バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

胃がん発見率の限界は??

2009年03月26日 | 5年生存率や発見率
対策型検診は、集団の胃がん死亡者の減少を目的とするものであり、一般的には集団検診のことを指します。
最近疑問に思うことは、胃集団検診の胃がん発見率の最高値はおよそどのくらいを指すのでしょうか??私的に最近の胃がん発見率は0.30~0.40%くらいをうろうろしています。
この数値は、受診者の年齢や男女比によって大きく影響してくるため、客観的な数値を正しく導きだすことは難しいかもしれません。
しかしいずれにしても、胃内視鏡検査と比較して、胃透視の胃がん発見率は低いのは事実です。 どうも私は内視鏡検査をライバル視する傾向が強いようです。胃透視的に胃がん発見率は0.30%くらいでも、早期胃がん発見率が80%を超えるようなら、良しとしてよいものなのでしょうか。

胃透視で発見できるがんの限界はどのあたりなのでしょうか??ある本を読んだときの記憶が今でも残っているのですが、限界は自分が決めるものだと思います。精神論になるかもしれませんが、自分が限界だと感じたところが線引きになるという意味だと思います。
対策型検診の個人的な目標は、胃がん発見率0.50%以上、早期胃がん発見率は90%以上を目指していきたいです。表面平坦型の胃がんはわずかしかありません。そして分化型の胃がんであれば、胃透視上で5mmから発見が可能だというデータが出ています。当施設では高齢者が多いため、分化型のいわゆる腸型の胃がんが大半を占めます。

以下に普段から気をつけている私的な考えを列挙します。

① 胃がんの肉眼形態、特にごく初期の胃がんの現れ方を知る。
② 胃内を限りなく透視観察を行い、わずかな凹凸所見を見逃さない
③ 高危険群に対しては、撮影中任意に寝台や、わざとゲップを出させたりし、空気量を調節させて、胃粘膜の変化を見る。ヒダの集中が目立つようになることもあるため。
④ 胃角や前庭部、p-ringなどは病変が存在しても、接線方向として描出されやすく、ルーチンでは描出不良となることが多いことを認識しながら、注意深く撮影や透視観察を行う。
⑤ わずかな側面変形が認められたとき、場合によっては立位や腹臥位圧迫を試みるのも手だと思います。 先日の勉強会でも話題になりましたが、ありとあらゆる手技をもって、相手に望む!!これこそ早期発見に重要なポイントといえましょう。

追記)同じく熱意を持っている方のblogを拝見しました。もしよければご覧ください。http://necosogi.seesaa.net/category/4411658-1.html