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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ピークディストリクトの奇観!雄大な自然に溶け込む産業廃棄物だまり、高アルカリ性のモクモク硬めのメレンゲ!

2018年09月12日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
昨日の続きです。
バクストン Buxton 近郊のハーパー・ヒル工業産業地区 Harpur Hill Industrial Estate の Highly Alkaline Lagoon 高濃度アルカリだまり(??)

以下、「アルカリ・ラグーン」と勝手に呼ぶことにします。

潟になった地点に到着しました。柵が壊れているので中に入れます。


足をちょこっとだけ踏み入れてみました。

ピークディストリクトの美しい丘陵地のなかにある工業地帯の、石灰石の精製過程で出た産業廃棄物を廃棄し続けた跡の古い廃棄場です。

昨日の記事のリンクを下に貼りました☟
自然の神秘か?違う!遠い昔の産業廃棄物が作り出すやっぱり不思議な自然の景観、ピークディストリクトの奇観再び


(上のリンクをあけるとブルー・ラグーン・オブ・バクストン Blue Lagoon of Buxton とそのほか関連の記事リンクが芋づる式についてきます)



踏み入れた片足がそのままずぶずぶはまってしまいそうな、かために溶いたメレンゲみたいな感触でした。
あわてて足を抜きました!



何年も前に、向こう側の丘の上から見たこのアルカリ…ラグーン、水をたたえて薄ーいヒスイ色に輝いて見えたのです。

今回は、夏の間の記録的な暑さと好天気のため、水がほぼ枯渇状態。かために溶いたメレンゲ状態の水無し石灰くずの表面をさらしています。
(8月30日に撮った写真です)

でも、ところどころ薄く水の残る部分もあるようです。


この位置からの眺望が一番いいようです。


座って一休みしました。

ここでサンドウィッチを食べてもよかったかもしれません。
このハイキングにあまり乗り気でなかった夫は、ここからの眺めにはさすがに感心していました。

上の写真の、アルカリ・ラグーンの一番奥の段々の一番高い場所に黒いゴムタイヤがいっぱい捨てられているのが点々と見えました。
写真では遠くてわかりにくいですね。

丘のすぐ上にはモーターバイクの修理場とゴーカートセンターがあります。
ゴーカートセンターのスタッフがモーターバイクのタイヤを投げ込むとは思えません。
地域の不良少年が勝手に忍び込んで面白がってやったのではないでしょうか。

(たしかにちょっと面白そうです)


ウェッブサイトで見た学術論文によると、他にもコンピュータースクリーンや車の部品などかなりたくさんの粗大ごみが投げ込まれて(雨が降り続けばもっと軟らかめになるのかもしれない)メレンゲ状態の石灰くずの下に沈んでいるらしいのです。


けっこう頻繁に丘の上の道路を大型トラックが通ります。倉庫がいっぱいある産業地域ですから。


遠く丘の上に、濃い灰色の「屏風岩」(命名;私)が見えるでしょう?その向こうに有名な(と言うほどでもない)ブルー・ラグーン・オブ・バクストンがあります。


丘をあがると、道路を挟んだ向こうの丘のてっぺんに地元の名所で景勝スポットのソロモンズ・テンプル Solomon's Temple が見えます。



丘の中腹のドライ・ストーン・ウォール dry stone wall(すき間なく積んだ石の壁)沿いに歩きます。


石の壁の内側は草がボーボーに生えています。


この丘陵地一帯は、黒いウシの放牧場なのです。
ひと区域の放牧場の草をウシたちが食べきって、芝刈り機で刈ったようにすっきりさっぱり短くなれば、長く伸びた草が密生している区域に囲い込むのです。
その区域の草を食べきったころにはまた別の区域の草がのびきっているというわけです。

そこら中、乾いたウシの糞でいっぱい!

さっき来た道を上から見下ろしながら入ってきたゲートに向かいます。


もともと細い谷川が流れていた場所に、1830年ごろから石灰の屑の投棄が始まったのです。
120年もの間捨てられ続けた石灰の屑が厚い層になって川の上を覆いつくしてしまったのです。




つづく


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自然の神秘か?違う!遠い昔の産業廃棄物が作り出すやっぱり不思議な自然の景観、ピークディストリクトの奇観再び

2018年09月11日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
ふたたび!ピークディストリクトの奇観、地理学の神秘!

