ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

HY  Return Inside

2012-05-17 06:21:47 | ジャパン・プログレ
 先日、吉祥寺にライブを観にいくとき、開場時間まで余裕があったもので、駅近くの中古CDも扱っている某CD店へ。で、日本プログレの中古コーナーを見ると、見慣れないCDが。でも帯には“シンフォニックなサウンドと澄んだヴォーカルが織り成す新世界”と書かれていたもので、これはぜひとも聴いてみたいと即購入しちゃいました。1987年に発表された<小松義光さん>と、<佐々木慈子さん>のお2人のユニット<HY(ハイ)>の「Return Inside」というアルバムです。小松さんがシンセ・キーボードで、佐々木さんがヴォーカルとキーボードと書かれています。ネットで“HY”で検索しても全くヒットせず、J-PROGの本にも書かれておらず、ユニットの経緯などは全くわかりません。なのでアルバムのほうへ。
 1曲目は「Opening」。ゆったりと厳かな感じの音色が響き、ほのぼのした感じの温かみのあるメロディがゆったりとながれて、そして力強いオケサウンドのダイナミックなサウンドが響いて。終盤では一旦止まったあと、パワフルなパーカッションとオケサウンドがはいって迫力を増してダイナミックに。 2曲目は「SAYOKO」。シーケンスのきらびやかな音色が響き、そしてゆったりと抒情的なサウンドが響き、そしてしっとりと伸びやかなヴォーカルがはいって、美しいファルセットも。中盤ではミドルテンポのリフにのって男性のフランス語(?)のナレーションがながれ、そして再び伸びやかな女性ヴォーカルがはいってしっとりと。
 3曲目は「Radical Sequence」。ファンファーレのようなトランペットサウンドが響き、パワフルなパーカッションがはいって、そしてアップテンポのノリノリのテクノリズムからリズミカルなリフをバックに力強いヴォーカルがはいって。サビではコーラスとともに明るく爽やかに盛り上がって。中盤では静かに幻想的な雰囲気になり、伸びやかな美しいスキャットがながれ、そして再びアップテンポのノリノリリズムがはいってリズミカルなリフとともにパワフルなヴォーカルがはいって歌い上げて盛り上がって。
 4曲目は「Presence of Mind」。アップテンポのテクノリズムからはじまって伸びやかなヴォーカルがはいって、メロディアスに綺麗に美しく展開して。終盤ではテクニカルなシンセソロがスリリングに展開して。ラストはゆったりと静かに。
 5曲目は「Ocean Spectrum」。静かにしっとりと叙情的にはじまって。そしてシンセの浮遊感のあるリズミカルなリフがアップテンポでながれ、メロトロン風サウンドが伸びやかに響いて。躍動感たっぷりのベースリフ、ノリノリでかっくいいっす。跳ねるようなリズムで綺麗なシンセサウンドや伸びやかなメロトロン風サウンドが心地よくながれて。ラストはリズムが止まってゆったりと幻想的に浮遊感たっぷりに。
 6曲目は「Mechanics」。サイレンのようなワーニングサウンドが鳴り響き、それが止まるとアップテンポのテクノリズムがミドルテンポでながれ、そしてアップテンポになって力強いヴォーカルがはいって。間奏ではエモーショナルでスリリングなモーグソロが。その後伸びやかなヴォーカルがはいって、サビではパワフルに盛り上がって。終盤では叩きまくりっぽいパーカッションソロがたっぷりと。打ち込みとはいえ迫力ありますね。
 7曲目は「Fractal」。幻想的なコーラスサウンドからゆったりと荘厳にはじまって、鐘の音が響いて。そしてアップテンポのファンキーなリズムがはいって、ヴォーカルがリズミカルにパワフルに。バックのチョッパーベースリフ、打ち込みとはいえめっちゃかっくいいっすね。サビでは綺麗なコーラスが。その後ミドルテンポで美しいヴォーカルが伸びやかに響き、そしてアップテンポになって美しいコーラスが。間奏ではテクニカルなピアノソロがスリリングに。そして再び伸びやかなヴォーカルがはいって綺麗なコーラスから盛り上がって。中盤では一旦止まって幻想的な雰囲気になってドラムソロが。その後ハイテンポの疾走モードになって、そしてテクニカルなキーボードソロが。
 8曲目は「Metallic Sea」。重厚なストリングスサウンドが静かにフェードインしてゆったりとながれ、鐘の音が響き渡って。朝もやのなかを彷徨っているかのような、あるいは真夜中に夜空を眺めているかのような、幻想的な雰囲気が漂っています。その後、荘厳なコーラスサウンドが響き、ティンパニサウンドやシンバルが力強く打ち鳴らされて盛り上がって。中盤ではグロッケンサウンドのテクニカルなフレーズから再びコーラスサウンドが力強いパーカッションサウンドと共にながれて盛り上がって。その後しっとりとしたピアノとストリングスサウンドのリフがゆったりとながれ、それが徐々にドラマティックに盛り上がっていって。
 テクノポップ的なノリのいい軽快な曲が多いんですけど、どれもとてもメロディが綺麗で、そして壮大なシンフォニック曲もあってとても楽しめますね。佐々木さんのよく通る太く美しい女性ヴォーカルもとっても魅力的な声で素敵です。

ISIS  The Name Of The Roses

2012-05-14 06:22:25 | ジャパン・プログレ
 L’VOLUZIONEやROUNDHOUSE等でも活躍され、現在はAIBで活躍中のキーボーディスト<片岡祥典さん>がかつて率いておられたバンド<ISIS>。以前“Prospective Faces”というオムニバスアルバムで1曲のみ紹介させていただきましたが、今回2003年に発表された<ISIS>のベスト的なアルバム「The Name Of The Roses/薔薇の名前」が手に入りましたので紹介させていただこうかと。1988年に結成され、1998年にL’VOLUZIONEになるまでの<ISIS>の10年間の活動のなかでのデモテープや未発表曲など様々な音源からセレクトされた曲が収録されていて、全部で15人くらいのメンバーが関わっておられるようで、ライナーノーツにはどの曲をどなたが演奏されているか書かれていますが、ここでは割愛させていただきます。
 アルバム1曲目は「The Name Of The Roses/薔薇の名前」。キーボードのメルヘンチックなメロディがゆったりとながれ、美しい女性ヴォーカルがはいってゆったりと幻想的な感じになり、そして力強く歌い上げて。中盤ではダイナミックなキーボードリフが盛大に鳴り響き、ギターの爽やかでエモーショナルなソロへ。その後オルガンのリズミカルなリフからテンポアップして、ギターのテクニカルなソロが。終盤ではゆったりとした女性ヴォーカルがはいって、ドラマティックに展開して。
2曲目は「Leave It Open」。キーボードのリズミカルなリフからテクノポップな感じではじまって、アップテンポでギターのフュージョン風の爽やかな音色がながれ、そしてキーボードのリズミカルなリフとギターの軽快なカッティングリフからリズミカルでPOPなヴォーカルがはいって。明るく楽しいJ-POP風なヴァースですね。バックのベースリフ、かっくいいっす。中盤ではテクニカルなモーグソロとオルガンソロがドラマティックに展開し、続いてヘヴィでアグレッシブなギターソロへ。終盤ではギターの軽快なカッティングリフにのってPOPなヴォーカルが。
 3曲目は「Gentke & Brutality」。パーカッションとシーケンスのアップテンポのリズムからミドルテンポの変拍子でヘヴィなギターリフとシンセリフが交互にながれ、パワフルな男性ヴォーカルがはいってサビではスクリーミングも。まさしくプログレメタルですね。間奏ではギターのエモーショナルかつテクニカルなソロが。そしてシンセのテクニカルなリフからギターとユニゾンでスリリングに展開して。終盤では一旦止まってヴォーカルがアカペラで唄い、そしてパワフルに盛り上がって。
 4曲目は「Dream In A Dream」。シンセの幻想的なサウンドがゆったりとながれ、ギターが浮遊感たっぷりにゆったりとほのぼのしたメロディを奏でて。そしてシンセのたおやかなフレーズからピアノリフをバックにしっとりとした女性ヴォーカルがはいって哀愁たっぷりに聴かせ、メロトロンサウンドやストリングスサウンドと共にドラマティックに盛り上がって。その後美しいスキャットからストリングスサウンドが壮大にながれ、ギターのエモーショナルでテクニカルなソロへ。
 5曲目は「Change! In Me」。ストリングスサウンドの叙情的なリフがゆったりと響き、そしてダイナミックなリフからミドルテンポでヘヴィなリフがながれ、ピアノのリズミカルなリフをバックにギターのエモーショナルなソロが。その後女性ヴォーカルがはいってアップテンポのノリノリモードでヘヴィなギターリフをバックにパワフルに歌い上げて。間奏ではエモーショナルなシンセソロ、ギターのテクニカルなソロが。その後シャッフルのノリノリビートでキーボードのテクニカルなリフ、ギターのヘヴィリフからパワフルなヴォーカルがはいって盛り上がって。ラストはキーボードとギターのユニゾンリフが。
 6曲目は「Cadendia」。シンセのスペーシーなサウンドがながれ、鐘の音が鳴り響き、ダイナミックなリフがはいってミドルテンポでズンズン響くベースリフにのってテクニカルなピアノリフが。そしてパワフルなドラムがはいってダイナミックなブレイクリフからシャッフルリズムのパワフルなリフとゆったりと雄大なフレーズが交互にながれ、アップテンポになってテクニカルなリフからキーボードソロとギターソロがスリリングなソロバトルを展開して。終盤では一旦止まってから鐘の音が鳴り響き、パイプオルガンサウンドがゆったりと荘厳にながれ、ギターとシンセがほのぼのしたメロディをドラマティックに奏でて、ラストは劇的にFin。
 7曲目は「Skelton」。時計の秒針のリズムからピアノリフがゆったりとながれ、そしてギターのヘヴィでダークなリフがながれ、ダイナミックに。その後ミドルテンポのヘヴィリフからキーボードのしっとりとしたリフがながれ、男性ヴォーカルがはいって、序盤はゆったりと、サビ前でパワフルなシャウトが。サビではヘヴィリフにのってパワフルに歌い上げて。中盤では一旦とまって秒針の音が響き、柱時計のような音も。そしてヘヴィなギターリフがはいってキーボードがスリリングなフィルをいれてアップテンポで疾走して、ヴォーカルがパワフルなハイトーンでシャウトして。その後テンポダウンしていって、再び秒針の音が響いて。
 8曲目は「Image」。ピアノのしっとりと哀しげなメロディがながれ、パイプオルガンの和の情緒を感じる音色が切なげに響いて。そしてピアノリフをバックにしっとりとした女性ヴォーカルがはいって、シンセが寄り添ってドラマティックに歌い上げ、2ヴァースではストリングスも加わって。その後味わい深いベースラインをバックにシンセのクラシカルなリフが響き、ギターのアルペリフをバックにベースがしっとりとしたメロディを奏でて。中盤ではオーボエ風サウンドやストリングスの音色がスネアのリズムをバックにしっとりとながれ、クラリネットやピッコロ風の音色がリズミカルにながれて、そしてギターとキーボードがクラシカルなリフをパワフルなベースリフをバックにリズミカルにユニゾンで。その後壮大なシンセサウンドがながれ、ギターがのどかで雄大なフレーズをゆったりと奏で、そこにオケサウンドがはいって壮大に。終盤ではアップテンポになってギターのアグレッシブなソロが。その後再びミドルテンポになってシンセサウンドをバックに、ギターがメロウなフレーズをゆったりと奏でて。そして一旦止まったあと、静かにヴォーカルとパイプオルガンサウンドがはいって、そしてスネアのボレロリズムがはいって徐々に盛り上がっていき、ダイナミックなリフからギターがエモーショナルなフレーズをドラマティックに奏でて。ラストは一旦止まってからパイプオルガンサウンドが力強く響いて劇的にFin。
 POPでノリのいい曲や、シンフォプログレの王道をいくドラマティックな曲、さらには後のL’VOLUZIONEの原曲のプログレメタルと、それぞれの時期のメンバーによる異なった音楽性を1枚で楽しめる素敵なアルバムですね。でもアルバム1枚に凝縮ではもったいないような。それぞれの時期で1枚づつ楽しみたいくらいです。

