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今年も1万人以上の特赦

2012-09-24 02:47:48 | 社会

サイゴンでの観光客のひったくり被害は相変わらずのようで、先日ベトナムに来た友人と同じツアーに参加した日本人女性がドンコイ通りでパスポートや貴重品の入ったバックを盗られたそうです。観光客の減少が心配されるほどひったくりが頻発していた一時期に比べればたぶん件数は減少していると思っていたのは間違いだったのかも。

9月2日のベトナム独立記念日には今年も特赦が行われ、昨年同様の1万人以上が出所したとのことです。入所者数の約1割と言われているので受刑者総数は約10万人ということに。

http://vtv.vn/Article/Get/Hon-10000-pham-nhan-duoc-dac-xa-tren-toan-quoc-04e079e02e.html

日本の受刑施設も定員オーバーとのことですが、たぶんベトナムではより深刻な状況あるようで、2010年の特赦人数は日本の受刑者総数に匹敵する3万人だったとのこと。9月2日の特赦以外にも毎年旧正月のテトには各受刑施設で減刑措置が取られています。

特赦によって出所して直ぐにまた犯罪を犯す例も度々記事になっています。離婚した妻を刺して2007年に9年の刑を宣告された男が2011年の特赦で出獄し、2ヶ月後に元妻に復縁を迫り、拒否され、勤務先の学校を訪れ再び刺して今度は死に至らしめたという事件や、一度は死刑判決を受けた麻薬密輸のラオス人が終身刑に減刑された後特赦で出獄し、今年再び麻薬密輸で逮捕され、今回は死刑を免れようもありません。

http://nongnghiep.vn/nongnghiepvn/72/25/25/93732/tu-vu-xuan-truong-den-trum-ma-tuy-xieng-phenh.aspx

麻薬・覚醒剤の売買や運搬に死刑が適用されるためベトナムでは死刑判決を受ける女性の数が多くなっています。今年になってから新聞で報道された一審での死刑判決は39名、この中6名の罪状が麻薬売買と麻薬運搬で4名が女性です。また、殺人以外の罪では横領で2名(男性)が死刑判決を受けています。

南北の比較では北部の方が凶悪犯が多いとの思い込みがありました(ハイフォンのやくざの抗争やバクザン省での宝石店殺害強盗事件などのイメージが強く)が、死刑判決を受けた人数は北部は7名み。南部が圧倒的で多くはHCM市に集中しています。しかも、酒に酔った勢いで、という情けない殺人も多く、鶏を盗んだと疑って隣人を殺してしまったり、煙草一本をくれなかったからと恨んでのことなどというものも含まれています。

ベトナムでの死刑執行は今だに銃殺刑のようで、その様子の動画をネット上で見た時は驚きました。ベトナム語の「tu hinh」で検索すると直ぐ見つかります。恐らく最近は死刑執行数は少なくなっているようで、そのため死刑犯は400名ほどになっているとのことです。また、薬物による刑の執行に変更する予定でもあるようです。9月2日の特赦の際には、300名の刑の執行延期と猶予とあるので、これが死刑囚に対する措置だと思われます。

http://us.24h.com.vn/an-ninh-hinh-su/chua-the-thi-hanh-an-tu-hinh-bang-thuoc-doc-c51a460728.html

バクザン省での犯人が18才に2ヶ月ほど満たなかったため未成年として18年の有期刑となり、未成年の犯罪者に対する論議がベトナムでも取り上げられていました。ベトナムでは満18才で青年とされ、16才~18才までの犯罪者の最高刑が18年と規定されています。

犯罪の低年齢化は確実に進行しているようで、儒教の影響が強いと言われながらも市場経済化と物欲の前には色褪せているようで、孫が祖父の財産を盗んで実刑判決を受けたという記事も2件ほど目にしました。

中部クアンビン省の農村での事件は高校3年生の孫娘が夜中の1時に祖父の家に行き、酒に酔って眠っている81歳の祖父の首を絞めて気絶させポケットの中から440万ドン(16,500円)を奪ったというものです。眠っている人間の首を絞めるというのは殺人行為のように思えますが、被害者の嘆願書が提出されたこともあって罪名は窃盗のみとなり、3年の有期刑判決が下りました。

http://phapluattp.vn/20120425070340797p1063c1016/nu-sinh-lop-12-bop-co-ong-noi-cuop-tien.htm



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