バクストン Buxton 郊外の工業地帯のただなかにある不思議な不思議な光景です。


(☝今回は写真を先にお見せしちゃいます。☝)

帰宅後、ウェッブサイトで探し出した学術上の呼び名が Highly Alkaline Lagoon 高アルカリだまり??

このすぐそばにあるのが知る人ぞ知る、ブルー・ラグーン・オブ・バクストンBlue Lagoon of Buxton


詳しく書いた、以前の2本の記事をぜひ読んで下さい。リンクを下に貼りました。

バクストンのブルーラグーン、今回はたどり着いた!青く輝く奇跡のたまり水、イギリス北部の地理学の神秘!

バクストンのブルーラグーン、地理学の神秘!美しく危険な採掘ピットの青い水をめぐる安全意識、国民性の違い


この地域一帯は17世紀から1950年代まで、石灰石の一大採掘地だったのです。
「ブルーラグーン」が石灰石を大量に採掘した後の深いピット(穴)にたまった大量の雨水の水たまりならこの三角州は…。

ずばり、石灰を精製する過程で生じる大量の産業廃棄物を1830年代から1955年ごろまで120年間投棄し続けた、産業廃棄物投棄所!!!

(そのことを知ったのは、家に帰ってウェッブサイトで学術資料を苦心して読んでからのことです)

投棄が終わったのは60年以上も前のことです。
この地域で採掘された大量の石灰の上澄み他がいつまでも残り、自然の景観に溶け込んでいるところが何とも不思議です。


美しい、緑の丘陵が見渡す限り続くピークディストリクトのただなかにあるハーパー・ヒル産業地帯 Harpur Hill Industrial Estate という工業、産業地区にブルー・ラグーン・オブ・バクストンを訪ねた際、とても気になっていた光景が一番上の写真の白い三角州です。

何回も車を停めさせてもらったゴーカート・センターはこのすぐ上にあります。
ブルー・ラグーンのように人々の興味を引くスポットでもなさそうです。

でも、私は気になって仕方がなかったのでした。
どうしてもそばに行ってみたい。と強硬に主張して夫と一緒にハーパー・ヒルに戻りました

車をだいぶ離れた上の道路にとめて、歩道もない危ない車道を気を付けて歩きます。


下り坂の一番底に下りたところにあるのが、いつもは黒いウシのいる放牧場への入り口です。


ハイカーが私有地を歩いて通ることを許可する「パブリック・フットパス public foot path 」のサインが右手にあります。

トラクターがつけたわだちの道を歩きます。


左側に澄んだ水がちょろちょろ流れる小川が続きます。



川底は不気味な黄土色。

来た道を振り返ってみた写真です。


上流に行くにしたがって、川底が段々になっているのがブキミです。鍾乳洞なんかの中で見られるような光景です。



「潟」になっているところが見えてきました。三角州の入り口です。


ちょろちょろ水の流れるさわやかな音が絶え間なく聞こえてきますが目の前に広がる光景はやっぱりブキミです。



この前の土手でサンドウィッチを食べました。


捨てられているタイヤは、ゴーカート用の直径30センチぐらいの小型のゴム製です。

不思議な黄土色のボコボコした段々の上を水が浅く流れつづける光景はかなり魅力的なのですが、夫は「気持ち悪い」を連発。

食後、土手の上を三角州の上流に向かって歩きます。





木の茂みにさえぎられて、三角州が見えない場所もあります。


とにかく歩いて、すぐそばまで行けるスポットをさがします。


明日につづく。


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晩夏から晩秋へ、イギリスの季節を彩るベーカリー(パン・ケーキ屋)のウィンドウ・ディスプレイ

2018年09月10日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
夏の終わりの、おなじみグリーンノール Greenhalgh's のウインドウ・ディスプレイ。


ジンジャー・ブレッドのコレクションに、 定番のスクービドゥと 人気の続くユーニコーン。それにネズミの顔面正面が加わりました。
後列、フェアリー・ケーキの投げやりな飾りつけも注目に値します。

次の週にはスクービドゥが姿を消して!昔ながらのオーセンティックなジンジャー・マンの形のジンジャー・ブレッドが新登場!


ディスプレイスペース中央にあったジンジャー・ブレッドが売れてしまったのかもしれませんね、とってつけたようにフルーツ・スコーンがぽつんぽつんと置いてあります。

左の魚はディズ二―のキャラクター、ニーモのようです。真ん中の動物キャラクタ―、どこかで確かに見た覚えがあるのですが、判別しません。なんだろう。


そして!

