イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

電車で行けるピーク・ディストリクト、食いつくしヒツジの残したフリースと名物パブ

2024年07月29日 05時52分54秒 | ピーク・ディストリクト

イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、マンチェスター(とシェフィールド)から電車で行けるイーデル Edale の日帰り散策コースの提案、続きです(今回で最後です)

 

次の放牧地も...

草ボーボー、ヒツジもいません。

いつもヒツジでいっぱいの「この世の極楽」だったのですが。

 

広い放牧場に、絵になる古い納屋がポツンとたっています。

使われているのかいないのか...?使われていないとしたら、この物件は「景観の1ポイント」として保存されている確率はかなり高そうです。

...でも、写真(☟)を見返してみたら屋根が伝統的な「スレート葺き Slate roofing」ではなく、風情のないトタン屋根でした...やはりピーク・ディストリクトにコッツウォルズのような見せかけの「昔ながらの田園風景」を期待するのは無理でした...「昔ながらの」見かけには、とにかく維持費がかさみます。

平たい岩3枚セットのスクイーズ・スタイル squeeze stile と木戸を抜けた次の放牧場は...

上の写真は通り抜けた後に振り返って撮った写真です。

先ほどまでの草ボーボーとは打って変わって短く刈りこんだような草が密に生えています。

 

(納屋が写っている上の写真を見ていただけば柵の向こうとの違いが瞭然!)

ちょっと前までヒツジの群れが放牧されていた形跡が明らかです。ー面、食いつくされた草地にトゲトゲして不味そうなアザミばかりがポツポツと残っています。それと...

毛刈り前の暑苦しそうにモコモコ生えていたフリース fleece (ヒツジの被毛)がいっぱい、トゲトゲしたアザミの茎や短い草にからみついていました。

夏にヒツジの放牧場を通るとつい拾い集めたくなる強い誘惑にかられます。以前じっさいに、両手に抱えるほど集めて持ち帰ったことがあります。(夫はイヤな顔をしました)

編み物をする私はクズフリースを集めて紡いで毛糸にしてみたいといつも思うのですが、きれいにするのがとてつもなくめんどくさそうなので、実現していません。(持ち帰ったフリースは捨てました)

手触りは、ねっとりしっとりしています。未脱脂ウールの暖かい匂いがします。落ちたばかりのフリースにはノミやダニがついていると言われますが、宿主から切り離されたノミやダニが何日も生き残るとは思えないので心配いらないはず...です。

この場所は雨が降るとぬかるむのか、部分的に敷石が敷かれていました。それもまっすぐではなく、風情のあるリボン状に。

以前ここを通った時には、パラグライダーがすぐ後ろにドサッと着陸してビックリしたのでした。

周りにハンググライダーやパラグライダーの離陸地点として知られる「ピーク peak(標高615m以下の低い山)」の頂上がたくさんあります。ただ、この場所は着地の場所として知られているわけではないので...おそらく着地点を誤ったのでしょう。

背景に連なる木々の向こうには、ハイキングのはじめに渡った小川と村の中心があります。

 

 

小川ぞいの木々の間の小道を少しあるくと見つかるこの迫力ある樫の古木の左側に...

川を渡る橋があります。キャンプ場の端の方を抜けて、駅から続く道(Mary's Lane) の、この...

教会のむかいあたりに出ます。

また学校や郵便ポストのある店やカフェの前を通って、名物パブ、オールド・ナッグス・ヘッド the Old Nag's Head に戻りました。

 

無数にあるハイキングコースの拠点となる、有名なパブです。

本格的なハイキング、登山装備の客に混ざってカジュアルな街着の私たちはけっこう浮いていました。

すべて地元産の畜肉を使った本格的なパブ・ランチを提供するグルメパブです。レギュラー・メニューの他に食材の供給状況によってかわる本日の特別メニュー Specials があるようです。

どうでしょうか?ちょっと高めに見えますが(例;ビーフ&スティルトン・パイの £16-95 は 3,361円)かなりのボリュームですよ。

上から3番目は、ベジタリアン向きです。

私たちは、途中でピクニックのサンドウィッチを食べたので、食事はしないでエールとJ2O(ジェイ・ツー・オー、フルーツ味のソフトドリンク、アルコールの摂取ができない私のパブドリンクの定番です)を外の席で飲みました。

すぐ横に坂の下の小川のせせらぎがジョロジョロ聞こえてきます。

 

お手洗いに行こうと、適当なドアから中に入って迷い込んだのが天井の高いこのホール。

ド田舎のパブのくせに、まるで中世の館のミニチュア版のような豪華さに圧倒されました。もとは村の鍛冶屋だった17世紀の建築物です。

1時間に1本の帰りの電車に不都合な時間だったので、ヒマつぶしに常に開いているという教会に立ち寄りました。

1882年建造の比較的あたらしい教会です。

価値のある建築物ではありませんが、日中扉を開け放して道行く人を歓迎している教会は近頃とても珍しいはずです。バチあたりな破壊行為や、貴重な持物を持ち逃げするドロボウを防ぐために礼拝やイベントの時以外は厳重に戸締りする教会がほとんどです。

ボランティアらしい信者のおじいさんが朝から境内の芝生の手入れ、訪問者の案内をしていました。

ひんやり涼しく、勝手に座ってくつろがせてもらいました。

教会の名前がわからなかったので今、調べました。The Church of the Holy and Undivided Trinity...長い!聖なるかつ不可分なる三位ー体教会、国教会の教会です。

ピクニックしたり、パブに寄ったり、いちいちとまって写真を撮ったりしていたため、2時間ぐらい費やしました。そのぐらいの時間の余裕は欲しいですね。計画的に行動すれば教会での時間つぶしは不要でしょう。

電車の時間までの時間つぶしが必要ならばビジターセンターでのお土産ショッピングをおススメします。

歩くだけなら1時間で足りるはずです。

電車の時刻はウェッブサイトで前もって調べておくとよいでしょう。time table for Edale from Manchester Picadilly (あるいはShefield )でヒットします。

 

 

 

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電車で行けるピーク・ディストリクト、ウールのフリースを脱いだ見慣れない夏服のヒツジたち

2024年07月27日 22時18分29秒 | ピーク・ディストリクト

イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、マンチェスター(とシェフィールド)から電車で行けるイーデル Edale の日帰り散策コースの提案、続きです。

農場の中央あたりから右に降りる緩やかな坂道の両側には、ドライストーン・ウォール drystone wall で囲われたヒツジの放牧場があります。

 

ドライストーン・ウォールの高低はさまざま。

基本的にはセメントもモルタルも使われず平たい石が積んであるだけのドライストーン・ウォール、高く積みすぎると崩れそうで怖いですね。その実、しっかりと組んであるらしく、めったなことでは崩れません。

見たかった、ヒツジの親子!

 

今回、じっくりヒツジが見られたのは道の右側のこの放牧場だけでした。頭数もあまり多くありません。

親ヒツジたちはみんな涼し気な夏の装いでした。暑苦しいウールのもこもこフリース(ヒツジの被毛)を刈り取られ、ガリガリの丸刈りです。

ヒツジを見る機会があまりない日本の皆様には見慣れない姿なのではないでしょうか。

また少し歩くと、下を電車が走る鉄道の線路の上に出ます。

ストックポート、マンチェスター方面はこの方向です。☟

シェフィールド方面に向かって☟

 

線路をすぎてちょっと歩くと道路につきあたります。

 イーデルと、ピーク・ディストリクト有数の観光地、カースルトン Casleton の隣町のホープ Hope を結ぶ イーデル・ロードEdale Road です。この日は交通量も少なく静かでした。

道路に出てイーデルの駅と村のある右に歩くと右側にすぐ、古いコテージの廃墟がみえます。

10年ぐらい前に初めて見て以来、いつ行ってもそのまま。趣きのある景観のー部として保存されている...なんてことはないと思いますが。

古いコテージの修復などに重宝する古い建材の石はとても価値があるようです。誰も持って行かないのが不思議だと夫はいつも言っています。

 

5分ほど道路を歩くと右側に、また放牧場に戻る「パブリック・フットパス public footpath (農地や草地を通り抜ける歩行者の通行が許可された小道)」の入り口があります。

(参考までに...道路の左側には渓谷に下り丘陵地を登ってピークの頂上を経てカースルトンを目指すちょっとキツそうなコースへの入り口があります☟)

入り口には、道路沿いと少し奥に2つの木の扉があります。かなり厳重な、放牧動物を逃がさない工夫です。

以前来た時はたくさんのヒツジが放牧されていたのに今回はカラッポ。草ボーボーの放牧地を通り抜け、下りてきた坂道とほぼ平行のフットパスを歩き...

 

道路に出る前にその上を通った線路の、今度は下を通ります。

線路の下をくぐったところで、お昼のサンドウィッチを食べました。

フットパスの左側にある、イーデル近辺ではおなじみ平たい岩が2枚互い違いにならぶ「スクイーズ・スタイル squeeze stile」(加えてもう1枚!)と木の扉のセットのまたまた厳重なスタイルを通ってとなりの放牧地に出ます。

夫は必ず先に立って木の扉を開けて私を通し、また扉を閉めてくれます。ジェントルマンとしてふるまっているわけではなく、開けた人が同行の人を通してから責任をもって閉めるという、ハイカーのルールです。

農地(放牧地)の所有者が厚意でパブリック・フットパスとして開放してくれているのですからルールを守って通行しなければなりません。動物を囲い込む柵の出入り口を閉め忘れるのは重篤なマナー違反のひとつです。

まあ、たとえヒツジが短い後ろ脚で直立歩行できたとしても岩の板2枚の狭いすき間をスルッと抜けて脱出するのはぜったいに不可能でしょうけど。

決められたルートを踏み外してはいけないのも大切なルールのひとつです。

草地を横切る道なき道の「フットパス」には人が歩いて踏み固めた道ができています。

次の牧草地も草ボーボー、ヒツジは仕事をしているのか?!