Yoshinobu Shirakawaさん MELLOW CLOUDSⅡ

2012-04-06 06:27:56 | ジャパン・プログレ
 先日、某中古CD店のサイトを見ていたときに、ふとこのジャケットが目に止まって。短い紹介文にはシンセミュージックと書いてあって。アーティスト名はあまり聞いたことのない方でしたが、お値段もお手ごろだし、なによりもジャケットに惹かれたもので、そのまま“ジャケ買い”しちゃいました。
 <シラカワ・ヨシノブさん>という方が発表された「MELLOW CLOUDS Ⅱ」という作品で、1992年1月にレコーディングされたようです。お名前で検索してもどういう方なのかよくわからないっす。他のレビューでもあまり詳しいことは書かれておらず。
 アルバム1曲目は「Long Adventure in Limestone Cave」。25分に及ぶ5曲の組曲です。まず1部は「Over the Green Fields」。ワルツリズムでオーボエのようなサウンドがメルヘンチックなリフをバックに伸びやかにながれて明るく爽やかに。1分弱の序奏です。
 2部は「Strang Dance in the Forest」。リズミカルなピッコロ風サウンドが幻想的なシンセサウンドをバックにながれ、そしてパワフルなリズムがはいって、ピアノリフが綺麗にながれ、シンセのダイナミックなリフがはいって。その後静かになるも徐々に盛り上がって華やかにドラマティックに展開して。終盤ではシンセサウンドをバックに力強いドラムサウンドが打ち鳴らされて。
 3部は「The Girl in the Darkness」。綺麗なピアノリフからミドルテンポではじまって、そして哀愁を感じるメロウなフレーズがしっとりとながれ、徐々に明るくなるも、再び哀愁のメロディがしっとりとながれて。中盤では明るくほのぼのした感じのメロディが力強いリズムをバックにドラマティックに展開してパワフルに盛り上がって。曇り空が徐々に晴れ渡っていくような清清しさを感じますね。
 4部は「Heavy Adventure~Escape」。リズミカルで綺麗なピアノリフをバックにオーボエ風の音色やフルート風の音色が明るく爽やかにながれ、そしてアップテンポのリズムがはいって楽しい曲調に。その後ダイナミックなリフがはいったあと、ゆったりとしとやかな感じに。しかしすぐにアップテンポのリズムが静かにはじまってそして徐々に盛り上がっていって。中盤ではゆったりとハープ調の美しい音色のリフをバックに伸びやかなメロディがながれ、そしてフレーズが繰り返されて徐々に盛り上がっていって。終盤ではしっとりと静かにゆったりと。ハープ調の美しい音色がストリングスサウンドをバックにながれて。
5部は「Returen the Green Fields」。1部のオーボエ調の音色がワルツリズムでメルヘンチックなリフをバックに伸びやかにほのぼのした感じでながれて。その後リズミカルなピアノリフやストリングス風サウンドのリフも加わって。中盤ではゆったりと哀愁を感じる曲調に。その後再びワルツリズムで様々なサウンドで同じフレーズが奏でられて徐々に盛り上がっていき、終盤ではミドルテンポの力強いリズムもはいって盛大に。
2曲目は「Lovers」。ダイナミックなファンファーレから盛大に壮大にはじまって、ミドルテンポのたおやかなピアノリフにのってオルガンの優しい音色がゆったりとながれ、そこに重厚なストリングスサウンドが加わってドラマティックに盛り上がっていって。中盤ではブラス風サウンドが高らかに鳴り響き、オルガンサウンドと相まってオケサウンドと共に劇的に盛り上げて。終盤では元に戻ってピアノリフをバックにオルガンサウンドがたおやかなメロディを奏で、ラストはピアノリフがゆったりとながれて。
3曲目は2楽章の組曲で「Enid Fair」。22分に及ぶ組曲です。第Ⅰ楽章「1st Movement」。ダークなシンセサウンドが地響きのようにながれ、神秘的なサウンドが奥深く不気味に響き、そのサウンドが徐々に大きくなっていって。中盤から暗いなかでも徐々に明るくなっていくかのように爽やかな音色がゆったりと響きわたって広がっていって夜明けを迎えます。
 第Ⅱ楽章「2nd Movement」。ピッコロ風の明るく楽しい音色がリズミカルにながれ、アップテンポのリズムがはいって、そしてミドルテンポでダイナミックで華やかなリフがはいって、その後美しいピアノの音色が響いて。続いて可愛らしいファンファーレがアップテンポで明るくパワフルにながれ、リズミカルに。その後ミドルテンポで重厚なストリングスサウンドがゆったりと響き、そこにピアノソロが美しくテクニカルに優雅に。そして再びストリングスサウンドが重厚にゆったりと響いて。中盤ではストリングスのボレロ風のリズムがはいって静かにながれ、オーボエ風サウンドやクラリネット風サウンドが伸びやかに響き、そしてブラス風サウンドがはいってダイナミックに盛り上がっていきます。その後リズムが火星のように力強く攻撃的に打ち鳴らされて様々な音色が飛び交ってスリリングな感じに。終盤ではゆったりとたおやかな感じになってストリングスサウンドがなだらかにながれ、そしてそこにピアノリフが加わって。ラストは明るく力強いファンファーレが鳴り響いて劇的にFin。
 4曲目は「Hungarian Storm」。しっとりとした哀愁ただようメロディがゆったりと叙情的にながれ、それが徐々に盛り上がっていって、シンバルが打ち鳴らされダイナミックに。中盤では再びしっとりと静かで叙情的な雰囲気になって。それがパワフルな叩きまくりドラムがはいって力強く盛り上がっていき、様々なパーカッションサウンドもはいってにぎやかに。ラストは再びしっとりと。
 クラシカルでドラマティックで、明るく爽やかでほのぼのした感じの曲調で、同じフレーズが繰り返されて徐々に盛り上がっていく展開のミニマル系の構成が多いかな。シンセサウンドがながれるなか、打楽器系サウンドが効果的に印象的に響いて曲を盛り上げてますね。とっても素敵なアルバムです。今回手に入れたのがⅡですから、機会があればⅠを聴いてみたいっす。