ついに登場、ハロウィーン・バージョン!


先週の金曜日7日に撮った写真です。
ハロウィーンは10月30日です。一か月も先ではありませんか!



左からブードゥー(呪いの藁人形)、ミイラ人間、ハロウィーンバージョンとして新装復活したスクービドゥ。

スクービドゥの目がスライム・グリーン(ハロウィーンの色)になっていて、吸血鬼のように牙が出ています。

レモンケーキ、スティッキー・パーキン・ケーキ、ヴィクトリア・スポンジ、(ローフとホール両方)それに5色のレインボー・プライドケーキもディスプレイに並び、盛りだくさんです。

ハロウィーンから、11月5日のボンファイヤ・ナイト bonfire night(ガイ・フォークス・ナイト Guy Fawks Night)までカバーした、イギリスの晩秋を彩る「ジンジャーブレッド、カップケーキ季節の風物詩バージョン」の予告が出ています。


ボンファイヤ・ナイトに欠かせないトリ―クル・トフィー(糖蜜を固めた黒飴のような飴)とトリ―クル・トフィーを焼きこんだマフィンも売り出すようです。

特にハロウィーンにバカに力を入れているようです。

ボンファイヤ・ナイトというのは11月5日、大掛かりなかがり火をたき、花火をあげて秋の深い夜のひと時を楽しむイギリスの奇習です。
1605年に国会議事堂を爆破しようとして失敗したガイ・フォークスの「火薬陰謀未遂事件 gunpowder plot attempt」を記念する理解不能な起源の、要するに「寒い夜に皆で出歩いて燃える火の回りに大勢集まる」という原始的な興奮を提供する、長くて暗い冬の訪れへの覚悟を決めるような行事なのです(私の解釈が多少入りましたが)。

秋の恒例チャリティ・イベント、ワールド・ビッゲスト・コーヒー・モーニング World's Biggest Cofee Morning の支援もしているようです。


今年は9月28日にマクミラン・カンサ―・サポート Macmillan Cancer Support というチャリティ団体の基金集めに協力する何千もの一般の人たちが全国一斉にティー・パーティを開きます。
招待客はケーキを持ち寄り善意の寄付をしておしゃべりを楽しみます。

募金はガン患者のサポートに使われます。

ワールド・ビッゲスト・コーヒー・モーニングやハロウィーン、ボンファイヤ・ナイトを飛び越えて…

先週の写真をもう一度載せます。

クリスマス


私が週に一度ボランティアとしてお手伝いしているチャリティ団体、オックスファム Oxfam が運営するチャリティショップのクリスマスカードディスプレイ。

この写真を撮ってから一週間、ただの一枚も売れていません。だから、早すぎるんです!!誰も見たくもないはずですってば!

本部から新たに違うデザインのカードが何種類かどさっと届いたようです。


店舗奥の廊下に放置されていました。

厳粛な戦没者追悼記念日 Armistice Day=Remembrance Day (今年は11月11日)もまだでした!

戦没者への追悼が終わると町は堂々とクリスマスへの期待に賑わい出します。

(ショッピング街はハロウィーンが終わり次第飾りつけを始めますが)


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いかがわしいニンジン

2018年09月09日 09時00分00秒 | 英国の野菜、果物


イギリスのスーパーマーケットではこの頃すっかりおなじみになった、ウォンキー・ヴェジ wonky veggie とよばれる形の悪い野菜類。

ばら売りの野菜は大きな容器に投げ込まれるように入れられて売られています。
サイズ、形はさまざま。好きなものをとって備え付けのポリ袋にいれ、レジで重さをはかって会計します。

たいていの人は、まっすぐで太いものを選んでポリ袋に入れるようです。

わざわざ変な形のものを掘り出して買うのが私。

しかも、今回いかがわしい形状のものが見つかりうれしいです。

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輝く栄冠!建築大賞を獲得した連合王国で一番見苦しい建築物がストックポートにあり!!!

2018年09月08日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
ストックポートのタウンセンターに半年前に完成した、レジャーセンター、レッドロック Redrock


この奇抜な建築デザインが、9月5日に権威ある建築週刊雑誌、Building Design による栄えある建築デザイン大賞、カーバンクル杯 Building Design's Carbuncle Cup (BDCC) 2018を受賞しました!

2018年連合王国で最も見苦しい建築デザイン大賞を勝ち取ったのです!!