牧羊農家はそれぞれいくつかの囲い込まれた牧草地を所有しています。ひとつの放牧地にー定期間ヒツジの群れを放ちその地の草があらかた食べつくされた頃、また別の放牧地に群れを移動させます。その場所の草も食べつくされたら、草がすっかり伸び戻っている元の場所にもどす...というローテーションを夏のあいだくりかえします。

続きます。

 

 

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電車で行けるピーク・ディストリクト、農地を通って気づいた変化、景観向上のための偽装工作?

2024年07月25日 17時58分45秒 | ピーク・ディストリクト

イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、マンチェスターから電車で行けるイーデル Edale の日帰り散策コースの提案、続きです。

最後にこの場所に来たのは...パンデミック前でした。

山並みなど壮大な自然の景観は変わりません。

でも、微妙にいろいろ変化がありました。以前のストックポート日報の記事を読み返して写真を見比べてみました。

特徴のある木は成長しているし、柵がなかった場所にも柵が新しくめぐらされていたり...

今来た道を振り返って撮った写真です☟

夫の姪を座らせて写真を撮った地面の謎のモコモコもなくなっているし。

今回は、植樹された若木をいくつも見ました。

ピーク・ディストリクトは「自然のままの原生林」なんかではありません。ヒツジが草を食むのどかな田園風景は、中世のころから牧羊産業のために多くの森林を切り開いてきたイングランドの、大規模な自然破壊の証でもあるのです。

人工的な植樹は森林のコントロールですよね。(緑が増えるのはいいことですが)

同じ木の柵に保護された、すべて同じ大きさの同じ種類の若木がハイキングコースのずっと先まで、20本ぐらい見かけました。農地の持ち主はそれぞれ違うはずです。

同じ植木屋に同時に依頼したから、とも思えません。地域の観光や景観に関する公の組織が全域に手を入れているんじゃないかと思います。

この「キャトル・グリッド cattle grid 」をはさんで農地の所有者がかわります。振り返って撮った写真です☟

キャトル・グリッドというのは英国の農村やナショナル・トラストなどの文化保護団体が管理する広大な庭園などでよく見かけます。放牧された動物は通さず、人やクルマやトラクターがいつでも通れるようにした仕掛けです。

ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、庭園などで放牧されているシカなど、ひづめのある動物は間隔をあけて並べた鉄の棒の上を歩けません。イヌや(たぶん)ネコならだいじょうぶでしょう。人間でもハイヒールや硬い底の靴をはいていたら不安定で難しいかもしれません。

 

キャトル・グリッドの脇の壁から直角につながったドライストーン・ウォール drystone wall(平たい灰色の石を隙間なく積んだ農地の塀)が放牧地を横切っています。

農家の敷地内に入る直前に...

建築資材会社から搬入されたような新品のドライ・ストーン・ウォール用の新しい石が大量に積まれていました。新しく石壁でも作るのかな、と思っていたら...

2棟たっているコンクリートと鉄骨の納屋の左側の下半分の外壁を石で覆う作業が進行中でした。

昔ながらの建築法で建造されたかのように昔ながらの建材で偽装工作中!上半分は木材を張り巡らせていました。(インチキ)

通り過ぎた後、振り返って撮った写真です☟

なかなか効果的です。向かいの納屋は上から下まで木の板張り...

以前は酪農家だったこの農場にはウシがたくさんいたのですが今は道具置き場になっちゃっていますね、この納屋。ウシは見かけませんでした。

ウシがいなくなった後の牛舎の入り口にはまだ四角い犬小屋が二つあり、イヌがそれぞれ住んでいました。以前と同じイヌだと思います。

風情のある古い石造りの納屋と、見栄えのしない黒ずんだアルミ板張りの納屋が混在している実用的な農場の中庭です。

鉄のシャッターがおりていたり、ジャリ舗装とつぎはぎのコンクリート舗装の混在もまた現実的です。

石壁風や板張り風の偽装もやはり「地域の観光や景観に関する公の組織」か何かの差し金でしょうか。景観を向上させるための資金援助があるのかもしれません。

ピーク・ディストリクトは、美しい自然の景観の中に農業が産業として根付いている、地元の住人の生活の場でもある観光地なのです。コッツウォルズみたいに観光目的で「絵にかいたような牧歌的で古風な村」に偽装しなくても全くかまわないはずなのですが!

牛舎だった納屋のある農場の中庭に面した民家(農場の経営者の住まいでしょう)の石壁に段々があります。

「マウンティング・ステップス mounting steps」という、ウマに乗る時の足掛かりです。ここを通るたびに「これ何だか知ってる?」と聞く夫(ボケたか?)に、「知ってる。前に聞いた」と答えています。

わたしもストックポート日報にいつも書いていますね(ボケていません)

私たちはいつもこのマウンティング・ステップスの壁を通り過ぎたらすぐ右側の下り坂を下りるコースをたどることにしています。

左側にある民家の敷地を通って、山登りをするコースもあります。まっすぐ抜けて、よりワイルドなコースを行くことも可能です。

右に曲がった坂道を下り始めた夫です☟

左側のドライ・ストーン・ウォールが高すぎて中で放牧されているヒツジが見えなーい。「べへべへ~」というにぎやかな鳴き声が聞こえてきます。

塀の高さは低くなったり高くなったり...道沿いの土台はいつも草や野の花が映えている盛り土が続いているので足をかけたら中がのぞけるスポットが多数あります。

次回に続きます。

昨日までの2つの記事のリンクです☟

電車で行けるピーク・ディストリクト、観光地とは思えないシーズン前の静かなイーデル

電車で行けるピーク・ディストリクト、イーデルの手軽なハイキングコース

 

 

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電車で行けるピーク・ディストリクト、イーデルの手軽なハイキングコース

2024年07月25日 06時22分01秒 | ピーク・ディストリクト

イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、マンチェスターから電車で行けるイーデル Edale の日帰り散策コースの提案、続きです。

名物パブ、オールド・ナッグス・ヘッド the Old Nags Head の前の...

細い下り坂をおりると...

 

谷底にジョロジョロ流れる小川があって、人が1人やっと通れる幅のかわいらしい石の橋が架かっています。

ジブラーター・ブリッジ Gibraltar Bridge という18世紀建造の、村の貴重な文化遺産です。第二級保存指定建築でした!英国の海外領土、ジブラルタルの名がついた由来は...どこにも書かれていません。

渡り切って振り返って撮った写真です☟

低い手すりが特徴の「パックホース・ブリッジ packhorse bridge 」という、背の両側に布袋か籠を下げたウマ(packhorse)を渡すための特別な橋だそうです。

渡って右に行くとすぐ、急な石段があります。

登り切った場所の「スタイル stile」を通ると...

パッと視界が開けて広大な牧草地に出ます。

スタイルというのは、動物は出られないのに放牧場を通り抜ける人がいつでも入れるようにした仕掛けです。柵に設けた踏み段や、二重のスイングドア、柵を超えるハシゴなどなど実に多くのバリエーションがありますが、イーデル周辺の農地では上の写真のような平たい岩2枚の狭い間をカニ歩きですり抜ける「スクーイズ・スタイル squeeze stile 」が多いですね。

原始的な岩2枚と、ごく最近取り入れられた木のドアがセットになっていることが多いようです。用心のため、動物には絶対にあけられない閂(カンヌキ)がついています。

スタイルをぬけた小道(Yの字の股の右側☟)が、小川沿いに続く小道と交わる先はひたすらー本道です。

 

道の左側の牧草地には期待したより数が少ないヒツジの親子がボソボソと草を食んでいました。

左側の牧草地の向こうには丘陵地が広がっています。

ちなみに...ピーク・ディストリクトには「マウンテン mountain」はひとつも存在しません!!あるのは「ピーク peak」のみ。ピークは他の地域では「ヒル hill」とも言うようです。日本語ではすべて「山」ですよね。

「山」の英語はすべてmoutain 、hill というのはただの「丘」だと思っている日本人が多いはずですが、英国では標高2,000フィート(615m)以上の「山」だけが「マウンテン」認定されているそうです。それより低いのは格下のヒル/ピーク!日本でいう「山」のことも英国では「ヒル」と言われることがあるので要注意です。

低めの山(ピーク)がボコボコ連なる山岳地帯がピーク・ディストリクトなのです。

イーデルを拠点に登れる「山(ピーク)」は30以上あります。季節や天候にもよりますが、登山装備なしで頂上まで行って戻れる気楽な登山コースがほとんどです。

 

道の右側に広がる光景です☟。遠くに見える山並みは、道の右側の牧草地とはつながっていません。牧草地と山のあいだには広い舗装された道路とさらに川の流れる浅い渓谷があります。

このー本道を突き当り(農家の敷地内!!)まで行ったら、右側の放牧地を通る緩やかな坂道を下りて広い舗装された道路(上の写真の方角)へ歩いていきます。以下、続きます。

前回の記事のリンクです☟

電車で行けるピーク・ディストリクト、観光地とは思えないシーズン前の静かなイーデル

 

 

 

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電車で行けるピーク・ディストリクト、観光地とは思えないシーズン前の静かなイーデル

2024年07月21日 01時30分11秒 | ピーク・ディストリクト

雄大な山岳風景と放牧されたヒツジが草を食む、イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、私が住むストックポートのすぐ近くです。

湖水地方やコッツウォルズに比べると日本での認知度は今ひとつ...残念です。

日本人(と中国人)に大人気の湖水地方やコッツウォルズと違い、日本人(と中国人)の受け入れ態勢は整っていません。日本語で書かれた案内資料が少なく日本人に特化したガイドツアーもおそらく限られているでしょう。

それでも、大都市マンチェスターを拠点に、余裕のある日程でイングランド旅行する機会があれば、日本人(と中国人)あふれる観光地を避けてのんびり田舎と自然を満喫してみたいと思いませんか。

ピーク・ディストリクトに電車で行けるおススメの場所があります。

日帰りプランの提案です。行き先は、イーデル Edale

1時間に1本運行しているマンチェスター・ピカディリーManchester Piccadilly 駅とシェフィールド Shefield 駅を結ぶ電車がイーデル駅にとまります。

先日、天気のいい日に電車で行ってきました。マンチェスター・ピカディリーから、41分。

私たちは、自宅の最寄り駅からひとつ目のヘーゼルグローブ駅から乗車しました。マンチェスター・ピカディリー発の1時間に1本の路線とチンリーという辺鄙な場所の駅で合流します。ヘーゼルグローブからは2駅目、たったの20分。

 

イングランド北部有数の二大都市(マンチェスター、シェフィールド)を結ぶ鉄道路線の駅があるイーデルは、最も行きやすいピーク・ディストリクト散策の拠点です。

山に囲まれたイーデル駅の利用者はけっこう多かったのですが、無人駅です。切符売り場も改札もありません。車中の検札もありませんでした!