Fairy HESPERIA

2012-03-31 06:21:51 | ジャパン・プログレ
 以前、1990年に発表された<Hiroyuki Ishizawa & IO>の「Glass Castle」というアルバムを紹介させていただきましたが、その後に結成された<Fairy>の1994年に発表されたアルバム「HESPERIA」がようやく手に入りましたので、紹介させていただこうかと。参加メンバーは、以前紹介させていただいた<KALO>の<上村正弘さん(ギター&プログラミング>、<イシザワ・ヒロユキさん(ベース&ヴォーカル)>、<ヒラガキ・アキコさん(ヴォーカル)>、<タニムラ・タモツさん(ドラムス)>、<タカハシ・アキさん(キーボード)>、<スズキ・ミズホさん(キーボード)>、<タカハシ・ジュンさん(ギター)>の7名です。
 <KALO>のHPのプロフィールによると、1986年に上村さんは<陀羅尼>というプログレバンドを結成されますが、翌年に解散。そして88年ころに上村さんがイシザワさんに誘われて、女性ヴォーカルのシンフォニックバンド<Fairy>に参加されたそうです。しかしメンバーが分裂して<IO>になったそうで。で、90年に<Hiroyuki Ishizawa & IO>名義でアルバム「Glass Castle」を発表されます。その後、メンバーが再び集まって<Fairy>が復活して、94年にこのアルバムが発表されたそうです。もっともこのアルバム発表後に解散されたそうですが。
 アルバム1曲目は「Nightmare」。ゆったりとした綺麗なピアノリフからはじまって、ミドルテンポのダイナミックなリフが。そしてベースとアコギのリフからピアノリフをバックに可愛らしいヴォーカルがはいってゆったりと力強く。その後パイプオルガンサウンドが響き、ベースのテクニカルなリフからシンセのダイナミックなリフが。中盤ではピアノリフがしっとりと響き、そしてダイナミックなリフからアグレッシブなギターソロへ。終盤ではシンセの伸びやかなサウンドがながれ、リズミカルなギターリフが。そしてシンセのヘヴィでダークなリフもはいって、再びテクニカルなギターソロが。ラストはスリリングなユニゾンリフのあと、ピアノのリフがゆったりと綺麗にながれて。
 2曲目は「Lost Tale」。アップテンポでリズミカルにはじまって、ギターとキーボードが伸びやかなリフを奏で、パワフルなヴォーカルがはいって明るく爽やかな曲調に。ポップなアニソン風かな。間奏ではエモーショナルなギターソロが。バックではベースがうねってます。終盤ではピアノリフをバックにヴォーカルがゆったりと。そしてアップテンポのリズムがはいってポップなヴォーカルが。ラストにはシンセのエモーショナルなソロが。
 3曲目は「Composition」。アップテンポのテクニカルユニゾンリフからはじまって、スリリングなソロの掛け合いが序盤から展開します。そして変拍子のギターのヘヴィリフからパワフルなベースのアップテンポのファンキーなリフが。その後ギターのテクニカルなソロ、キーボードのテクニカルなソロのスリリングな掛け合いバトルが。中盤ではベースソロ。伸びやかにはじまるも、タッピングも交えたテクニカルなソロへ。その後シャッフルリズムがはいってギターとアコギとベースがソロ回しを。終盤ではキーボードのテクニカルなリフから壮大でダイナミックなリフがながれ、ラストはアップテンポのテクニカルなユニゾンでFin。
 4曲目は「The Blue of an Angel」。キーボードのメルヘンチックなリフがゆったりとながれ、ミドルテンポでユニゾンリフがゆったりと。そしてしっとりとしたヴォーカルがはいって、叙情的な感じに。サビでは歌い上げて盛り上がって。その後キーボードとベースのユニゾンリフから、ピアノリフをバックにしっとりとしたヴォーカルが。中盤ではキーボードリフとシンセの幻想的なサウンドがゆったりとながれ、そこにストリングスサウンドも加わって伸びやかに。終盤では力強いベースラインをバックにエモーショナルなギターソロが。
 5曲目は「Lunatic Lump」。テクニカルにうねるベースリフからパワフルにはじまってアップテンポの変拍子リズムでパワフルなドラムとギターリフ・キーボードリフがブレイクを交えてスリリングに展開して。そしてリズムが止まってシンセとベースサウンドが幻想的にゆったりと響き、そしてミドルテンポでユニゾンリフがながれ、しっとりとしたヴォーカルがはいって美しいハイトーンで歌い上げて。間奏ではアップテンポになってパワフルなシンセのブラスサウンドリフ、リズミカルなキーボードリフとヘヴィなギターリフがブレイクも交えてスリリングに展開して。中盤ではアグレッシブなギターソロがパワフルなピアノリフやベースリフをバックに弾きまくって。その後一旦止まってからミドルテンポで力強いピアノリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがゆったりと伸びやかに。その後ギターがはいってエモーショナルなソロをドラマティックに奏でて。終盤ではアップテンポになってテクニカルなギターソロへ。めっちゃ弾きまくってます。ラストは劇的にFin。
 6曲目は「Long Long Ago」。ジャジーなスイングリズムからはじまって、オールユニゾンでリズミカルなリフを。そしてオルガンリフから静かになって軽快なピアノソロへ。その後一旦止まってスペーシーなシンセサウンドがながれ、パイプオルガンサウンドやコーラスサウンドが響き渡って。中盤ではアップテンポの跳ねるような楽しいリズムがはいってオールユニゾンのテクニカルなリフが。その後ジャジーなスイングリズムでオルガンリフがながれ、そしてビッグバンドJAZZ風に。終盤ではギターがエモーショナルなフレーズを奏で、ラストはオールユニゾンのリフが。
 7曲目は「Amarilli」。ダイナミックなリフからシンフォニックに盛大にはじまって、ミドルテンポでゴズペル風の伸びやかで幻想的なヴォーカルがはいって壮大なスケールでドラマティックに展開して。中盤ではダイナミックなオケサウンドのリフから、力強いピアノリフをバックにオーボエ風の音色が伸びやかに響き、その後に聖歌風のヴォーカルがはいってテンポダウンしてFin。
 8曲目は「Sympathy」。メロウなギターフレーズがゆったりとながれ、パワフルなドラムとぶっといベースがはいって変拍子で力強いヴォーカルが。サビではアップテンポで盛り上がって。中盤ではミドルテンポでピアノリフをバックにエモーショナルかつテクニカルなベースソロ、そしてシンセのテクニカルなソロが。その後ヴァースに戻って、サビではアップテンポで歌い上げて。終盤ではエモーショナルなギターソロからギターとキーボードが掛け合いやハモりでリフを奏で、ラストはしっとりとFin。
 9曲目は「T.F.」。パワフルなドラムフィルからアップテンポではじまってギターとベースがスリリングなリフを。そしてヘヴィなギターリフからドラムが疾走していきギターの伸びやかなフレーズが爽やかな感じでながれて。かっちょいいテクニカルなインストです。中盤では叩きまくりドラムからアグレッシブなめっちゃ弾きまくりギターソロが。バックではベースがうねりまくってます。終盤では疾走モードでギターが爽やかなフレーズを。
 10曲目は「Aquarius」。シンセサウンドが伸びやかにながれ、バックではベースがうねって。そしてミドルテンポで素朴で可愛らしい女性ヴォーカルがはいってキーボードリフをバックにメルヘンチックに歌って。2ndヴァースでは綺麗なピアノリフやパイプオルガンサウンドが加わって。間奏ではパワフルなベースラインをバックにエモーショナルなギターソロが。そしてドラマティックなサビへ。とても素敵なバラードソングですね。
 11曲目は「Hesperia」。ギターのヘヴィリフからミドルテンポではじまって、シンセサウンドが響き、ギターとキーボードのメロウなリフをバックに可愛らしいポップなヴォーカルがはいって。アニソン風な感じかな。その後キーボードの変拍子リフからゆったりと明るく広がりのあるスキャットがコーラスでながれ、パワフルな変拍子リフからリズミカルなピアノリフとうねるベースをバックに可愛らしいヴォーカルがドラマティックに歌い上げて。中盤ではドコドコパワフルドラムをバックにギターとキーボードがテクニカルなリフを、そしてギターのテクニカルでアグレッシブなソロへ。バックではベースがテクニカルなラインを。終盤ではパイプオルガンサウンドが響き、神秘的な雰囲気になるも、ミドルテンポのリズムがながれ、ゆったりとハイトーンヴォーカルがはいって、そしてドラマティックに歌い上げて。ラストはティンパニサウンドが響くなか、劇的にFin.。
 ファルセット気味の素朴で可愛らしい女性ヴォーカルがはいるヴァースではアニソン風な曲調に感じられますが、インストパートになるとギターもベースもキーボードもドラムスもめっちゃテクニカルでパワフルで弾きまくり叩きまくりで凄いっす。特にうねりまくりのベースと弾きまくりギターは凄すぎ!めっちゃ聴きごたえありますね。POPなヴァースと超テクインストの緩急がドラマティックな楽曲をより一層引き立てているような。とっても素敵なアルバムです。この1枚でバンドがなくなってしまったのは非常に残念です。

