バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

胃X線撮影法

2009年01月07日 | 胃X線を受診される方へ

胃X線の撮影法には、大きくわけて4つあります。
①粘膜法
②充盈法
③圧迫法
④二重造影法
ここでは、今日広く用いられている、二重造影法圧迫法の利点や欠点といった特徴について、簡単に掲載しようと思います。

二重造影法は、バリウム(陽性の造影剤)と空気(陰性の造影剤)のコントラストの差によって粘膜面を映し出すものです。前の記事にも書きましたが、最近では高濃度バリウム製剤が開発され、微細な病変を捉えることが比較的、容易になってきました。
二重造影法の利点は、微細病変の認識が可能であることや胃の辺縁の凹凸変化がわかることなどが挙げられます。
欠点は、胃内に多くの空気量が必要なため、ゲップを我慢しなければならないこと胃液が多い場合、バリウムがべたついたり凝集したりし、微細病変を認識しにくくなることなどが挙げられます。そして、高齢者には頻繁な体位変換の困難な場合が多く、胃内全体にバリウムをきれいに付着させにくいなどが言えます。 今度は圧迫法について見ていきます。

圧迫法は、粘膜面の凹凸をはじめ、胃壁の肥厚変化を表現できると言えます。撮影体位には立位と腹臥位があります。
利点は、胃壁の肥厚変化がわかるので、深達度診断に威力を発揮するということ
欠点は、二重造影法に比べて技術が難しく、熟練に左右されやすいこと一度に表せる範囲が狭いこと圧迫できない箇所が存在することや、体型によっては圧迫できないことが挙げられます。 私は圧迫法に不慣れなためでしょうか。

圧迫法では、欠点をついつい多く述べてしまった懸念があります。私的には、二重造影法で微細な粘膜面を描出させ、異常が疑われた場合には、二重造影法でその病変の正面像と辺縁像を捉える。そしてその病変の硬化を見る場合に、圧迫法を用いればよいと思っております。 高齢者には、二重造影法は不向きなことがあると述べました。体位変換が困難な場合には、圧迫法で二重造影法をカバーすることが良いのかもしれません。 撮影法に関しては、さまざまな意見があるかと思います。また、何か意見がありましたらいろいろと教えていただきたいと思います。