バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

人はがんに関心あるか

2008年10月10日 | 胃(全般)

私は胃がんの発見に従事する放射線技師であります。
特に早期の胃がんの発見に全力をつくしております。

さて、最近思うのですが、人はガンについて日ごろから考えているのでしょうか??
たぶん人は自分がガンになる。もしくは知人が、ガンになって初めてガンに対して意識し始めるのではないでしょうか。

私は仕事がら胃がんについて接しているため、胃がんについて意識が強いのだと思います。

乳がんについて学習している人は、乳がんに関心があるでしょう。
肺がん、肝臓がん、子宮がん、大腸がん・・・。その他、がんはたくさんあります。

毎年、検診を受ける方は心配していないのですが。問題なのは受けない方です。
何のための検診なのか。

やはりがんに関心ある人間が、進んで検診アピールをしないといけないのではないでしょうか。

バリウム出ない!!

2008年10月09日 | 胃X線を受診される方へ
昨日、バリウムを飲んだが、まだ今日になってもバリウムが出ないのですが……。
という問い合わせを最近受けました。

それに対しての解答です。
バリウムが腸内に固まりそのまま放置すると
腸が破れたりして、最悪の場合は死につながります。
腸が破れることを一般に消化管穿孔と呼んでいます。
この穿孔はバリウム飲んだ2日後あたりにくるそうです。

翌日になっても白いような便が出ないようなら、すぐ近場の医療施設で検査を受けていただきたいと思います。
①お腹のX線写真が撮影できる
②腸内をきれいにできる(浣腸できる)
など
消化管を適切かつ迅速に対応可能である大きな病院へ、相談しに行っていただきたいと思います。

胃透視に役立つホームページ

2008年10月05日 | 早期胃がん発見 Point
バリウムを用いた胃の症例検討で大変ためになるホームページを、今日はいくつか紹介します。

ご存じの方も多いと思いますが、馬場塾や大阪消化管撮影研究会は、非常に胃透視に関して力を入れている団体であります。

私は、ホームページの会員に入っているので、パソコン上で症例をみて勉強させていただいております。

消化管撮影に興味のある方で、ご存じなかった方はぜひとも一度、見てみてください。非常に勉強になりますよ。正会員にならないと症例を見ることはできませんが・・・。お金を出す価値は大ありですよ。
下からでも、見ることができます。よかったらクリックしてみてください。↓↓


馬場塾↓↓
http://www.babajuku.com/

大阪消化管撮影研究会↓↓
http://www.ossk.ne.jp/



将来の夢!大変な労力を必要とすると思われますが、こういった勉強会を近場で作り上げたいですね~

がん5年生存率,公表

2008年10月03日 | 胃(全般)
がん専門病院の5年生存率の公表記事が以下に掲載されています。

            ↓↓
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810020339.html

これを見ると各施設によって生存率が違います。
一概には言えない結果だと思います。患者の重症程度によって違ってきます。あくまで参考程度だと思います。

集団検診施設のがん発見率、及び早期がん発見率もしっかりと一般公開したほうがよいのでは?? と私、集団検診従事者は感じます。
一番大事なのは、1次スクリーニングを行っている施設のレベルを見ることではないでしょうか・・・。

胃癌の自然史 を見てみよう。

2008年10月02日 | 早期胃がん発見 Point



胃癌の自然史を知る目的としては以下が考えられるようです。



○胃癌の自然史を知る目的

  臨床的視点から胃癌の自然史を知る目的として

〔1〕 微小な早期癌の発見効率を高める

〔2〕 発育速度の速い、悪性度の高い癌の特徴を知る

〔3〕 胃癌の発育速度から、検診の検査間隔を設定する

〔4〕 胃癌のうち穏やかな発育をするものを内視鏡的粘膜切除術の適応に設定する


次に早期胃がんの経過を観察した場合の結果は以下のとおりのようです。



○ 早期胃癌の経過観察

 内視鏡生検で早期がんと診断され、6ヶ月以上追跡された71例を対象とした観察。56例を長期間追跡。
経過中、20例は早期胃癌のままであったが、36例は進行癌へと進展した。
早期癌から進行癌への進展に要する時間は44ヶ月であり、5年間の観察期間中進行癌へ移行する累積確立は63%と見積もられた。
また、手術がされなかった38例の5年間の累積死亡率は37%と見積もられた。
この結果、早期胃癌は放置されると死に至る疾患であるが、その発育経過にはばらつきがあり、比較的穏やかであると考えられた。



次に胃がんの進展について・・・。


○胃癌の進展様式

 胃癌を肉眼像、進達度、組織型等の特徴で分類して観察した研究から、

〔1〕胃癌の発育速度を左右する最大の要因はsmに浸潤するか否かである

〔2〕組織異型度の低い隆起型腫瘍の中に、除じょに水平方向へ増大し異型度が明瞭な癌になる病変が存在する

〔3〕未分化型癌は分化形癌に比べて垂直、水平方向への進展が早く、リンパ節転移を起こしやすい

〔4〕隆起形は、潰瘍非合併陥凹型に比べて発育が遅くリンパ節転移を起こしにくい

などといったことが提唱されている。

長期間の観察で早期癌に留まっていたものは、すべてm癌であり粘膜筋板がbarrierの役割を果たすことが推測されている。



最近、検診間隔が2年空いている人で、進行胃がんとなってしまっている人の写真を多く見ます。


毎年、定期的に受診していただきたいです。




今回は
http://www.happycampus.co.jp/docs/983432282701@hc05/1243/

から、引用しました。


カメラでもない、ドックでもない、集団検診で見つけるのですよ。

2008年10月02日 | 胃(全般)
写真には、胃がんが写っております。内視鏡結果は胃がんという掲載のみ・・・。
最終結果まで追えていないのが残念です。

私見としては、分化型のⅡa+Ⅱc様と思われます。肉眼的には早期の胃がんと思われます。


内視鏡写真との対比を行って、実際にX線的に病変を的確に捕えているかを検討したいです。それがレベルアップに繋がると思うから・・・。



X線的に集団検診という短時間で発見する、そのレベルは内視鏡に決して劣らない。このレベルはかっこいいと思いませんか!?


X線検査に情熱を燃やす技師さんが増えたらなぁと思います。