鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

海外情勢にもっと関心を

2021年09月12日 | 議会活動
令和3年9月12日(日)

 自宅から見える野原には、真っ赤な彼岸花(曼珠沙華)が咲き始めました。毎年この時期になると必ず現れる自然の営みです。1年の経過を思いつつ平和の中で生活していることをしみじみと感じます。とはいえ、この2年ほどは新型コロナウイルス感染症により世界中が混乱し、私たちの身の回りでもこの影響が少なくありません。また、熱海市の土砂災害のように突然襲ってくる脅威は、発生する直前までまさかそんなことが起きるとは想像していなかったはずです。

 さて、昨日はアメリカで発生した同時テロから20年を迎えました。あのときの事件現場の映像は、この世のものとは思えないもので、今でも鮮明に記憶に残っています。
 テロの象徴となったニューヨークの世界貿易センタービルは、事件発生の数年前に訪れた記憶があり、その時の思い出と重なり大変衝撃的なものでした。
 以来、アメリカはこのテロとの戦いのために、「悪の枢軸」として狙いを定めたアフガニスタンに兵を送り込み、つい先日の撤退までの20年間がアメリカにとっても一番長い戦争が続きました。

 アメリカの同一テロはイスラムに対する大きな偏見を生じるきっかけにもなったように感じています。事件を起こしているのは一部の過激派と称するもので、各地に存在するのも事実ですが、大きな貧困や差別などが根底にあるといわれています。その解消を実現することも含め、交渉が行われており、一気に解決できないまでも少しずつ解決に向かっているところもあります。

 しかし、先日のアメリカ軍がアフガニスタンから撤退した直後から、次の政権を担う組織は旧態依然のままで、大きな不安を抱えたまま動き出したようです。日本も多くの支援策を講じてきました。福岡県出身の中村哲医師のように民間人がアフガニスタンの農業支援を行うことで国民が経済的が安定できるよう努力したものの武装勢力により命を落とすという、私たちが日本にいて想像のつかない事が起きています。中村医師と同じように、静岡県掛川市出身の伊藤和也氏も農業支援中に31歳の若さで武装勢力に襲われ命を落としています。不安な情勢に戻る気配がありますが、彼らの貢献は決して無駄にしてはならず、アフガニスタン国民の記憶に刻まれることを信じ、私たちも彼らのことを忘れてはいけないと思います。

 私も若い頃、世界最大のイスラム国であるインドネシアに仕事で長期滞在したことがあり、一緒に働いた現地の人たちは全員がイスラム教徒でした。経典に則り日々の礼拝は欠かさず、生活の全てがそれに基づくものでしたが、私たちとの生活習慣とは大きく異なることはあっても、互いに尊重し信頼して仕事をこなすことができました。2年ほど前に機会があって首都ジャカルタを訪れた際、初めてモスクの中に入ることができました。当然のことですが、その中の神聖な空気にはテロと結びつくものは全く感じられず、かつてこの国で仕事をしていたときに何回も聞いた拡声器から流れるコーランの声は、人々の平和を願っているようにも聞こえました。

 世界情勢を直に感じる機会は多くありませんが、様々な情報がリアルタイムに入手できる時代です。世界情勢は日本の経済、私たちの生活にも直結するもので、正しく認識し関心を持っていきたいと思います。
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