ひよりの音楽自己満足

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DADA 1st 浄

2020-05-17 07:40:32 | 70's J-プログレ


 20世紀初頭に起きた、それまでの芸術の概念を破壊しようという運動をバンド名にした<DADA>。<カリスマ>の<泉陸奥彦さん>と、<飢餓同盟>の<小西健司さん>の2人が意気投合し、1977年暮れに結成されました。78年より始動し、7月には自主レーベルより1stアルバム「浄」を発表。ライブ活動も精力的に行い、また<“読経”とシンセサイザーのジョイント>という実験的なコンサートも行ったそうです。翌79年もコンサートやコンテストにも出場して高い評価を得たとか。またこの年には「城壁」と「鏡の中の家」という約30分の超大作を収録したテープを自主販売したそうです。そして81年にアルバム「DADA」が発表されました。
ずっと以前にこのblogでも93年にCD化された「DADA」を紹介させていただきましたが、2019年になんと1stアルバム「浄」がCD化されて発表されビックリ!もちろん即購入です。
 「浄」は、“餓鬼草子”にインスパイアされた即興演奏主体のアルバムで、他のアルバムのような綿密に構成されたシンセ音楽とは趣の異なる、環境音楽に近い感もあるアンビエントな内容で、これはプロデューサーの意向が反映されているそうで。
 アルバム1曲目は「遊宴。妊楽。餓鬼、」。太鼓がゆったりと打ち鳴らされ、シンセサウンドが神秘的に響き、ギターが哀愁メロディをのびやかにエモーショナルに奏で、徐々に盛り上がっていってテクニカルに力強くドラマティックに。
 2曲目は「鬱雲鉢 udonbara」。ギターの音色がゆったりと幽玄に、幻想的に響き、スペーシーなシンセサウンドがのびやかに響いて。同じようなフレーズが静かにはじまって、徐々に音量が上がっていって。
 3曲目は「六神通 rokujnzuu」。銅鑼や鐘や太鼓や琵琶のような、なんかお寺にあるような楽器のような音色がゆったりと不気味に響いて。深夜に真っ暗な中で聴いたら、幽霊が出てきそうな感じが。
 4曲目は「清浄の地。水」。水滴が垂れるようなピアノの音が静かに神秘的に響き、ギターがのびやかに幽玄に、胸がしめつけられるかのような悲痛なメロディを奏でて。
 おそらくこのアルバムを次に聴くのはずっと先になりそうです。とにかく暗い。聴いていて笑顔になる場面はなく、むしろどよーんと落ち込んでいくような。それでも最後まで聴かずにはいられない“何か”が。滅多に聴くことはないでしょうけど、でも絶対に手放したくない不思議なアルバムですね。

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