プラットフォームの下のハイテク電光掲示板で帰りの電車の時刻を確認する夫です。

線路のこちら側が(乗って来て下りたところの)シェフィールド行きの、線路の下をくぐった向こう側がマンチェスター行きのプラットフォームです。

 

村の中心に向かうー本道に出てすぐ左手に、ランブラー・イン the Rambler Inn という大きなパブがあります。

クルマで来る時はいつもまずこのパブの駐車場にクルマを停めてドリンクを1杯。5ポンドのデポジットを払ってクルマを駐車させてもらいます。散策後、戻って来て食事をすれば5ポンドは払い戻してくれる仕組みです。

5分ほど歩くと左手に見えてくるヒツジの放牧地の向こうには...

村の教会が...

その斜め向かいには、設備の整ったキャンプ場が併設されたビジター・センターがあります。

 

道路の左側には郵便局業務も兼ねた、食品やアイスクリームなどを売る小さな「コーナー・ショップ(何でも屋)」と小さなカフェがあります。

 

その向かいには、小学校の鐘楼のある小さな校舎が1棟。(写真右)

通りがかった時はちょうど休み時間でしたので、コンクリート舗装された狭い校庭で遊ぶ子供たちの元気な声がにぎやかでした。

まんなかの貸別荘のコテージをはさんで左側は、オールド・ナッグス・ヘッド the Old Nags Head という名物パブです。

16世紀建造の、鍛冶屋だった建物だそうです。

教会の向かいには小さな古い共同墓地があります。教会からオールド・ナッグス・ヘッドあたりまでの徒歩1分ぐらいの距離が村の中心でしょう。他には何もありません。

村はずれには規模の大きなキャンプ場とユースホステルもあります。

ハイキングの拠点で、夏のシーズンにはとてもたくさんの観光客が訪れるこの小さな町がお土産物屋や飲食店であふれかえらないのが不思議でしょう?景観をぶち壊す商業看板や「マナー表示ポスター」などもー切見かけません。

駅のプラットフォームでみつけた、気の利いたマナー啓蒙ポスター☟。

「写真以外何もとらないでね/思い出以外何も作らないでね/置いていくのは足跡だけ」

ゴミも、ラクガキも破壊行為もー切見かけませんでした。

イーデルを拠点としたハイキングルートは数限りなくあります。

留学中、1人で泊ったユースホステルで知り合った休暇中のイスラエル軍の女性兵士2人とカースルトンから山越えしてイーデルにたどり着いた元気な思い出があります。

若い頃は本格的にピーク・ディストリクトの山野を歩きまわったという夫とも、比較的らくなそれでも高低のあるハイキングを子供連れで何度か、そしてキャンプも2回したイーデルです。

今回は夫の希望で、上り下りがとてもおだやかで、集落や公道からはなれすぎないおなじみの、1時間で戻って来られる「らくちんコース」を歩きました。

同じ場所に何回行っても楽しいです。放牧されている動物や自然の景観...細かく言えば、牧草地のコンデションや短いサイクルで咲きかわる野の花の種類がいつもいつも違います。

ストックポート日報でも、この散策ルートについて数多くの記事を書いたのですが、同じ場所の写真の風景がやはり少しずつ違います。リンクをー番下に貼りましたので、くらべてみてくださいな。

パンデミック前に来て以来の久しぶりのイーデル散策、加齢による体力の衰え(特に7年上の夫の)を実感しました。

...それでも、楽しかったです。

次回からは、私たちのおなじみルートをちょっと解説します。

 

 

ピーク・ディストリクトの小さな村、イーデルを拠点にヒツジと景観を満喫するハイキング

絶景ピーク・ディストリクト、子ヒツジのいる牧場を抜けるお手軽ハイキングコース

ピーク・ディストリクトの小さな村、イーデルの放牧場で子ヒツジを見て癒される

 

ピーク・ディストリクトのイーデル再び、山歩きのあと見かけた日本の柴犬

ピーク・ディストリクトのイーデル再び、また子ヒツジを見る晴天の逆戻りハイキング

ピーク・ディストリクトのイーデル再び、怖がりのヒツジとのんびりのウシどちらも子連れ

 

ピークディストリクトの小さな町、イーデル、シーズン前の静かな散歩道で子ヒツジ見物(また?)

牧羊犬の活躍で、ヒツジの群れの大移動(イーデル続き)

うわ、たくさん...実はもっとあるんですけど。

 

 

 

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仔ヒツジの跳ねる季節!鳴き交わす母子ヒツジの放牧風景と池端の黒いウシ

2024年05月10日 06時19分28秒 | ピーク・ディストリクト

前回の続きです、ヒツジのべビーブーム!

英国の春の風物詩とも言える、ヒツジの出産ブーム lambing がー段落、母ヒツジといっしょに放牧されるかわいらしい仔ヒツジが国中の牧草地で見られる初夏です。

前回の記事のリンクです☟(投稿以後、写真を数枚あらたに加えました)

季節の風物詩、ヒツジのベビーブーム!仔ヒツジ見物ならやはりここ!

 

ピーク・ディストリクトの静かな田舎町、ホープの古いパブで昼食をとり、またクルマに乗って同じくピーク・ディストリクトの観光客で大賑わいの「ハニーポット・ビレッジ」、カースルトンを走り抜け...

...1~2㎞ほど行くと私たちが帰り道に必ず寄るスポットがあります。

道路の左側に、丘陵の放牧地に続く細道に入る、クルマが2台ぐらい停められそうな小さな空き地があります。そこにクルマを停めて...

苔むした古い古い石塀(ドライストン・ウォール drystone wall)に沿って徒歩で細道を3分ほど歩くと...

 

ドンッと視界が開けて放牧場に出ます。

「巨大なレゴ・ブロックの写真、撮れば?」と夫が勧めたので写真におさめました。なんだろう、このコンクリートのかたまり...?

 

ちなみに、この場所は農地(放牧場)の持ち主所有の私有地です。クルマの乗り入れは禁止ですが、徒歩の通行は許されています。

ピーク・ディストリクトのようなナショナルパーク規模の景勝地に限らず、英国ではすべての人に農地を通行する権利があるとして、一定以上の広さを有する私有地の所有者に「パブリック・フットパス public footpaths」という通り道をもうけることを義務付けた法律があります。

この農地に乗り入れるトラクターが通り抜けられる幅がある道は「パブリック・フットパス」ではなく、徒歩とともに乗馬の通行も許している「パブリック・ブライドルウェイ public bridleway 」でした。

 

左側は、広く開けた丘陵の放牧場です。

べへ~べへ~と鳴きかわす母子ヒツジの鳴き声のうるさいこと!

 

ここで、英国の牧羊事情です。

「牧羊農家はヒツジの毛(羊毛=フリース fleece )を売って生計を立てている」と思っている人は英国人にもけっこういます。間違いです。ここ英国では、かつては花形産業だった毛織物の生産はほぼ廃れ、一般の牧羊農家の生活の糧はほとんど、仔ヒツジを繁殖させ食肉として売ることで生計を立てています。

1950年代には1㎏が14ポンド程度で取引されていたフリースが現在は、70ペンス前後(1ポンドは100ペンスに相当します)とめっちゃくちゃな暴落ぶり!パンデミックを経て、2023年には30ペンスにまで落ちたそうです。30ペンスあれば、ニンジンが4本ぐらい買えます。

その後、回復の兆しはありますが農家にとってはやってられない値段なので今では多くの農家が刈った羊毛は焼くかコンポストとして土に埋めるかして土壌に還元するエコロジーな方法で処分しているそうです!!!

1950年ごろに比べ、羊毛の質が落ちたわけでもヒツジの種類が大きく変わったわけでもないそうなのに今では繊維としては売れないそうです。緩衝材や断熱材として建築業者に引き取ってもらうこともあるそうです。ぐうぜん毛刈りのために羊の群れを集めていたところを通りがかったことがあります。その時に農場主に聞いた話です。

編み物が趣味の、私が使う毛糸はたいていオーストラリア、トルコ、シリア(今は供給が困難かもしれません)あるいは中国が原産の国外産です。国内で紡いで英国産毛糸として生産したものもありそうですが。

国内の篤農家が特別に育てている伝統種の高級羊毛用の羊の毛を紡いだけっこう高価な毛糸も1玉、2枷ずつ買って小物を編んだこともありますがセータ―が編める量を買うのは勇気がいります。

牧羊農家にたのんで捨てるフリースを譲ってもらえないか...と考えたこともあります。自分で紡いで毛糸にする...過程は考えてみたらムチャクチャめんどくさそうです。まずきれいにするのがものすごく高いハードル...

