ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

蝋山陽子さん Sunny Days

2010-12-10 06:20:23 | ジャパン・プログレ
 かの英国Renaissanceの歌姫Annie Haslamさんを彷彿させる、とっても美しく澄んだ歌声の女性ヴォーカリスト、故<蝋山陽子さん>。Vermilion Sandsやθ-thateで活躍されるも、2004年8月に病により天国へ旅立たれてしまったんですよね。自分は蝋山さんが参加されたアルバムは前述のバンドの2枚だけかと思っていたんですけど、某プログレ系サイトに蝋山さんのソロアルバムが紹介されていて超ビックリ!全然知らなかったもので、見た瞬間に思わず声を上げてしまいました。で、すぐに通販サイトや某オクなどを探してみるものの全然見つからず。1990年に発表されたアルバムですし、おそらく初回プレスもそう多くはなかったのでしょうから、手に入れるのはもう無理なのかなぁ~ってほとんどあきらめていました。今年の初めくらいだったかな?某オクに出品されているのを見たんですけど“福沢さん”1枚くらいだったので貧乏な自分はちょっとためらってました。しかし最近になって超ラッキーなことに偶然手ごろなお値段で手に入れることが出来たんです。
 <蝋山陽子さん>のソロアルバム「SUNNY DAYS」。自然豊かな美しい高原のお花がいっぱい咲き誇る野原を散策されている蝋山さんのお写真のジャケット、ほんと素敵!澄んだ清清しい空気とお花の香りが伝わってくるかのようです。このアルバムでは蝋山さんがヴォーカル以外にもキーボードやギターやフルート、さらにコンピュータープログラミングも手がけておられます。そして<的場ひさしさん>がギター・ベース・ヴォ-カルで、<佐藤俊樹さん>がギターで参加されています。
 アルバム1曲目は「Sunny Days」。ゆったりとしたアコースティックギターのリフからほのぼのとした感じではじまって、澄んだ美しい歌声が心地よくながれて。心休まる素敵な歌ですね。しみじみと聴き入ってしまいます。サビではドラムがパワフルになり、厚いコーラスがドラマティックに展開して。間奏ではヴァイオリン風サウンドの伸びやかな音色がしっとりとながれて。ピアノのリフレインもとっても綺麗です。
 2曲目は「Edom o’Gordon」。ピアノのゆったりとした叙情的な雰囲気からはじまって、クリスタルなグロッケン風のサウンドが響き、そしてピアノリフをバックにしっとりとした美しいヴォーカルがはいって。その後ドラムもはいってヴァイオリン風の伸びやかな音色もたおやかにながれます。中盤からは力強くなって、ヴァイオリン風サウンドのキーボードソロがパワフルに奏でられ盛り上がっていき、終盤ではSax風サウンドのエモーショナルなソロやオルガンサウンドのソロも。 3曲目は「Morning Way」。小鳥のさえずりと小川のせせらぎの音が清清しくながれ、そしてアコースティックギターのリフがゆったりとながれ、そこにトランペット風サウンドが印象的なフレーズを。まるで新緑の爽やかな森をお散歩しているかのような心地よさのインスト曲ですね。
 4曲目は「Love Is Here」。ミドルテンポのパワフルなドラムからはじまって、フルートの素朴な音色が響き、そしてアコースティックギターのリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがゆったりとながれて。その後フルートのしっとりとしたフレーズがながれ、中盤からはミドルテンポのパワフルなリズムがはいって綺麗なコーラスが。そしてピアノリフをバックに力強く美しいヴォーカルが雄大にながれて。広大な景色が目に浮かぶような感じで、ゆったりとほのぼのと心休まる曲調です。ラストはフルートの音色がしっとりとながれてFin。
 5曲目は「The Blacksmith」。コーラスから静かにはじまって、そして一転パワフルなドラムがはいって、ヴァイオリン風サウンドのリフからミドルテンポで力強いヴォーカルが。アンデスミュージックのような雰囲気の曲調ですね。中盤からは男性ヴォーカルもはいって、その後リコーダーの素朴な音色のソロがヴァイオリン風サウンドのリフをバックにながれて。終盤にはアカペラのゆったりとしたヴォーカルソロも。
 6曲目は「The Bird」。小鳥のさえずりから、ゆったりとほのぼのとしたサウンドが響き、それが徐々に力強くなって、ミドルテンポのドラムをバックにしっとりとおだやかなヴォーカルが。中盤ではフルートのしっとりとしたソロがゆったりとながれ、その後美しいヴォーカルが。心に染入りますねぇ。
 7曲目は「The Drowned」。寄せては返す波の音からはじまって、力強くも美しいヴォーカルがゆったりとながれて。そしてシンバルロールが力強く響き、ミドルテンポでパワフルなドラムがはいってダークな感じのリフが。中盤ではクリスタルな音色のキーボードリフ、そしてお琴のような音色のリフも。どことなくアンビエント風の曲調ですね。ラストは波の音で静かにFin。
 8曲目は「Misty Bay」。再び波の音から静かにはじまって、ギターリフが静かにゆったりと。そしてパワフルなドラムからキーボードがリズミカルで楽しいリフを弾き、そして跳ねるようなJAZZ風リズムに。それが一旦止まって、ゆったりとしたギターのカッティングリフが壮大にながれ、そして力強いヴォーカルがゆったりと響きわたって。目の前の世界が広がっていくような感覚ですね。中盤ではアップテンポで明るく楽しいリズミカルなリフと、ミドルテンポで伸びやかなフレーズとピアノの美しいリフが交互に繰り替えされて。その後アルガンのエモーショナルなソロからゆったりとドラマティックなサビへ。そして再び波の音から爽やかなギターリフがほのぼのとした感じでながれ、そこからパワフルなドラムがはいって壮大なオーケストラサウンドが響き、力強いヴォーカルがはいって盛り上がっていき、ドラマティックな展開に。終盤ではパワフルなドラムをバックにキーボードのリズミカルなソロが。そして軽快なJAZZ風リズムになって、ラストは波の音で静かにFin。
 てっきりフォーク調の素朴で静かな曲ばかりなのかと思いきや、しっとりと美しい曲が多いなかでもプログレ風のドラマティックでパワフルな曲もあってたっぷりと楽しめますね。なによりも蝋山さんの澄んだ美しい歌声を様々な曲調で、時に繊細に美しく、時に太く力強いヴォーカルを存分に堪能できて嬉しいっす。
 とにもかくにも、蝋山さんが今現在この世にいらっしゃらないというのが残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りいたします。

