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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

イングランドの奇習!いにしえの神事を今に受け継ぐ(?)楽し気な民族舞踊、モリス・ダンス

2025年04月27日 06時10分25秒 | ストックポートとその周辺

昨日(土曜日)ストックポートのタウンセンターの...

景観保存地域、オールド・タウン the Old Town の中心、ストックポート・マーケット Stockport Market のあるマーケット・スクエア Market Square に行きました。

びっくり!にぎやかに繰り広げられていたのが...

モリス・ダンス・フェスティバル  Stockport Morris Dance Festival

オールド・タウンを中心に複数のグループが同時に群舞を披露していました。

複数グループ間の距離が30mほどしか離れていない場所では目の前で繰り広げられるダンスパフォーマンスとリズムのズレた、よそのグループの演奏が聞こえたりの混乱も楽し気な、とにかく賑やかなイベントでした。

実は、イングランド全域からモリス・ダンス・グループが全員集合!した稀有なナショナルイベントだったようです。オールド・タウンにとどまらず郵便番号「SK1(タウンセンター)」全域で展開されていたようです。

モリス・ダンス Morris dance、日本ではなじみがないですよね?

イングランドとウェールズ固有の奇妙奇天烈(あっ、失礼!)な民族舞踊です。

日本では英国の民族舞踊と言えば、スコットランドやアイルランドのダンスをイメージする人が多いのではないでしょうか。アイルランドは別の国ですが...

目にもとまらぬ速さで前後左右に床を蹴る足の動きが特徴の世界的に知られたアイルランドやスコットランドの民族舞踊はとても難しそうです。人前でご披露するには大変な修練が必要そうです。クラシック・バレエのように基礎からステップを学ばなければならないでしょう。

モリス・ダンスはその点、おおらかそう、盆踊りのように踊れる人のマネを何回かすれば修得できそうです。

難易度レベルで言えば日本の学校の体育教科で必修の「フォークダンス」程度なのでは?もちろん、所作や位置をしっかり覚えまわりの動きに合わせるためのリハーサルは必須でしょう。

アイルランドやスコットランドの舞踊は、腰から下の動きがやたらに複雑ですが手や上半身はほぼ静止しているような印象がありますが、モリスダンスは全身きびきびと動きが大げさなぐらい大きいです。

音楽はたぶんアイルランドやスコットランドのフォーク・ミュージックに似ているのでは。19世紀以前は英国全域でバグパイプが主流だったようですが、現在はメロディオン melodeon (アコーディオンの小型版)やフィドル fiddle (バイオリン)ドラムなどの複数の楽器の生演奏です。

半ズボンに、カラフルなストッキング、脛には必ず鈴を多数つけて、派手な色のタスキに肩から背中から滝のようにリボンを垂らす人もいます。頭には花輪や花飾りをつけた麦わら帽子...ひげを生やした成人男性が正気とは思えない拵えで群れを成して踊る姿は...見ものです。

「ホッ」「ハッ」という掛け声とともに手にしたこん棒をとなりの人と打ち合ったり地面を叩いたりのグループもあり、リズミカルで野生的です。大きなハンカチをヒラヒラふりながら踊ることもあります。

太陽崇拝、豊穣や生殖機能向上を祈願する奉納の踊りであるとか...キリスト教伝来以前から脈々と受け継がれてきた土着信仰の儀式の名残であるという説が有力なその起源は限りなく妖しそうです。そういったわけで、たびたびキリスト教会から禁止令をくらっていたようです。

伝統芸能として復興し、「村おこし行事」として推奨し始められたのは19世紀になってから。それまで絶滅せずに受け継がれていたのがすごいです。

 

この人はイヌが噛むとキューキュー言うプラスチック製の「毛をむしられた鶏」のイヌのおもちゃを持っています。☟燕尾服だし...

...と言っても、若い人はやりたがらないでしょうね。楽しそうでしたが...やっぱりハズカシイです(あっ失礼!)

昨日、ストックポートに集結した熱心な愛好家たちは(私の見るかぎり)ほぼすべて50代以上に見える年配のしかも白人ばかり。

 

女性も多いですね。おばさん(あっ、失礼、私の年代です)ばかりですが。

本来は男性のみの神事、伝統芸能なはずなのですが、近年は男性に混じって男性の衣装で参加する女性にかぎらず、かわいらしいドレスの女性グループも多いようです。

この女性グループは全員、金属の鋲を打った木靴をはいて踊っていました。タップダンスののんびりバージョンみたいなひびきでした。

賑やかなイベントのわりには見物客はやはり同年配の白人男女、多くはダンサーたちの身内やお友達だったように見えたのもー般の盛り上がりに欠けた感じで少し残念です。

私はマーケット・ホールで質の良い洋裁小間物を信じがたい格安値段で販売するBob's Buttons で、新しく編み上げたカーディガンのボタンを買いました。

庶民的なマーケットの内部はこんな感じです。

 

コメント (1)
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