令和6年8月2日(金)
4月から始まった働き方改革は、各分野で人材確保が大きな課題となっており、これ以前から医療や介護、保育、物流、土木、農林水産業などのあらゆる分野で課題になってきたことが、一挙に加速したようにも感じます。これを補うために、分野によっては外国人人材の登用を進めるところも増えてきました。
先日、建設コンサルタントを担う業界団体の代表に同行し、県の出先機関との意見交換会に参加しました。公共事業においても高度な技術が求められ、県や市町にも優秀な技術を備えた職員もいますが、所管する全てを消化できる体制ではありません。
最新の技術と知見を備えた技術集団である民間事業者は、インフラ整備や特に防災対策においては迅速かつ的確な対応が求められており、災害の復旧などについては欠かすことのできない力となっています。
土木技術を備えた職員の配置は、県や規模の大きな自治体で一定程度確保されてきましたが、近年、土木技術者を育成する大学や工業高校などにおいて、その分野が縮小し、人材教育の機会が失われてきたことで、専門職としての募集などにおいて定員割れが生じるなど、人材確保が困難になっています。
業界団体と県との意見交換では、この問題も取り上げられ、行政だけでなく、民間企業も大変な時代を迎えていることが話題になりました。双方の共有の認識は、人材を教育する機関を充実させることですが、県もそれを十分承知しており、県内大学などに働きかけて一部では実現していますが、全国的な課題から、卒業後、県内に就職するとは限りません。
私の地元富士市では、新規採用土木技術職員の研修を、富士宮市にある技術系研修施設において開催したとの報道がありました。研修は4泊5日で、座学や実技などにおいて、土木技術の基礎を学んだそうです。
土木技術を学校で学んだからといっても、即実践とはいけません。入庁後、あるいは民間企業においても、このようなOJTはどこも実施しています。現場の仕事に取り組みながら、このような研修を繰り返し、一人前の技術者に成長していくので、一旦、人材確保が途絶えると、その先になって戦力が失われることにもなりかねません。官民共通の課題として、土木技術者の確保に努めていくことが重要であり、教育機関との連携は欠かせません。
県内市町では、専門の技術者が不足しているところもあり、県からの派遣を求めることもあります。特に、大きな自然災害発生などが危惧されている中、土木技術者の確保は今後さらに大きな課題となります。
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