LUSHEL Promised Land

2012-03-24 07:33:02 | ジャパン・プログレ
 このブログで紹介させていただいたあるバンドのメンバーの方からこのバンドのことを教えていただきました。名古屋発のNOVELAタイプのバンド<LUSHEL/ルーシェル>です。
 <LUSHEL>は、1983年にヴォーカルの<廣瀬正之さん>、ドラムスの<本橋厚さん>、ギターの<鬼頭満さん>、ベースの<宮崎哲郎さん>、そしてキーボード<原一博さん>の5人で結成され、名古屋のELLをベースにライブ活動を始めて、そのサウンドとルックスの良さもあって人気を博して、大阪や東京・横浜に進出し、スターレスやソフィアなどともに女性ファンを魅了したそうです。メンバーは85年にベースは<杉山哲也さん>に、ギターが<加藤巌さん>に交代されますが、86年に女性ファンに大人気の原さんが某バンドに引き抜かれて(?)脱退し、<山田厚さん>に交代します。サウンドはその頃からそれまでのNOVELAタイプのプログレハードからポップ路線になったそうですが、惜しまれつつも翌87年に解散されたそうです。その後、原さんは作曲・編曲家やプロデューサーとしても活躍されて、大ヒット曲を連発!2000年には日本レコード大賞作曲賞も受賞されるなど大成功を収めます。
 そして2006年。<LUSHEL>復活!ミニアルバム「時流のかけら」を発表し、ライブ活動も行って、本格的に始動します。そして2010年4月にこの念願のフルアルバム「Promised Land」が発表されます。メンバーはヴォーカル廣瀬さん、ベース宮崎さん、ギター加藤さん、そしてドラムスが<ミタムラ・ハジメさん>、キーボードが<スミ・カズヒロさん>の5人で、ゲストでなんと原さんが数曲参加されています。
 アルバム1曲目は「Ocean」。さざ波の音がゆったりとながれ、シンセのしっとりとしたサウンドが叙情的にながれて。そしてシンバルロールから壮大なオケサウンドがながれて盛り上がって。劇的な序章です。
 2曲目は「Promised Land」。オルゴールのメロディと子供の歌声がメルヘンチックにながれて。それが一転ダイナミックなオケサウンドのリフからアップテンポの疾走ドラムにのってギターのヘヴィなリフがはいってハイトーンのパワフルなヴォーカルが。ドライブ感満点のメロハー、ベースラインもめっちゃかっくいいっす。間奏ではギターのメロウなソロ、そしてバンドリフとベースリフの掛け合いも。終盤ではオケサウンドのダイナミックなリフから再び疾走します。
 3曲目は「光の天空(そら)」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、ギターの伸びやかな音色が響き、アップテンポのドラムにのってシンセのパワフルなリフが。そしてパワフルかつメロウなヴォーカルがはいって。メロディアスでとっても綺麗な曲ですね。間奏ではテクニカルなユニゾンリフからオルガンのエモーショナルなソロ、ギターのテクニカルなソロが。
 4曲目は「セレナーデ」。ミドルテンポのシーケンスリズムからはじまって、パワフルなベースリフと綺麗なピアノリフがゆったりと。そしてアコギリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがはいって。メランコリックなバラード曲ですね。サビでは歌い上げて盛り上がって。間奏ではアコギのメロウなソロが。
 5曲目は「赤いくつ」。シンセのゆったりとしたメルヘンチックなリフからはじまって、ハープのような美しい音色が印象的に響いて。そしてゆったりとしたヴォーカルがはいって抒情的な雰囲気に。間奏ではシンセをバックにアコギの素朴なソロが。その後一転ダイナミックなリフがはいって、ギターのヘヴィなリフからエモーショナルなシンセソロ、ギターのヘヴィなソロが。終盤ではドラマティックに盛り上がって、ラストはしっとりと。
 6曲目は「ささやきに揺れて」。ギターのヘヴィリフとピアノの綺麗なリフからアップテンポのノリノリモードではじまって、メロウで伸びやかなヴォーカルがはいって。ベースのダンサブルでリズミカルなリフ、かっくいいっす。サビではヴォーカルが歌い上げて、間奏ではエモーショナルかつテクニカルなギターソロが。
 7曲目は「夢の揺りかご」。ミドルテンポのパワフルなタムドラムからドンドコはじまってダイナミックなリフがはいって。ピアノの綺麗な音色が印象的。そしてギターのメロウなリフをバックにしっとりとした伸びやかなヴォーカルがながれ、コーラスがはいって盛り上がって。とってもメロディアスで素敵な曲ですね。間奏ではピアノの瑞々しいソロからギターのヘヴィでエモーショナルなソロがドラマティックに展開して。ラストは古いレコードのようなノイズ音とモノラルっぽいクラシカルなリフがながれて。
 8曲目は「Cross」。シンセのしっとりとしたリフ、ピアノのリフからゆったりと抒情的にはじまって、ヴォーカルがはいって、サビでドラマティックに歌い上げて。美しいバラードですね。終盤ではオケサウンドのリフがスネアリズムにのってながれ、ヴォーカルが歌い上げて盛り上がって。
 9曲目は「千の鼓動」。ダイナミックなリフからアップテンポのノリノリのドライブ感たっぷりのドラムがはいって、シンセのスリリングなリフが。そして伸びやかで力強いヴォーカルはいって、サビで盛り上がって。間奏ではテクニカルなギターソロが。ノリノリのかっくいいメロハー曲です。
 10曲目は「祈り」。アコギのゆったりとしたリフが哀愁たっぷりにながれ、ダイナミックなリフからアコギリフをバックにしっとりとしたヴォーカルが。サビではダイナミックに盛り上がります。間奏では伸びやかでエモーショナルなギターソロが。
 11曲目は「漂流」。シンセのオケサウンドのダイナミックなリフが哀愁たっぷりにゆったりとながれ、美しいハープサウンドが響き、ティンパニサウンドが轟いて。情緒ただよう和風な感もありますね。2分弱の終章です。
 ここからはボーナストラックです。12曲目は「幻惑」。哀愁を感じるダイナミックなシンセリフからミドルテンポのワルツリズムではじまって、ゆったりと囁くようなヴォーカルがはいって、徐々にパワフルに盛り上がっていって。間奏ではオルガンのテクニカルなリフからギターのエモーショナルなソロが。その後、パイプオルガンサウンドと鐘の音が荘厳に響き、ハープシコードのような音のリフがゆったりとながれ、シンフォニックなリフが壮大にながれ、ヴォーカルが歌い上げてドラマティックに劇的に。
 13曲目は「廃落のフィナーレ」。アコギの素朴なリフからゆったりとはじまって、ヴォーカルが郷愁ただようスキャットを。そしてシンセのダイナミックなリフが壮大にながれたあと、一転アップテンポの疾走ドラムがはいってノリノリモードでパワフルなヴォーカルが。ギターのエモーショナルでテクニカルなソロも。その後一旦止まってからアコギのゆったりとしたリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがながれて。そしてアップテンポのパワフルなオルガンリフから疾走モードでオルガンのテクニカルなソロ、シンセのテクニカルなリフからパワフルなヴォーカルがノリノリでシャウト!終盤ではダイナミックなシンセリフとヘヴィなギターリフがゆったりと壮大にながれ、再びアップテンポの疾走ドラムがはいってドライブ感たっぷりに展開し、盛大なエンディングを迎えます。
 パワフルでメロディアスで美しくドラマティックな曲がいっぱいのとっても素敵なアルバムですね。特に美しいキーボードサウンドとパワフルでリズミカルなベースが強く印象に残っています。もちろん、ハイトーンヴォーカルもテクニカルなギターもドラムスもかっくいいっす。そして最後のボーナストラック2曲がプログレ的展開でお気に入りです。いつか機会があればライブを観に行きたいです。

シルバーエレファント  スーパーオムニバス

2012-02-20 06:18:46 | ジャパン・プログレ
 日本プログレの聖地ともいえるライブハウス<吉祥寺シルバーエレファント>、通称“シルエレ”。私もちょくちょくおじゃましておりますが、1993年にシルバーエレファント名義で「スーパー・オムニバス」という5バンド各2曲の10曲収録オムニバスアルバムを発表されているんですね。それが先日手に入ったもので紹介させていただこうかと。5バンドのうちの4バンドは全く知らないバンドです。
 まずは<星観る人>。メンバーは、ベース<国本剛章さん>、ギター<吉田茂生さん>、ドラムス&ヴォイス<タマオさん>、そしてフルート<北村園子さん>です。
 1曲目は「俳句」。ミドルテンポの軽快なアップビートにのってギターの爽やかな感じのフレーズがながれて。バックのテクニカルなベースライン、かっくいいっすね。その後スリリングなブレイクリフからゆったりとしたリズムでギターのエモーショナルなソロが。途中いきなり止まって幻想的なスキャットやメルヘンチックなメロディがはいって。中盤ではヘヴィなギターリフをバックにアグレッシブなベースソロ、そしてヘヴィなギターソロが。その後ギターの軽やかなリフが爽やかにながれ、アップテンポになって、テクニカルなブレイクリフが。
 2曲目は「有限の楽園」。ギターの爽やかなリフとフルートのしっとりとした音色が響き、そしてミドルテンポのソフトなリズムにのって美しい女性ヴォーカルが浮遊感たっぷりにしとやかにながれて。中盤ではギターの軽やかなサウンドのソロが。とっても優雅でロマンティックな感じの曲ですね。ラストはフルートソロでフェードイン。
 趣の異なる2曲ですが、テクニカルでパワフル、かつ繊細で美しく、とっても素敵なサウンドですね。特にベースが印象に残りました。しっとりとした美しいファルセット気味のヴォーカルも素敵です。