イングランド北西部でも、イングランド全域でもなく、「イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4国からなる連合王国で最も見苦しい建築物」です。

実は、車がビュンビュン通るこの通りに出て建物のこっち側をじっくり見る機会はほとんどありません。
こっち側はもうタウンセンターの外なのです。


高速道路をまたぐ歩道橋に上がって全容を写真に撮ってみようとしたのですが、何しろ大きくて。


レッドロックは店舗、レストラン、カフェ、バー、10スクリーン上映の映画館、スポーツジムと高層駐車場のある総合レジャーセンターです。

ストックポート住民の評判はびっくりするほど良いのです。


レッドロックの名前の由来は、高速道路を挟んですぐ向かいの「赤い崖」だと私は勝手に思っているのですが、どうでしょうか。





おなじみの、ストックポート名物、ストックポート・ヴァィアダクト(鉄道橋)が見えています。

上を通る電車からも強烈な色彩の威圧的なビルはよく見えます。

高速道路をまたぐ歩道橋を渡り切った、赤い崖の上の住宅街側から見たレッドロックです。




セント・メアリーズ教会の古い時計塔の見えるストックポートの古い町並みにそぐわない派手な色彩…が問題なんですよね。

カーバンクル杯受賞の理由はタウンセンターの外がわ、環状道路と高速道路と線路から見える、こちら側の表面処理だといわれています。

商店が並ぶタウンセンター側から見ると地上階は全面ガラス壁の よくある、都市の典型的な商業ビルですよね。


上階のメタリックな青、白 グレーのチェッカー模様も全面でなければそれほど気になりません。


(一階手前のレストランスペースはまだテナント募集中です。)

無機質で簡素ですっきりとしたデザインで、美しくもおもしろくもなく、またそれほど見苦しいとも思えないのですが。
たしかに反対側の高速道路側からだと 毒々しい真っ赤なロゴと立体駐車場壁に張り付いた赤いウロコがイヤでも目に入ります。


閉店する店が相次いであまりぱっとしない、(それでも1930年代の街並みが見事に残る)ネイルサロンとキャッシュジェネレーターとチャリティーショップがやたらに多い通りから見たところです。


ずっと前からこの場所に立っている安売り店「パウンド・ワールド」の側面壁をレッドロックとおそろいの派手なチェッカー模様に表面加工してしまう強気な都市計画…!

(パウンドワールドは数週間前に投げ売り閉店セールをして閉店しました)


木曜日の夜、マンチェスターで働く息子と落ち合って、初めてレッドロックの映画館ライト・シネマで映画を見ました。

平日料金が9ポンド45ペンス(1、335円)私の行く他のどの映画館より高いです!
レッドロックの開館に先立って閉館された旧レジャーセンターの映画館では6ポンドちょっとでした。

全席リクライニング式、ゆったり座れて、専用の木の小さいテーブルがひじ掛けの先についています。

夜の映画館ロビーです。


廊下のスペースも落ち着いていて好感が持てます。






タウンセンター側から見たレッドロック、「連合王国で一番見苦しい建築物」の栄冠に本当にあたいするのか疑問です。


カーバンクル杯の carbuncle というのは、悪質なおできのことです。(ひどーい)

ロンドンの国立絵画館 London National Gallery の新館を見た現代建築が大っ嫌いなチャールズ皇太子が「おでき(カーバンクル)みたい」と感想を述べたことから、この名が冠されました。


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丸い!チェシャ―の田舎の近未来的な奇抜な建物のアメリカ流カフェ 築後約90年!

2018年09月07日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
毎日更新するつもりのストックポート日報ですが、昨日は予約投稿に失敗!

ネクサス・アートカフェのケーキの写真を引き続き載せるつもりだったのに、写真がいくつか見つからず、予定変更、個性的なカフェの話題です。

アーデリィ/オーデリィ? Aldeli 。ニューヨークスタイルのデリィ(デリカテッセン)カフェらしいのです。


ストックポートから車で20分ほど、チェシャ―の古い旧工業都市、マカスフィールド Macclesfield へ行く途中の旧街道ぞい オーダリィ・エッジ Alderley Edge という町にあります。

オーダリィ・エッジにあるカフェの気の利いた命名だと思います。
「デリィ・カフェ」というわけではないようです。デリィは命名のためのこじつけですね。

ホットドッグ、バーガー、ベーグル、パンケーキといった、アメリカのイメージの軽食がけっこう豪華に盛られて出てきます。
サラダにはドレッシングがたっぷりかかって出てくるし、ポテトのフライもフィッシュ&チップスでおなじみの太い短冊形ではなく、ちりちり細い「フレンチ・フライ」でアメリカ気分満点です。

ベジタリアンの夫がたのんだベーグル・トースト。


アボカドのマッシュにカボチャの種、スィートチリ(辛くないトウガラシ)の輪切り、リコッタチーズがのっています。

私はフルーツ・スコーンを食べました。


クロッテッド・クリームとラズベリージャムが期待を裏切ってイギリス風!


