心が動く

　人があまりにも楽しそうにしていると自分もつられて楽しくなることがある。きっかけはそれかもしれないが、その後は自分次第。興味がもてれば自分から働きかけをする。働きかけて自分なりに面白さが見えればさらに深く関わろうとする。人の心が動くのは、この時だ。
　ここまで傍にいると心が動くのが分かる。初めだけ傍にいても興味が続くかどうかわからない。自分で動き出すまでは、見届けないと心が動いたかどうかもわからない。
　本を貸したときの反応が面白い。興味がなければ、開くこともない。義理で２，３日借りておこうとする人もいる。読んだ感想を話す人もいる。中には質問をしてくる人もいる。内容についての興味関心があれば、内容についての話題をし始める。そして、「また、いい本があれば見せてください。」と話してくれる。
　子どものうちは相手の事を気遣うことはない。読むか読まないかはっきりする。しかし、大人は違う。本の内容とは別に人間関係に配慮する。
　子どもは純粋だから分かりやすい。年齢を重ねて段々人とのいろいろな関わりを経験するとうまく関わることができるようになるかわりに段々自分らしさが見えなくなっていく。
　見えるうちに心を耕すことが大事なのだろう。着ぐるみを着る前にどんどん素晴らしいものを見せたり、聞かせたり、体験させたりできたらいいなあ。