ATARAXIA/アタラクシア

2010-09-08 21:17:00 | ジャパン・プログレ
 以前とあるプログレ本のなかで今回紹介させていただく<ATARAXIA>のアルバム「刻まれた時間/Adolescence Of An Ancient Warrior」のレビューが載っていたんです。それで興味を持ったんですけど、このアルバムがなかなか手に入らなかったんです。そんなときに偶然<ATARAXIA>の曲が1曲だけ収録されたオムニバスアルバムを見つけて手に入れたんですよね。それで先日そちらを紹介させていただきました。で、そのとき手配中だったこのアルバムがやっと手に入りました。1994年にmade in japanレーベルから発表されたもので、レコーディングの時期などは書かれていません。この<ATARAXIA>は、当時の慶応義塾のユーロロック研究会が母体となっているそうで、メンバーはヴォーカルの<村田秀明さん>、ギターの<大宮淳さん>、キーボードの<小町明さん>、同じくキーボードの<沼田伸子さん>、そしてドラムスの<松尾泰明さん>の5人編成です。プロデューサーにはヌメロ・ウエノ氏と小町さんのお名前が。バンドの経緯や活動などは現時点で全くわかりません。
 西洋の妖怪(?)が描かれた地獄絵のようなジャケット。気味が悪いんですけど、逆に“何か”を感じさせてくれて期待しちゃいます。
 アルバム1曲目はタイトル曲「Adolescence Of An Ancient Warrior」。ゆったりと美しいピアノリフからほのぼのとした感じではじまって、ややダミ声のナレーションがはいって。その後ミドルテンポのヘヴィなギターリフから爽やかな感じのヴォーカルがはいって明るく楽しい曲調に。シロホンの音色が印象的なメルヘンっぽいサウンド、いいですねぇ。終盤ではスネアにおもいっきりエコーをかけたようなバシャーン!って感じの衝撃音が響きます。そして元の美しいピアノリフとソフトで伸びやかなヴォーカルがながれ、アップテンポになってパワフルなドラムが盛り上げて。
 2曲目は「Gabble」。ミドルテンポのリズミカルな感じではじまってソフトなヴォーカルが心地よくながれて。ちょっぴり浮遊感があって幻想的な雰囲気もありますね。中盤ではシンセサウンドがゆったりと伸びやかにながれて爽やかな感じに。終盤ではパワフルなヴォーカルとともにドラマティックに盛り上がって、ラストは劇的にFin。
 3曲目は「A Low-Vatue Counting」。シンセサウンドがゆったりとしっとりとながれ、そしてミドルテンポのパワフルなシンセリフがはいって明るく楽しい感じに。変拍子リズムにのって力強いヴォーカルが。中盤では伸びやかなギターがゆったりとながれ、そしてパワフルなドラムにのってリズミカルなキーボードリフが。その後ギターのゆったりとしたエモーショナルなソロから、明るく爽やかなシンセリフがはいって盛り上がってFin。
 4曲目は「~Plug Cord Ⅱ」。アップテンポのリズミカルなドラムからはじまって、シンセのスケールの大きなのびやかなリフがながれて。その後ギターのヘヴィサウンドが響き、力強いヴォーカルがはいって。中盤にはリフをバックにややダミ声のヴォイスがはいり、その後アップテンポのきらびやかな感じのシンセリフが。一旦Finしたあと、1.2.3!の掛け声からアップテンポのパワフルなリズムにのってギターの伸びやかなリフ、そしてシンセの爽やかなフレーズがながれて。その後シンセの透明感のあるサウンドがながれ、そしてパワフルなドラムをバックにテクニカルなギターソロが。終盤ではギターの伸びやかな音色が爽やかにながれて。
 5曲目は「Against The Wind」。透明感のあるクリスタルなサウンドのリフからリズミカルにはじまって、ギターのアヴァンギャルドなソロが。その後ソフトでしっとりとしたヴォーカルがはいって、それが徐々に盛り上がっていって、ヘヴィなギターサウンドのダイナミックなリフが響いて。その後一旦リズムが止まって荘厳なシンセサウンドが響き、そしてミドルテンポのリズムがはいって力強いヴォーカルのヴァースへ。中盤ではメロウなキーボードリフとギターのヘヴィなリフからパワフルに盛り上がって、ヴォーカルがサビを歌い上げて。その後エモーショナルなギターソロ、そしてパワフルなドラムをバックにキーボードのテクニカルなリフが。終盤では静かになってヴァイオリントーンのギターをバックにヴォーカルがゆったりと情感たっぷりに歌い上げ、ギター伸びやかな音色とキーボードの美しいリフがながれて。13分に及ぶドラマティックな大作です。 
 ジャケットのような怪奇的なものはほとんど感じられず、初期GENESISのようでしかも明るく爽やかで楽しい感じの曲が楽しめますね。各ソロもあまりなく、リフを繰り返して盛り上げていくような感じでしょうか。アルバムがこの1枚しかないのは残念です。

Prospective Faces Ⅱ

2010-08-31 06:25:21 | ジャパン・プログレ
 先日、中古CDを扱っている某CD店で偶然見つけた、made in japanレーベルが1989年に発表したジャパン・プログレの貴重な音源を収録したコンピレーションアルバム「Prospective Faces Ⅱ」。このアルバムも6バンド6曲が収録されています。しかもそのうちの4バンドは自分がいままで聴いたことのないバンドなんです。このアルバムは某プログレサイトで紹介されていましたが、まさか手にはいるとは思っていなかったのでほんと超ラッキーでした。しかもほぼ定価だったし。

 1曲目は<i>の「Wind Tale」。<i>のメンバーは、<Naomi Amanoさん(Vo)>、<Naoyuki Haradaさん(Dr)>、<Toshiya Ikouさん(Gr)>、<Kimiyo Satoさん(Key)>、<Minoru Tanakaさん(Bs)>の5人で、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
 「Wind Tale」は、1989年9月に都内のスタジオでレコーディングされたようで、サウンドプロデュースとして、かの<林克彦さん>のお名前が記載されています。
 静かに静かにはじまるもので聞き耳をたてて聴いているといきなりパワフルでダイナミックなリフがはいってビックリ!テクニカルにパワフルはじまるも一転ゆったりとしっとりとした展開になり、ピュアな女性ヴォーカルが叙情的な歌を聴かせてくれます。サビではスケールの大きなドラマティックな展開となって歌い上げて。間奏ではゆったりとしたなかでギターのテクニカルなソロが。そして♪ラ~ラ~ララ~って可愛らしいスキャットがながれて。その後一転アップテンポのリズミカルな展開になってスリリングに。ヴァースのあとはギターとキーボードの掛け合いバトルが。めっちゃかっくいいっす。そしてテクニカルでパワフルなユニゾンリフもキメて。その後再びゆったりとしたドラマティックな展開に。ベースラインが太く力強くてサウンドに厚みをもたらしていて迫力も感じますね。ラストはゆったりとしっとりとFin。ヴァースはポップですけど演奏はテクニカルでパワフルでかっくいいっす。9分を超える大作ですけど曲の長さを感じないどんどん展開していく構成もいいですねぇ。

 2曲目は<Ashule>の「Montage」。<Ashule>は、マルチミュージシャンの<橋本成朋さん>の多重録音ユニットで、“SINGLE SYMPHONIC ORCHESTRA”と書かれており、”conducter S,Hashimoto”とも記載されています。
 「Montage」は、1989年の8月から9月にかけて仙台のスタジオでレコーディングされたようです。ゆったりとピアノとオルガンの美しいメロディがながれ、そこにオーボエが加わり、重厚なベースサウンドから今度はチェンバロの優雅なサウンドが響き、そしてそこにドラムとシンセがはいってパワフルに盛り上がります。その後再びゆったりとなってフルートのような音色がしっとりと叙情的に響き、そしてアップテンポになってキーボードの伸びやかな音色がながれて。中盤ではパワフルな変拍子リフからシンセのスペーシーでメロウな音色が響きわたり、そして一旦静かになって美しいピアノリフをバックにシンセのメロウなサウンドがながれ、ドラマティックに展開していきます。7分弱ですけど壮大で劇的なシンフォニックサウンド、めっちゃ感動的ですね。素晴らしい!