 

ヒツジの毛を夏前に刈り取るのは、単にヒツジの健康のためだそうです。

暑っ苦しくモコモコ生やしておくと暑さで体調を崩すのみならず、皮膚病や虫に卵を産み付けられるなどぞっとするような害があるそうです。

 

モコモコフリースの大人ヒツジが見られるのも今月あたりまで...夏前にすべてのヒツジは毛刈りされクリクリ坊主の細っこい裸体をさらすことになります。

 

仔ヒツジの食肉産業は、比較的人道的に思えます。私は「英国の農業を支援しよう」というような趣旨の、ブタやウシやヒツジなどの動物がいっぱい出てくるドキュメンタリー番組を見るのが大好きです。

そこに出てくる農家はすべて、仔ヒツジが10ヶ月近くになるまで、春夏の明るい屋外で母ヒツジとともにすごさせています。母ヒツジが次の仔ヒツジを孕む秋冬頃には仔ヒツジはすっかり親ばなれします。その時には出荷されるオスの仔ヒツジたちへの母ヒツジの愛着もすっかり薄れています。

中近東や中国などでは大人のヒツジも食べるようですが、ここ英国では1歳を迎える前の仔ヒツジ肉しか一般の販売ルートには出てきません。大人のヒツジの肉は臭みがありますものね...40年ぐらい前に日本でジンギスカン料理を食べて以来口にしたことがありません。

ラム肉のミンチのシェパード・パイや、ミントソースを添えて食べるラム・ローストは私もよく作って食べます。

 

私たちは、ここで30分ぐらいヒツジを見て過ごしました。

この牧草地のことを私たちは「ベルテッド・ギャロウェイ・フィールド」と、クルマを停めてから歩く細道のことは「ベルテッド・ギャロウェイ・ウェイ」と勝手に名付けてよんでいます。

なぜか...。

(9年前の同じ場所の写真です)

強烈な見た目のスコットランド産の肉牛、ベルテッド・ギャロウェイという種類のウシたちがいつもこの場所で放牧されていたからです。

以前に書いた、ベルテッド・ギャロウェイについての記事です☟上の写真もそこから転載しました。

ピーク・ディストリクトにいる!スコットランド原産の、お腹にさらしを巻いた牛

残念、パンデミック後、ベルテッド・ギャロウェイは全く見かけません。放牧地をかえたのか、あるいはこの種の飼育をやめてしまったのか事情は分かりません。

 

2021年には同じ場所で別の種類の、なぜかオスウシばかりの集団が放牧されていました。その時の記事のリンクです☟(細道の写真があります)

若い牡ウシたちがのどかに遊ぶ美しい丘陵地の放牧場

 

いつもだったらまた細道(=ベルテッド・ギャロウェイ・ウェイ)を通ってクルマに戻るところですが今回は...巨大なコンクリートの「レゴ・ブロック」が写っている写真をご覧ください...牧草地から道をはさんだ左側に乗馬で抜けられるブライドル・ウェイの入り口があるのを見つけました。 エルダー・ポンド Elder Pond という池に続いていると木の標識に表示されていました。

歩いてみることにしました。

ついでにこのあたりはElder Hills という名前のあるハイキングコースだということもわかりました。(私たちにとってはあいかわらずベルテッド・ギャロウェイ・フィールドですが)

 

5分ほど歩くとビックリするほど大きな池がありました。

 

例によって、柵も、溺れる子供のへたくそなイラスト入りの安全警告立て札もない典型的な英国の自然風景です。意外ときれいに澄んだ水はかなり深そうです。

池に向かって右側の植林地に、黒っぽいウシが3頭見えました。

たいていのウシはヒツジと違って人懐っこいのですが、私が近くまで来るとゆっくりと歩き去りました。

 

ウシのいる地点から振り返って撮った池と池端に立った夫の写真です。

遠くに見えている丘が、ヒツジの放牧場(ベルテッド・ギャロウェイ・フィールド)です。

意外なことに、ウシたちがいた植樹エリアの右側はすぐ道路でした。自由に開け閉めして出はいりできる二重の木の扉(動物が外へ出ないための工夫)をあけて、道路に出ました。

道路からの出入り口にはエルダー・ポンドとエルダー・ヒルズに通じるパブリック・フットパスであると書かれた木の札が立っていました。

そして、透明プラスチックのホルダーに挟まれた注意書きが打ち付けられていました。「現在、稀少種のガーンジー牛数頭を放牧中。イヌをいれないこと、ウシのそばに寄らないこと」と書かれていました。

イヌを入れちゃダメなのに、ウマはいいんだ...。乗馬の行きつけコースらしく、池の周りは蹄鉄の跡がいっぱいでした。

道路を少し歩いて戻り、細道の入り口に停めたクルマに乗ってその出入口の前をクルマで戻ると...あら、意外、クルマの窓からキラキラ光る池の水面がはっきりと見えました!池からかなり離れた場所に移動していたガーンジー種のウシ3頭も見えました。

過去20年間、この場所を何十回もクルマで通って来たのに、大きな池があったなんて全く気が付きませんでした。

 

 

 

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季節の風物詩、ヒツジのベビーブーム!仔ヒツジ見物ならやはりここ!

2024年05月08日 04時43分03秒 | ピーク・ディストリクト

日本はゴールデンウイークだったようですね。(なつかしいなぁ)

英国も月曜日がバンクホリデー bankholiday という、年に3回ある法定休日、3連休でした。

話が古くて恐縮です。先週の平日にストックポート日報 ではおなじみのはずの、カースルトン Castleton に行きました。

カースルトンはクルマでストックポートの自宅から30分足らず、ピーク・ディストリクト Peak District の、雄大な丘陵地に囲まれた美しい小さな町なのですが...その実、観光業界用語、「ハニーポット・ビレッジ honeypot village 」の典型例として知られる地域有数の観光地なのです。

今回の話題は、カースルトンでも「ハニーポット」の概念の解説でもなく、仔ヒツジ!

 

カースルトンについて書いた以前の記事のリンクです☟「ハニーポット・ビレッジ」について簡単な解説があります。

ピーク・ディストリクトの密のツボ、実に1年と8カ月ぶりの外出! ドライブとショッピングも楽しめ大満足

英国では...ちょっと最盛期はのがしたかな、2月から4月の終わりごろまではヒツジの出産ブーム、ラミング lambing の季節なのです。

4月から5月にかけて、郊外の放牧地に行けばべへべへ~とにぎやかな鳴き声がひびき、母ヒツジの周りをピョンピョン跳ねまわりるかわいらしい仔ヒツジの姿が見られます!

もうちょっと雄大なスケールでいっぱいまとめて見たい!...となれば、ピーク・ディストリクト。目的地はおなじみのカースルトン。パブで昼食を食べて行こうということになりました。

写真は、カースルトンの町に入るまでの道の両側いっぱいに壮大なスケールで広がる牧草地と母子ヒツジたちです。

写りがよくないので、クルマの窓越しの写真はめったに撮りません。

ただ、今回は通りかかった風景のあまりの壮大な美しさにまけていくつか撮ってみました。道路わきに少しスペースがある、クルマがとめられる場所は限られています。

 

 

 

カースルトンに入る前によく停めるスポットです。

(英国は、日本と同じで左側通行です。左側には何キロも停められるスペースがないのがわかっています)

仔ヒツジたちは母ヒツジの目に届く場所で元気いっぱい遊びます。双子が多かったように思います。私たちが柵の外に立っていることに気づくと母ヒツジたちは警告のべへべへ音を発します。それを聞いた仔ヒツジたちはいくぶん高めのかわいらしいべへべへで応え、すぐに母親のもとに走っていきます。

母子どちらも、体側にペンキの殴り書きで同じ数字が書かれているのでどのヒツジがどの仔ヒツジの親か、すぐにわかるようになっています。

自分の子供ではないよその仔ヒツジがそばに寄って来たら頭で小突いて激しく追い払っていました。...自分の子たちと遊んでいたお友達仔ヒツジなのに。

 

この後、クルマを進めてカースルトンに向かいましたが...街じゅう、クルマと人でいーっぱい!平日だったのに。

丘陵地のほぼてっぺんあたりから、谷底まで下るカースルトンに入る急な坂道の両側に丘陵がせまる景観の美しさは特筆ものです。

 

 

道にあふれた観光客の数にウンザリしました。目当てのパブも道の両側にいくつもあるカフェも人でいっぱいでした。

そのまま町をはしり抜け、3キロほど離れた、ホープ Hope という町まで足を延ばしました。農地のあいだにポツンポツンとたつ住宅の密度が高まって来たな...と思ったら次の町だった、パブ2軒、教会、コンビニエンスストアがあることからここが町の中心だということがわかる、というかんじの控えめで静かな町です。

ホープはモーターバイクでツーリングをする人たちの拠点だそうです。ノルマン時代に起源のある由緒ある教会が目立たずにたっていました。

静かなパブでゆったりと食事ができました。けっきょくカースルトンは、行きと帰りにクルマで通り抜けただけ。

長くなりますので以下、次号(控えめで静かな町ホープの話でも由緒ある教会の話でもなく、今度は帰り道にクルマを停めて見かけた仔ヒツジの写真と話題をしつこくお届けします)。

 

 

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段差のある建物と産業革命時代の遺物が残る観光にあまり力は入れていないらしい坂の町

2022年07月17日 08時00分00秒 | ピーク・ディストリクト

ピーク・ディストリクトの小さな町、ウェイリーブリッジ Whaley Bridge、続きです。

駐車場と改装中の駅正面パブ、左奥に古いレンガの駅舎がある、ステーション・ヒル station hill の入り口に、英国の原風景的な赤い電話ボックスが設置されていました。

その中には...

ウクライナ支援のアートらしい、ウクライナ国旗を頭にいただくフクロウが鎮座していました。

なぜフクロウ?...ナゾです。説明があったかもしれませんが、暑いので立ち止まってじっくり読む気になりませんでした。

 

短い大通りの真ん中あたりの町役場 Town Hall の...

