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バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

急性胃粘膜病変

2009年11月15日 | 胃X線読影
こんばんは。
今日は、胃透視をしていると、耳にする用語のひとつをご紹介します。

急性胃粘膜病変、AGML(acute gastric mucosal lesion)です。

急性胃粘膜病変は、突発的な腹痛や消化管の出血などの腹部症状を伴い、内視鏡検査で、胃粘膜に異常の所見を認めるものとされています。

AGML...。胃透視の紹介後で行った内視鏡結果の診断書をみたときにも、たまに見かけます。

胃と腸 胃悪性リンパ腫

2009年11月03日 | 胃X線読影
胃と腸 2009年 04月号 [雑誌]

医学書院

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「癌や炎症と鑑別が困難な消化管悪性リンパ腫」


胃の病変では、特に、命の危険性が高いとされる胃がん。
しかしながら、胃の病変はがんだけではありません。

例えばそう、悪性リンパ腫があります。悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化した悪性腫瘍です。

悪性リンパ腫は、しばしば胃がんとの鑑別に悩まされます。

そういった鑑別の糸口となる詳細検討が、この胃と腸にはなされています。
勉強になります。

自施設だけの症例検討のみでは数が少なく、おのずと出会う症例は限られています。
勉強会への参加や書籍の読みこみなど、利用できるものはしたいものです。


巨大皺襞、巨大ヒダ

2009年10月25日 | 胃X線読影
おはようございます。

今日は、胃透視をしていて、耳にする言葉を簡単に紹介します。

今日は、巨大皺襞(きょだいすうへき)です。



巨大皺襞とは・・・胃底腺部のヒダが、著明に肥厚し、脳回状を呈する状態のことを指すそうです。

胃の粘膜ヒダの大きさは通常5mm前後のうようですが、1cm を超えるものを巨大ヒダすなわち、巨大皺襞と判断するそうです。


巨大皺襞を伴う主な疾患は、肥厚性胃炎や胃がん、胃悪性リンパ腫などいくつかあるようです。
実際の撮影現場では、それぞれの特徴をつかんだうえで、追加撮影するなり、試行錯誤することが求められるのでしょう。


蚕食像

2009年10月12日 | 胃X線読影
こんにちは。

今日は、普段胃透視をしていて、出会うことのある用語について簡単に触れます。

「蚕食像」
についてです。

蚕食像は、Ⅱc型の胃がんに認めれることが多く、陥凹型の胃がんに認められることが多いようです。

蚕食像は、蚕が桑の葉を食べる際、その桑の葉の形態が似ていることの由来されているそうです。

* 蚕→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B3

蚕食像はまたの名を、虫食い像ともいうそうです。

すでに知っている方も大勢いると思いますが、今日は、簡単に胃透視出会う用語について触れました。


それでは、皆さま、良い連休を。

マクロとの対比

2009年09月17日 | 胃X線読影
胃癌X線読影法─ネガ像,ポジ像の対比による難読影103症例の解析─
中村 信美
医療科学社

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こんばんは。

今日、頼んでおいた書籍が届きました。

書店で眼にしたとき、この「胃癌X線読影法─ネガ像,ポジ像の対比による難読影103症例の解析」が、マクロとの対比が可能な症例が多くあることに驚きました。

普段、胃透視をしていて、胃癌の症例に出会った場合、ルーチン検査で、本当にその胃癌全体を、X線写真に表現できたのか??あるいは、胃癌の肉眼形態を表現することはできたのか、などが気になります。
その出会った胃癌症例の手術標本を、あとでマクロ的に見ることができれば、本当にX線写真で描出できていたのかなどを検討することができますが、実際の検診現場ではそのようなことが容易にできないのが現状です。


しかし、胃癌X線読影法─ネガ像,ポジ像の対比による難読影103症例の解析を手に取ることで、あたかも自分がその症例に出会ったかのような、そして、興味を引くような内容となっています。

本日、うちにその胃癌X線読影法─ネガ像,ポジ像の対比による難読影103症例の解析が届きました。
また明日以降、みんなでその本を手にとって、検討していきたいと思っています。



ヒダの先端をチェック

2009年07月25日 | 胃X線読影


今日は、シェーマで早期胃がん発見ポイントを解説します。

読影の手順の一つに、ヒダの走行を読むこととあります。
普通、ヒダは大彎ラインとほぼ平行に走ったりしています。

しかし、シェーマにあるように、ヒダが小彎方向に向かって走ったり、ヒダ先端が先ぼそったりする場合があります。
その場合には、ヒダの先端に透亮像がないか、あるいはバリウムの溜まりがないかなどを確認し、異常かどうかを判断しなければいけません。

多くの場合は、周囲粘膜と同じように描出されるため、異常なしですが、
このシェーマのように、所見による凹凸が認められることもあります。

早期胃がんをはじめとする所疾患を発見するためにも、常日頃から、ヒダの先端に対して、バリウムを流したり溜めたりするように意識しましょう。





技師1次読影の基準化

2009年07月21日 | 胃X線読影
今日は、日本消化器がん検診学会雑誌2009.vol.47 No.4に掲載されている記事で、特に興味をもった文章について話します。