 3曲目は<JETAIME>の「Missing」。<JETAIME>のメンバーは、<Kazuya Fujiwaraさん(Gr)>、<Shizuo Gotoさん(Bs&Key)>、<Tatsuo Takenakaさん(Dr)>、<Jun Yamadaさん(Vo)>の4人のようで、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
「Missing」は、1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされたようです。Advisedとして、かの<中嶋一晃さん>のお名前が。期待できます。
 クラシカルなトリルのギターリフからゆったりとダイナミックにはじまるも、ヴァースはしっとりとした透明感のある美しい女性ヴォーカルがしっとりと幻想的な雰囲気を醸し出して。そしてパワフルなリフが入ってサビでは力強く歌い上げます。2ヴァースからはヘヴィなギターリフがはいって美しく力強いヴォーカルが響きわたって。間奏では静かになってギターの伸びやかでメロウなサウンドが響き、そしてパワフルなリフとドラムソロの掛け合いが。その後エモーショナルなギターソロも。ストレートで綺麗な声の女性ヴォーカル、パワフルなリズム隊、メロウでエモーショナルなギター、いいですねぇ。

 4曲目は<舞踏/Maito>の「Going Home/家路」。<舞踏/Maito>のメンバーは、<Yoshikazu Madokoroさん(Prog&Gr)>、<Nozomu Okamotoさん(Bs)>、<Nobuo Itoさん(Per)>、<Shinjir Inoueさん(Dr)>の4人のようで、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
「Going Home/家路」は1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされたようで、驚いたことにサウンドプロデューサーに、かの<Mr,SIRIUSさん>のお名前が。これだけでもめっちゃ期待しちゃいますね。
 キーボードのアップテンポながら叙情的なメロディからはじまって、バックではテクニカルなベースが弾きまくってます。そしてそのベースをバック(?)にクリスタルなキーボードサウンドが幻想的に響いて。すごく和の情緒を感じるサウンドですね。日本の秋の夜のような光景が目に浮かんできそうです。パーカッションが鈴虫のような音色や夜空にキラキラ輝く星星のようなサウンドを効果的に鳴らしてます。そしてギターやキーボードのメロディにベースがカウンターのメロを載せていて、それがまた心地よいんですよね。中盤ではドラムもメロのバックで叩きまくってます。終盤ではギターが前に出てきて、アグレッシブなギターソロを。そのバックではパーカッションやドラムめっちゃ叩きまくってます。叙情的でありながらも弾きまくり叩きまくりで凄いっす。

 5曲目は<AZOTH>の「Apostrophe」。この曲は2004年に発表されたフルアルバムにも収録されていますが、こちらは1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされた音源で、当時のメンバーは<Masayuki Adachiさん(Gr)>、<Kazuhiro Fujiwaraさん(Dr)>、<Yoshiko Atsumiさん(Key)>、<Doppo Nagataさん(Bs)>の4人のようです。そしてSpecial thanksとして<中嶋一晃さん>のお名前が。
 「Apostrophe」。子供の声や車のクラクションのような音からはじまり、その音がメロディを紡いで。そしてアップテンポのリズムがはいってギターリフとキーボードサウンドが響き、変拍子リズムをバックにピュアな女性ヴォーカルがはいって。サビではストレートビートで明るく爽やかなポップなサウンドを聴かせてくれます。間奏ではテクニカルなギターソロやキーボードソロが。中盤では一旦リズムが止まって様々な音が飛び交うアヴァンギャルドっぽい感じに。その後パーカッションソロとテクニカルなギター&ベースのユニゾンリフの掛け合いが。そして再びアップテンポになって変拍子のヴァースから爽やかなポップサウンドのサビに。ラストには弾きまくりのアグレッシブなギターソろが。
 アルバムのメンバークレジットに女性ヴォーカリストの名前が載ってないのはなんでかな?まあ音程がちょっと危ういようなとこもあったような気もしましたが、自分的には好きな声質ですね。

 6曲目は<Seilane>の「Third Class Angel」。この曲は1989年8月に東京のスタジオでレコーディングされたもので、メンバーは<Taku Shimazakiさん(Vo)>、<Tsutomu”BEN”Kudoさん(Gr)>、<Makoto”D”Kudoさん(Bs)>、<Kenji Kawamuraさん(Key)>、<Yutaka Ishizakiさん(Dr)>の5人で、Sound Advisedとして<林克彦さん>のお名前が記載されています。
 シンバルロールから爽やかで力強い男性ヴォーカルがはいって、そしてシンセリフ・ギターリフからパワフルなドラムが。ノリのいいアップテンポのリズムにのって爽快感のあるヴォーカルがのって。そしてテクニカルなキーボードリフのあと、ゆったりとした展開になってメロウに歌い上げます。間奏ではテクニカルなギターソロからシンセのメロディアスなフレーズがながれ、ギターとのユニゾンやハモりも。そしていきなり電球が割れるような音からトイピアノのような音色のメルヘンチックなサウンドがながれます。がすぐにヘヴィなギターサウンドがはいってダイナミックなサウンドになり、ギターのエモーショナルなソロが。その後アップテンポになってベースソロ、そしてダイナミックなリフをバックに叩きまくりのドラムが。ラストは疾走モードで激しくドラマティックなフィナーレへ。

 全6曲どれも素敵な曲ばかりで聴き応えありますね。特に<i>、<Ashule>、<JETAIME>、<舞踏/Maito>の4バンドに関してはこれ以外の曲を知らないので、機会があれば他の音源やバンドの情報を調べてみたいっす。

シンフォニック・ロック・コレクション

2010-08-05 22:24:55 | ジャパン・プログレ
 1980年代末から90年代初頭頃にmade in japanレーベル等からジャパン・プログレの貴重な音源を収録したアルバムが何枚も発表されたようですね。元々プレス数が少ない上にもう20年もの歳月がながれていますから、いま探そうと思ってもなかなか手に入らないっすね。地道に某オクや通販サイトや中古CD店をチェックするしかないわけですが・・・ 先日のこと。時間があったので某CD店にたいして期待もせずに寄ってみたら・・・ありました。しかもずっと欲しかったCDが2枚も。もちろん即レジへ。
 Made in japanレーベルが1989年に発表した6バンド6曲が収録されているコンピレーションアルバム「シンフォニック・ロック・コレクション/Symphonic Rock Collection」です。この6曲のなかの4曲の<Vermilion Sands>「Ashes of The Time」、<Social Tension>「Macbethia」、<MIDAS>「The Slough of Despond」、<De Javu>「Prelude~Next World」は以前に紹介させていただいているもので、ここでは割愛させていただこうかと。

 で、残りの2曲のうちの1曲は、1曲目に収録されている<ATARAXIA>の「Adolescence of an Ancient Warrior」。<ATARAXIA>というバンド、メンバーは<Hideaki Murataさん(Vo&Bs)>、<Yasuaki Matsuoさん(Dr)>、<Atsushi Ohmiyaさん(Gr)>、<Nobuko Mumataさん(Key)>、<Akira Komachiさん(Key)>の5人で、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。フルアルバムが1枚発表されているようですので現在手配中です。そちらが手にはいり次第、あたらめて紹介させていただこうかと。しかもこちらの収録曲はそのアルバムの曲とはバージョン違いなのだそうで。とあるプログレ本によると<ATARAXIA>は初期GENESISのようなシアトリカルな面もある、とのことなので楽しみです。 「Adolescence of an Ancient Warrior」。1989年7月にレコーディングされたようです。静かにしっとりと荘厳な雰囲気ではじまって、囁くようなヴォーカルから変拍子のパワフルなリズムのリフが入って、そして演劇的なヴォーカルが。バックでながれているシンセサウンドがドラマティックに曲を盛り上げます。パワフルなドラムもアクセントが効いていいですねぇ。終盤ではシンセをバックにピアノの美しいメロディがたおやかにながれてうっとりと聴きほれてしまいます。その後テクニカルなギターやパワフルなヴォーカルがはいって劇的なフィナーレが。とっても素敵な曲ですねぇ。7分半ですけど聴きほれているうちにあっという間に終わってしまいました。