で、何がそんなに個性的か、というと「建物の形」です。

丸いでしょう?
近未来的でしょう?超モダンでしょう?


19年前、マンチェスターとマカスフィールドを結ぶ長距離のバス路線上の、ここからあまり離れていない場所に住んでいた時にしょっちゅうバスの中から目にした建物です。

当時は高級車の展示場だったのです。

屋内には丸い展示スペースにゆったりとスーパーカー風の新車(?)が放射状に並べられ、屋外のカフェの駐車スペースには高級中古車(?)が建物にお尻を向けてやはり放射状にならんでいて、田舎の住宅街に不時着した空飛ぶ円盤のような、違和感のある優雅な雰囲気でした。

そのうちバスを途中で降りて中に入ってみようみようと思いつつ、引っ越してしまい、この魅力的な建築物のことはすっかり忘れていました。

それが前回、このすぐそばのナショナルトラスト所有の小さな史跡遺産を訪ねた時に、19年ぶりに通りかかったこの建物が今はカフェとして営業していることを発見!

車を停めて中に入りました。コーヒーも食事もなかなかおいしかったので、また戻ってきたのです。

中も当然丸い!です。






入り口の両側のガラス窓際に沿っておかれた(特注?)ソファーは建物の丸みに沿って湾曲していました。


前回、店にいた経営者によると1920年代の終わりごろ、車の展示場として建てられた建物だそうです。

中央のカウンター内では飲み物とデザートだけを準備しています。

火を通す料理は外に出て10歩ほど歩いたとなりの「別館」で調理され、ウエイトレスが出たり入ったりして運んでいました。



「別館」はアメリカ風アイスクリーム・パーラーで20種類ほどのアイスクリームを売っていました。
トイレも「別館」にあります。

一見、全然別の独立した建物が二つ同じ敷地内にあるように見えますが、同時期に建てられたはずです。


写真ではわかりにくいのですが、この「別館」の正面も、丸い「本館」の外壁に沿って緩やかに婉曲しています。


前回入って中を見学した、ナショナルトラスト所有のネーザー・オーダリィ・ミル Nether Alderley Mill。


17世紀に建てられた水車小屋です。
前回7月の終わりに見学した時は好天続きで、建物上部のわきにある貯水池の水位が下がっていたため水力による製粉の実演が見られませんでした。

その後数週間、例年通りかなりの雨が降ったこともあり、実演再開か?と思ってわざわざ行ってみたのですが、またも実演不能。

今年いっぱい無理だそうです。残念!
館内の見学は可能です。でも中にある大きな水車がごっとんごっとん回るところが是非見たかったのです。入館せずに帰りました。

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ケーキの種類が豊富なマンチェスターのくつろげるカフェ

2018年09月05日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
マンチェスターのカフェ、ネクサス・アート・カフェ Nexusu Art Cafe


ピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens のすぐそば、Dale Street にあります。



地下の、実に広々としていてくつろげる隠れ家のようなカフェです。

名前の通り、アートやカルチャーイベントの開催スポットとして一部の人には良く知られています。

運営スタッフは「コミュニティー・カフェ」という呼び名を好んで使っているようです。

月に二回開催している ライフドローイング(日本風に言えば、クロッキー、裸体の写生ですね)の会にたいてい参加しています。

壁には地元の(無名)アーティストの写真や絵画など2D作品が常に展示されています。



私も過去に版画の個展をやらせてもらったことがあります。

コーヒーとお茶の種類が実に多彩なのですが…



今日のテーマはイギリスのおやつとデザート。

このネクサスの売り物は、すべて自家製の個性豊かなケーキ類!

