高濃度バリウムで指摘できた、前壁下部に存在する病変の透視観察に触れます。
熟知している方にとっては当たり前の話だと思いますが、初心者の方には大切なことです。バリウムの流れを視る。体得しましょう。
下の写真をご覧ください。
透視台を水平から逆傾斜していくさいおよそ黄色い矢印にそって、バリウムは流れていくと思います。
透視観察で前壁下部の病変を発見するタイミングは、逆さまにするときです。逆にいえば検査中に、前壁下部の病変を指摘できないのは逆さまにするさいのバリウムの流れをみていない証拠といえます。
胃透視は動画的に動態的に、病変を発見していくものです。動的にバリウムのはじきを見れば、早期胃がんも比較的容易に発見できます。
そしてもう一点、重要なことがあります。椎体との重なりは、病変の存在を危うくしてしまう恐れがあります。バリウムの付着が良いからと言って安心はできません。
参考症例を載せておきます。
①基準撮影
これは後壁寄り病変ですが、椎体との重なりには意識しておきましょう。
②追加撮影
二重造影法第1法だけに頼らず、第2法を駆使すべし!!
ローリングだけに頼らず、ピッチングも行う。いわゆる左右交互変換も多様する。動態的に透視を行えば、早期胃がんもどんどん姿を表します。