 

正面角に、「図書館と地域の情報センター」という看板と「わきへまわれ」という大きなやじるし表示がありました。

えっ、このとなりの建物との間の細道が??そういえば鉄の門までついてるし...と中に入ってみました。案内所がほんとうにあれば無料の観光地図でももらえるかもしれないと期待して。

道路から数段おりて壁伝いに細道をたどると、お勝手口のような小さな扉がありました。

閉まっていました。

横の窓の内側に貼ってあった開館時間表によると、この日、水曜日はたいていの公共施設と同様、終日閉館です。

本当に公共の市民図書館の入り口がゴミを出すためのようなわき道の奥のドアでした!

町役場そのものの正面扉は開いていたので、段々を今度は上がって入ってみると、締め切ったったオフィスのドアがいくつかありました。廊下を数歩奥に進むと、すぐ階段に突き当り中一階、中二階の部屋があります。ピーク・ディストリクトらしい坂の町の「内部が段々」の興味深い建物でした。

あ、なるほど。

歩道から、明り取りの窓のある半地階にある図書館が見下ろせるようになっていました。

図書館(というより図書室)はこの日休館でしたが灯りがついていました。

横にまわれば地上階、正面から見ると地階、の高さ感覚が不思議な建物です。

名勝らしい丘の上のガッカリ貯水池を見てきたあと(昨日の ストックポート日報 参照)、町の中をちょっぴり見物しました。

大通りを横切っているあまり見栄えがしない濁ったチョロチョロ川に...

産業革命時代の名残のような、古いトロッコ用の線路が残る由緒ありそうな橋がかかっていました。

大通り沿いに並ぶ店やパブの後ろ側にまわった目立たない住宅地で偶然見つけました。

そのままちょっと行くと、basin (ベイスン)という、小舟のたまり場でもある運河の終点地がありました。

中は、焼き物の窯のある市民のアートセンター(?)のような地元の公共施設とし使われていました。あまり観光促進目的の使われ方ではありません。

この建物の後ろから、今でもかなりの部分が産業革命時代のまま残る産業運河が遠くマンチェスターまで続いています。

もちろん運河での産業輸送は19世紀の終わりごろにはとっくに廃れてしまっています。

それでもバージという、観光、レジャー用の昔ながらの輸送用の小舟が今でも頻繁に行き来しています。

また来る機会があれば、運河沿いに一駅分ゆっくり歩いてみるつもりです。

 

帰りの電車の時間までパブに入って一休みしました。

同じ川にかかった大通りの橋です。

暑い場所をさんざん歩いたにもかかわらず、灼熱の太陽依存症の夫はやはり日が照る場所でビールを飲みたがり(!上の写真の)外に張り出したバルコニーのテーブルを選びました。ぞっとするほど暑かったです。

屋内はまるで冷房が効いてるように涼しいのですが、暑い日には外で飲むと言ってどうしても聞かないので私の頭上にはパラソルを広げてくれてなんとか2人が折り合いをつけました。

日かげに入れば、風はなくともすばらしい清涼感が得られるのが英国の、空気の乾いた真夏日の不思議なところです。

バルコニーは、京都鴨川の納涼床のように川に張り出しているわけではないんですよね、残念です。川沿いのパブ駐車場にかぶさるように張り出していました。

大通りから入ると一階、裏の駐車場にまわるとなんとこのバルコニーのある階は3階ということになっていました。

坂だらけの町の神秘です。

建て増しを続けた古い建物のようです。

入口付近は1754年に建設されたことを示す、壁のプラークの部分を改装の際、塗り残して見せびらかしていました。

私のペプシ・コーラは炭酸がすっかり抜けていました!!

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暑い中を歩いて上がったダムのある丘の上、行ってみたら工事中のガッカリ景観水位も下がった胃袋貯水池

2022年07月16日 05時55分43秒 | ピーク・ディストリクト

ピーク・ディストリクトの小さな町、ウェイリー・ブリッジ Waley Bridge に来てみました。昨日の続きです。

長い運河の終着点がある町なのですが、別に産業が昔発展していた...というような名残りも見えないさびれてはいませんがあまり見るところもなさそうな控えめな規模の町と見受けました。

町の案内地図でみつけた、丘の上の大きな貯水池、トッドブルック・レザボア Toddbrook Reservor (レザボアは日本語でダムといいますね)に行ってみることにしました。

私たちは水のある風景が大好きなものですから。

(英語でダム dam と言えば、貯水池の水をせき止める巨大な堤防堰のことです)

丘を登る坂道を上がる途中で入り口を見つけた、広いメモリアル・パーク Memorial Park によって、大通りのコンビニエンスストアで買ったサンドウィッチを食べました。(その公園を通っても貯水池の予定していた側とは反対側に出られるということを、ちゃんと案内図で確認してから入りました)

気温が30℃前後まで上がった真夏日でした。

と言っても、蒸し暑くはなく汗が出るほどではありません。空気が乾いて日差しがジリジリと肌に痛い晴天の午後でした。

サンドウィッチのお弁当は夫婦わかれて食べました!

日が照っている時はどんなことがあっても直射日光に当たり、紫外線を肌で吸収せずにはおられない悲しいサガの英国人の夫は日向のベンチで、私は乾いた草の上に腰を下ろして気持ちの良い木陰でそれぞれお昼を食べました。

遠くに見えているこれが戦没者慰霊塔 War Memorial です。

戦死した地元の兵士の霊を祀る十字架のあるこの小高い丘のまわりに、市民の憩いの広大なメモリアル・パーク(慰霊公園)を作ったみたいですね。

遠回りをしましたが、貯水池を再びめざして、慰霊塔の前の坂道を林道に向かって少し歩きました。

急な上り坂でしたが木が茂る日かげの道はらくちんでした。右手に貯水池の高いダム dam =「堰」が木の間隠れに見えてきたのですが...

ガーン...

ダムのてっぺんについたら、工事中でした!

見渡す限りさきまで、みっともない仮囲いがめぐらされ、水面を見ることができません。

上の写真の左側がダムのてっぺん、砂色の小道が、慰霊塔のある広場に降りる急な坂の林道です。

ふだんはダムの上は遊歩道になっていてこっちからあっちへ水面を見下ろしながら行き来できるはずになっているらしいのですが、話が違います!

あっちにまわれば水面が見えるかもしれないと、期待をかけてまた、林道を下りて慰霊塔とお弁当を食べた草地を横切って、グネグネと草地や林道をめぐる小道をたどって...

パッと視界が開けた、メモリアル・パークの入り口あたりにある、ダムの外側に出ました。

本来は児童遊園エリアらしく、バラバラになった遊具が工事の資材なんかといっしょに放置されていて、寂莫感ひとしお。

ここも金網で囲われていました。(金網のすき間越しに撮りました)

メモリアル・パークをでて、貯水池に続く住宅街の中を抜ける坂道を少し上がると、丘のてっぺんに出ました。道路の脇に、貯水池とは(たぶん)何も関係もない、木々に囲まれた静かな池がありました。

ベンチに座ってお弁当のあまりの(サンドウィッチとデザートと飲み物のセット販売でした)フルーツサラダを食べながら池をながめました。

案内看板によるとガマの生息地だとかで、興奮しましたが残念、待っていてもガマは現れませんでした。

池の端はもうダムのすぐ前なのですが、てっぺんが道路と同じ高さらしいダムは工事の板囲いで覆われていて、全然見えません!

ちょっと歩くと、やっとダムと水面が見えました。

カンカン照りで水位が下がっていて見栄えの悪いことこの上なし。

 

まあ、決壊しかかったダムの大修理をするのには都合がいいのかもしれません。そういえば、ボロボロの古いダムが話題になったニュースを去年あたり見たおぼえがあります。

ピーク・ディストリクトあたりには貯水池やら水力発電所やらがけっこうたくさんあるものですからここのこととは思わなかったんだと思います...忘れていました。

ふだんは水べりのすぐそばをぐる~っと歩ける遊歩道が巡らせてあるようです。

でも今回は、一般に開放されていて道から下りられるのはこの工事スポットから、別の工事スポットまでの200メートルぐらいの短い距離だけ。

ダムのついでに、護岸工事でもやっているのかもしれません。

胃袋のような先細りのこの貯水池は、ずいぶん先で河(食道の部分)と合流しています。

一番水位が高く広く水が張っているのがここら辺かな?木々の切れ間に上の道路から写真を撮りました。

がっかり~なカラカラ貯水池、水面が見えたのはほんのちょっとでした。

どっちにしてもぐるっと一周するには遠すぎますし、(貯水池のおしまいの河に都合よく橋が架かっているかもわかりません)一周しても例のメモリアル・パークの上の部分にたどり着くまでかなり長いことみっともない金属製の仮囲い沿いに歩かなくてはならないみたいでしたし...