独自のアレンジのイギリス伝統のケーキ類にアメリカ風のレパートリーを加えて、行くたびに違うケーキが日替わりで出てきます。

来るたびにケーキを食べるのを楽しみにしているのです。

撮った写真をいくつかお見せします。

マーブル・ブラウニー marble brownie。


ブラウニーはココアと小麦粉を固めて焼いた平べったいケーキ。
ネクサスのはマーブル状のチョコレートがけ。



モーティーザ・ティフィン Malteaser tiffin。
  

ティフィンというのはバターで砕いたビスケットを固めた焼かないケーキです。
これにはマーティーザという市販の丸いビスケットをチョコレートで覆ったお菓子が入っています。



イースターエッグのチョコレートがのったキャラメル・スライス Caramel slice


キャラメル・スライスというのは、ミリオネラーズ・ショートブレッド millionaires' shortbread ともいわれるお菓子。
ショートブレッドに硬いキャラメルとチョコレートが層になってのっています。




ピスタチオ・ケーキ pistachio cake 。


硬めのスポンジに細かく砕いたピスタチオが入っています。アイシングの上にもピスタチオがちりばめてあります。

くどく、濃厚な味が多いネクサスのケーキのなかではあっさりした方です。



カウンターに並ぶこの日のチョイス。
(左手前からジグザグに)ブルーベリー・クランブル・マフィン blueberry crumble muffin、キャロットケーキ carrot cake、ビーガン・ナナイモ・ケーキvegan Nanaimo cake、トーブレローン・ブラウニー Toblerone brownie、(ちょこっと見えてる)マースバー&チョコチップ・ブラウニー Mars bar & choc chip cake。


(左奥からジグザグに)レモン・ドリズル・ケーキlemon drizle cake、 ビーガン・ロッキー・ロード vegan rocky road、 チョコレートファッジ・ケーキchocolate fadge cake、 ピーナツ・バター・ブラウニー peanut butter brownie。



だいぶ前に撮った、切り分ける前のチョコレートファッジ・ケーキの写真を見つけました。


あ、クリスマス前の写真だ!

明日に続く。


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好天にもかかわらず今年の夏はトマトが不作、それでも愛しい5兄弟、成長の記録

2018年09月04日 09時00分00秒 | 英国の野菜、果物
ストックポート日報 恒例の自家製トマト年報。

トマト5兄弟が赤く色づいて行く様子をご覧ください。

3週間前です。


園芸店で「money maker」という、なかなかそそる名前の品種の苗を買いました。
スーパーでも売られている、人気の家庭園芸用の品種のようです。



うちでもほぼ毎年この品種を植えています。







そして最後に、昨日の朝の写真です。


赤く熟した果肉が割れているのは、熟す過程で水分が足りなかったからだそうです。

目に見えた成功はこの立派な5兄弟のみ。9月になってもまだ青いかたい実がいくつかなっています。

今年は完全な不作でした。

天候のせいではありません。
申し分ない暑さが例年になく続く夏でした。

もともと私のうちのパティオは日当たりがあまりよくないのですが、いつもはもっと収穫があります。
気温や日当たりはあまり関係がないのかもしれませんね。

例年なら、量はたとえ少なくとも7月の終わりごろからぽつりぽつりと熟れはじめ、1株から2個か3個の収穫が8月いっぱい毎日あるものなのですが…



左側が、5兄弟が育つ株、「マネー・メーカー」です。右側は「tumbler F1」。


タンブラーF1は、やはりイギリスで人気の家庭用鉢植え専門の品種です。
うちでは毎年、買ってきた苗をハンギングバスケットに植えるのですが、今年は地面に置いた鉢植えにしてみました。







昨日の朝の写真です。



やはり、圧倒的に不作です!!

二年前に撮ってストックポート日報に載せた タンブラーF2の写真を見つけました。


熟れる前の写真です。

もっこり葉が茂って垂れ下がり、赤い小粒のトマトがジャラジャラなりさがるはずなのですが。
今年は鉢植えにして、濡れた地面につかないように竹の棒に誘導してみました。

うーん、植える時期がおそかったのか!?

小粒のトマト、日本では「プチトマト」と言いますね。英語では納得の、 cherry tomatoes と呼ばれます。

収穫量はがっかりですが、小粒の味は申し分なく濃縮した甘さです!

寒さで茎が枯れる前に熟す前の緑のトマトを茎ごとすべてもぎ取って、室内で赤くなるのを待つしかありません。

当然のことながら土から栄養を取り込みながら熟していったトマトのような風味は期待できません。

育ちに差があるトマト5兄弟を一緒に収穫しました。


(久々に登場、黄金のトロフィー・ノーム、夫に毛嫌いされて、たびたび目につかない場所に隠されます。しばらくはトマト番を申し付かって目立たない壁際に静かに落ち着いています)



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夏の終わりのイギリス、これがまさかのクリマスへの秒読み!(うんざり)

2018年09月03日 08時00分00秒 | 英国ってハズカシイ!
毎週金曜日にお手伝いしている、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam に行ったら...

