ひよりの音楽自己満足

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MIDAS Touch The Clear Air

2013-03-26 22:08:27 | ジャパン・プログレ
 1982年の7月にヴォーカル&ギターの<右遠英悟さん>が中心となって結成されたヴァイオリンプログレバンド<MIDAS>。元々はハードロックバンドでスタートしたそうですが、右遠さんがヴァイオリンを弾きはじめたことによってプログレバンドに変貌していったそうです。紆余曲折ありながらも88年11月に1stアルバム「風そよぐ心の丘へ/Beyond The Clear Air」を発表します。優雅でファンタジックな欧州系のプログレサウンドながら日本語の歌詞でハードさも併せ持つオリジナリティ溢れる傑作です。その後バンドは一時崩壊状態になるも、メンバーが右遠さんを説得して活動再開。95年1月の阪神大震災の影響もありましたが、96年11月、2ndアルバム「MIDASⅡ」が発表されます。前作のような10分を超える大作は1曲のみとなり、ややコンパクトに。サウンドもドラマティックさは少し抑えられてアコースティカルなタイプの曲もありますが、前作同様に非常に完成度の高い楽曲群のアルバムです。この後、メンバーチェンジがありながらも99年4月に3rdアルバム「第三の処置~Third Operation」が発表されます。キーボードの交代もあり、サウンドはこれまでのシンフォニックさは薄れて、シンプルなロックが主流に。歌詞もファンタジックな内容から現実的なものに変わりますが、これまでの2作よりも音楽の幅が広がり、音質も向上しており、この作品を<MIDAS>の代表作と称す方も多いようです。そして再びメンバーチェンジがあるも、2000年12月に4th「International Popular Album」が発表されます。このアルバムではコンセプトを“ポップス”として、コンパクトでキャチーな曲のなかにプログレッシブな要素を織り交ぜることに重点をおいた“歌物”を目標にされたそうで。ポップス主体となったアルバムは賛否両論の評価に分かれたものの、完成度の高い楽曲群であることには変わりなく、バンドの新たなカラーとして受け入れられたそうです。そして2002年11月に初のライブアルバム「IN CONCERT(Live!)」を発表されます。その後また幾度かのメンバーチェンジがあったものの活動を続けられ、2009年には、2008年に行われたデビュー20周年記念のライブから5曲と、1stアルバム発表以前の80年代のライブ音源4曲を収録したアルバム「25th Anniversary Concert & Early Rare Tracks」を発表されます。
 そして2013年初頭、MIDASのニューアルバムが発表されるという情報を見てビックリ!ここのところ全くメンバーの皆さんの動向をチェックしていなかったものでほんと驚きました。これはもう何が何でも聴かねば、と某通販に予約をして発売を楽しみにしていました。ところが寸前になってジャケットの不具合があったとかで突然予約キャンセルのメールが届いてビックリ!どうなってしまうのかと心配しておりましたが、その後すぐに予約受付が再開されてひと安心。ようやくアルバムが届いて万歳!です。通算7枚目となる「Touch The Clear Air」。1stアルバムを彷彿させるタイトル、これぞ美旋律プログレという感じの綺麗なジャケットに、聴く前からワクワクしてきちゃいます。そうそう、現在のメンバーは、ヴァイオリン&ヴォーカルの右遠さん、キーボード<林睿昌さん>、ドラムス<逸見勝さん>、ベース<武田泉さん>の4人です。
 アルバム1曲目は「Crimes In Confusion」。パワフルでリズミカルなチョッパーベースリフからアップテンポでノリノリで始まって、ヴァイオリンリフがはいって、ムーグのテクニカルなリフがダンサブルなリズムをバックにながれて。そして一転リズムが止まってゆったりと哀愁ただようメロディがながれ、ミドルテンポのリズムがはいって盛り上がっていって。その後パワフルなベースラインをバックにムーグの伸びやかで爽やかなリフがながれ、そこに力強いヴォーカルがはいって気持ちよく伸びやかに。時折入るスリリングなリフ、めっちゃかっくいいっす。そして静かになって太いベースが印象的なミドルテンポのジャジーな雰囲気になってキーボードとヴァイオリンのハモりのリフからキーボードの軽やかでテクニカルなソロ、ジャジーでテクニカルなヴァイオリンソロと続き、再びリフをハモって、ゆったりと爽やかなメロディが伸びやかにたおやかにながれて。中盤では一旦止まったあと、メロトロン風にしっとりとした音色がゆったりと響き、ピアノリフにのって綺麗なコーラスの入ったヴォーカルがゆったりとながれ、力強いベースラインにのってヴァイオリンの哀愁ただようメロディも加わって、そしてヴォーカルが歌い上げて。その後ミドルテンポのジャジーなSWINGリズムがはいってキーボードとヴァイオリンがリフをハモって、そしてヴァイオリンの力強いリフからダンサブルに盛り上がっていって。終盤ではベースのアップテンポのリズミカルなリフからヴァイオリンとキーボードのテクニカルなリフがながれ、ダイナミックなリフがはいって。12分弱の大作ながらも曲の長さを感じさせずにどんどん展開していき、聴き手を曲の世界に引き込んでいくような魅力たっぷりの曲ですね。