 もう1曲は、<YUSEI/誘精>の「Handle With Care」。以前にネガスフィアを調べていたときにこの<誘精>というバンドがあったことを知ったんですよね。なのでいつか<誘精>の曲が収録されたアルバムを手にいれたいとずっと思っていました。 メンバーは<Osamu Imamuraさん(Vo)>、<Noriyasu Domenさん(Dr)>、<Kouichi Hanadaさん(Gr)>、<Naomi Takizawaさん(Key)>、<Keiichi Tezukaさん(Bs)>の5人で、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。 「Handle With Care」。1988年3月にレコーディングされたようです。リズミカルなベースリフからはじまって、きらびやかでダイナミックなシンセリフがはいってミドルテンポのダンサブルな感じで優雅に展開していきます。ヴォーカルは似てませんけどどことなくJon Anderson氏を彷彿させるような。華麗なシンセ、裏で弾きまくるベースなどYESっぽさを感じますね。中盤ではアグレッシブなギターソロ、そしてテクニカルなキーボードソロが。ドラムもタイトでパワフルでいいですねぇ。この曲も7分強なのですが聴いているうちにあっという間に終わってしまいました。とっても華麗で優雅でドラマティックで最高っす。もっと他の曲も聴いてみたいですね。ネガスフィアのところで親切な方がYoutubeに<誘精>の曲がUPされていることを教えてくださったのでそちらもじっくり聴き込もうかと。

ネガスフィア 1985-1986

2009-12-05 07:40:18 | ジャパン・プログレ
 現在、ヴァイオリンプログレバンド<KBB>等で活躍中のテクニカルドラマー<菅野詩朗さん>。その菅野さんのKBB以前の音源を探しておりましたところ・・・
 80年代中期に関係各位のご尽力により開花したジャパン・プログレッシブロック・ムーヴメント。素晴らしいバンドがいくつも登場しましたが、そのなかで今回このバンドのアルバムが手に入ったもので紹介させていただきます。1991年にMade in Japanレーベルから発表された<Negasphere>の「1985-1986」です。このアルバムには85年に行われたライブの音源5曲と、86年のライブ音源3曲が収録されています。
 <Negasphere/ネガスフィア>は、シンセサイザーを操る<川崎薫さん>が中心となって1977年に結成されたそうです。ですがメンバーの出入りが激しくなかなか安定しなかったそうで。そして83年後半に元グリーンのテクニカルドラマー<菅野詩朗さん>が加入。強力なリズムセクションが誕生したことでバンドの安定感が増して、翌84年には待望の1stアルバム「Castle In The Air/砂上の楼閣」が発表されます。メンバーは川崎さん・菅野さんの他、ベース<徳武浩さん>、ギター<真嶋宏佳さん>、ピアノ<矢田徹さん>です。
 85年になると新たにヴォーカリスト<平田士郎さん>が加わり、5月6日にこの6人編成での最初で最後のライブが行われました。そのライブの音源の5曲がこのアルバムの1曲目から5曲目に収録されています。
 アルバム1曲目は「Opening~A Song of The Sea~Beyond Love」。ゆったりと静かに透明感のあるきらびやかなシンセサウンドから荘厳にはじまります。そしてドラの音から力強いベースリフがはいってアップテンポで明るく楽しくリズミカルになり、スキャットもはいって。そしてさらにテンポアップしてドライブ感たっぷりのスリリングな展開に。ドラム&ベースめっちゃパワフルでかっくいいっす。その後一転ゆったりとした美しくたおやかな雰囲気になってヴォーカルがはいって。独特な表現力の歌い方ですね。間奏では再びアップテンポになってパワフルなリズム隊をバックにムーグやシンセの華麗なソロが展開されます。ヴァースでは再びゆったりと、そしてパワフルにFin。
 2曲目は「Gear of Cosmos」。アップテンポの明るく楽しい雰囲気ではじまりパワフルなヴォーカルがはいって。サビではテクニカルなピアノリフも。とっても軽快で爽やかな曲ですね。間奏ではテクニカルなギターソロとシンセのソロが。バックではドラムが叩きまくってます。やっぱ菅野さん凄いっすね。
 3曲目は「Open D」。ダイナミックなリフからはじまってゆったりと美しいバラード調に。ヴァースはキーボードをバックにしっとりとしたヴォーカルが。間奏ではアップテンポで軽快なピアノ&綺麗なキーボードソロ&ムーグソロ。さらにはパワフルかつテクニカルなドラムソロも。
 4曲目は「Holy Ground Ceremony」。ミステリアスかつ美しいキーボードリフからアップテンポでスリリングに展開されます。そしてミドルテンポの明るくのどかな雰囲気になってゆったりとしたヴォーカルがはいって。間奏ではテンポアップしてテクニカルなキーボードソロ&エモーショナルなギターソロ、さらにはムーグソロも。その後再びゆったりとした穏やかなヴァースへ。聴き応えたっぷりのとってもドラマティックな曲ですね。
 5曲目は「At The Last Moment」。きらびやかで美しいピアノソロからはじまってミドルテンポでムーグソロが。そして綺麗なキーボードリフからゆったりとした感じでヴォーカルがはいって、サビはパワフルに。間奏はアップテンポになってエモーショナルなシンセソロが展開され、その後ゆったりとしたリズムに戻ってドラマティックなフレーズがながれて。終盤しっとりとしたヴォーカルがながれたあと、再びアップテンポになって軽快なシンセソロが。
 自分の再生機器が悪いのかもしれませんが全体にギターが聴き取り辛いかな。ドラムはめっちゃパワフルで嬉しいっす。

 このライブの1ケ月後に2ndアルバムのレコーディングが控えていたそうですが、なんと菅野さんと徳武さんと矢田さんが脱退してしまったそうです。しかしレコーディングには菅野さんと徳武さんは参加されたそうで。そしてこの年に2ndアルバム「Disadvantage/ディスアドヴァンデージ」が発表されます。が、残ったメンバーは川崎さんと平田さんのみ。そんななかでプログレバンド<誘精>のメンバーがサポートに名乗り出てくださったとか。ベースの<手塚啓一さん>、ギターの<渡辺修さん>、ドラムスの<堂免稔泰さん>、キーボードの<フジモト・ノリコさん>が参加され、86年にライブが行われます。そのときのライブ音源3曲がこのアルバムの6曲目から8曲目に収録されています。さらには8曲目のみ、かのジャーマン・シンフォバンド<NOVALIS>のギタリスト<Detlef Jobさん>が参加されています。Detlefさんは日本人女性と結婚されて横浜に住んでおられたとか。
 アルバム6曲目は「Another Dawn Is Breaking」。華やかでダイナミックなシンセリフからはじまってアップテンポで明るく爽やかにパワフルなヴォーカルと共に展開していきます。間奏はエモーショナルでスペーシーなシンセソロ、そしてアグレッシブなギターソロが。
 7曲目は「Through The While Darkness」。明るく爽やかなキーボードリフからはじまるメロディアスでポップな曲。間奏はエモーショナルなギターソロが。 8曲目は「Son To Father」。荘厳で重厚なシンセサウンドからゆったりとはじまって、深いエコーの効いた力強いヴォーカルがはいって。教会音楽のような、グレゴリアンのような感じですね。 
 この後、バンドは87年2月に行われたライブを最後に活動を休止してしまわれたそうで。菅野さん以外のメンバーのその後の動向はまだよく調べておりません。 スタジオアルバム2枚はまだCD化されていないようですね。ぜひとも発売してほしいものです。