特に印象に残ったのは、技師1次読影の基準化について書かれた内容です。


撮影技師が、追加撮影した病変に対して、どのような所見であったかを記入する。いわゆる技師所見レポートの有用性が高く評価されている昨今ですが、
具体的な基準化がなされていないのが現状です。

基準化がないと、どうしても撮影者個々の力量に左右されてしまい、統一された所見レポートを作成しにくいようです。
そんな問題を解決させるために、読影の基準化を行ったのが、S病院さんでした。


私は、内容の良さに感動しました。

フローチャート式で説明されておりなおかつ、症例写真を掲載しながらのカテゴリー分類は、非常に読影の手助けになると思いました。
隆起性病変なら、立ち上がり→大きさ→表面性状など。
病変に対する読影の一連の流れが理解しやすいです。

陥凹性病変であれば、陥凹面の形状と辺縁の性状→ひだ→陥凹表面→陥凹周囲の粘膜という順に記されていました。

読影に慣れ親しんでいる人は今更、わかっていますよ。と答えるかもしれません。
しかし前述したとおり、撮影者全員が読影に精通しているわけではないのが現状です。


まだ見ていない方は、一度見てみてください。
撮影者みなが共通の知識をもって読影できる、確かな基準化がなされている内容だと思います。まだ検討段階のようですが、今後の発展に期待です。


側面像のシェーマ

2009年06月13日 | 胃X線読影


おはようございます。
今日は、消化管がんの側面像における側変形の型分類を引用させていただきました。
左から無変形、角状変形、弧状変形、台形状変形とあります。

側面を描出する際の一つの参考になるのではと思い、アップさせていただきました。


積極的に側面像

2009年05月27日 | 胃X線読影
おはようです。
最近、追加撮影のひとつである、病変の側面像を積極的に撮影するようにしました。
隆起性病変なら山田分類の判断が容易にでき、良悪の鑑別や、悪性ならばがんの深達度診断がしやすくなります。
陥凹性病変においても潰瘍の深さや、良悪の鑑別などに役立ちます。

さてこのようなことから、追加撮影しています。
ところが、なかなか思ったようにはいかず、側面の描出に悪戦苦闘しています。
特に浅い陥凹になると、正常範囲とあまり大差がないためか、透視をしててても側面にもって行くのが容易ではありません。
もしかしたら病変の正確な場所を把握していないため、側面像に苦労しているのかもしれません。

側面像を体得していくためにも、今後も引き続き、正面側面の追加撮影を繰り返し行っていこうと思います。
やはり慣れなのかなぁと思ったりします。
先日の、上部悪性病変の側面像に失敗してしまい残念な思いですが、引き続き挑戦していこうと思います。

ちなみに追加撮影である、二重造影の第1法2法はある程度できるようになりました。病変範囲全体の描出や、病変内部の凹凸を描出する技術は、できるようになってきました。
少しずつではありますが進歩してきてるとは思います。

検診での病変発見からすると、正面像をしっかり撮れば良いと思っていましたが、やはりもう一歩踏み込んで、側面像もしっかり撮れるようになっていきたいと思います。

びらん Ul-Ⅰ良性 

2009年05月20日 | 胃X線読影
陥凹性病変の指標には、村上分類のUl-Ⅰ~Ⅳがあります。

Ul-Ⅰであるびらんは、粘膜内に留まり、粘膜筋板に及ばないものを言うそうです。
線維化を起こしておらず、胃潰瘍には含めないそうです。

胃の疾患にはさまざまなものがありますね。少しずつ勉強していくほかに、極める方法はないのかもしれませんね。


④ 造影効果

2009年05月16日 | 胃X線読影

今日は読影の基礎。第4段。
まず、胃の読影を読影するさいには、バリウム付着につい行うさいには、いきなり病変に飛びつくのではなく、その写し出されている撮影画像のバリウム付着をみる必要があります。

付着が悪いと、病変がよくわかりませんし、もし病変が存在しても、病変の良悪鑑別が困難なことが多いです。


「写っているのは、胃ではなくバリウムである。」
有名な言葉ですが、つねにこの言葉を頭に入れて撮影していきたいものです。


読影の手順

2009年04月19日 | 胃X線読影

胃X線では、術者が病変の存在に気づき、追加撮影をし、病変の発見に努めることがいかに重要であるかと伝えてきました。

今日は、そんな病変発見を可能とするための読影の基礎を記入していこうと思います。
敵(病変)を知っておかなければ、発見することは難しいでしょう。


読影の手順を簡単に述べます。

読影するさい、その胃をみたときにはまず・・・。


①まず、撮影体位を明確にすること。
②胃の形を理解する
③空気の量
④造影の具合
⑤背景粘膜

いきなり病変の解析を行うのではなく、まずは胃全体について把握していくことが重要のようです。
また日を改めて続きを記入していこうと考えております。

撮影するだけではなく、読影にも足を踏み入れていく。その姿勢が大切ではないかなと感じます。撮影に慣れてきたら特に初心者の方々は、読影責任は医師だから。と思うのではなく、積極的に読影にも挑戦していただければと思います。

恐縮ですが、私もそんなえらそうに読影能力は高くないです・・・。

blogを通してと成長していきたいと思っています。