もと来た道を引き返しました。町の大通りに出て、街をほんの少し見物しました。

写真がもう少しあるので、ウェイリー・ブリッジ、明日に続きます。

(昨日も載せた写真です☟)

帰りの電車を待つプラットフォームにかかっていた美しい金属製の景勝イラスト看板の貯水池。

 

 

 

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ひさしぶりのピークディストリクト、電車に乗るのが目的でたずねた小さな町、ウェイリーブリッジ

2022年07月15日 06時25分42秒 | ピーク・ディストリクト

ピーク・ディストリクトのウェイリーブリッジ Whaley Bridge という小さな町に行ってみました。

夫が念願の、グレーター・マンチェスター内に限ってバス電車に乗り放題(無料)の年金受給者パスを受け取ったので、パンデミック以来(マンチェスターや、お葬式に出席したケントは除くと)初めて2人そろっての遠出をしてみました。

遠出と言っても最寄駅から20分ぐらいですが。

夫が無料で電車に乗ってみたかったためです。

ストックポート日報ではすっかりおなじみの鉱泉の湧く町、バクストン Buxton が終点のこの路線は、ランカシャー Lancashireグレーター・マンチェスター Greater Manchester 、ダービシャー Derbyshire の三つの州を通過しています。ややこしいことにグレーター・マンチェスターを出た時点で、無料乗車の権利が無効になるのです。

最寄り駅(無人駅)の自動切符売り場は故障していないのにいつも使用不可能(説明は長くなるから省きます!)なので、車内を巡回する車掌さんから切符を買いました。

年金受給者パスの他、いくつもの割引制度がありますし、乗り降りする時間帯や、片道/往復(乗り降りする時刻も絡みます)にもよって運賃が複雑に違うのです!車掌さんが首から下げているコンピューター仕様の券売機で正確に料金を換算して切符を売ってもらいました。乗車駅も降車駅も無改札なので不正をしようと思ったら簡単にできるのですが、できるとなると絶対にやりたくないものなのです。

ストックポートはすぐ、ピークディストリクトのあるダービシャーに接しているので、夫が無料乗車できたのはたったの2駅。たったの1ポンド80ペンスちょっとの節約でしたが、夫は大満足でした。

お相伴の私はまだその年齢に達していないので全額払いました。

ウェイリー・ブリッジは、運河沿いの散歩道が知る人ぞ知る...という程度に有名だそうです。

プラットフォームを下りたところの眺めです。

近頃改札をもうける町の中の利用客の多い駅が増えてきていますが、田舎ではあいかわらず無改札の、駅舎すらなくプラットフォームを下りたらすぐ道になっている駅が多いですね。

「無人改札」ですらありません。

 

プラットフォームをまたぐフットブリッジ foot bridge からの眺めがなかなかけっこうでした。

駅前の、宿を兼ねた古いパブは大改装工事中でした。

 

フットブリッジのまんなかあたりから、バクストンに向かう方角を撮った写真です。

 

こちらは、ストックポート、マンチェスター、ブラックプール Blackpool (ランカシャーの海岸地)方面行きの方角です(うっ、あまり変わり映えがしませんね)

 

2本のプラットフォームどちらにも、英国の田舎らしいセレクションの花がみごとな、よく手入れされている花壇がありました。

花壇は全て枕木の廃材でできています。

帰りの電車に乗るためにフットブリッジを渡ってたどり着いた、マンチェスター、ストックポート行きのプラットフォームの、地元の名勝看板の...

トッドブルック・レザボア (貯水池)Toddbrook Reservor の美しいイラストを見た私たちは、「これはサギだ~」と叫びました。

この場所に行ってきたところだったのです。

老朽化したダム dam (堤防堰)が決壊寸前で大工事中でした。

この話の続きは次回に。

 

駅の丘を下りたところです。

 

駅前に広がるあまり長くもない町の中心地です。

この道路のこのあたりの部分はけっこう無理やり平らにしているようなのですが、道路に面した建物の裏はどちらの側もすごい坂...ピークディストリクトならではのこっち側から見たら一階だけど裏にまわれば2階、3階...だという驚きの構造の興味深い建物がいっぱいです。

ギラギラと太陽が照りつける気温が30℃近い真夏日でした。

 

駅前をトラクターが通る町。

 

 

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また行ったバクストン!で食べたかったフィッシュ&チップス...丘の上に密集する古いパブの写真多数

2021年11月11日 08時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
実は先週の話を今頃...なのですが。


またまた、ピークディストリクトの鉱泉の湧く街、バクストン Buxton に行きました。




山あいの田舎道をドライブして、久しぶり(パンデミックをはさんで実に2年ぶり!)に贅沢にパブでフィッシュ&チップスの昼食でもとるつもりで。

前回バクストンに行った時はクレセント Crescent と、メイン・ストリート(ショッピング街)にしか行きませんでした。

その時(2週間前)のバクストン記事2本のリンクです☟
(2本目のリンクにもっと以前のバクストン関係の記事のリンクがしつこく貼ってあります)

かつての温泉町、おなじみのバクストンのパンデミックのさなかに修復が完成した建築史上の大傑作クレセント


今に残る湯の町の歴史、改修で裏側までも手抜きなし、クレセント(三日月)の裏にまわってバクストンの名物建築をすみずみまで堪能


今回は、古いパブがいっぱい集まった坂の上のマーケット・ストリートに行ってみることにしました。
ピークディストリクトの真っただ中にある丘陵の町、バクストンには坂がいっぱいです。

坂の途中には有名な「バクストンの人魚」を嬉しそうに展示するバクストン博物館/美術館 Buxton Museum & Art Gallery もあります。

ぜひ見てほしい、バクストンの人魚!☟
ついに見た!念願のリトルマーメイド、これがまさかの自然科学郷土博物館の展示品、ウケねらいか?天下のグロ物件


坂の上は今でも火曜日と土曜日に市場が立つ古くからのストリート・マーケット街です。

坂を登り切って平らになった広場(Market square )から坂の終わりを見返したところです。


古くからのマーケット街には昔ながらのパブがいっぱい。



英国のパブが日本の読者の方の興味をひくのではないかと、撮った写真を載せてみます。










以前に行ったこのパブが目当てだったのです。


チェシャー・チーズ the Cheshire Cheese 。
以前に娘もいっしょに来た時に食べたフィッシュ&チップスがおいしかったそうです。
(私はスカンピーという小さい丸まったエビのフライを食べました。)

とても気の利いた、大人向きの「小さいサイズ」まで用意されていました。

その時の記事のリンクです☟
鉱泉の湧く町バクストン、マーケット広場のある丘の上、パブのフィッシュ&チップス、人魚、他いろいろ

ところが、中に入ってバー(カウンター)で聞いてみたら今は週末しか食事を供していないのだそうです。

帰宅して the Cheshire Cheese のウェッブサイトを見てみたら、12時から3時までおいしい食事を出すので評判のパブのふれこみでした。
ついでに好奇心に駆られて「平日の昼間に食事ができますか」とわざわざ電話で聞いてみました。

「シェフが確保できなくて平日は食事を出していない」とわりと率直に教えてくれました。
人手不足か...納得です。
(ウェッブサイトをアップデートすればいいのに!)

丘の上の古いマーケット街には人がほとんどいなくてガラガラでした。



バクストンでフィッシュ&チップスにこだわる私たちは、同じ通りにある庶民的で流行っていそうなチッピー chippie (フィッシュ&チップスレストランのことをふつうこう呼びます)に入ることにしました。



入ってみたら、中で食事のできる、長い調理台に沿って奥にのびる細長いスペースのカフェ部分には椅子を積んで立ち入れないようになっていました。

現在テイカウェイ(持ち帰り)専門だそうです。
近所で仕事をしているらしい人たちや建築作業員のような客がカウンター前に列を作っていました。

さすがに持ち帰る職場も家も近所にない観光客の私たちには持ち帰りの選択肢はありませんでした。
天気のいい日で、坂の下には公園やベンチのある広場もあったのですが、テーブルでナイフとフォークを使って食べたかったものですから。

キングス・ヘッドというマーケット・プレイスに面した小さくてこぎれいなパブ(☟)...


...でもこの日は料理を作っていないと言われました。
ウェッブサイトによれば、ここも料理が有名な「ガストロ・パブ」なのだそうです。
やっぱり好奇心に駆られて、食事ができるか電話で聞いてみました。
12時から3時まで通常のパブの食事時間に食事を出しているという返事でした!

...あれ~、私たちが行った時はやってないって言っていましたよ、1時ごろでしたが。

日によっては人出不足、なんてことがあるのかもしれません。

症状が出ない人を含めたコロナウィルスの感染者がまだたくさん自主隔離をしているということです。
物流も滞っているようですが、あたりまえになったのかテレビのニュースではもうあまり話題にもしていないようです。

マーケット・スクエアをはさんで、キングス・ヘッドわきの、行きに上ってきた時とは反対側の坂を下りることにしました。

坂を景観に取り入れた、その名もスロープス the Slopes という緑の丘からバクストンの坂の下の町と町の向こうの山並みが一望できます。







人通りが多くてにぎやかなショッピング街(スロープスから見えています)でチッピーを探すことにしました。


観光地です、もちろんすぐに見つかりました。


Sam's place (サムんち)という口語表現にひっかけた Sam's Plaice という英国中どこにでもあるダジャレ系パターンの命名の屋号です。
plaice プレイスというのはコッドcod (タラの一種)とともにフィッシュ・フライによく使われるカレイに似た白身魚です。

やっと食べられた、(しかもテーブルでゆったりと)フィッシュ&チップス!


テーブル・サービスのものは、注文を受けてから調理するのでカラッと揚がって美味しかったです。

ちなみに小耳にはさんだ店員と常連らしい客の会話によると、女性店主サムはこの時フランスにバカンス中でした。

ついでです。
坂の上のマーケット・ストリートで見かけたくだらないダジャレ系屋号の一例;


バクスタン Bux Tan という日焼けサロンがバクストンに...
私はけっこう好きですが。

以前はストックポート Stockport のうちの近所に ストックスポート Stocksport というスポーツ用品店、というかおもに学校や地元チームのスポーツユニフォームを扱う個人商店がありましたっけ。



平日に電車でピークディストリクトに行って山歩き、出発点は18世紀の温泉保養地、バクストン・

バクストン、古代ローマ人の愛した鉱泉の湧く町、ジョージアン様式のクレセントまである北のバース





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今に残る湯の町の歴史、改修で裏側までも手抜きなし、クレセント(三日月)の裏にまわってバクストンの名物建築をすみずみまで堪能

2021年10月27日 04時40分42秒 | ピーク・ディストリクト
ピークディストリクトの鉱泉の湧く町、バクストン Buxton


5つ星の豪華なスパー・リゾートホテル、バクストン・クレセント・ホテル Buxton Crescent Hotel について、前回の記事の続きです。
(かわり映えしない写真で始まりますが、前回の記事と重複しないよう選んであります)



とぎれとぎれで修復に17年を要した、18世紀のネオクラシシズム建築の傑作、クレセント Crescent の全面を向かって右から左まで歩いてみました。
左端に行きつく直前に、反対側へ抜ける通路を発見、通ってみました。

新しく舗装された小さなスクエア(広場)に出ました。


この人がクレセントを建設し、バクストンの町おこしに大いに貢献した第五代デボンシャー公爵 the 5th Duke of Devonshire です。


改修完成に合わせてたてられた新しい銅像みたいですね。

表側と同じ規格のアーチを並べた新築の増築部分と、オリジナルのばばっちい壁が向き合っています。




表側は表面をピカピカにきれいにしたのにこっち側はなぜアオミドロ状態なのでしょうか?