Magritte Voice 1

2009-09-10 07:25:31 | ジャパン・プログレ
 先日、某CD店に行ってめぼしいものを探しに。で、ジャパンプログレの中古コーナーを見てみるとこの「Magritte Voice/マグリット・ヴォイス」というCDを発見。全然聞いたことないんですけど、中心にはグリーンの心臓を思わせる機械をハサミのようなものが貫いていて草原に突き刺さって。その周りには蛍光灯がいっぱい刺さっていて。なんとも不可思議ながらも興味深いジャケットです。そして帯をみてみると“日本のロック界を支えてきた唯一無比のスーパーベーシスト富倉安生が長年率いている超実力派バンド”との記載が。ベーシスト<富倉安生さん>という方、自分は全然知らないんですけどここまで書かれていたらこれはもう買わずにはいられないと。お値段もお手ごろだったもので即レジへ。
 で、家に帰って早速ライナーノーツを読んでみると・・・富倉さんは、1968年にプロデビューし、71年には浅川マキさんのバンドに参加。そして73年にはFTBの石間さんも参加された<トランザム>に加入。さらには70年からバンドだけでなく、スタジオミュージシャンとしても活躍され、多くのミュージシャンのレコーディングやコンサートでも活躍されたそうです。また、KEEPという深町純さん・和田アキラ師匠・山木秀夫さんらとの凄腕JAZZロックバンドや、複雑難解な楽曲を演奏するパラダイムシフトでも活躍されています。
 今回の<Magritte Voice>は、1993年にNAICHIというバンド名でライブを行ったのがこのユニットの始まりだそうで、このアルバムは2002年に発表されました。メンバーは富倉さんの他、ドラムス<河野道生さん>、ギター<古川望さん>、キーボード<坂本昌之さん>、ヴォーカル<Taukoさん>、そして1曲のみSaxで<ナカムラ・サトシさん>が参加されています。
 アルバム1曲目は「Sangen-Jaya Upper Night」。パワフルなドラムからはじまってミドルテンポの爽やかなギターリフが。そしてムーグのエモーショナルなフレーズがながれて。バックではもちろん力強いベースラインが。中盤ではミステリアスな雰囲気のなかピアノとベースのソロバトルが繰り広げられて。ドラムも叩きまくってます。その後ギターの伸びやかで穏やかなフレーズ&エモーショナルなソロが。ちょっと落ち着いた雰囲気もある爽やかで素敵な曲ですね。
 2曲目は「Remains」。サザンロック調のギターリフからはじまって、力強いベースがはいってヨコノリのミドルテンポでちょっぴりファンキーなフレーズを。その後ソフトな女性ヴォーカルがはいって。ちょっとけだるい感じのアダルティな曲ですね。中盤にはSaxソロがベースを相手にかっこよく鳴らして。ラストにもエモーショナルなSaxソロが。
 3曲目は「Fatal Existence」。神秘的なサウンドからゆったりと幻想的にはじまり、切ない雰囲気の女性ヴォーカルがしっとりと。浮遊感のあるサウンドの叙情的な曲ですね。 中盤にはディレイを効かせた幻想的なギターソロが。幻影のような大人の恋を感じさせる曲でもありますね。
 4曲目は「Moment of Whisper」。パワフルなドラムからアップテンポでファンキーなベースリフでスタートします。が、ヴォーカルはアップテンポながらしっとりと。サビではメロディアスに盛り上がります。中盤にはエモーショナルなギターソロが。美しい女性ヴォーカル主体のとってもエレガントでオシャレな曲ですね。ラストにはテクニカルかつメロディアスなギターソロが。
 5曲目は「Magritte Voice」。ギターの幻想的なゆったりとしたサウンドからはじまり、ベースのハーモニクスサウンドが妖しく響いて。そのなかを囁くような艶っぽいヴォーカルが。落ち着いた雰囲気のしっとりとしたアダルティな曲ですね。中盤には美しいピアノソロ、続いてメロディアスなアコースティックギターソロが。終盤盛り上がるも再びしっとりと幻想的な世界に。
 6曲目は「Curry」。ハープのようなミステリアスな音色からはじまり、民族音楽的なミドルテンポのリズムがはいって、パワフルでダークなベースラインが。妖しいラップ調のヴォーカル、そして囁くような女性ヴォーカルも。中盤ではパワフルなドラムをバックにギターとベースの掛け合いソロバトルが展開されます。そしてベースとシタールのようなサウンドのリフのユニゾンも。迷宮をさまようかのような不思議世界の曲ですね。
 7曲目は「Warning!」。ダイナミックな衝撃音からアップテンポのちょっぴりミステリアスかつファンキーな感じではじまります。そしてパワフルビート&ヘヴィギターリフにのってお琴のような音色のリフも。続いてはパワフルなチョッパーベースをバックにアグレッシブなムーグソロ&テクニカルなギターソロが。中盤は落ち着いた幻想的な感じになって味わい深いフレットレスベースの音色が響いて。その後再びパワフルなベースラインのミステリアスかつファンキーな感じに。 
 凄腕揃いのメンバーだけにハイレベルな演奏も楽しめますが、テクだけでなく絶妙なアンサンブルや、色彩豊かでアダルティな楽曲構成も聴き応えありますね。

White Fang 1

2009-07-28 06:56:14 | ジャパン・プログレ
 先日久々に中古品も扱っている某CD店へ。そしてジャパンプログレのコーナーを見てみると・・・なんとありました!以前からずっと探していた<White Fang/ホワイト・ファング>のミニアルバムが!しかもめっちゃお手ごろ価格だし。もちろん速攻で購入です。
 1990年に発表された<White Fang>の「CRIMSON WAVES」。89年12月から90年に2月にかけてスタジオでレコーディングされた音源のようです。メンバーはヴォーカル&ベースの<高橋竜さん>、ギターの<スズキ・クニアキさん>、キーボードの<小門学さん>、そしてドラムスはのちに桜庭統さんのバンド等でも活躍される<下田武雄さん>です。ライナーノーツには歌詞とクレジットしか書かれていないため、バンドの経歴などは全くわかりません。
 アルバム1曲目は「(In The East of)The Mediterranean Sea/地中海」。なにやら雑音が。朝ラジオを聞きながら目玉焼きを作ったりしているかのような生活音からはじまります。それがヘリコプターの飛ぶ音になり、そこからアップテンポのピアノリフがはじまって、そしてバンドがはいってキャッチーなメロディアスハードロックっぽい感じに。中盤にはエモーショナルなギターソロが。そのバックではベースがうねってます。続いてオルガンソロ、ピアノリフ、そして変拍子ユニゾンリフ、シンセソロとドラマティックに展開していきます。終盤ではテンポダウンしてダークでヘヴィな曲調になるも、再びメロディアスハードに戻ってFin。
2曲目は「One Step Closer To The Dawn」。ミドルテンポでベースリフとリムを叩く音からはじまって、ゆったりとしたシンセサウンドが響いて。しっとりとした感じのなかでヴォーカルがはいって抒情的な雰囲気に。間奏ではブルージーな泣きのギターソロのあと、テンポアップしてメロディアスな感じに。終盤にはアヴァンギャルドな感じのドラムソロも。
 3曲目は「Crimson Waves」。ゼンマイを巻く音、そしてオルゴールの音色が響き、ゆったりとした透明感のあるキーボードリフからヴォーカルが情感たっぷりに歌い上げます。間奏まずはゆったりと泣きのギターソロが。そしてサビを挟んで、ハードなギターリフからテンポアップしてアグレッシブなキーボードソロへ。そしてアップテンポのままかっくいいヴァースへめっちゃ盛り上がっていきます。ドラマティックな展開の素敵な曲ですね。ラストはしっとりとFin。
4曲目は「Everything You Do」。パワフルなドラムからミドルテンポではじまってパワフルなヴォーカルがはいって。ファンキーなかっくいい楽しいロックですね。間奏はギター・キーボード・ドラム・マウスハープと短いそれぞれのソロを廻して。中盤ではアップテンポでめっちゃ楽しいノリノリロック調になってアグレッシブなギターソロが。それがヴォリュームが下がって突然止まってしまって。ラジオのチューニングを変えてしまったかのように。これって最初の1曲目に戻るってことかな。
 プログレというよりも、プログレの要素もあるメロディアスハードロックって感じですね。バンドは1994年に解散したそうですが、メンバーそれぞれに現在も音楽界で活躍中のようです。
 手に入れることは無理かとほとんどあきらめていたアルバムがふいに手に入ってほんとビックリでした。ラッキーだったとしか言いようがないっす。

