常識について思うこと

考えていることを書き連ねたブログ

ウルトラマンで思うこと

2008年08月01日 | ヒーロー&アニメ

いろいろなストーリーのなかに、様々な正義の味方たるヒーローやヒロインたちがいます。彼らは、それぞれ個性的であり、魅力的な存在ではありますが、私から見たとき、そのなかでもウルトラマンというヒーローは、少々別格のような気がしてなりません。ウルトラマンは、その名の通り「超人」だと思うのです。それは、以下の理由に拠ります。

①究極的に他人のため
ヒーローやヒロインは正義のため、みんなのために戦ってくれたりしますが、それらの戦いは、必ずしもみんなのためだけにあるのではないような気がします。何故なら、それらの戦いの大部分が、彼らヒーローやヒロインたち自身のための戦いであることも多いように思うからです。

例えば、仮面ライダーも、立派なヒーローではありますが、彼が戦っているのは、地球と地球に住んでいるみんなのためです。しかし、地球のためというのは、結局のところ仮面ライダー自身のためでもあります。それは、地球という星が、仮面ライダー自身が住んでいるところでもあるからです。その意味で、仮面ライダーの「地球のための戦い」は、「仮面ライダー自身のための戦い」と言うことができると思うのです。

これに対して、ウルトラマンは地球に住んでいるわけではありません。遥か彼方のM78星雲からやって来たりするのです。端的に言えば、地球がどうなろうが、ウルトラマンにとっては他人事です。しかし、それでもウルトラマンは、地球に怪獣が現れれば、地球のために戦ってくれますし、怪獣を倒したら、さっさと地球を離れてしまう(特段、地球上でウルトラマンとしての生活を営むわけではない)のです。

私は、様々なヒーローやヒロインがいるなかで、これほどまでに究極的なかたちで、他人のために戦うヒーローは、いないのではないかと考えます。

②一切愚痴を言わない
最近の映画などでは、ウルトラマンがしゃべったりするようですが、基本的にウルトラマンは言葉を発しません。多少、戦っている最中に声を出すことはあっても、ウルトラマンが愚痴を言ったり、悩んだりということはないのです。もしかしたら、彼らなりに悩んだり、苦しんだりという葛藤もあるのかもしれませんが、そうした姿を私たちに見せることは、まずありません。ただ黙々と、地球のために戦うウルトラマンの姿には、通常の人間にはあり得ない、とてつもない強さを感じます。

こうしたウルトラマンの振る舞いや強さは、人間の域をはるかに超えており、まさに「超人」であると言うことができるのではないかと思うのです。しかし一方で、ここには地球人としての私たちには理解できない、宇宙人たるウルトラマン独特の宇宙観があるのかもしれないとも考えます。

通常、生活空間を地球までしかイメージできない人々にとって、地球という星が、宇宙全体において、どのような位置付けにあるのか、あるいはどのような役割を果たしているのかは分かりません。「地球など、宇宙全体で言えば、ものすごくちっぽけでゴミのような存在」と言うことはできますが、それは単に物理的に可視化されている事実を述べているだけであり、宇宙全体の仕組みや働きを知らない地球人が、そう断じるべきではありません。地球までしか考えることができない地球人には、宇宙における地球の存在意義について、理解することはできないのです。

もしかすると、地球が平和であることが、宇宙全体にとっての平和に繋がっているのかもしれません。宇宙に住み、宇宙の仕組みや働きを知っているであろうウルトラマンにとって、地球のために戦うということは、けっして他人事で済まされない意味を持っているのかもしれないということです。それは、地球人としての私たちには分からない世界であり、まさに宇宙に住むウルトラマンだけが知り得る世界である可能性があるのです。

そして、そんなウルトラマンにとって、地球しか知らない(あるいは、自分の国家くらいしか考えられない)人間たちの前で、愚痴を言ったり、悩む姿をさらけ出したりということは、あまりに無意味なのかもしれません。たとえ、ウルトラマン同士の間で、お互いの悩みを打ち明けたり、愚痴を言い合ったりすることがあったとしても、所詮、人間ごときに何を言っても無駄であることを熟知しているウルトラマンが、私たちに悩んだり、迷ったり姿などを見せるはずなどないだろうということです。

ウルトラマンの「超人」としての、振る舞いや強さを感じながら、ふとこんなことを考えました。そして、これからの世界において、科学と宗教が交わるところで、人類が宇宙の仕組みや働きを知り、地球人ではなく、宇宙人としての自覚ができるようになったとき、私たちは、ウルトラマンの振る舞いや強さをもう少しきちんと理解できるようになるのではないかと思ったのでした。

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