 2曲目は「静かな夜と無言の空」。2ndアルバム収録曲の再レコーディングニューバージョンです。ダークなベースサウンドからキラキラしたリズミカルなシンセリフがはいって、鮮烈でダイナミックなリフが力強くながれて。そして静かになってヴァイオリンの切なくも力強い音色がゆったりとながれ、そして哀愁ただようベースのメロウなソロがピアノをバックにながれて。中盤ではヴァイオリンの美しいエモーショナルなソロが。そしてピアノとヴァイオリンのユニゾンリフからダイナミックなリフがはいって、ヴァイオリンのリフをバックにテクニカルなモーグソロが。終盤ではアップテンポのノリノリモードになるも、すぐにミドルテンポになってヴァイオリンの哀愁ただよう音色がゆったりと力強くながれ、ラストは再びシンセのキラキラリフがながれて。うっとりと聴きほれてしまう美しさがありますね。
 3曲目は「2月7日」。ミドルテンポのファンキーっぽいベースリフにピアノがユニゾンで入って、キーボードとヴァイオリンがパワフルなリフを入れて盛り上がって。そして一転静かになってピアノリフと力強いベースラインをバックに伸びやかなヴォーカルがはいって、そこからヴァイオリンの力強いソロが。その後再びヴォーカルがはいって徐々に盛り上がって歌い上げて力強いコーラスがはいってドラマティックに。中盤では美しいピアノソロが。バックではお経がながれ、さらにはヴァイオリンのエモーショナルなソロが。そこからパワフルに盛り上がって。その後一旦止まって静かになって、ピアノをバックにしっとりとしたヴォーカルがはいって、それが徐々にドラマティックに盛り上がっていって。終盤では美しいピアノリフからヴァイオリンのゆったりと美しい音色が響き、それが徐々に静かになるも、再び盛り上がっていって、ラストはお寺の鐘の音が響いて。和洋折衷な感じですが、中間部のお経に違和感を感じなかったのが不思議です。
 4曲目は「MIDASAURUS」。恐竜の鳴き声のような音から始まって、ミドルテンポのベースリフからヴァイオリンのしっとりとしたリフがながれ、キーボードが加わってダイナミックなリフが。その後、明るく爽やかな感じのリフがゆったりとながれ、ダイナミックなリフが。中盤ではリズミカルになってキーボードの短いソロとバンドリフが交互に。そしてアップテンポになってノリノリモードでヴァイオリンのアグレッシブなソロがちょこっと。その後ヴァイオリンとキーボードのミドルテンポのハモりやユニゾンが。終盤ではアップテンポのノリノリモードでヴァイオリンとキーボードの明るく爽やかなリフが気持ちよく楽しくながれて。ラストは再び恐竜登場。これはぜひともライブで聴いてみたいですね。ソロも交えてとっても楽しそうです。
 5曲目は「兵どもが夢のあと」。シンセのストリングスサウンドがゆったりとながれ、そこにバンドがはいって、ヴァイオリンがゆったりと幽玄に奏で、しっとりとしたヴォーカルがはいって。時折はいる拍子木(クラベス?)の音が印象的ですね。その後ドラマティックに力強く歌い上げて盛り上がって。中盤ではパワフルなドラムフィルから壮大なオケサウンドのリフがはいって、一転アップテンポでキーボードの楽しい軽やかなリフが。それが繰り返されたあと、ベースのパワフルなチョッパーリフ、ピアノの爽やかなリフにのってヴァイオリンのアグレッシブなソロが。そしてリズミカルなヴォーカルがはいってノリノリモードで歌い上げて。その後キーボードリフをバックにオペラチックなスキャットがはいって、そして再びアップテンポの明るく楽しい感じになってモーグ&オルガンのテクニカルなソロが。終盤ではバンドリフとドラムの叩きまくりフィルの掛け合いから、アップテンポでキーボードとヴァイオリンが伸びやかに爽やかに奏で、ヴァイオリンのパワフルなリフから力強いヴォーカルがはいってリズミカルに歌って、ヴァイオリンも弾きまくって盛り上がって。ドラマティックな展開でハッピーエンドで終わる12分超えの大作です。
 ボーナストラックの6曲目は「Fountain (dedicated to Izumi & Akiko)」。神秘的なサウンドから静かにはじまって、ヴァイオリンのリズミカルで明るく爽やかなリフがはいって、そしてゆったりとしたヴォーカルがはいって、バラード調に歌い上げて盛り上がっていって。中盤ではモーグとヴァイオリンのエモーショナルなソロ、そして綺麗なハモりが。バックではドラムが叩きまくって。そしてサビに戻ってヴォーカルだドラマティックに歌い上げて。終盤ではヴァイオリンがゆったりと艶やかに奏でしっとりとFin。この曲は元々は2007年の武田泉・明子夫妻の結婚式の際に演奏されるためだけに創られた曲だそうですが、きちんと残そうと今回レコーディングに至ったそうです。
 全6曲、トータル約50分のアルバムですが、内容はめっちゃ濃くて何度でも聴きたくなるような聴きどころたっぷりのドラマティックな展開の素晴らしいアルバムですね。まずはパワフルでグルーヴィなベースと、タイトでテクニカルなドラムが特に印象に残っています。もちろんヴァイオリンもキーボードも素敵です。これからもっと聴きこんでいきます。東京では6月1日に吉祥寺シルエレでレコ発ライブが予定されているようなので、めっちゃ楽しみです。