歴史上悪評高い 「窓税」をまぬかれるために、窓のあるべきところに壁穴を穿たずそれでもバランスよく見えるように窓のくぼみを形どった(窓を後から塞いだわけではない)この時代特有の「窓モドキ」が新旧どちらの張り出し部分にも右左対象に見えますね。

改修、増築時のニクい心配りです。

張り出した部分をぐるっと回って...


裏に出ました。








ちなみに、2017年に訪ねたサマセットのバース Bath の、本家本元のバース・ロイヤル・クレセントは現在、ほとんどが住宅として使われていることから、裏側が思い思いの雑然とした裏庭の囲い、アメーバのように増殖した様式バラバラの増築でひどくびっくりしたものです。
その点、このバクストン・クレセントは多額の資金を一挙に使って全体を修復して一軒のホテルが独占使用しているため、スッキリ美観を保っています。

長い長い連載記事(10回連続!)を書いてストックポート日報のバースの記事は閲覧数を思いきり上げました!
さすがは世界遺産の国際観光都市です、日本人の注目度バッチリでした!


裏通りなので、あまり人目に触れないのがちょっと残念なのですが、1泊280ポンド以上(滞在は2泊から、スパートリートメント付き)の5つ星ホテルなのですから、宿泊客の目に触れる場所に一か所たりとも隙があってはならないはず...納得です。
(アオミドロ壁の部分はわざわざ裏に抜けてみようという私たちのような街歩き観光客ぐらいしか通らない場所なのかもしれません)

もう一度、クレセントの正面に戻って...


向かいにあるのが「パンプ・ルーム pump room」という鉱泉をくみ出して飲ませる施設だった建物です。
現在は観光案内所で、中を見学できます。

今回は立ち寄らなかったのですが、大きなタイル張りの浴槽が残っています。
右側にちょこっと見えているのが...

1852年にたてられたセント・アンズ・ドリンキング・ウェル Saint Ann's drinking Well。


6、000年以上わき続けているバクストンの鉱水はセント・アンズ・ウェル(聖アンナの泉)と呼ばれています。
この、聖アンナ(聖母マリアのお母さん)の銅像の足もとのライオンの口から無尽蔵に排出される常時27度の水温を保つ生ぬるーい鉱水が自由に飲めるようになっています。

ネスレィ社が独占、びんづめ販売しているバクストン・ミネラル・ウォーターと同じ成分のミネラルウォーターです(無料でくみ放題!)

16世紀以来、万病に効くとされた地元のマグネシウム水が住人の誰でも自由に飲めるように町中さまざまな場所に湧水施設があったそうです。
今でも利用できるのは、このセント・アンズ・ドリンキング・ウェルだけだと思います。

次回行くことがあれば、観光案内所で他にもあるのか聞いてみます。

現在は使われていない建築遺跡のような古い井戸も、クレセントのそばの目立つ場所にたっています。




湯治施設だった建物もクレセントの周りにいくつも残っています。


クレセントに併設された、クレセントの改修中もずうっと営業していた19世紀の温浴施設の残る小さなショッピング・アーケードも鉱水療法施設のひとつだった建物です。
その名も「カヴァンディッシュ・アーケード Cavandish Archade 」




デヴォンシャー公爵家の名前、カヴァンデイッシュ家からつけられています。

それにしても鉱泉療法って本当に効いたのでしょうか。

日本でも長患いをした後に温泉で病後の回復をはかるなんていうシチュエーションが戦前の文学によく出てきたように思います。
日本の温泉浴場にはかならず効能書きが掛けられています。
リューマチや皮膚疾患はわかるけど喘息や心臓病にも効くって...ほんとうかなぁ

たしかに入った直後に長年の冷え性が解消なんて話は聞きますがその効果は帰宅しても続くものなのか...?
一泊二泊ぐらいじゃあ効き目はすぐに表れないのかもしれませんね。

いずれにしても今のように医学が発達する前には慢性疾患に悩む人などには充分ありがたい...というかやらないよりはずっといい療法だったのでしょうね。


バクストンについて書いた以前の記事のリンクです☟
カヴァンディッシュ・アーケードの内部、改修工事中のクレセント、セント・アンズ・ドリンキング・ウェルのクローズアップ(と水をくむうちの夫の)写真、バクストンの他の場所の写真が載っていますので見てみてください。

平日に電車でピークディストリクトに行って山歩き、出発点は18世紀の温泉保養地、バクストン・

バクストン、古代ローマ人の愛した鉱泉の湧く町、ジョージアン様式のクレセントまである北のバース

鉱泉の湧く町バクストン、マーケット広場のある丘の上、パブのフィッシュ&チップス、人魚、他いろいろ

ついに見た!念願のリトルマーメイド、これがまさかの自然科学郷土博物館の展示品、ウケねらいか?天下のグロ物件

バースに関する実にたくさんの連載記事の中のひとつ、「窓税」に関する記事のリンクを貼りました。☟

窓もどき!天下の悪法、窓税が作り出したへんてこりんな建物の数々 バース10
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かつての温泉町、おなじみのバクストンのパンデミックのさなかに修復が完成した建築史上の大傑作クレセント

2021年10月25日 03時49分35秒 | ピーク・ディストリクト
先週久しぶりに行ってみたピーク・ディストリクトの町、バクストン Buxton の...





...ランドマーク的建築物、バクストン・クレセント Buxton Crscent


半円形(クレセント=三日月)の現在、英国に残る18世紀のジョージアン建築の最高傑作のひとつです。

(クレセントに向かって)右から左へ歩いて撮った写真です。




大掛かりな改修改築後、初めて行って見てみました。



バクストンは古代ローマ人が開発した温泉町です。

鉱泉を飲み、ぬるい温泉に浸かる健康法が大流行した18世紀に、同じく古代ローマ人の湯治場として栄えたバース Barth は長逗留する上流階級の人々のおしゃれな社交場として再び大賑わいだったそうです。

1789年、地元貴族の第5代デボンシャー公爵、ウィリアム・カヴァンディッシュがバースにあやかろうと町おこしのために建てたのがこのバクストン・クレセントです。

おおがかりな社交場のある、豪華な宿泊施設付きの病院、湯治施設です。
一階のアーケードにはズラーッとオシャレな店が並んでいたそうです。





実際、バクストンはこのクレセントを中心ににぎわったそうですが...

現在、世界遺産に登録され、国際的に有名なバースに比べるとバクストンの知名度はダントツに低いですね。
ストックポート日報によく出てくるから知った、という読者の方が多いと思います。

20世紀初頭に鉱泉健康法が廃れた後、町も賑わいを失っていったみたいです...と言うか上流階級の人々の足は遠のいたみたいですね。

バースには19世紀にはすでに復元されていた古代ローマ遺跡とか,18世紀の壮大な都市計画とかいろいろな見どころが盛りだくさんなのでした。
町の規模も全然違うし。

さて、このバクストンのクレセントです。
温泉療法を受けるために滞在する人が来なくなったあと、住宅やオフィスなどに間貸しされていたそうですが、老朽化する部分ごとにちょこちょこ修理をくわえていくことに無理が出てきて、どんどん空き家が増えていったようですね。
1980年代には一部がホテルや市役所や図書館の出張施設として使われていたそうです。

第一級保存建築なので取り壊すわけにもいかず、1990年代以降は完全に空き家になった壮大なランドマークが崩壊しないよう応急措置を繰り返してきたそうです。

まだ改修工事が始まる前の30年ほど前にはじめてきた時は外壁はすすけ、板で覆われた窓が多く、ぼろっちく悲し気な印象でした。



そのうち改修する予定ではあったようですが、高額な修復費用の捻出に紆余曲折があったようです。
2003年に宝くじ文化振興基金からの修復予算を獲得して大掛かりな修復作業が始まりました。

それ以後、いつ行っても板囲いにぐるっと囲われていました。

建物の地下にある「バクストン・ミネラル・ウォーター」の源泉の所有権を持つネスレィ社 Nestle(瓶詰めして全国に手広く販売しています)が法的訴訟を起こしたりもしています。

予算の壁に何度もぶち当たって17年もの歳月を費やしてついに完成、2020年5月にグランド・オープニングが予定されていたものの、コロナウィルスのパンデミックのため、2020年10月まで延期になりました。

オープンして1年たっていますね。

バクストン・クレセント・ホテル Buxton Crescent Hotel は5つ星の豪華なスパー・リゾートホテルです。

ホテルなら広いロビーとだれでも利用できるバーやティールームでもあるのでは、と思ったのですが、けっこうプライベートな感じの目立たない狭い入り口でした。

(上から3番目の写真に、真ん中のアーチ奥に開いた扉が見えるでしょう? それがホテルの入り口でした。)

フロントは長い廊下の奥にあるようで、おそらくラウンジやロビーも表からは見えないところにあるようです。宿泊もしないのに見物するのははばかれる佇まいでした。

建物内に入場料を払って内部を見学できる施設がありましたが、誰かが訪ねてきた時にでもいっしょに行けば楽しいかも...と思い訪問は取っておくことにしました。

帰宅後、検索してみました。
2泊以上の宿泊と、スパー・トリートメントがセットになった豪華な美容健康パッケージのサービスを提供しています。

数種類のサウナやトルコ風呂、3つの鉱泉浴プールがあるようです。
プールに入る人は水着を着ています。

ヴィクトリア時代の、ステンドグラスやドームのあるプールが修復再現されていますが、客室などのインテリアはクラシックなムードを生かした退屈な現代風の豪華ホテルふうに改装されちゃっています。
消防法とか、いろいろ現代の安全規格に合わせなければならないからでしょうね。

けっきょく、修復にかかった費用は全部合わせると68、400、000ポンド(10,693,379、636円、うそでしょう?と思うような金額です)に上ったそうです。
18世紀に、建築にかかった9年は記録的な長さです。
それを上回る修復の(休み休みで)17年もスゴい長さでした!

