イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

小さなシティ、ロチェスターの古い建物にも動物の飾り!

2023年02月05日 07時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

再び登場ロチェスター Rochester。

イングランド南西部、ケントのとても小さい(もと)シティCity、ロチェスターに夫の姪の結婚式に参列するために行きました。もう2週間以上も前の話です。今回は番外編、本当に久しぶりに古い建物を飾る動物の立体モチーフです。

 

ミッドウェイ河にかかるロチェスター橋を渡ればもうシティ・オブ・ロチェスターです。(大聖堂のある町に与えられるシティという行政区分上のステイタスを正式には1998年に失ったにもかかわらず、ロチェスターは慣用的にまだ使い続けているようです)

観光名所らしいこの鉄骨と石造りの堂々とした橋は意外にも新しく1914年の建造です。

橋の初めと終わりにライオンが全部で4頭。日本橋の三越正面のライオンと同じ、伏せの姿勢で頭をもたげて橋を警護しているのだそうです。

橋の中ほどの意味もなく凝ったデザインの街灯柱のてっぺんには紋章学でおなじみの後ろ足で立つライオンが。市章が記された盾を支えに立っているます。

下のほうには雄ヒツジの頭...図像学上では生殖の...いえ、言い換えて...豊穣、繁栄のシンボルだそうです。

橋を渡ってすぐに始まるハイ・ストリート(目抜き通り)を歩き始めて振り返ってみた写真です。

 

ヴィクトリア&ブル・ホテルという名前のパブの馬車用の入り口(上の写真の左側)の...

苦虫をかみつぶしたような不機嫌顔のライオンと歯茎を向いてびっくり顔のユニコーン(一角獣)像がすぐに目に留まりました。

あらあら、ユニコーンは角を失くしちゃったようですね、ただの白ウマにしか見えません。

写真を見て気が付きました。リアルな造形の英国の国花、赤白のバラがライオンの横に見えています。

ユニコーンはライオンとともに英国王室のシンボルと言うか、マスコットです。真ん中の丸い盾はヴィクトリア女王の紋章です。(撮った写真を見て検索、確認しました)...こっちが「ヴィクトリア」の....

そして向かって右側には「ブル」のシンボルがわかりやすく外壁に取り付けられています。

この雄ウシ(ブル)は悟り切ったような穏やかな顔、あるいはめんどくさそうな顔をしています。

この雄ウシの下の戸口はナイトクラブの出入り口でした。ヴィクトリア&ブル・ホテルは現在はパブとナイトクラブに分かれて営業しているのかもしれません。

上からクリーム色のペンキを塗りたくった後、クリームからぬっと突き出したような雄ウシの頭となぜか角にはめられたわっかのようなものに彩色したようですね。わっかにつながる花綱ももともとは色がついていたのではないかと思えます。

 

ヴィクトリア&ブル・ホテルの斜め向かいの、古いレンガ造りの建造物の...

 

入り口上部のレリーフのポイントになるライオンの頭と天童の顔と翼だけが金色に彩色されていました。

バラ色の舌を巻きあげて咆哮する大口を開けたライオンはちょっと珍しのではないでしょうか。

勇ましく威嚇というより、あくびしているマヌケ顔に見えなくもないですね。

 

ロチェスターの街について書いた2本の記事のリンクです☟

大聖堂がある小さな街ロチェスター(カンタベリーのすぐ近く)

ケントの古くて美しい街、ロチェスターのはずみで入った郷土史博物館

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古くて立派な空き家に残る怖い顔をした謎のトリとバッタの紋章の謎に迫る

2022年07月07日 08時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

本当に久しぶりに、古い建物に棲む動物モチーフの話題です。

と言っても、これは建築物の飾りの動物モチーフではなく、紋章 coat of arms の図案です。

ヨーロッパの紋章はデザインが多彩でとても興味深いです。いろいろな動物が使われていて、見ていて飽きません。

日曜日に行った、ヒートン・ムーア Heaton Moor の通りの古い建物の大通りに面した側面の真ん中に取り付けられていました。

2本の道が交差する、角にある立派な建物です。両方の道に面した角の入り口扉のうえには the Cheshire Wedding House とかかれていました。自宅に帰って検索してみたら、数年前に倒産した結婚式場貸し出しビジネスのようでした。

気になるのはもちろんバッタとトリの興味深いデザインの紋章です!