 次は<MiLK+>。メンバーは<田島裕子さん>、<鈴木紳午さん>、<太田知秀さん>、<降旗俊之さん>で、担当楽器は判りません。
 1曲目は「夢の残像」。ダイナミックでミステリアスなリフからはじまって、アップテンポで美しい女性ヴォーカルが伸びやかな歌声を響かせて。スペーシーな感もありますね。間奏ではヘヴィでアグレッシブなギターソロが。
 2曲目は「Sweet Movie」。ミドルテンポでほのぼのした感じのリフからゆったりとはじまって、伸びやかなヴォーカルがたおやかにながれて。浮遊感もあってとっても心地よい曲ですね。間奏ではエモーショナルなギターソロが。ラストはオケサウンドもはいってドラマティックに。
 透き通るような美しい伸びやかなファルセットの女性ヴォーカルがとっても印象的で、バックのテクニカルな演奏もかっくいいっす。

 次は<PAN>。メンバー名はわかりません。ジャケットの写真で見る限りでは5人編成のようです。
 1曲目は「遥かなる月影」。トライアングル等のパーカッションリズムからミドルテンポではじまって、荘厳なシンセサウンドがゆったりと響き、そしてややハスキー気味の男性ヴォーカルがしっとりと。その後ベース・ドラム・ギターがはいってサビでは歌い上げて盛り上がって。素敵なバラードソングですね。終盤ではヘヴィサウンドのエモーショナルなギターソロがドラマティックに。
 2曲目は「Break The Rainbow」。シンセの鮮烈なリフからミドルテンポでダイナミックにはじまって、爽やかなヴォーカルが。サビでは力強いコーラスがはいって。間奏ではエモーショナルなシンセソロが。終盤ではアグレッシブなギターソロが。あの当時のJ-POPサウンドですね。

 次は<ヴェール・ヴェー>。メンバー名はわかりません。ジャケットの写真で見る限りでは4人編成のようです。
 1曲目は「トリトンのくちづけ」。アグレッシブなギターソロがフェードインしてきて、それが止まるとミドルテンポでゆったりした感じのギターリフと女性ヴォーカルがはいって。色っぽい感じのヴォーカル、いい感じですね。間奏ではエモーショナルなギターソロが。
 2曲目は「砂の泪」。幻想的なコーラスからはじまって、ミドルテンポでパーカッションのリズムがはいって。中近東系な妖しい雰囲気がただよってます。シタール風のサウンドもいい感じですね。 

 ラストは<NEGASPHERE>。以前フルアルバムを紹介させていただきました。<Negasphere/ネガスフィア>は、シンセサイザーを操る<川崎薫さん>が中心となって1977年に結成されたそうです。ですがメンバーの出入りが激しくなかなか安定しなかったそうで。そして83年後半に元グリーンのテクニカルドラマー<菅野詩朗さん>が加入。強力なリズムセクションが誕生したことでバンドの安定感が増して、翌84年には待望の1stアルバム「Castle In The Air/砂上の楼閣」が発表されます。メンバーは川崎さん・菅野さんの他、ベース<徳武浩さん>、ギター<真嶋宏佳さん>、ピアノ<矢田徹さん>です。85年になると新たにヴォーカリスト<平田士郎さん>が加わり、5月6日にこの6人編成での最初で最後のライブが行われました。
 1曲目は「Thrusting Through」。軽快なギターリフからはじまってテクニカルなドラムをバックにクリスタルなシンセサウンドが響き、そしてオルガンリフとギターフィルがはいって、アップテンポになってギターとシンセがユニゾンで爽やかなフレーズを奏でて。その後、シンセソロからテクニカルなリフが展開してシンセの伸びやかな音色が響いて。明るく楽しいリズムでテクニカルに展開していく曲ですね。
 2曲目は「KEEN」。パワフルでダイナミックなリフからテクニカルにスリリングにはじまって、ギターとキーボードのユニゾンリフ、キーボードリフとギターフィルがテンポチェンジしながらながれ、そしてテクニカルなギターソロへ。その後スリリングなユニゾンリフからミドルテンポになってシンセソロ、テクニカルなユニゾンと続いて。中盤ではミドルテンポでゆったりとドラマティックにシンセサウンドとベースラインが響き、エモーショナルなギターソロへ。ラストはアップテンポのギターとベースのテクニカルなユニゾンリフからダイナミックにFin。
 2曲ともめっちゃテクニカルで超かっくいいっす。しかもメロディアスでドラマティックで聴き応えありますね。特にやはりドラムがいいですねぇ。いまだCD化されていない正規アルバム2枚の再発を期待したいっす。

Quaser  DELTA FLUX

2011-10-06 21:27:22 | ジャパン・プログレ
 リーダーでキーボード&ヴォーカルの<森田拓也さん>が中心となって1976年に結成されたテクニカル・シンフォ・プログレバンド<Quaser>。長い歴史のなか、紆余曲折を経て、苦難を乗り越え、1994年に森田さんのソロ的ながらも1stアルバム「Out From Quaser」を発表。そしてあらためてプログレドラマー<形山和夫さん>らメンバーを集めてバンドを組み、95年の阪神大震災という未曾有の災難を乗り越えて、ギタリスト<勝浦雅巳さん>を迎えて99年に2ndアルバム「Remergence」を発表されます。しかしその後にベーシストが脱退してしまい、バンドはしばらく森田さん・勝浦さんのお2人がリズムシーケンサーを用いて<プチ・クェーサー>としてライブを行ったそうです。
 翌2001年に新たにベーシスト<藤井博章さん>を迎えて<Quaser>として活動を再開され、2003年10月に3rdアルバム「Phase Transition」を発表。その後ライブ活動を続けられ、8年後の今年2011年9月に4thアルバム「DELTA FLUX」を発表されます。レコーディングメンバーは、キーボード&ヴォーカルの<森田拓也さん>、ギターの<勝浦雅巳さん>、ベースの<藤井博章さん>、そしてドラムスの<形山和夫さん>です。このアルバムは2006年から2009年にかけてレコーディングされたようで。今回のアルバムにはなんとごく初期のメンバーだったギタリスト<是永巧一さん>が8曲目に参加されているそうで。これまためっちゃ嬉しいっす!
 高層ビルが溶けて飛び散り、下層は波がうねっていて。都会が津波にのまれるような感じは、今年は3.11大震災があっただけに直視するのはちとキツいかな。
 アルバム1曲目は「Wild Ocean」。波の音が静かにながれて。そしてアップテンポのオルガンリフとヘヴィなギターリフからダイナミックにはじまって、シンセの鮮烈なリフから壮大な感じに。その後静かになってギターのメロウなフレーズがながれてしっとりとしたヴォーカルがはいって、サビではパワフルに。間奏でちょこっとギターのテクニカルなタッピングソロが。これ絶妙ですね。2ヴァースではヴォーカルがパワフルに。中盤ではオルガンのリズミカルなソロから伸びやかで爽やかな感じのヴォーカルが。その後オルガンとギターのテクニカルなリフからギターのメロウかつテクニカルなフレーズがながれ、そして再び伸びやかなヴォーカルが。終盤ではアップテンポになってパワフルなヴォーカルがはいって、そしてミドルテンポになってシンセの壮大なメロディがながれ、ラストはダイナミックなリフが。複雑に展開していくドラマティックな曲です。
 2曲目は「Windmezzo」。ピアノのしっとりとしたリフレインがながれ、アコゴの哀愁ただようフレーズがゆったりと。抒情的で寂しげなインストです。後半にはギターの泣きのメロディが心に響きますね。
 3曲目は「Enemy God」。ミドルテンポのパワフルなドラム、ヘヴィなギターリフからはじまって、シンセのミステリアスなリフがながれて。そしてストリングスサウンドのアップテンポのリフがスパイラル感覚でながれ、ギターリフ・シンセリフからギターのテクニカルなリフがスパイラル感覚で。中盤ではシンセのホルン(?)のようなサウンドがながれ、そしてギターとパワフルなリフを。終盤ではアップテンポでギターがテクニカルなリフを、シンセがブラスサウンドでパワフルなリフを。
 4曲目は「Days After」。ピアノのダークかつ力強いリフからゆったりとはじまって、ヴォーカルがはいってちょっぴりほのぼのとした感じに。その後ギターの軽やかなソロからしっとりとしたヴォーカルがはいって、そして鐘の音が響くなかドラマティックに盛り上がって。終盤では静かになって、ピアノとシンセのオーボエ風サウンドが抒情的なメロディを奏でて。
 5曲目は「Berlingia」。ヘヴィなギターリフと叩きまくりドラムからダイナミックにはじまって、ギターの哀愁リフがリズミカルにながれて。そしてピアノのしっとりとしたリフからベースの力強いリフ、ギターのヘヴィなリフが迫りくるようにダイナミックに。中盤ではミドルテンポのパワフルなリズムにのってギターとピアノがパワフルなリフを。そしてヴァイオリンがスリリングかつミステリアスなリフを。その後ピアノリフからギターがテクニカルなソロ、ゆったりと爽やかなフレーズを奏で、ドラマティックに。
 6曲目は「Airly Tale」。シンセの深く幻想的なサウンドがながれ、しっとりとしたヴォーカルがはいってゆったりと。その後ミドルテンポになってリズミカルなヴォーカルが。終盤ではシンセサウンドがゆったりとながれて、そしてファンの歓声が。
 7曲目は「Poseidonia」。フルート風のしっとりとした音色がながれ、ストリングスサウンドがゆったりと幽玄にながれて。そしてダイナミックなリフからシンセの鮮烈なリフが。その後、パイプオルガン調のサウンドがゆったりとながれ、オーケストラサウンドがはいって盛り上がって。
 8曲目は「Dreamseeker」。ミドルテンポでオーボエ風サウンドのリフとピアノリフがリズミカルにながれ、ほのぼのとした感じのヴォーカルがはいって、サビではドラマティックに。2ヴァースでは途中からストリングスサウンドがはいって盛り上がって。間奏ではエモーショナルなギターソロが、そして終盤では爽やかにドラマティックに展開して。
 9曲目は「Awaker」。シンセのスペーシーなサウンドが幻想的にながれ、そして素朴な感じのメロディがしっとりと響き、アコギの音色がゆったりながれてからヴォーカルがはいってユニゾンで聴かせて。その後ミドルテンポのファンキーっぽいリズムがはいってパワフルなリフが。終盤ではシンセのゆったりと幽玄なサウンドがながれ、ミドルテンポでヴォーカルがはいって、サビではパワフルにファンキーっぽく。
 10曲目は「Psycollapse」。ダイナミックなリフからアップテンポのリズムがはいってキーボードとギターのユニゾンリフがミステリアスにながれて、そしてギターがヘヴィでアグレッシブなソロを。その後ピアノリフからシンセのテクニカルなソロ、そしてギターとユニゾンで聴かせて、それがテンポダウンしていって。中盤ではピアノの力強いリフがゆったりとながれ、ミドルテンポのリズムがはいってギターがメロウなリフを。その後ミステリアスなフレーズからダイナミックなリフが。
 11曲目は「Long road」。フルート風サウンドがゆったりと抒情的にながれ、そしてリズムがとまって様々な音が飛び交って。その後しっとりとメロウなヴォーカルがはいって、途中からヴォーカルにエフェクトがかかって浮遊感がただよって。中盤ではキーボードのほのぼのとした感じのフレーズがゆったりとながれ、ミドルテンポのリズムがはいってギターがメロウなアルペジオリフを奏で、そしてしっとりとしたヴォーカルがはいってドラマティックに展開して。終盤では小鳥のさえずりが聴こえてきて、そしてギターがメロウかつテクニカルなソロを。ラストは波の音が静かにながれてFin。
 ハードにヘヴィにテクニカルに、そしてクラシカルに繊細に美しく、どんどん展開していくまさしくプログレッシブなサウンドをたっぷりと堪能させてくれますね。様々なタイプの曲を長い曲・短い曲、ヴォーカル曲・インスト曲と織り交ぜて、アルバム11曲を個別でも全曲通しでも楽しませてくれます(長いといっても6分くらいですが)。複雑な構成の曲は聴くたびにその良さがどんどん増幅していって、あらたな発見もあったり。3rdアルバムから8年という時間を経て構築された素敵なアルバムです。またいつかライブも観に行きたいっす。
※ このアルバムはP社M氏より提供していただきました。M様、どうもありがとうございました。