続きは次回に!!
(バクストンの他の場所の写真が載っている以前の記事のリンクも次回貼るつもりです...なにせ、バクストンの記事の数はものすごく多いものですから収拾がつきません)






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若い牡ウシたちがのどかに遊ぶ美しい丘陵地の放牧場

2021年10月08日 06時15分11秒 | ピーク・ディストリクト

昨日に引き続き、ピーク・ディストリクトの観光地、カースルトン Casleton に行った時の話です。


...と言ってもカースルトンの話は昨日でおしまい。
今日は、ウシの放牧場の話です。



カースルトンの町はずれのなだらかな丘陵地に他ではあまり見かけない強烈な見かけのウシがいつも放牧されていました。
これこれ↓、ストックポート日報の6年前の記事から1枚写真を転載します。


黒い体に白いベルトを巻きつけたような、ベルテッド・ギャロウェイ Belted Garowey という種類のスコットランド原産の肉牛です。

最後に見かけたのはいつだったでしょうか。
そう言えばパンデミック前に通った時もその前も見かけなかったように思います。

夫も私も大好きなのです。

緑の放牧場に黒白のコントラストが強烈なウシをばあッと散りばめた光景は圧巻でした。
過去の記事のリンクを貼りましたので、ぜひご覧ください☟☟。
ピークディストリクトにスコットランドの肉牛、腹にさらしを巻いたベルテッド・ギャロウェイ

仔羊を見にピーク・ディストリクトへ・・・いたことはいたけど過保護母とすぐ逃げる、かわりにおなかにさらしをまいた牛を見て帰る



カースルトンをひと巡り、お手頃なカフェで昼食を食べ、ちょっと買い物をした後帰宅する途中でベルテッド・ギャロウェイ観測スポットに寄りました。
(行きは、眼下に広がる渓谷を見下ろす景観を堪能するために別のルートをドライブしてきたのです)

道路の脇に、クルマやトラクターの出入りする門も何もない入り口があります。
牧場の持ち主の私有地なのでしょうが、道を塞ぐことがないのを確認して車をとめ、牧場へ入る脇道を徒歩で歩きました。


ぱあっと視界が広がります。


牧場を突き抜ける舗装された道路(私道でしょう)は丘の向こうまで続いています。

ベルテッド・ギャロウェイの飼育はやめちゃったようですね。
いずれも黒や茶色の若い牡ウシばかりが放牧されていました。



やはり肉牛の飼育を続けているようですね。
ティーンエイジャーの牡ウシばかり。



まだ乳離れしていない子供の牡ウシを連れた牝ウシも数頭見かけました。
この茶色の親子の他...


柵のそばに大きなおっぱいをもつ黒いメス牛が1頭だけブラブラしていました。
もうほとんど乳ばなれした大きな息子がお友達と遊ぶのをやめてその母ウシの元へ走って戻ってきました。
おっぱいをねだる大きな息子に母ウシは何だか迷惑そうでした。

視覚的に美しいベルテッド・ギャロウェイが見られなくて残念でしたが、ウシが好きな私たちは眼前に広がるウシの放牧風景をじゅうぶん堪能できました。

若い牡ウシばかりというのも、うなずけます。
広大な牧草地でゆっくりのびのびと立派な成人ウシに成長するまで放牧して、いずれは肉ウシとして出荷するのでしょう。

タネウシとして残されるラッキーなウシもいるかもしれません。






ついでに...
カースルトンに行く際に通ったルートは、カースルトンの町の中までは通じていないので...







行き止まりの、この雄大な荒れ地(ムーア moor)の駐車スペースでクルマをまわし、いったん戻って町の中に入るルートに合流します。
ここもとても人気のあるハイキングコースです。

私たちの他にも、クルマを回すためにこの場所にやってきたカースルトンに向かう人たちに会いました。
クルマをとめて景色を眺めて写真を撮ってまた元の道へ戻っていきました。





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ピーク・ディストリクトの密のツボ、実に1年と8カ月ぶりの外出! ドライブとショッピングも楽しめ大満足

2021年10月07日 06時26分43秒 | ピーク・ディストリクト

天気のよい昨日、久しぶりにピーク・ディストリクト Peak District の 有名な景勝地、カースルトン Castleton に行きました。



夫と遠出をするのは実に...去年の2月に日本に行って以来1年と8カ月ぶりなのです!



ストックポート日報をパンデミック以前から読んでくださっている方は、夫の退職後、私たちがいろいろな場所に積極的に出かけているのをご存知でしょう。

パンデミックのあいだは本当にスーパーマーケットでの週ごとの買い物しか出かけていなかったのです。
...まあ、ご存知のように私は(もちろん主に感染状況が落ち着いて2人とも2回のワクチン接種を終えてからですが)ちょこちょこ出歩いてはいましたが。




一時期は週に1回はピーク・ディストリクトのハイキングルートを何時間も歩き回って自然の景観を堪能していた私たちですが(読者の皆様の英国旅行の際の参考にも...と書いたストックポート日報の過去の記事をお読みいただけます)ひさしぶりの外出で夫が長い距離を歩く自信が全くなかったため、クルマから遠く離れて自然の中へ深く踏み込むのは無謀と心得ていました。

...そういうわけで、町の中から自然の景観を楽しめる、ピーク・ディストリクトの「ハニーポット・ビレッジ honey pot village 」、カースルトン に行くことにしたのです。

クルマで約30分、私たちの日帰り外出の定番の行き先です。
いちばん下に過去の記事のリンクを貼りました。

「ハニーポット・ビレッジ」というのは、雄大な自然の景観が売り物の観光地の、過剰な観光化を阻止するために該当する広大なエリアに人集めのための設備をあえて一か所、あるいは数か所だけ集中して設けたスポットのことです。

英国ではこの「ハニーポット(蜜のツボ)」のアイデアが広大な自然を手付かずで残し、なおかつ観光客の需要にもこたえるという観光産業の理想的な実現にひじょうに効果をあげているそうです。

宿泊施設やお土産物屋や駐車場、パブ、カフェ、それにビジターセンターや駐車場、公衆便所など観光地になくてはならない設備を集中的にもうけた「ハニーポット」を拠点にすれば、訪れた人たちは観光設備がまったく何もない場所で自然を堪能することができるようになっているのです。

10年ほど前に完備された、ビジターセンターのある町のなかの広大な駐車場にクルマをとめました。


(カースルトンの名前の由来となった12世紀の古城が丘の上に見えています)

パーキング・チケットをおつりが出ない現金のみ受け付ける旧式の券売機で買わなければならないというのにうんざりしました。(8年前のロンドン・オリンピック以来、カード決済が急激に進む英国で今どき驚愕です!パンデミックでカード決済化はさらに促進しています)

券売機のとなりにあるスナック・カウンター (軽食やお茶などを観光地価格で販売していました )は大いに繁盛していました。
パーキング・チケットを買うピッタリの小銭がない観光客がお金を崩すためにしかたなくお菓子を買っていくためです。

この、パーキングチケットマシンを取り払った後もなぜか残る「(駐車料金を)ここで払ってください↓」という表示に...


「どこで?」と言い返したくなる、これでホントに「ハニーポット・ビレッジ」かというブザマな一面。



最初の写真の小川に沿って歩いたところに、夫が好んで立ち寄る古いガラス器を売る店があります。




夫が6ポンド(908円)で1910年代の古いワイングラスを買いました。

その向かいのガラクタ屋で(あら残念、写真がありません)私はエクササイズ用の重り(2個で1セット)を1個だけ2ポンド(302円)で買いました。
ずっと以前になぜか1個だけ息子にもらったのですが、バランスよくエクササイズするにはやはり2個必要だったわけです。(まさか1個だけ売ってくれる店があろうとは!!!)


最初の写真の小川沿いの左側の建物がガラクタ屋の側面なのですが...

絵になる風景なので最初の写真と同じ構図で写真を撮る人が多いのですが、小川に張り出したガラクタ屋の裏庭が半分ゴミ屋敷の延長みたいにガラクタでいっぱいなのです。


水深が浅く、カモの集結地でもあります。

ガラクタ屋が30ペンスでカモのエサを売っています。


明日の朝のパンを買うためにベーカリー(パン屋)の看板が出ていた食料品店に入りました。


スーパーマーケットの自家製パンよりは値段が2割増していどの値段の自家製パンを買いました。



遠く離れたへレフォード産の個性的なサイダー(シードル)のハリネズミの王様のラベルが気に入って写真を撮りました。



英国の古い田舎の村には無計画に増改築を繰り返してロマンチックで可愛らしいいびつな形の、築200年から400年もたつ古い古いコテージ(小さな田舎家)がたくさんあります。
カースルトンに数限りなくあるそんな不揃いの可愛い家の一つです。


正面にまわると意外に大きいのに驚かされます。




カースルトンの町に入るまでの景観が素晴らしいのですが、クルマのフロントスクリーン越しの写真ではきれいに撮ることができません。









帰り道では目の前を羊の群れが勝手に一匹ずつ行き来していました。
夫にとってはひさしぶりの雄大な自然の景観の中をのんびりドライブすることも外出の目的の一つだったのです。

ショッピングもできて満足です。


今回はあまり写真をたくさん撮りませんでした。以前の記事のリンクを貼りましたので見てください☟
(本当はもっともっといっぱいあるのですが)

ピークディストリクトの古城のある小さな町、カースルトン その1

ピークディストリクトの蜜の壷、カースルトン その2

ピーク・ディストリクトの丘陵をうろついて、羊のふわふわを拾いあさる、カースルトン その3


コメント (3)
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