沖縄の人達にとって基地は職場でもあるのです。
福利厚生施設も立派なものが多く、説明ではこれらは日本からの「思いやり予算」の使途の一部であろうということでした。
基地内を直接見ることで、軍というイメージとはかけ離れた世界の存在に気付き、彼らが沖縄県民の一部であるかのような存在であることにも気づかされました。昨日までの米軍関係者から聞いた沖縄県民との交流の大切さは、理解できるような気がします。
次に返還された土地の活用ですが、一部は日本の大きなショッピングセンターに生まれ変わり、観光振興の受け皿となるホテルなどへの生まれ変わりが進んでいるようです。また、市民向けに宅地造成されているところまであり、返還は新たなまちづくりに大きな貢献を果たしているようでした。
(だだっ広い変換土地の利用はこれから。一般住宅用にも供されている)
(跡地には大きなショッピングモールも出店)
(1階には大きな水槽が設置され、市民や観光客に憩いの場となっている)
(商業施設の入り口に掲げられた、元米軍基地であったことと名前の由来を説明するプレート)
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