常識について思うこと

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家康から学ぶこと

2010年03月11日 | 人生

Twitterで、こんなことを書きました。

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歴史上の人物を敬ったり、手本にするのは良いことだと思います。ただし、憧れは危険です。敬うと同時に、その限界を知ることも大切です。誰かに憧れているうちは、真に自分らしい生き方など貫けません。今を生きているなら、既に死んでしまった歴史上の人物を越えなければならないのは当然のことです。
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この真意については、既に述べている通りです(「歴史上の誰よりも偉い人」、「龍馬がやり残した仕事」等参照)。歴史上の人物に学ぶことは大切ですが、その限界に目を向けず、ただ尊敬するだけでは、自分の生きる道を見失うのではないかと思うのです。ところで、こんなことを書いていると、「お前はどうなんだ?」というツッコミがあるかもしれないので、簡単に自分のことについて記しておきます。

ミクシィの私のプロフィールでは、2010年3月現在、「好きな有名人」という欄に、以下のように記載してあります。

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天道総司(仮面ライダーカブト)、ベルダンディー(ああっ女神さまっ)、セイバー(Fate/stay night)、ラクス・クライン(機動戦士ガンダムSEED)、メレ(獣拳戦隊ゲキレンジャー)、レイラ・ハミルトン(カレイドスター)、真紅(ローゼンメイデン)、大原さやか、ゆかな、田中理恵、戸松遥、沢城みゆき、槇原敬之、徳川家康、関羽雲長
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はっきり言って、歴史上の人物は、それほど含まれていません。一応、関羽さんもいますが、これはどちらかというと漫画・横山光輝さんの「三国志」に出てくる「青龍偃月刀を振るう関羽」が好きというレベルなので、歴史上の人物として、どうこうという話ではないように思います(一応、歴史上の人物として捉えて、彼に限界があったとするならば、劉備という人物の弟に収まってしまったこと・・・でしょうか)。そういう意味では、唯一、徳川家康のみが、私の好きな歴史上の人物ということになるのかもしれません(最近は、織田信長の心境も分かる気がしたり、いろいろとありますが、とりあえず、ここでは細かいことは省きます)。

徳川家康という人物については、時間をかける生き方に共感を覚えます。以下はブログ記事、「大きな矛盾を抱えるべし」からの抜粋です。

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徳川家康という人物を喩える言葉として、「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」というものがあります。これは戦をしなければならない戦国大名として、戦の時代を終わらせるという矛盾に対して、彼なりに「時間をかける」という生き方で、見事に解決したことを示しているように思えてなりません。もちろん、戦をすること自体、戦国大名としての宿命であり、それを完全に避けることはできませんでした。そういう意味で、彼の「鳴くまで待とう」も完璧ではなかったのだろうと思います。

しかし、少なくともそれ以前の戦国大名が、自分の覇権によって戦国時代を終わらせようと、自らの武力を持って、他者の武力を制するという手法に頼ったのは、偉大なる「時間の力」を見失った行為のように思えてなりません。その点、徳川家康は「時間の力」の凄さを知っており、それをうまく活用することで、長らく日本全体が、概ね秩序を保ち続けられる仕組みを作り出したのではないかと思うのです。戦国時代にあって、「真に平和な時代をもたらしたい」と願う大きな志は、それに見合うだけの長い時間をかけたからこそ、次の時代の礎を築くという偉業を可能にさせたのではないかと思います。
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時間を味方にするというのは、とても大切なことです(「時間との付き合い方」参照)。徳川家康という人物は、それをとことん実践したのであり、その生き方は、平和社会の基盤作りに、非常に大きく貢献したのではないかと思います。

ただし、彼の限界は、天皇の部下である将軍に収まってしまったことです。戦国時代の末期、当時の日本に平和をもたらすためには、新しい強固な幕府を開くということで事足りたのだと見るべきでしょう。したがって、ここに彼の落ち度があった等と考えてはならないと思います。しかし、このことは、のちの西欧列強と対峙していく時代において、国家の最高位にある天皇との関係で、様々な問題を引き起こすことになりました。結果、明治維新での薩長勢力による力技を許すほかなく、現代に至っているわけです。

その後、時代は大きく変わりました。そもそも、平和な社会の実現は、日本に限らず、地球全体で達成されなければならなくなりました。さらに、そうした新しい世界の平和を実現するにあたって、私たちは、誰か特定の人間の部下として振る舞う必要はなく、一国の主権者として行動できるようになっているわけです。これは徳川家康ですらできなかったことを達成できる環境に、私たちがいるということでもあります。こうした今日における私たちの環境、あるいは地位は、徹底的に活かしていかなければいけません。

徳川家康という人物の生き方には、とても強い共感を覚えます。しかし、それは憧憬ではありません。かつての徳川家康が生きた時代、彼が為したことと為せなかったことの両面を見据え、その限界を理解した上で、現代に身を置く自分の生き方に反映していかなければいけないと思うのです。

-適当に収まってはいけない-

これが、私なりに徳川家康という人物から学ぶことなのです。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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Unknown (ダイヤモンド王)
2010-03-23 11:48:28
私は歴史好きです 歴史を読むのは ってか歴史小説ですが歴史小説っていうくらいなんで 全部本当じゃないんですが 事実がないところには書けないわけで 小説よりも事実の方が圧倒的に面白い点から考えて 本当のこととして読みます。

そこで何を考えるかと言うと 心を平坦にするため!を一番念頭において読みます、

歴史小説を読んで気分を高めてもしょうがないわけで、、
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平坦にする (竹内一斉)
2010-03-23 12:27:21
タイヤモンド王さん、コメントありがとうございます。

心を平坦にするためというのは面白いですね。たしかに、歴史小説を読んで舞い上がり、その気になってとんでもない言動をする方もいらっしゃるようですから、そういう心構えは大切かもしれません(笑)。
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Unknown (ダイヤモンド王)
2010-03-24 14:11:22
日常でムカつくことがあったり 理不尽だと思うことや 人を妬ましく思った時歴史を読んで心を平坦にします、そのつもりで読んでるわけではないのですが、歴史読むとどこかに自分に似たやつがいて、その行動を考えたりして楽しみます。
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なるほど (竹内一斉)
2010-03-24 14:27:40
ダイヤモンド王さん、コメントありがとうございます。

なるほど。そういう楽しみ方も面白いですね。
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