Quaser Phase Transition

2011-03-29 22:13:50 | ジャパン・プログレ
 リーダーでキーボード&ヴォーカルの<森田拓也さん>が中心となって1976年に結成されたテクニカル・シンフォ・プログレバンド<Quaser>。長い歴史のなか、紆余曲折を経て、苦難を乗り越え、1994年に森田さんのソロ的ながらも1stアルバム「Out From Quaser」を発表。そしてあらためてメンバーを集めてバンドを組み、95年の阪神大震災という未曾有の災難を乗り越えて、99年に2ndアルバム「Remergence」を発表されます。しかし発表後にベースの中津浜さんが脱退してしまい、バンドは後任に<ミカエル山口さん>を迎えてレコ発ライブを敢行されます。ところが2000年4月のライブを最後にミカエルさんは脱退してしまい、バンドはしばらく森田さん・勝浦さんのお2人がリズムシーケンサーを用いて<プチ・クェーサー>としてライブを行ったそうです。
 翌2001年に新たにベーシスト<藤井博章さん>を迎えて<Quaser>としてライブ活動を再開され、さらにニューアルバムに向けての曲作りやレコーディングも進行されます。
 そして2003年10月にこの3rdアルバム「Phase Transition」を発表されます。タイトルは“相転移”という意味で、メンバーのおのおのの音が溶け合って昇華したとのニュアンスがあるそうで。このアルバムにはメインテーマとなる「約束の地/Promised Land」という全編22分に及ぶ4部構成の組曲が収録されています。
(ここまでの紹介文は、バンドHPのバイオグラフィーを参考にさせていただきました)

 アルバム1曲目は「Promised LandⅠ」。幻想的なサウンドがゆったりとながれ、そしてパワフルなリズムとうねるベース、そしてブラスサウンドのダイナミックなリフがミドルテンポでながれ、その後シンセのパワフルなリフ、ヘヴィなギターサウンドのリフをバックに力強いヴォーカルがはいって。ヴァース合間にはいるピアノフィル、そしてグルーヴィなうねるベース、いいですねぇ。中盤ではブレイクリフのあとテクニカルなギターソロが。そしてバンドリフとギターソロの掛け合いも。その後ゆったりとした感じのなか、エモーショナルなキーボードソロが。終盤ではゆったりとしたテンポでしっとりとしたヴォーカルがながれ、そして劇的にFin。息つくひまもないどんどん展開していく曲ですね。
 2曲目は「Promised LandⅡ」。ガットギターの素朴な音色がゆったりとロマンティックにながれて。そしてアコギのミドルテンポのほのぼのした感じのリフからピアノとシタールのような音色が妖しく響き、その後ゆったりと爽やかな感じのヴァースへ。中盤ではピアノリフをバックにしっとりとしたヴォーカルが。その後力強いピアノリフと味わい深いベースリフ&ソロが。バックではシタール風サウンドが妖しく響いて。終盤ではミドルテンポでリズミカルな感じのヴァースが。そしてパワフルでダイナミックな展開になり、ギターは弾きまくって。
 3曲目は「Promised LandⅢ」。間髪入れずに入って、ミドルテンポでピアノリフとヘヴィがギターリフがながれ、そしてアップテンポになってギターとオルガンのリフが軽快にリズミカルに。その後ミドルテンポのヘヴィでダークな感じになって力強いヴォーカルがはいって、そしてアップテンポになってスリリングに攻撃的に展開していきます。激しいリフのあと、ミドルテンポでアグレッシブなキーボードソロが。そして一旦リズムがとまってパワフルなシンセリフからパワフルなミドルテンポでヘヴィリフをバックに力強いヴォーカルが。中盤ではゆったりとしたピアノリフがしっとりと響き、そしてヴォーカルがはいって徐々に盛り上がっていき、アグレッシブな弾きまくりギターソロへ。終盤ではミドルテンポで落ち着いた感じになるも、早口のヴォカルが。その後リズムがとまってパイプオルガンサウンドのミステリアスなリフが響き、そしてゆったりとダイナミックに盛り上がってパワフルにFin。どんどん展開していくドラマティックな曲です。
 4曲目は「Chang」。ミステリアスなピアノリフと力強いヴォーカルからはじまって、その後ミドルテンポのリズムと暗めのギターリフがはいって哀愁だだよう曲調になり、サビでは力強いシャウトも。中盤ではミドルテンポでヘヴィなギターリフをバックにエモーショナルなシンセソロが。中盤では再びヴァースに戻って。ブルージーな感もありますね。その後ゆったりとしっとりとした感じになり、終盤ではピアノリフがはいってパワフルながらもジャジーな感じに。その後ゆったりとけだるい感じになってパワフルなドラムとオルガンサウンドが響いて。
 5曲目は「Tarotmaster」。パワフルなミドルテンポのリズムにのって明るく爽やかなリフが軽快にながれて。そしてギターのキーボードのメロディアスなユニゾンフレーズがながれ、そしてギターのエモーショナルなフレーズが。ドラマティックなフュージョンって感じでしょうか。その後リズムが止まってオルガンサウンドとシンセサウンドが響き、そしてミドルテンポのパワフルなリフから今度はベースリフからゆったりと幻想的な雰囲気になり、メロトロン風のサウンドが響いて。中盤ではゆったりとしたテンポでブルージーでテクニカルなギターソロが。そしてパワフルなギターリフとシンセリフが響き、その後アップテンポになってギターのメロディアスなフレーズがドラマティックにながれて。終盤ではオルガンリフとシンセリフがミドルテンポでながれ、キーボードのトリルリフも加わって。とっても素敵なインストですね。
 6曲目は「Helianthus」。ジャジーなピアノソロからはじまって、ムーディなヴォーカルがはいって、そしてパワフルでダイナミックなリフが。その後ダイナミックで雄大な感じのリフと力強いヴォーカルがミドルテンポでながれ、サビではドラマティックに歌い上げて。中盤にはエモーショナルなギターソロが。そしてギターとピアノのユニゾンっぽいフレーズがゆったりとながれ、メロウなヴォーカルがはいって。終盤ではダイナミックなリフをバックに力強いヴォーカルが。ラストはリズムがとまってリズミカルなキーボードリフと伸びやかなギターリフがながれて。
 7曲目は「Wait for Nothing」。パワフルなドラムからミドルテンポでファンキーにはじまって。軽快なギターリフをバックにリズミカルなヴォーカルがパワフルに。短いソロバトルのあと、ミドルテンポでゆったりとダークな雰囲気になってエモーショナルなギターソロが。弾きまくりのあと、リズムが一旦とまってそして再びミドルテンポのファンキーな感じに。終盤では再びゆったりとダークでけだるい感じになってアグレッシブなギターソロが。
 8曲目は「Brigade of Hope」。ドラの音からミドルテンポのヘヴィなギター&キーボードのユニゾンリフからはじまって、そして明るく爽やかなギターフレーズが心地よくながれて。変拍子のパワフルリフのあと、キーボードの様々な音色のリフがながれ、そしてギターのエモーショナルなフレーズがゆったりとながれて。その後ゆったりとした伸びやかなヴォーカルがはいって。中盤ではパワフルなギターリフからしっとりとしたヴォーカルが綺麗なキーボードサウンドにのって心地よくながれて。そしてヘヴィなギターリフから明るく華やかなテクニカルなギターソロが。終盤ではミドルテンポで爽やかなヴォーカルがはいって、そしてアップテンポになってパワフルに盛り上がって。その後ピアノリフとベースリフがしっとりとながれるも、ヘヴィでダークなギターリフがながれ、エモーショナルなギターソロが。
 9曲目は「Promised LandⅣ」。しっとりとしたピアノリフがゆったりとながれ、そこにヴォーカルがはいって叙情的な曲調に。その後幻想的なシンセサウンドがながれ、そこにアップテンポのリズムがはいってリズミカルになって、サビではミドルテンポで早口ヴォーカルとテクニカルなフィルが。中盤では静かになってゆったりと幻想的な雰囲気になり、エモーショナルなギターソロが。その後ミドルテンポでシンセサウンドとピアノリフがながれるなかドラマティックに盛り上がって。そしてリズミカルなリフからシンセリフが響き、ギターのテクニカルなリフからゆったりと壮大でドラマティックな展開になり、ギターのエモーショナルなソロが。ラストはミドルテンポのパワフルなリズが響くも、それが止まって荘厳なシンセサウンドが響き、しっとりとしたヴォーカルがながれて。
 どんどんと次々と展開していく複雑な構成の曲が多いんですが、決して難解ではなく、どの曲もとってもドラマティックでめっちゃ聴き応えありますね。何回も聴くことで曲の魅力が増幅されていくようなアルバムかと。