プログレッシブロック・ルネッサンス

2009-07-26 08:00:11 | ジャパン・プログレ
 先日は<水鏡/みずかがみ>と<月兎/つきうさぎ>が出演した「アートロック・フェス」というプログレ系バンドのイベントを観にいったんですよね。で、そのあとライブレポを書いたわけなんですが、そのときにふと思ったのが、その2つのバンドの元である90年代に存在したプログレバンド<PEDIMENT>のアルバムってないのかな?って。で、ちょっと検索してみたら、フルアルバムはないようなのですが、2曲ほど収録されているコンピレーションアルバムはあるようなので速攻で手にいれました。1998年にPRRから発売された「Progressive Rock Renaissance」です。光差し込む廃屋のなかに光る裸体の女性が。なんか意味深なジャケットですねぇ。このコンピレーションアルバムには当時頭角を表わしていた新鋭の5つのバンド<Triton><θ-theta-><PEDIMENT><HEAD POP UP><Seilene>のスタジオレコーディングの曲が1-2曲づつ収録されています。

<Triton>は、1991年にキーボードの<MIKAさん>、ベースの<中島昇さん>、ドラムスの<宮川ユキヒロさん>の3人で結成されたキーボード主体のEL&Pタイプのプログレバンドで、結成以来、精力的にライブ活動を重ねていったそうです。今回収録された曲は97年11月から98年1月にかけてレコーディングされた音源だそうです。
 まずは「CANAAN」。とっても爽やかで綺麗なシンセサウンドがゆったりと幻想的に響き、そしていきなりダイナミックでパワフルなリフがきてビックリ!そして変拍子リフにのってややハスキーな力強いヴォーカルが。メロディアスなハードロックって感じですね。間奏では壮大なシンセサウンドが響き、その後静かになって美しいピアノソロが。そこにオーボエのような音色がたおやかにながれ、そこにシンセサウンドが加わって徐々にダイナミックになってドラマティックな展開をみせます。そしてほのぼのとするような心地よい優しい感じのメロディや、明るくきらびやかで楽しいメロディも。ヴァースのあとの終盤にもパワフルなリズムにのってエモーショナルなキーボードソロ、アグレッシブなオルガンソロが。
 次は「UNREAL LOVE」。パワフルでスリリングなリフからいきなりはじまります。そしてミステリアスなリフにのってパワフルなヴォーカルが。キャッチーな感もあるハードロックですね。間奏はまずダークでミステリアスな雰囲気からはじまって、パイプオルガンの重厚なサウンドが響き、そしてアップテンポのリズムにのってソフトなキーボードサウンドが心地よく響き、そのあとアグレッシブなシンセソロへ。バックではベースが力強くうねってます。ラストはダイナミックに盛り上がってFin。
 この後バンドは宮川さんが脱退し、それからドラマーが何度も代わっていき、2005年にはGERARDや人間椅子やARS NOVA等で活躍された後藤マスヒロさんが参加されます。MIKAさんは99年から2002年までARS NOVAでも活躍されました。今現在のバンドのことはちょっとわからないっす。

<θ-theta->は、マニアの間では故・蝋山陽子さんが在籍されたバンドとして知られていますが、今回収録されている曲は、蝋山さんが加入される以前の1997年2月から3月にかけてレコーディングされた音源です。メンバーはキーボード<土屋裕子さん>、ベース&ヴォーカル<川上一人さん>、ドラムス<原田直幸さん>、ヴァイオリン<美ノ辺純子さん>、そしてゲストヴォーカルには<タマオさん>が参加されています。
 まずは「Footprints」。ゆったりと静かにベースの叙情的なメロディがながれ、そこにヴァイオリンの艶やかで美しい調べが加わって。そこにとっても素朴で可愛らしい女性ヴォーカルが語り口調のような感じではいって。そしてサビでは天使のような美しい歌声を。間奏ではテンポアップして軽快なリズムでテクニカルなヴァイオリンソロが。その後リズムが止まり、空間に様々な音が浮遊するような感じに。そしてミドルテンポのリズムがはいってテクニカルなキーボードソロが。バックではベースも自由に弾きまくってます。ソロバトルのような感じですね。それが終わると元のゆったりとした優しい雰囲気になって可愛らしいヴォーカルがはいって。そしてドラマティックなエンディングを迎えます。
 次は「Afternoon Sunlight」。キーボードからゆったりと静かにはじまり、そこに艶やかなヴァイオリンサウンドが響き、そしてシャンソン風の色っぽくもしっとりとしたヴォーカルがはいって。シンバル一発のあと、ゆったりと艶やかなヴァイオリンの音色がドラマティックに響いて。そしてそこに透明感のある綺麗なキーボードサウンドが加わってより美しく展開していって。ピアノの調べとヴァイオリンのフィンガーピッキングの音色も。ラストは美しい歌声が響いてFin。
 タマオさんは現在、ソウル系のヴォーカリストとして活躍中のようですね。

<PEDIMENT>は、バンドの詳しいことは全くわかりません。このアルバムの収録曲は98年の3月から8月にかけてスタジオでレコーディングされた音源です。メンバーは現在<水鏡>で活躍されているお2方、キーボード<阿南順也さん>、ドラムス<神山敬太さん>、そして現在<月兎>等で活躍されているお3方、ギター<村上ツネヒロさん>、ベース<小林タツヤさん>、ヴォーカル<ヤマガタ・ノリコ(麗奈)さん>です。
 まずは「旅の途中」。パワフルなベースリフからはじまって、歯切れのよいミドルテンポのビート、そしてヘヴィなギターリフが。ミステリアスな雰囲気のなか透明感のある中高音域のクリアで美しいヴォーカルがはいります。間奏まずは美しいキーボードサウンドのリフ、そしてベースリフをバックに幻想的なシンセサウンドが響いて。和風のしっとりとした音色、いいですねぇ。その後はギターのハードサウンドのアグレッシブなソロが。バックでは強風吹きすさぶ効果音も。終盤再びパワフルなリフにのってヴァースに戻ってピュアでクリアな美しいヴォーカルが。ラストは幻想的にしっとりとFin。
 次は「花見酒」。水鏡の2ndアルバムに収録されている曲の元曲ですね。パワフルでダイナミックなリフからはじまって、キーボードのリフからアップテンポの楽しい雰囲気に。ヴァースにはいると透明感のあるサウンドになってピュアなヴォーカルが。その後静かになって笙のような音色が響き、そこに鐘や太鼓の音が加わって平安調の調べが響き、ガットギターのアルペジオのリフレインとフルートのような素朴な音色がしっとりとたおやかにながれて。その後ミドルテンポのリズムがはいって叙情的な雰囲気に。そこからけだるい感じの艶っぽいヴォーカルがしっとりと。それがドラマティックに盛り上がっていって、和歌を紡ぐような歌い方でおごそかな感じに。その後アップテンポのリズムがはじまって明るく楽しい感じになってキーボードソロが。そして再びピュアなヴォーカルのヴァースへ。パワフルなギターリフときらびやかなキーボードサウンド、そしてそのままギターソロ、シンセソロと交互に続き盛り上がっていきます。ラストは一旦Finしたあと再び変拍子リフがはいってFin。
 和風のシンセサウンドや情緒たっぷりの展開、ほんと素敵です。それが現在は水鏡で堪能できるわけですね。そして麗奈さんのヴォーカル、素晴らしいですね。とっても美しくピュアでクリアでしかも繊細ながらも厚みも感じられて。PEDIMENTにも月兎にもいまだにフルアルバムがないのは残念です。

