GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

白藤江の戦い

2012-09-21 16:38:06 | 

日曜日にサイゴンのレロイ通りで久しぶりにバクダン(Bach Dang)アイスクリームを食べました。友人が日本から初めてベトナムに来た時には立ち寄ってしまう店です。「バクダン」と言ってもアイスクリームが爆発するわけではなく、漢字だと「白藤」って書くんだけど・・・などと説明しても殆ど聞いてはいない様子はいつものことです。

サイゴン川沿いのトンドックタン通りもかつてはバクダン通りと呼ばれていたし、ダナンの町では今でもバクダン通りの名のままであり、たぶんその名の由来は1288年に元軍を打ち破った「白藤江の戦い」にあるのではないかと思っています。日本史に出てくる「白村江の戦い」とは一字違いですが、「はくすきのえ」などという言葉は教科書の中でしが見たことがないし、まして倭国・百済連合軍の敗戦で終わったものなので日本では影の薄いものとなっているようです。

店に入るや否や雨が降り始めました。9月16日の日曜日は旧暦8月1日の新月で大潮。相変わらずHCM市の彼方此方では道路の冠水があったようです。恥ずかしながらつい最近までこの大潮の時のサイゴン川の水位の上昇は海水面が上昇して川を遡上することによって起こる現象だと思っていました。「潮」というのが海水を意味する言葉のようだし。しかしメコン河の水位を調べてみると海水の遡上ではなく、河自体が干満の影響を受けるものであることに気付きました。

ベトナムで何で今も旧暦が多く使われているのかが分かったような気にもなりました。特にメコンデルタなどでは水位の変動は日常生活に直結する問題です。

     

白藤江の戦いは、川底に多くの杭を打ち、元の水軍を川の上流に誘き寄せて干潮になった時を見計らい一斉攻撃を仕掛けて打ち破ったものだそうです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%97%A4%E6%B1%9F%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84_(1288%E5%B9%B4)

旧暦3月8日とあるので、ちょうど新月と満月の中間で水位の最も低い時期です。ベトナム北部でもたぶんこの季節は雨が少なく水位が低下し、それ故干満の差が顕著だったのだろうと思います。

1979年の中越戦争から33年の今年、南沙諸島を巡る対立はあるものの戦火を交える可能性は大きく減少した状況にある中越関係。それでもベトナムにとって中国が最大の軍事的脅威であることに変わりはないようです。



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