クリスマス・カードが もう専用の棚に並んでいました!


まだ8月31日です!
27日 (月曜日)から店頭に出ていたそうです。

8月の終わりに、クリスマスカード!?
これまたうんざりの年中行事 ハーロウィーンのディスプレイもまだだというのに!

翌年のカレンダーが6月ごろから出回るのは珍しくありません。
来年の予定(かなり前に予約する休暇旅行など)が決まり次第 カレンダーに書き込む人は多いですし。

オックスファムでもオリジナルの カレンダーとスケジュール手帳は 夏前に翌年のものを店頭に出します。

イギリスには、「アカデミックイヤー・カレンダー academic year calendar」と「アカデミックイヤー・ダイアリー academic year diary 」があり、どちらも夏休み前には店頭に並びます。

新学年度が始まる9月スタートの学生用 カレンダーと スケジュール手帳です。

それらが夏前に売れるのですから、来年のカレンダーが早めに店頭に出ても、それほど違和感はないのです。

しかし、クリスマス前まで出番がないクリスマスカードはいくら何でも早くないか!?

ここまで気が早いとクリスマスへの楽しい期待感というより、あせり、ストレス(もう一年の終わり!)をもたらすのではないでしょうか。
クリスマス準備の狂奔もできるだけ先延ばしにしたいものなのに!

お客さんは見ないふり!


チャリティ・ショップ charity shop は、一般の人から寄付された衣類や雑貨や本など あるいは協賛企業から寄付された未使用の品を販売する、非営利目的のセカンドハンドショップです。
売り上げはそれぞれの慈善活動、研究などの基金にまわされます。

オックスファムはイギリスのオックスフォードで創設された、世界中の貧困や社会不正と闘う非営利団体です。

寄付品をより分けて値段をつけるのは楽しい仕事です。

先週の発掘品。


度肝を抜くお下劣さ。

お下劣ではなく、エスニックテイストのつもり(もしかしたら本当に南洋の島か何かの民芸品かもしれませんが)らしいのにもあきれる。



木彫りのスッポンポン 「ティーライト・ホルダー」。
「ティー・ライト」という、アルミカップに入った小さい丸いキャンドル用のろうそくたて(ろうそく載せ?)です。

「ティー・ライト」は日本では「ティーライトキャンドル」と呼ばれて100円均一ショップなどでも売られているそうですね。

小物、雑貨は過剰に寄付されるので、同僚のボランティアスタッフにゴミ箱にぶち込まれたのですが、私が助け上げて棚の一番上にこっそり載せておきました。
にくめないヤツです。

ぜったいに欲しくないですが。


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しつこく追い続ける、マンチェスターの汚名の壁!取り壊しのめどはまだ立たず

2018年09月02日 09時00分00秒 | マンチェスター
またまた、マンチェスターの話題です。

しかも、これまたおなじみの「マンチェスターの壁 Manchester Wall」


正式名は「壁 the wall」。

現代日本を代表する建築家、安藤忠雄のデザインです。

市民の憩いのオアシス、噴水と緑の芝生のエリア、ピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens を半囲いにする、コンクリート撃ちっぱなしのこの「壁」、ベルリンの壁になぞらえてつけられた「マンチェスターの壁」という通称のほうがよく知られているようです。

出現以来、市民の憎悪のまとです。



今年の7月の暑い日に撮ったピカディリー・ガーデンズの写真を見つけました。





上の二枚のどちらにも、鳩の公衆便所壁が背景にちらっと写っています。




それにしても、さいしょは「本当のベルリンの壁のようにしてやる」とペンキで落書きをする不心得者が一人もいないようなのが不思議でした。

いたようですね。

過去にも当局が落書きを苦心して消したような痕跡が残る壁の写真を載せたことがあります。

しかし!