<HEAD POP UP>は、以前アルバムを紹介させていただいたので、曲もそのアルバムの収録曲ということもあり、今回は割愛させていただきます。すみません。

<Seilene>は、96年にキーボードの<竹内昌弘さん>が復帰されてリ・スタートされたそうです。その後ライブ活動を重ねて活躍されます。今回の収録曲は97年1月から5月にかけてスタジオでレコーディングされた音源です。メンバーは、ヴォーカルの<嶋崎琢也さん>、ギターの<工藤勉さん>、ベースの<工藤真さん>、ドラムスの<川渕裕滋さん>、そして竹内さんの5人編成です。
 曲は「希望なき未来」。いきなりパワフルで青春を感じるかっこいいヴォーカル&コーラスからはじまって、そして哀愁を感じるエモーショナルなギターソロが。そして美しいピアノのリフレインにのってメロディアスで力強いヴォーカルが。再びギターの哀愁フレーズがながれたあとヴァースへ。その後ちょっと篭った感じのサウンドのギターソロ、そしてパワフルに歌い上げるサビ、さらに情感たっぷりの泣きのギターソロが響いて。その後ヴァースに戻り、ドラマティックに歌い上げ、エモーショナルなリフがながれて。そしてそこからアップテンポのギターリフにのってハイポジションのベースソロが。その後パワフルなドラムにのってメロディアスかつエネルギッシュなギターソロ、アグレッシブなオルガンソロと続いて、ユニゾンのリフも。ラストは劇的ににもりあがって。10分近くのドラマティックな大作ですね。
 バンドはその後、2000年に待望の1stアルバムを発表し、コンスタントにライブ活動を続け、現在も活躍中のようです。

東京シンフォニックシンドローム

2009-07-24 06:54:30 | ジャパン・プログレ
 過去のジャパン・プログレを調べているなかで、優れたバンドであってもアルバム制作にまでいたらなかったバンドも数多くあったようで。“素晴らしいバンドだった”という記事をみるとそれは誰しもその音源を聴いてみたくなりますよね。たとえ1曲でも。そういった欲求に応えてくれたのが1990年頃にmade in japanレーベル等で発売された、いくつかの伝説のプログレバンドの貴重な音源を収録したコンピレーションアルバムですね。
 とあるプログレレビューサイトをみると、バンド名は知ってはいるもののその音源は聴いたことがないコンピレーションアルバムが紹介されていました。でももうとっくに廃盤なので手に入れるのは難しいなってほとんどあきらめていました。そんなときにいつものように某中古CD店のHPをみていたら、なんとそのアルバムがほぼ定価で売られていてビックリ!もちろん即買いです。
 そのアルバムは1990年に発売されたコンピレーションアルバム「伝説の彼方~東京・シンフォニック・シンドローム」です。当時東京を中心に活動していた4バンドの80年から82年頃の貴重な音源4曲が収録されています。
※本文はアルバムのライナーノーツを参考にさせていただきました。

 まず1曲目は最後に紹介させていただくことにして、2曲目から。<TIME UNIT/タイム・ユニット>というバンドの「The Clap」です。<TIME UNIT>は、キーボードの<春成恵一さん>が某音楽誌のメンバー募集欄で知り合ったギターの<関口孝さん>、ドラマーの<長沼武司さん>らと1979年に結成されたそうです。当初はベースとヴァイオリンも含めた5人編成だったそうですが、ほどなくその2人が脱退してしまい、あらたに<美狂乱>でも活躍された<久野真澄さん>をベーシストとして迎えて4人編成となって、80年8月にデビューライブを行ったそうです。サウンド的には実験的な要素も含んだJAZZロックだったようですね。今回収録の「The Clap」は82年6月23日に行われたライブの音源だそうです。
 スペーシーでミステリアスなシンセサウンドからはじまって、いきなりパワフルでダイナミックなリフが。そしてベースリフが不気味にリズムを刻み、キーボードとパーカッションがリズミカルに民族音楽のような雰囲気を醸し出して。その後ドラムとギターがはいってアップテンポながらミステリアスな感じで展開していって徐々にパワフルに盛り上がって、そしてピアノのハイテンポのエネルギッシュなリフが鳴り響き、テンポダウンしてベースの6/8ミドルテンポのリズムにのってエモーショナルなギターソロが。めっちゃテクニカルです。バックのグルーヴィなベース&パワフルドラム、最高っすね。続いてはテクニカルなキーボードソロ。その後リフに戻ってダイナミックに一旦end。そして幻想的なギターリフからゆったりとはじまって、キーボードの透明感のあるサウンドが綺麗に響いて。時折ベースの前衛的なサウンドも。その後パワフルなドラムがはいってダイナミックな展開になるも再び静かになって。そしてドラマティックなリフが響き、スネアロールと共にパワフルになってダイナミックなエンディングを迎えます。
結果的にこの日のライブがバンドの最後のライブになってしまったそうで。その後、長沼さんはラクリモーザ等で活躍されています。

 3曲目は<AQUAPOLIS/アクアポリス>の「”Aruapolis” Suite/アクアポリス組曲」です。<AQUAPOLIS>は、某大学のプログレサークル内で、クリムゾン・ブラッフォード・イエス等をコピーしていた仲間の中から、キーボードの<中潟憲雄さん>が中心となってオリジナル曲を演奏するバンドとして80年7月に結成されました。他メンバーはギターの<渡辺幸一さん>、ベースの<桑原聡さん>、ドラムスの<竹迫一郎さん>の4人編成です。この年の12月にデビューライブを行ってから本格的にライブ活動をはじめたそうで。サウンド的には竹迫さんがビル・ブラッフォードさんの熱狂的なファンだったこともあり、ブラッフォード+スペーシーキーボードサウンド、といった感じだったようです。今回の「アクアポリス組曲」は81年にスタジオでレコーディングされた音源だそうです。
 いきなりドラマティックなリフがファンファーレのように鳴り響いて。そしてアップテンポの壮大で華々しいサウンドがながれ、爽やかなフレーズが広がって。一面のお花畑を見ているかのようです。その後ベースリフからリズミカルで明るく楽しく爽快な感じのギターソロが。海岸線から夏の綺麗な青い海を眺めているかのようです。続いてはとっても綺麗なキーボードソロ。ピアノ・シンセ・オルガンが爽やかに響いて。そしてそのキーボードサウンドをバックにエモーショナルなベースソロが。一旦Finしたあと、ゆったりとスペーシーで幻想的なサウンドが響いて。水のなかにもぐって美しい水面を見上げているかのような感もありますね。再びFinしたあとスネアロールが鳴り響いてアップテンポのテクニカルなキーボードリフが。そしてシャッフルリズムでノリノリで明るく楽しい展開になり、テクニカルなギターソロも。ダイナミックで華麗なリフが響き渡ったあと、テンポダウンして劇的なエンディングを迎えます。めっちゃドラマティックでめっちゃ綺麗な曲。すばらしいシンフォニックサウンドにすっかり酔いしれてしまいました。
 その後、バンドはメンバーチェンジが頻繁になり、出入りが激しくなったようで。最終的には80年代末ころから中潟さんがゲームミュージックの仕事が忙しくなって自然消滅してしまったとか。

 4曲目は<GREEN/グリーン>の「都」です。<GREEN>は、”キャメロット”というバンドを元に結成されたそうです。メンバーはベースの<岡本英利さん>、ギターの<栗原務さん>、ドラムスの<菅野詩朗さん>、そしてキーボードの<白田朗さん>の4人編成です。サウンド的にはメンバーの高度な演奏技術を駆使したUKタイプのニュー・プログレ・サウンドを追求されていたそうです。今回の「都」は1980年11月20日に行われたライブの音源のようで。
 華麗なシンセサウンドとベースからはじまって、スネアロールと共にパワフルでダイナミックなサウンドが展開されます。チャイナ風のフレーズがミドルテンポで楽しくながれて。ドラムがこれまためっちゃパワフルですね。ベースもうねりまくってます。中盤ではスローテンポでエモーショナルなギターソロが。その後、和風のフレーズがしっとりとながれ、再びミドルテンポのパワフルな展開になってチャイナフレーズがダンサブルに響いて。独特なフレーズにめっちゃパワフルなサウンド、凄すぎっす。
 栗原さんは現在<Lu7>等で活躍され、管野さんは<KBB>で活躍中です。白田さんは<TMネットワーク>のサポートキーボーディストとしても活躍され、岡本さんは音楽界で活躍されています。

