ひよりの音楽自己満足

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宮野弘紀さん Diverge

2009-07-31 19:29:42 | ジャズ
 アコースティックギターによるインストミュージック。その第一人者でもあるギタリスト<宮野弘紀さん>。81年にデビュー作「マンハッタン・スカイライン」を発表。その後“日本のアール・クルー”と賞賛され、実際にアール・クルー氏との共演アルバムも83年に発表されています。そしてJAZZバンド<ライトスタッフ>や、<アコースティック・クラブ>というユニットにも参加されるなど大活躍。
 そして88年には3枚目のソロアルバムとなるこのアルバム「DIVERGE/分岐点」を発表されます。モノクロームの趣きのあるジャケット、いい感じですね。
参加メンバーはピアノ<フェビアン・レザ・パネさん>、ベース<早川哲也さん><中山英二さん>、ギター<田中靖二さん>、ドラムス<穴吹久男さん><平山恵男さん>、パーカッション<ヤヒロ・トモヒロさん><奥村恵子さん>、タブラ<逆瀬川健治さん>、スティールドラム<ヤン富田さん>です。
 アルバム1曲目は「Sophisticated Lady」。昼下がりのティータイムを思わせる軽やかでおしゃれなギターリフからはじまって、さわやかでここちよいメロディがミドルテンポでながれます。そしてピアノをバックにギターソロが。その後マラカスの軽快なリズムにのって短いピアノソロも。そしてギターソロ。ソフトな曲調のなかでの力強く歯切れの良いピッキングのギターサウンド、生っぽくていいですねぇ。
 2曲目は「晴れ間/Serein」。憂いを感じるようなギターフレーズからはじまって、そしてアップテンポのピアノリフにのって軽やかで爽やかなギターサウンドがながれて。テクニカルなギターとピアノの楽しいアンサンブルが楽しめます。中盤にはリズミカルなピアノソロが。雨上がりで滴がキラキラ輝いているような光景が目に浮かびますね。
 3曲目は「Scrapple From The Apple」。アップテンポの楽しいギターリフからはじまって、そこにドラムとピアノリフが入ってちょっぴりファンキーでトロピカルな感じに。中盤にはラテン系のリズミカルなギターソロ、続いてファンキーなピアノソロが。終盤ではギターとピアノのテクニカルなアツい掛け合いソロバトルが繰り広げられます。
 4曲目は「Stardust」。アップテンポのリズミカルなギターリフからスリリングに展開していきます。のスリリングなバトル、まるで抜きつ抜かれつの激しいカーレースのようです。ワクワクドキドキの楽しい曲ですね。
 5曲目は「Fairy」。ソフトで軽やかなギターリフからはじまる、とってもおしゃれで爽やかな感じの曲ですね。それがどんどんテクニカルでアツい演奏になって盛り上がっていきます。アップテンポのパーカッションリズムにのったアグレッシブなギターソロ、そして中盤には軽快なピアノソロが。終盤もギターとピアノの激しいバトルが展開されて、ラストはゆったりとFin。
 6曲目は「Old Folks」。ブルージーなギターフレーズからゆったりとはじまって、それがパワフルにエモーショナルに。そこにウッドベースがはいって力強く奥深い音色を響かせて。そしてギターとベースのブルーズベースのパワフルかつテクニカルなバトルが展開されます。
 7曲目は「Milestones」。いきなりアップテンポで軽快に楽しくはじまります。まずはめっちゃテクニカルでスリリングなギターソロ、続いてはリズミカルでアグレッシブなピアノソロが。両方ともに躍動感あふれるパーカッションのリズムにのって展開されます。その後パワフルなベースソロ、そしてギターとピアノのアグレッシブな掛け合いバトルが。ラストにはパーカッションソロが。
 8曲目は「Donna Lee」。ミステリアスな雰囲気からはじまって、ゆったりとした感じながらもテクニカルでパワフルなギターソロが展開されます。中盤からはアップテンポでリズミカルで軽快で楽しいギターソロが。
 9曲目は「369」。哀愁を感じるメロウなギターフレーズからはじまって、口笛、そしてミドルテンポのリズムがはいってのどかな雰囲気に。まずはスティールドラムの妖しい金属音が響きます。トロピカルながらも落ち着いた感じテで、南の島での夕暮れの海辺のような光景が目に浮かんできますね。中盤にはエモーショナルなギターソロが。
 10曲目は「Desire」。天才ドラマー故・上野好美氏に捧げる曲だそうです。哀愁ただようギターリフからゆったりと幽玄な雰囲気ではじまります。そしてウッドベースとジャジーなドラムとのブルージーなアンサンブルが展開されます。中盤にはパワフルなベース&ドラムのリズムにのったパワフルでハードなギターソロが。ラストはアルペジオのゆったりとしたメロウなギターリフでFin。
 11曲目は「分岐点」。アップテンポのテクニカルで軽やかな短いギターソロ曲。リズミカルでとっても楽しい感じですね。
 12曲目は「処女航海」。幻想的なさざ波のようなギターリフからはじまり、哀愁ただようギターフレーズがながれて。それが力強くテクニカルな展開になって盛り上がっていきます。アツいギターソロがたっぷりと堪能でき、聴き応えあります。 
 アルバムのライナーノーツのなかで宮野さんはこう書かれています。「(このアルバムは)88年の現在の記録としての旅の途中のスナップなのです。それ以上でもそれ以下でもなく・・・ただ一つ!言えることは、一つの“ふし”に来ている予感なのです。」と。これまでの作品よりもフリーインプロビゼーションプレイが光っており、より自由に、より生き生きとしたアツいギターサウンドが楽しめるアルバムですね。

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