いつ描かれたかは知りませんが、こんなにおおがかりな落書きが放置されているのを見るのは初めてです。

しかも、スッパリ下半分(作業員の手が届く部分?)は苦心して消した痕跡がありありと残っているのです。

反対側の写真です。


見るも無残なハトの公衆便所部分の、厚く積もった糞はどうやらこそげ落とされたらしいのですが、(以前の記事の写真を見てください。リンクをいちばん下に貼りました)市当局が壁の定期的なメインテナンスを明らかに放擲したあとの湿気による黒ずみはそのままです。

マンチェスター・プライド Manchester Pride という性的少数派の権利をたたえ、偏見の撤廃を訴える大イベントで4日間にわたって盛り上がった週末明けの火曜日です。(月曜日はバンクホリデーという祝日でした)

国中、あるいは海外からも運動支援者や単なるお祭り好きがマンチェスターにわんさか集まったのです。

マンチェスター、シティセンターのさらなる中心地、ピカディリー・ガーデンズのばばっちい、みすぼらしい壁!

本来は市が誇るべき、パブリック・アートなはずです。

以前は確かにコンクリート表面がつるりと均一なグレーに保たれていて、市民の嫌う威圧感はともかくとして、無機質な美しさはまあ、たしかにありました。


しかし取り壊しが決まってからのこの体たらく!

いくら何でも市の名誉にかかわるのではないか?とちょっときれいにしてみようとする…でも、どうせ取り壊す市民の憎悪のまと、落書き消し作業は税金の無駄づかいだ…いや、大勢の観光客の目にとまる国際イベントを控えて、いくら何でもハトの糞てんこ盛りはまずいのではないか?!…などという葛藤があったのかもしれません。いえ、あくまで私の想像ですが。



以前に来た時、すぐ裏にある観光案内所で屋外アートイベント Bee in the City の案内地図をもらったついでに、壁取り壊しの動きについて係の人に聞いてみました。

「よくぞ聞いてくれた!」とばかりにうれしそうに答えてくれたその人のいうには、「公的にはあと二年は取り壊しが実現しない。しかし、早期実現に向けて署名運動を起こす気運もあるらしい」ということでした。

二年も残るんなら、ちょっとクリーニングぐらいした方がいいと思うのですが。
国際観光都市を目指すマンチェスター。

ばっちい、見苦しい、ここまで落ち目!ピカディリー・ガーデンズの打ちっぱなし「壁」近況


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わかりやすい古典アート、これもマンチェスターのパブリックアート、名門理科大学の入浴中の偉人!

2018年09月01日 09時00分00秒 | マンチェスター

またまた、火曜日に行ったマンチェスターの話題です。

マンチェスターの表玄関、マンチェスター・ピカディリー駅のすぐそばにある、ユーミスト UMIST (Univercity of Manchester Institute of Science and Technology マンチェスター大学理工学部 )。

ピカディリーエリアに校舎が点在するユーミスト、どこからどこまでがキャンパスか部外者には判然としません。

上の写真の、お風呂に入っているアルキメデスのわきを通って鉄道橋のアーチをくぐれば古いたてものに囲まれた中庭に誰でも入って通り抜けができます。

実は、以前にも ストックポート日報 に載せたアルキメデス像 Archmedes、ちゃっかりもう一度。
大好きなんです



このユーミストの構内は、やたらにパブリックアートが多いのです。ねじった綱のモダンアートが後方にも見えています。

すべて科学由来の、しかも解釈自由な(=わけのわからない)抽象アートが多いのですが、このアルキメデスの 古典的かつ個性的な表現 はどうでしょうか!!

お風呂に入っているときに、流れ出るお湯を見て…(あ~、よくわかりません。とにかく)浮体の法則を発見した瞬間のアルキメデス、「ユーリーカー!(わかったぞ!)」と叫んでいるらしいのです。


歓喜の表情の巧みな表現と、口のあけ方が「カ」に見える芸の細かさがすばらしい。



日本風に「アルキメデス」といってもイギリス人には絶対に通じません。

じゃあ、どういうのか、アルキメデスのことをしっている何人かに発音してもらったら、なぜかみんな少しずつ違う!
イギリス人にとっても外国人の名前です。

カタカナ表記の日本語のようにスパッと「アルキメデス」と決めつけられないところが不自由です。でもイギリス人どうしがどう言ってもおたがい通じているのです!

物理学の中等教育修了試験に受かったうちの息子に言わせると、「アークミィディス」が標準発音だそうです。ミィを強く発音します。


ユーミストは国内有数の名門科学教育機関です。

19世紀の初めに職人、工人に無料で科学教育をさずけるための学校として創設されたそうです。
科学知識のすそ野をひろげ、科学力によっての国力増強をはかったイギリス、さすがです。

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