 そして1曲目は<Made in Japan Session Band>の「BABYLONIA/バビロニア」です。のちにジャパン・プログレの仕掛け人として名を馳せる<ヌメロ・ウエノ氏>が1980年頃に<Outer Limits><観世音><アクアポリス>のマネージメントを執り行うようになり、デモテープをメジャーレーベルに売り込むものの良い反応はなかったとか。そこで自主制作レーベル立ち上げの夢を持ってオムニバスアルバムを制作されたそうです。そのなかで各バンドの選抜メンバーによるオールスターセッションを計画。それがこの<Made in Japan Session Band>だそうです。メンバーはOuter Limitsのキーボード<塚本周成さん>、同じくOuter Limitsのベース&ヴォーカルの<杉本正さん>、<観世音>のキーボードの<鈴木伸一さん>、そして<アクアポリス>のドラマー<竹迫一郎さん>の4人です。今回の「BABYLONIA」は81年8月にスタジオでレコーディングされた音源のようで。
 いきなりダイナミックなフレーズからはじまりますが、哀愁ただようリフがながれ、しっとりとしたヴォーカルが。キーボードのリフのバックではパワフルなベースが。中盤まずはテクニカルなムーグソロ。続いてアグレッシブなシンセソロ。奥深い音色、いいですねぇ。バックではパワフルなドラム&うねりまくりベースが。その後一旦静かになってベースが鳴り響き、様々な音が空間を彷徨ってミステリアスな感じに。終盤ドラムが入ってダイナミックなサウンドになって再びヴァースへ。ラストはドラマティックにFin。
 このオールスターバンドも正式なバンドとしてスタートさせようと実際にライブも行ったそうですが、残念ながら1回こっきりになってしまったそうです。しかしこのアイデアは後に<VIENNA>結成の礎となったそうです。
 この80年代初期のウエノ氏の努力(種まき)が80年代中期に花を咲かせたわけですね。残念ながら音質はあまり良くありませんが、でもでもそのバンドの魅力は十二分に伝わってきますし、アツいパワフルな演奏もたっぷり楽しめますね。しいて言えばシンセサウンドの綺麗な<アクアポリス>はぜひとももっといい音質で聴いてみたいっす。どこかにないのかなぁ・・・

Crime Syndicate

2009-07-22 06:53:06 | ジャパン・プログレ
 ジャパン・プログレを調べているなかで気になったのが<White Fang/ホワイト・ファング>というバンド。一体どんなサウンドのバンドなのか興味があったんですよね。フルアルバムも発表されているようなんですが、なかなか手に入らず。そんなときに<White Fang>の曲が収録されているコンピレーションアルバムを見つけたもので、そちらを紹介させていただこうかと。
 1989年にキングレコードから発売されたアルバム「Crime Syndicate/クライム・シンジケート」です。このアルバムには89年7月23日にクラブチッタで行われたプログフェスのライブ音源の5バンド8曲が収録されています。ビッとしたスーツを着込んだ紳士とビリビリに破けた汚れたジャケットの人が波止場のようなところで握手している写真が。マンホールのマークからすると横浜かな?Pink Floydの炎/Wish You Were Hereのジャケットをパロってるんですね。
 1曲目と2曲目はフランスのプログレバンド<ATOLL>のライブ音源です。1曲目は「Tu Sais」。“ミナサン、コンバンハ!”って掛け声からはじまってヘヴィなギターリフと強力なベースが。ミドルテンポのパワフルなロックです。でもキーボードの音色はとってもクリアで綺麗ですね。終盤にはハードなギターソロが。“ドモアリガト!”って。
 2曲目は「L’age D’or」。美しいキーボードのリフからゆったりとはじまって、サビではテンポアップしてさわやかで楽しい感じに。中盤では爽快感たっぷりのメロディアスなギターソロも。とっても素敵な曲です。“メルスィー!”って。

 3曲目は女性プログレバンド<Rosalia>の「Reise」。幻想的なシンセサウンドとパワフルなベースリフからゆったりとはじまって、それにのってエモーショナルなギターフレーズがながれて。そしてアップテンポのピアノリフをバックにピュアでクリアな女性ヴォーカルが。間奏はゆったりと幻想的な雰囲気になるも徐々に盛り上がって、エモーショナルなギターソロへ。ドラマティックな曲ですね。

 4曲目は<Social Tension>の「MacbethiaⅢ」。パワフルなドラムからはじまってアップテンポで攻撃的なキーボードソロが炸裂します。そしてノリノリシャッフルビートになったり、抒情的なミドルテンポになったりダイナミックなオーケストラサウンドになったり。その後ピアノのリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがはいってバラード風に。複雑に展開していくドラマティックな曲です。間奏ではメロトロンサウンドの叙情的な雰囲気や、美しいピアノのリフレイン、そしてアグレッシブなキーボードソロも。終盤は再びアグレッシブなキーボードソロが。そしてダイナミックにFin。

 5曲目と6曲目が<White Fang>です。メンバーはヴォーカル&ベースの<高橋竜さん>、ギターの<スズキ・クニアキさん>、キーボードの<小門学さん>、そしてドラムスの<カネキ・イサオさん>の4名です。バンドの経歴などは現時点では全くわかりません。
 まずは「Only Love Can Help」。リズミカルなキーボードリフにハードなギターリフがはいって、そしてハードポップ風なメロのヴォーカルが。間奏ではエモーショナルなキーボードソロ&ギターソロが掛け合いやユニゾンで展開されます。爽やかな感じのかっこいい曲ですね。
 続いては「Crimson Waves」。「しんみりとバラード聴いてください」って。ミドルテンポのキーボードリフからはじまってパワフルに歌い上げます。間奏まずは抒情的なギターソロが。そしてサビを挟んで、ハードなギターリフからテンポアップしてアグレッシブなキーボードソロへ。そしてアップテンポのままかっくいいヴァースへ。ドラマティックな曲ですね。ラストはしっとりとFin。

 7曲目と8曲目は<桜庭統さん>率いる<DEJA-VU>で、まずは「Concentration」。ドラムのカウントからダイナミックなリフが。そしてミドルテンポでオペラチックなヴォーカルがはいって。ミステリアスな雰囲気もありますね。間奏はアグレッシブなムーグソロ、ミステリアスなオルガンソロ、そして幻想的なシンセソロと続きます。スリル感のある曲ですね。
 続いては「DEJA-VU」。壮大なオーケストラサウンドからゆったりとはじまって、そしてミドルテンポのドラムがはいって落ち着いた雰囲気で展開していきます。サビは鮮やかサウンドでパワフルですね。間奏まずは変拍子のパワフルかつメロディアスなシンセソロが。一旦Finしたあと、ゆったりしたテンポで荘厳な雰囲気ではじまり、再びミドルテンポのパワフルなリズムでヴァースへ。終盤では劇的でダイナミックなオーケストラサウンドが鳴り響き、ゆったりとしたテンポのシンフォニックサウンドが雄大に展開していき、ドラマティックなエンディングを迎えます。曲が終わると「ありがと~!最後まで本当にありがと~!」って絶叫も。かっくいいっす。

 <White Fang>のアルバムがもし手にはいったらまた紹介させていただきます。