これも、grasshopper (バッタ)と heraldry (紋章学)で検索したらけっこう簡単に見つかりました。

1969年にバークレイ銀行に買収されて消滅した古い銀行、マーティンズ・バンク Martins Bank の紋章というか、社章でした。

なるほど、銀行の建物だったんですね。バッタは1563年に銀行を創設したマーティンズ家の家紋だったそうです。

1918年にバンク・オブ・リバプール Bank of Liverpool と合併した際、リバプールの市章で、マスコットでもある(マンチェスターのハチのような存在ですね)海藻をくわえたウ cormotant の紋章とドッキングしたそうです。

古そうなこの建物は1918年以降の建造ですね。

両側の麦束 wheatsheaf (紋章学では garb というそうです)はチェシャ―の州章です。

ストックポートは1970年代に、シティ・オブ・マンチェスター City of Manchester を中心にグレーター・マンチェスター Greater Manchester という州を結成した際に取り込まれた、ぐるっとまわりの郡(?)Metropolitan borough のひとつなのですが、もともとは大部分がチェシャーの一部だったのです。

話題と関係ないけど、友人が店を出していたプロの工芸フェアの写真を数枚...

内部が十字型のかわった形の教会ホールでした。

入口を見ただけではわかりませんが。

....話もどって、バッタとウの紋章は各地に残る旧マーテインズ・バンクの建物に数々残っているそうです。

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ヒ―トンパーク番外編;階段両脇にたたずむおなじみの一対のライオン像、ちょっと変わった造形考

2021年11月04日 07時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
「あ、昨日見た写真だ」と思われた方もいるでしょう。


タットン・パークにある、第一級保存指定建築の、タットン・ホールの遠景です。
今日の話題は本当に久しぶりの、古い建物に棲む動物装飾の話題です。

絶景を望む裏側の階段部分を両側から守る一対のライオン。


ライオンはイングランドの象徴と言うか、マスコットですね。
王室の紋章にもユニコーンといっしょに後ろ脚立ちで登場しています。

立派な建築物の階段を上がったところの両側に前脚を投げ出した伏せの姿勢のライオン像はよく見かけます。



日本橋三越の正面玄関にもいましたよね。

この2頭はよく見たら趣向が他とちょっと違う...
ポーズも後ろ脚を横にグチャッと崩してなんだかだらしなくて個性的なだけでなく...

一頭がたてがみのないメスライオンなのです。


オスメス仲良くお雛様のように階段をはさんで並ぶライオン像、あまり見かけません。
たいていはオス2頭のはずです。

それにしても、どちらも顔の表現にリアリティが足りませんね。
勇壮でもないし可愛くもありません。
考えてみたら、18世紀の彫刻家はライオンを見たことがなかったはずです。

私だって最後に実物を見たのは12~3年は前でしょうか、東京の上野動物園で、だったように記憶しています。
それでも子供の頃から写真や画像を簡単に目にすることができましたし、インターネット時代の今、見たいものをすぐさま検索して用途に応じたポーズや構図のビジュアルな資料がすぐに手に入ります。
(私がアートスクールに通っていたたったの30年前に比べても格段の進歩です!)

「見ないで描いてみろ」と言われたら困りますが、写真などで見なれたライオンの顔がどんなだったかすぐに思い浮かべられます。
情報に恵まれている現代人には当たり前のことなのですが、100年以上前ならそうもいかないはずです。

ライオン像の作者は家の飼いネコでも観察して苦心して想像したのでしょうか、身体の造形はなかなかです。
それにしても顔が...
メスのほうは土佐犬かなんかに見えなくもない...ように見えませんか。

紋章なんかで比較的なじみのあるオスと違ってメスのライオンはかなり一般性が低かったはずです。




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シュルーズベリーの高いところから下を見下ろす紋章でおなじみの動物たち、表情がバカみたいなのはなぜだ?!

2019年04月07日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
(またまた)シュルーズベリーに行った時に撮った写真です。


久しぶりに、古い建物に棲む動物カテゴリー、あ、ごく最近にもシュルーズベリーでライオン狩りをしました。

この頃、建物の動物狩りがおろそかになっています。それでも古い建物が集中的に残る街に行くと目につくのが動物です。


一番上の写真はイギリス最大手の文具屋、W H Smith ダブルエイチ・スミス、全国チェーン展開の大きな支店がもちろんシュルーズベリーにもあります。



最初、イギリスの建築物とは切っても切れないおなじみのライオン(国家のマスコット)かと思ったのですが、たてがみがない!

