ひよりの音楽自己満足

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人間椅子 6th 無限の住人

2010-01-22 08:22:27 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 1990年にデビューアルバムを発表。その後アルバム4枚を発表し、メルダックとの契約が切れるも、95年にフライハイトより5thアルバム「踊る一寸法師」を発表し活動を続けます。
 翌96年には<沙村広明氏>の漫画「無限の住人」のイメージアルバムがポニーキャニオンより発表されます。このアルバムはBlack Sabbathのファンであり、人間椅子のファンでもある作者の沙村先生のたっての希望で実現したとか。このジャケットもかなり恐いっす。内ジャケットには沙村先生作のイラストがたくさん描かれています。
 このアルバムにはゲストに日本プログレロック界屈指のキーボーディスト<永川敏郎さん>と、フルート&龍笛奏者<篠原猛さん>が参加されています。
 アルバム1曲目は「晒し首」。アップテンポの♪ジャンジャカジャンジャカのノリのいいリズムのギターリフからはじまって、鈴木さんのパワフルなヴォーカルがはいって。サビは♪い~けないんだ、いけないんだ~のメロですね。間奏最初はエモーショナルなギターソロが。その後ややテンポダウンしてワウの効いたギターリフと鈴木さんのメロウなヴォーカルがはいって。終盤では再び元のリズムにもどって力強いリフ&ヴォーカルが。ラストはアグレッシブなギターソロがたっぷりと。
 2曲目は「無限の住人」。ミドルテンポのパワフルなリフからはじまるも、ギターのしっとりとした美しいアルペジオリフをバックに和嶋さんの抒情的なヴォーカルがながれて。サビはメロディアスに盛り上がります。中盤はギターリフが徐々にテンポアップして三味線調の激しいリフに。そしてそのリフと鈴木さんの浪曲調のヴォーカルが交互に。和の情緒たっぷりのドラマティックな曲ですね。
 3曲目は「地獄」。ダイナミックなリフからはじまるアップテンポのパワフルな曲。鈴木さんが不気味な歌詞を力強く歌って。ライブ終盤でよく演奏されてめっちゃ盛り上がります。中盤はバスドラのリズムをバックに様々な音が暗黒空間を彷徨って神秘的な雰囲気に。そして再びパワフルモードになって一気になだれこんでFin。
 4曲目は「蛮から一代記」。タイトル通りの蛮カラ応援歌風の曲で、鈴木さんがかっこよく歌い上げます。ライブでは弟さんから借りたというガクランを着て演奏してましたっけ。おもいっきりハラ出てましたけど。中盤は民謡風に歌って、そして和嶋さんのブルースハープソロも。ミドルテンポのヘヴィロック応援歌ですね。ラストはテンポアップして三味線調のアグレッシブなギターソロが。
 5曲目は「莫迦酔狂ひ」。スローテンポの引きずるようなリズムのリフとアップテンポのザクザクリフが交互に。そしてアップテンポで和嶋さんの力強いヴォーカルがはいって。パワフルでかっくいいヘヴィロックです。間奏ではズルズルリズムのあとややテンポアップしてドゥーミーな雰囲気に。そして和嶋さんのパワフルなヴォーカルが曲を盛り上げて、さらにテンポアップしてメロウなフレーズとアグレッシブなギターソロが。終盤ではパワフルなミドルテンポのシャッフルリズムでヨコノリで展開していき、ラストは元のリフに戻って。ダークながらもドラマティックな曲です。
 6曲目は「もっこの子守唄」。ミドルテンポの太鼓のリズムにのって大正琴の情緒たっぷりの音色が響いて、そして和嶋さんの郷愁ただようヴォーカルがはいって。間奏では笛やフルートの音や大正琴の音色も。寂しげな民謡調の曲です。異色ですね。
 7曲目は「刀と鞘」。パワフルでダイナミックなリフからミドルテンポではじまって、鈴木さんの応援歌風のヴォーカルがはいって。力強い和風ヘヴィロックですね。間奏ではまずはナチュラルトーンのエモーショナルなギターソロ、そしてそれがアグレッシブになって。
 8曲目は「辻斬り小唄無宿編」。アップテンポのミステリアスなギターリフからはじまって、♪ズンタタズッタ~のリズムでコミカルなロック調に。ドラム、叩きまくってますね。間奏では津軽三味線風ギターソロが。
 9曲目は「宇宙遊泳」。スペーシーな電子音からはじまってアップテンポの明るく楽しい感じのギターリフがはいって、鈴木さんのエコーの効いた伸びやかなヴォーカルがはいって。ここまでモロ硬派和風の流れでしたがいきなり宇宙へ飛んじゃいましたね。曲はキャッチーなポップロックです。間奏ではスペーシーなシンセサウンドをバックにエモーショナルなギターソロがたっぷりと。
 10曲目は「黒猫」。ZEPのMobydickに似たミドルテンポのリフからパワフルにはじまって、ダークでドゥーミーな雰囲気のなか和嶋さんの伸びやかなヴォーカルがはいって。そしてサビはアップテンポになって盛り上がり、パワフルなリフとネコの鳴き声のようなギター音も。中盤ではギターリフからテンポアップしてノリノリモードで和嶋さんの早口ヴォーカル、そして爽やかモードのメロも。終盤は再びミドルテンポのヘヴィロックモードになり、エモーショナルなギターソロも。 
 素浪人が主人公の時代劇漫画のイメージアルバムということで、和風の暗くしかも力強い曲で占められていますね。さらには情緒たっぷりのしっとりした雰囲気もあって。もっとも1曲だけ全く異なる曲もありましたけど、でも聴き応えは十二分にあります。そうそう、「刀と鞘」がシングルで発売されますが、それには「桜下音頭」というアルバム未収録曲が。残念ながらこのシングルはまだ手に入れてません。ファン倶楽部ライブで1回だけ聴いたことありますけど。
 このアルバムもこれまで廃盤になっていてかなり手に入りにくかったんですよね。オークションでも高額だったような。しかしこちらも漫画のアニメ化に伴って2008年に再発売され、だいぶ流通したのではないかと。

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2 コメント

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おじゃまします (蟲子)
2010-01-22 12:09:55
2曲目の「無限の住人」は一度聴いただけでビビッときました。
アルバムのタイトルにもあるように、相応しい仕上がりですよね。

「莫迦酔狂ひ」が、聴き初めは違う曲が3つあるような感覚で、メロディーを覚えるうちに、じわじわと感嘆に変わっていきました。
歌詞だけじゃなく、メロディーにも和嶋ワールドに魅了されました。
特に気に入ってる曲です。

漫画は読んだことはないですが、これはこれで人間椅子視点のイメージのアルバムで楽しめました。

ぽつり、宇宙シリーズが入ってますが、無重力感みたいな癒し雰囲気あって好きです。


去年、またライブで聴きたいと思っていた「黒猫」が聴けて、本当に嬉しかったです。
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いつもありがと! (ひより)
2010-01-22 18:40:04
 わぁ!蟲子さん、いらっしゃいませ!
今回もコメントを書いてくださってありがとうございます。すっごい嬉しい~♪
 自分もいまだに元になった漫画を読んだことがないんですけど、このアルバムを聴くと主人公やストーリーのクールさやかっこよさ、そして哀しみなども伝わってくる気がします。
 タイトル曲、ほんとドラマティックで好きです。「莫迦酔狂ひ」も「黒猫」もほんといい曲ですね。2曲ともたまにライブでやってくれて嬉しいっす。「地獄」もそうですね。

 さて、ここでまた一旦区切らせていただいて、他をいくつか紹介したあとにマスヒロさん時代をUPさせていただきますね。
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