Quaser Remergence

2011-03-26 11:19:12 | ジャパン・プログレ
 テクニカル・シンフォ・プログレバンド<Quaser>は、1976年にバンドリーダーでキーボード&ヴォーカルの<森田拓也さん>が中心となって結成されました。当時のメンバーはキーボードの<松浦義和さん>と、ドラムスの<中間和之さん>のトリオ編成で、EL&Pの完コピや長編オリジナルを演奏し、渋谷や吉祥寺のライブハウスで活動されていたそうで、あの<スペース・サーカス>や<プリズム>などとも共演されていたとか。さらに森田さんは神戸出身ということもあり、関西のプログレバンドとも交流され、そのなかで現アインソフの山本さんとも親しくされたそうで。
 78年には松浦さんが実家の福岡に戻ることになり、バンドの存続を優先して森田さんと中間さんも福岡へ移住されたそうです。ところが翌79年に中間さんが脱退してしまいます。しかし当時ヤマハでディレクターとして活躍されていたドラマー<鴨崎永昌さん>が加入することになり、さらに鴨崎さんの紹介で弱冠19歳ながらその才能を開花させつつあった新鋭ギタリスト<是永巧一さん>も加入することになり、新たに4人編成となってライブや曲作りなど活発に活動されます。そして翌80年には是永さんが大学入学のため東京へ行くことになり、その頃デモテープがレコード会社に認められたこともあって、拠点を再び東京に移して活動されます。しかしこの頃はプログレが低迷していたこともあり、レコード会社の担当もポップス志向だったこともあってバンド活動を断念。1982年にバンドは解散してしまいます。(この後、是永さんはあのスーパーバンド<REBECCA>のサポートギタリストとして活躍されます)
 バンドリーダー森田さんは神戸に戻って仕事の傍らデジタル機器を駆使して、来る日のためにデモテープを作りつづけておられたそうです。そして1993年3月、森田さんはかねてから親交のあったアインソフの山本さんの元へデモテープを持って訪れ、山本さんが快諾されて、翌94年に<Quaser>の記念すべき1stアルバム「Out From Quaser」が発表されます。これを機に再びバンド活動をはじめることになり、ベースの<中津浜優作さん>が、さらに山本さんの紹介で、MIDASや夢幻等で活躍されたプログレドラマー<形山和夫さん>が加入され、神戸を拠点にライブ活動を再開されます。ところが・・・
 1995年1月17日朝。突然の阪神大震災に見舞われ、神戸は壊滅的な被害をうけ、メンバーの皆さんもバンド活動どころではなくなって。それでも徐々に復興され、そんななかでバンドは新たにギタリスト<勝浦雅巳さん>を迎えて4人編成で活動することになり、形山さん所有の音楽スタジオも被害が少なかったこともあって復旧され、バンドはニューアルバムのレコーディングを少しづつはじめられたそうです。そしてライブ活動も再開され、1999年にこの2ndアルバム「Remergence」を発表されます。(ここまでの紹介文は、バンドHPのバイオグラフィーを参考にさせていただきました)

 アルバム1曲目は「Desert Night」。ゆったりと幻想的な雰囲気ではじまります。ギターのメロウなフレーズ、そしてベースの味わい深いラインが叙情的に響いて、その後、ギターがヘヴィサウンドでアグレッシブなソロを。アルバムの序章的なインスト曲です。
 2曲目は「Roger」。パワフルなリフからミドルテンポでダイナミックにはじまり、ギターのメロウなフレーズがながれ、しっとりとしたヴォーカルがはいって。そして徐々に盛り上がっていき、ドラムも叩きまくって、ギターのエモーショナルなソロへ。その後アップテンポの躍動感たっぷりのパワフルなリフからミドルテンポになってキーボードのクリスタルサウンドのリフがゆったりとながれ、エモーショナルなベースソロへ。中盤ではダイナミックなリフから一転しっとりとしたヴォーカルがながれ、そして躍動感たっぷりのパワフルなリフから盛り上がって、ピアノのアヴァンギャルド気味のソロも。終盤ではギターのメロウなフレーズがゆったりとながれて。
 3曲目は「Mr,Dick」。軽やかなアルペジオギターリフからはじまって、そして囁くようなソフトなヴォーカルがゆったりとながれて。その後パワフルなミドルテンポのリズムがはいるもゆったりとほのぼのした感じに。中盤ではオーボエ風サウンドのキーボードソロ、そして情緒たっぷりのエモーショナルなギターソロが。その後ヘヴィなギターリフからパワフルな曲調になり、ブラスサウンドもはいってにぎやかに盛り上がって、そしてアグレッシブなギターソロへ。ラストはゆったりとしっとりとFin。ドラマティックな展開の素敵な曲です。この曲は1996年に闘病の末に天国へ旅立ってしまった元ドラマー鴨崎さんへの追悼曲だそうです。
 4曲目は「Anastasia」。エモーショナルなギターソロからクリスタルなキーボードサウンドのソロ、そしてエモーショナルなギターソロが。とってもドラマティックでメロディアスな曲調です。中盤では一旦リズムがとまってアルペジオリフとオルガンサウンドが幻想的にながれ、そしてパワフルな叩きまくりドラムをバックにギターソロが。その後ミドルテンポでヘヴィなギターリフとソロが。終盤ではオルガンリフからダイナミックに盛り上がって、そして再び静かになってピアノリフとストリングスサウンドをバックにエモーショナルなギターソロが。
 5曲目は「Moonbird」。浮遊感のある心地よいサウンドからゆったりとはじまってリズミカルながらも幻想的な感じに。そして囁くようなヴォーカルがはいって哀愁ただよう曲調になり、サビでは力強く歌い上げて。中盤ではエモーショナルなギターソロから爽やかなリフがはいって。ラストはしっとりとFin。
 6曲目は「Sae」。シンバルからベースのしっとりとしたフレーズがゆったりとながれ、幻想的な雰囲気ではじまって。そしてキーボードのほのぼのとした感じのフレーズがゆったりとながれ、ベースとユニゾンで。その後ピアノの美しいリフレインが響き、ミドルテンポの変拍子リフから再びしっとりとした曲調に。終盤ではギターのテクニカルなリフから明るく爽やかな感じになって。
 7曲目は「Blood of Life」。しっとりとしたヴォーカルからベースリフをバックにゆったりとムーディにはじまって。アダルティックでジャジーな感じですね。中盤ではヴィヴラホンサウンドのキーボードソロが。その後力強いヴォーカル、そしてパワフルなドラムがはいって躍動感たっぷりに盛り上がってドラマティックな展開に。終盤ではエモーショナルなギターソロも。
 8曲目は「King of Pancrase」。ミドルテンポのパワフルなドラムから明るく力強いリフがはいって、そしてギターのテクニカルなリフ、オルガンとストリングスサウンドのリフが。その後ギターの哀愁ただようフレーズがながれたあと、一転パワフルでヘヴィなリフがはいって、そしてスリリングなギターとキーボードの掛け合いも。かっくいいインスト曲です。
 9曲目は「Doomsday」。シンバルから幻想的なキーボードサウンドがゆったりとながれ、そしてギターがメロウなフレーズを奏で、その後ほのぼのした感じのヴォーカルがゆったりとながれて。ムーディでアダルティな曲調ですね。中盤ではピアノのジャジーなソロやギターのエモーショナルなソロが。終盤ではパワフルに盛り上がって、ピアノのおしゃれな感じのソロも。ラストはしっとりとしたベースリフがながれてFin。
 10曲目は「Green Spice」。ほのぼのとした感じのキーボードリフがゆったりとながれ、そしてミドルテンポで幻想的な感じに。その後アップテンポのノリノリモードになってキーボードソロが。終盤では再び幻想的にしっとりと。
 全体的に落ち着いた感じの曲や叙情的な感じの曲が多く、しかもドラマティックな展開の曲もあり、それらをテクニカルな演奏でたっぷりと聴かせてくれて。ジャジーな感じやほのぼのとした感じの曲などもとっても心地いいっすね。阪神大震災という災難に遭い、苦難を乗り越え3年半かかって発表された本作、様々なタイプの曲を堪能できる内容の濃い、メンバーの想いが伝わってくるような素敵なアルバムですね。