じゃあ、ヒョウでしょう.....シュロプシャーの紋章は盾に三つ、三角形にヒョウの顔が並んでいます。

ヒョウ二頭の間に石造りの紋章が見えますね。

もともとは公的なたてものだったのかもしれませんね。

舌なんか出して情けない表情ですが無理もありません。


ハトよけの針をぶすぶすさされて まいった~という状況をよく表していますね。

(紋章にはべえっと舌を出した情けないライオンやヒョウやクマの図像がよく出てきます。英王室の象徴の、後ろ脚で立ったライオンも舌を出して吐きそうな表情の顔だけをこっちに向けていますし....中世の標準では舌だしは別に情けなくもおかしくもなかったようです。)


ルネッサンス風の堂々とした建物の威圧的な店構えですが、表側のどこかに建築年が刻まれていました。
20世紀初頭の建物です。

他にもシュルーズベリーでいっぱい見かけた「なんちゃってチューダー」建築にもすべて19世紀、20世紀の建築年が正直に明示されていました。


シャット(抜け道)巡りをしていた時に、ガイド・リーフレットの解説に「向かいの戸口の犬の頭をお見逃しなく」と書かれていたので、ちゃんと目に止めました。


この情けない顔!
アメリカのカトゥーンかなんかに出てきそうな表情です。


この建物はタルボット Talbot という有名なコーチ・イン(馬車で乗り付ける宿場宿)だったと書いてあります。

ブドウの房が飾りに彫られているところを見るとおいしいハウス・ワインが売り物だったのかもしれません。

タルボットというのは今は絶滅したイギリスの古い猟犬の犬種です。

やはり紋章の図像としてよく使われるのですが、耳がやたらに大きく情けないしかめっ面であらわされることが多いのです。

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シュルーズベリー再び、今度はイギリスではおなじみのライオン狩り

2019年02月24日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
忘れたころに、突然再登場、シュルーズベリー Shrewsbery 。

今回は番外編、古い建物に棲む動物を探す カテゴリー。

シュルーズベリーの裏通りをうろうろしている途中で入り込んだ大きめの駐車場、大通りに出る近道らしいので横切りました。

駐車場の中ほどで見かけた、空に吠える立派なライオン像。


The Lion という表通りに入り口のある大きなパブの裏側だということがわかります。

LION GARAGE と書いてあるゲートの下をくぐって大通りに出ました。


パブではなくホテルでした。
(イギリスのホテルはもともと上階に客をとめるイン inn =小さな宿泊所だったところがほとんどなのです。だから今でも屋号にホテルやインが付くパブが多いのです。実際今でも上階に客をとめるパブがとてもたくさんあります)

上の写真は実は私がとった写真ではなく、TheLion Hotelのウェッブサイトから勝手に借りました。通行人が夏服を着ていますね。
この部分の写真を撮るのを忘れたのです。

表通りにももっと立派なライオン像!金色!前足で押さえつけているのはブドウの房!





ワイン農家特注ワインが名物だったのかもしれません。



胸のあばら、お尻の周りの毛の房、しっぽの陰の立派なタマタマ....芸が細かい彫刻表現!

The Lion Hotelのウェッブサイトではなく、行先ごとに比較できるホテル予約サイトで、The Lion Hotelの平日のダブルルームの一泊料金をためしに調べてみました。

月曜日のレートはダブル(二人)で78ポンド(11,270円)。びっくりするほど安い!
今度はここに泊まりたい!(機会があれば...)

B&B 以外ホテルの朝食は普通 別料金です。



またまたThe Lion Hotelのウェッブサイトから借りた写真です☝

となりはこんな建物です。


シュルーズベリー連載記事のリンクを貼りました☟☟☟☟。ほかの建物も見てください。☟☟☟☟☟

1;また同伴、夫のチェスの試合のお付き合い、短時間で見てきたチューダー様式の街並みが見事にのこるシュルーズベリー


2;チューダー様式の街並みが見事にのこるシュルーズベリーの街並み見ごたえのあるショッピングエリアの表側

3;裏道へ入りタイムトリップした気分、時間が足りない観光地ではなさそうなシュルーズベリー観光


4;歴史に残る名門校、パブリックスクールの16世紀の校舎が市民図書館として使われる驚きのシュルーズベリー


5;客寄せ効果抜群!シュルーズベリーの駅そばの八百屋さんの店の奥で控えめに客寄せをするバターナッツスクオッシュ

6;全国規模か!?ショーウィンドゥの職人人形、組織の全容が少しずつあきらかに!?シュルーズベリーにも兄弟の存在を確認



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古い建物の多いボルトンにも棲む、哺乳類、爬虫類、鳥類

2018年02月27日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
ボルトン Bolton の写真がまだありました!

