常識について思うこと

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「負の分配」からの脱却

2008年06月08日 | 政治

ある著名なジャーナリストの方の講演を聞きました。そのなかで、1955年以降、日本は高度成長期であり、政治は「富の分配」をすればよかったけれども、バブルが弾けて以降、「負の分配」をしなくてはいけなくなり、それが今の日本の政治が抱える大きな問題であるという指摘がありました。

私も、本当にその通りだと思います。上記を理由に、政治家の不甲斐なさを責めるのも結構ですが、そもそも日本経済が成長しなくなったことが、日本の政治を含む諸々の問題の根っこにあるのではないかと思うのです。そして、それらの問題は、日々何らかの経済活動を行っている私たち自身にも起因していると思います(「総裁ばかりを責めないで!」参照)。

また同時に思うことは、経済の成長が停滞し、税収が頭打ちとなり、福祉などの支出ばかりが増えて、「負の分配」をせざるを得ないというネガティブな思考ばかりしていても、何も始まりません。支出が増えるのなら、経済を成長させて税収などの収入を増やせばいいだけの話です。そうすれば、政治の役割も「負の分配」から「富の分配」へと転換しますし、社会全体がプラスに向き始めます。もちろん、出ていくお金の中身を検証したり、削減したりといった議論も必要です。しかし、少なくとも私自身が、一国民としての立場や権限でできることは、国の支出の削減ではないため、いかに国の収入を上げるための経済活動を展開していくかということになります。そして、そういう活動は、たとえ今日現在、目に見えるかたちとしてすぐに表れなくても、地道に続けていくことで、必ず効果を発揮する日が来ると思うのです。

立場や権限などの問題で、できないことはたくさんあります。しかし一方で、立場や権限を超えて、ひとりの人間としての責任範囲内でできることも、たくさんあることは事実だと思います。

「豊かな社会作り」、「暮らしやすい社会作り」などと言うと、政治に携わる人々のキャッチコピーのように解釈されがちですが、それらは政治家だけの仕事ではなく、社会の構成員たる私たちの仕事でもあります。「負の分配」しかできなくなった政治家を責めるだけではなく、「富の分配」をできるような豊かな社会を作るのは、私たち国民ひとりひとりの仕事でもあることを、きちんと自覚できるようになれば、社会はもっと良い方向に動いていくのではないかと思います。

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