Prospective Faces

2011-01-19 06:25:43 | ジャパン・プログレ
 以前、made in japanレーベルが1989年に発表したジャパン・プログレの貴重な音源を収録したコンピレーションアルバム「Prospective Faces Ⅱ」を手にいれて紹介させていただきましたが、今回はⅠであるこの「Prospective Faces 」を手にいれましたので紹介させていただこうかと。このアルバムは5バンド5曲が収録されていますが、そのうちの4バンドは以前紹介させていただいたバンドなもので実はこれまでノーマークだったんです。でもよく調べたらこれまでに紹介させていただいたアルバムには収録されていない曲が多いことがわかって、あわてて某中古CD店に駆け込んで購入した次第です。しかもほぼ定価で。美しいジャケット、おぢさんはかなり嬉しいかも。

 1曲目は<WHITE FANG>の「La Luna」。 89年12月から90年に2月にかけてスタジオでレコーディングされた音源のようです。メンバーはヴォーカル&ベースの<高橋竜さん>、ギターの<スズキ・クニアキさん>、キーボードの<小門学さん>、そしてドラムスは<下田武雄さん>です。1990年にアルバム「CRIMSON WAVES」を発表しています。この曲はアルバム未収録で、89年の2月から3月にかけて東京のスタジオでレコーディングされたようです。プロデューサーにはヌメロ・ウエノ氏のお名前が。
 「La Luna」は3部構成の10分に及ぶ組曲です。パイプオルガンの荘厳な音色が響きわたり、そしてアップテンポのヘヴィなギターリフからパワフルでスリリングな展開に。メロディアスなヴォーカルライン、いいですねぇ。間奏まずはパワフルなベースラインにのってキーボードのリフ、そしてギターのエモーショナルかつテクニカルなソロが。左右チャンネルのギターバトル、かっくいいっす。その後ミドルテンポでメロウで美しくドラマティックな展開に。中盤ではピアノをバックにしっとりとしたヴォーカルが。それが徐々に盛り上がっていき、強烈なシャウトから情感たっぷりのギターソロが。そしてミドルテンポのパワフルなリズムでギターリフが響いて。終盤ではミドルテンポで穏やかなキーボードリフをバックにたおやかなヴォーカルが。そしてフルートのような音色の優雅なフレーズがゆったりとながれてFin。
 メロディアスでドラマティックでとっても素敵な曲ですね。なんでこれほどの曲がアルバムに収録されなかったのか、不思議です。

 2曲目は<ISIS>の「Nocturne」。<ISIS>はL’VOLUZIONEやROUNDHOUSE等でも活躍されたキーボーディスト<片岡祥典さん>が参加されていたバンドということは知っていましたが、曲はいまだに聴いたことがなかったんです。メンバーはヴォーカル<Harumi Wadaさん>、ギター<Masayuki Kaneharaさん>、ベース<Junji Takeyamaさん>、ドラムス<Shuji Wadaさん>、そして片岡さんの5人です。この曲は89年2月に大阪のスタジオでレコーディングされたようです。プロデューサーには林克彦さんのお名前が。
 ピアノの哀しげなリフレインからゆったりとはじまって、そしてしっとりとした艶っぽく美しい女性ヴォーカルが。途中からバンドがはいってミドルテンポで展開し、サビではフルートの音色も加わってヴォーカルが歌い上げ、めっちゃドラマティックに盛り上がります。バックにながれる力強いベースラインもいい味だしてますね。間奏ではシンセのゆったりとしたソロのあと、マーチングスネアがはいって徐々に盛り上がって再びドラマティックなサビへ。よく通るストレートでピュアで綺麗なヴォイス、いいですねぇ。ラストはメロウでエモーショナルなギターソロのあと、ゆったりとFin。
 <ISIS>は、様々な音源を集めたアルバムが1枚だけ発売されているんですね。これ聴いたらそのアルバムも欲しくなっちゃいました。

3曲目はキーボーディスト<三浦奈緒美さん>率いる女性プログレバンド<ROSALIA>の「殺意のドレスアップ/Dress Up Murderous Intent」。メンバーは、三浦さんの他、ヴォーカル<坂上香織さん>、ギター<竹田幸代さん>、ベース<藤本絵衣子さん>、ドラムス<西田恵美子さん>の5人で、1990年に4曲収録のアルバム「ジリオン・ティアーズ」を発表されています。この曲はアルバム未収録で、89年3月に大阪のスタジオでレコーディングされたようです。プロデューサーにはヌメロ・ウエノ氏のお名前が。
 ミドルテンポのヘヴィなギターリフからダークな感じで重くはじまり、そして甲高いパワフルなヴォーカルがはいって、サビではメロウに歌い上げて。間奏まずはオルガンリフから伸びやかでエモーショナルなギターソロ。その後シャッフルリズムになってリズミカルなオルガンソロが。そしてマーチングスネアリズムでシンセの壮大なフレーズがながれて。中盤では再びミドルテンポのヘヴィでダークなギターリフからヴァースへ。終盤ではマーチングスネアの行進曲リズムで明るく楽しい雰囲気で元気いっぱいのヴォーカルが。冒険アニメのテーマソングみたいな感じですね。ラストは劇的にFin。この曲もなんでアルバムに収録されなかったのか不思議ですね。かっこいい曲なのに。

 4曲目は<AUGUST>の「秋/Autumn」。メンバーはギターの<河合良典さん>、ドラムスの<西田等さん>、ヴォーカルの<工藤美鈴さん>、ベースの<菅野荘さん>、そしてキーボードの<高田礼人さん>の5人のようです。1990年にアルバム「8月の印象/August」を発表されています。この曲はアルバム未収録で、89年の2月から3月にかけて札幌のスタジオでレコーディングされたようです。
 幻想的なシンセサウンドから静かに幻想的にはじまり、叙情的なピアノのフレーズをバックに美しい女性ヴォーカルが情緒たっぷりにしっとりと素敵な歌を聴かせてくれます。2ndヴァースからドラムがはいってミドルテンポのリズムを刻み、そこから徐々に盛り上がっていって。間奏ではエモーショナルなギターソロが。その後リズムが止まって、ピアノリフをバックに艶っぽく美しいヴォーカルがしっとりとながれ、そして再びバンドが入ってドラマティックに盛り上がっていきます。終盤にはアグレッシブなギターソロ、そして綺麗なピアノリフからそのまま繊細で美しいピアノソロが。
 この曲もアルバム収録曲に全くひけを取らない、情緒溢れる瑞々しく美しい素敵な曲ですね。アルバムの他にも以前カセット音源を発表されてたそうで。もう手に入れるのは無理かとは思いますが、いつか聴くことができたらいいなぁ。

 5曲目の<PROVIDENCE>の「Galatour」は以前紹介させていただいたアルバムの曲のバージョン違いのようですけど、近いような感じなので今回は割愛させていただきます。