久しぶりに「古い建物に棲む動物」です。

ボルトン市庁舎 Bolton Twon Hall 正面階段わきの・・・


伏せライオン像。


「手を触れるな KEEP OFF」のサインが つっけんどんですね。
たしかに噛みつきそうな顔をしています。

古い建物の表面を飾るライオンの顔のモチーフは、ボルトンのあちらこちらでたくさん見つけましたが、ここで取り上げるのは、やめておきます。
イギリスの古い建物にはつきもののライオンです。特に珍しいものはありませんでした。


市庁舎のある、ヴィクトリア・スクエア Victoria Square に面した、リージェンシー風の建物に・・・


ヘビ 二匹。


何の建物だったのか、見てくるのを忘れました。

「杖に絡まっているヘビ 一匹」はよく見ます。医学のシンボルだということは一般によく知られています。
ギリシャ神話の、医学の神様、アスクレピアスの杖なんだそうです。

世界保健機関(ダブルエイチオー WHO)の徽章にも、地球をバックに使われていますね。

ヘビ 二匹も これのバリエーションか? 翼までついています。

調べました・・・走るのが早くて、翼のついたサンダルを履いていたギリシャ神話の神、ヘルメスの杖らしいです。・・・アメリカでは、同じく医学のシンボルなんだそうです。

アスクレピアスの杖に絡みつくヘビ一匹マークと混同されて、19世紀の終わりごろ、アメリカではこのヘルメスの杖に絡みつくヘビ2匹も医学のシンボルになってしまったんだとか・・・

この建物も もともとは医療関係の何かだったのかな、と私も思っちゃいました。

実は、アメリカ国外では、「商業取引」のシンボルとして使われていることが多い、らしいです。
ヘルメスは商売繁盛の神でも何でもありませんが、左右対称の2匹のヘビが調和を表しているところから・・・こじつけ!?

・・・ややこしくなってきた。

とにかくこの建物は、もともと「商業取引」と関係ある事業に使われていたようですね。

「杖に絡みつくヘビ」はいずれの場合にも、ギリシャ神話では大地の力を取りこむ、という意味なんだそうです。


古い大きなパブ、スワン The Swan。


となりは、創業が14世紀の、ボルトンで一番古いパブ、Ye Olde Man with Scythe (草刈りがまを持つ男;イギリスのパブの名前によくある、中世風のつづりです)


てっぺんの破風に、漆喰細工のハクチョウの前半身!


繊細で何とも美しい。

19世紀に創業して以来、ずうっと、The Swan というパブとして営業してきたんですね。


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古くから伝わる奇妙な図柄、チェスの駒を背中に載せられたゾウ、ボルトンのマスコット?

2018年02月19日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
ボルトンの話題、番外編です。

シビック・ビルディング Civuc Centre のすぐ横の小さな広場、ヘクタゴン・スクエア。





奥の建物の上のチェスの駒、キャッスルを背中に載せた ゾウ2頭


案内看板によると、このゾウ2頭は、重さが1トンを超す鋳鉄製、ボルトン市内の綿織物の漂白工場の門扉のてっぺんに取り付けられていたそうです。

ボルトン市民にとって、大切なモニュメントみたいですね。

1977年に工場が取り壊された時、市庁舎前のヴィクトリア・スクエアに移され、まわりまわって、あまり人目につかない高い場所に落ち着いたようです。

広場の3頭の子ゾウたちは、歴史的モニュメントが寂しくないように、設置されたのでしょうか。


キャッスルを背中に載せた象の図像は エレファント&カースル Eliphant & Castle といいます。


ロンドン南部の交通の要所に、同名の地区があるのをご存知の方もいるのでは。
同名の地下鉄の駅もあります。

なんで、ゾウがお城をせなかに?

17世紀のイギリスの国王、チャールズI世の妃(スペインの王女)の称号 La Infanta de Castilla がロンドン市民の耳には「エレファント・アンド・カースル」と聞こえ、大うけだったので、王の結婚を記念して、ロンドン南部の宿場町にある馬替え宿が「エレファント&カースル」と改名した、地名はその宿が由来・・・という人気のある俗説が今に伝わっているそうです。これは間違い。

エレファント&カースルは中世以来、ヨーロッパ中で紋章の図柄として、広く知れわたったイメージなんだそうです。

インドの王侯貴族が乗った、ゾウの背中に取り付けられた駕籠、あるいは古代の東洋の勇敢な兵が乗って戦ったゾウの戦車のイメージのヨーロッパ風アレンジだとか言われているそうです。

エレファント&カースルの地名のもとになったそのロンドンの宿(パブ)は、紋章の図柄として古くから知られる「エレファント&カースル」を商標として使用していた有名な刃物商の跡地に店開きしたため名づけられた、ということです。、

商売物のナイフの柄には象牙が使われていたそうなので、選ばれた商標らしいです。

なーんだ!