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4 コメント

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ボーカル (mimine)
2013-03-27 15:42:13
プログレって、こあいけど、楽しいジャンルですねー。聴衆の耳がとんでもなく肥えているので、ヘタできない。ほかのパートはともかくとして、ボーカルはなんでも出来て、涼しい顔してなきゃなんないのでw

家事をしながらいろいろ歌ってますが、このジャンルが一番楽しいです♪

寸ません。スレ荒らしですにゃ・・・(滝汗)
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ありがとうございます (ひより)
2013-03-27 21:54:15
 わぁ!mimineさま、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
たしかにプログレファンの方は完璧を求めることが多いようですね。プレッシューも相当な重圧なのでしょうね。私にはとても耐えられそうにないっす。そんななかフロントを務めておられたmimineさまはほんと凄いと思います。
私はミスもライブの楽しみのうちと思ってますけど。無難なライブよりはミスがあっても実験的というか挑戦的なライブのほうが面白いかな。そのほうがプログレらしいような。やるほうは大変だと思いますが。
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レビュー感激しました (Tsuruta)
2013-04-06 17:00:39
MIDASは1988年からずっと応援しており、3月24日の大阪茨木市のレコ発ライヴにも行きました。
ニューアルバムは原点回帰とも言えるプログレッシヴ・ロックのアルバムで、1stアルバムと並ぶ内容だと思います。
ひよりさんは6月1日のライヴに行かれる予定なのでしょうか?
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ありがとうございます (ひより)
2013-04-06 18:52:10
 わぁ!Tsurutaさん、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
おぉ!88年からずっと応援されているんですか!素晴らしい!自分はこのブログをはじめてからMIDASを知った新参者です。すみません。
MIDASのスタジオアルバムは全て紹介させていただいておりますが、自分も今回のこの作品は素晴らしいプログレアルバムだと思います。
はい、6/1予約済みです。もっとも仕事の状況によってどうなるかわかりませんが。6/1は休みではないもので。
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