ボルトンのエレファント&カースルは、市の紋章の一部なんだそうです。



19世紀のマーケット・ホールを改装した、ショッピングセンターの、いくつもある入口のアーチの下、すべてについている市の紋章。


このショッピングセンターについては、昨日の記事を読んで下さい。

市庁舎のあるヴィクトリア・スクエア Victoria Square にも。


戦没者慰霊碑。


工事中の銀行のたてものてっぺんにも。


クレスト(紋章飾り)。



前回ボルトンに行った時、ヘクタゴン・スクエアの鋳鉄製のお城をのせたゾウのペアと、3頭の子象を見かけて、ボルトンの町にとってゾウはどんな意味があるんだろう、と思って調べました。

グーグルしたら、すぐにわかりました。
クレストを冠した、古い建物のリストも見つけました。本当はもっともっと、たくさんあります。

シビック・センターの窓の外の、正方形の窓を飾る、鉄のレーリングも、ただのアールデコ意匠かとおもっていたら・・・


ゾウの鼻をイメージしたデザインなんだそうです!!(ほんとかしら)


ゾウはボルトンのマスコットみたいなもののようですね。

マンチェスターのハチのような存在かもしれません。それほど知名度はありませんが・・・

日本でいえば、ゆるキャラ?ああ、全然ゆるくないですね。

ヘクタゴン・スクエアの、子供の遊び場に立つ、3頭の象のモニュメントは、子供たちに親しまれる存在を目指しているようです。


いえ、ゆるくないですが・・・色彩が楽しげです。

子供たちによる投票でついた名前があります。
前からそれぞれ、Ellie(私の名前とつづりが同じです)、 Elner、 Mr.Jackbow。

ロンドンの有名なエレファント&カースルの モニュメント。


ピンク!

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ロンドンその8、衝撃のテロ事件のあと、あえてノーテンキな話題、テロを恐れるべからず

2017年03月24日 10時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

ロンドン番外編です。
3月22日のロンドンのウェストミンスター Westminstar (国会議事堂)周辺でのテロリストによる攻撃で国内は騒然としています。

こんな時期にあえてノーテンキな話題、古い建物に棲む動物を取り上げることにします。



ロンドンの中心ちであり観光の拠点でもあるピカディリー広場 Piccadily Circus と、トラファルガー広場 Trafalgar Square の周辺をぶらぶらあるいていて見つけた、動物たちの数々・・・

①トラファルガー広場のそば(ネルソン提督の像が見えています)、1930年代のアールデコ風の、劇場の・・・

かなり低い位置にある、雄羊の横顔。
  


②魚ではありません、ギリシャ神話テーマの決まりきった表現のイルカです。

親イルカの背中にからみつく仔イルカには撮った写真を見て初めて気が付きました。。
  

③入り口、アーチ横の、また雄ヒツジ。これは正面。
 

③店舗ビルだったと思います。トラファルガー広場のそば・・・典型的なアール・デコ様式の豪華絢爛アフリカの「サファリパーク建築」。

もともと何の目的で建てられたのだろう・・・?
    

④鹿とまた!雄ヒツジ・・・ブリティッシュ・コロンビア??
 
 

ロンドンは宝庫です。

きりがありません。

イギリスの象徴、王室の紋章にも登場するライオンとユニコーンは、あえて載せませんでした。あるあるある、そこら中にある、雄ライオンの顔!!

さて・・・・
・・・避けては通れないこの話題・・・ウェストミンスター周辺での今回のテロリズム攻撃

今回はこのエリアには行きませんでしたが、つい先週、観光を楽しんだロンドンでの憎むべきテロ行為、あえて避けてもやっぱり話題はそっちのほうへいってしまいます。


*2年以上前にウェストミンスターエリアをうろついた時の記事があります。見てみてくださいな。


ロンドン観光その3、恥ずかしいおのぼり写真http://blog.goo.ne.jp/stockport/e/112d73e92af966173d878ed6b0f37092


イギリス国民は非常事態扱いにせず、極力、平常どおりの日常を心がけています。

ロンドンの交通機関は事件当日は閉鎖されたものの、昨日から通常通りの運行です。
人々は休みなく職場や学校へむかいました。

事件現場周辺を除いて、ロンドンはやはり観光客をひきつけています。
下院の議事は事件当日は中止されたものの通常どうり執り行われています。

「テロは自由と民主主義への挑戦だ。イギリスは暴力に屈しない」という意気込みは心強いです。賛成です。

ただ、これだけ国際的に報道され重大視されると、暴力と恐怖で世界を支配しようとしているテロリスト達に暴力の効果を実感させることで喜ばせているのではないかと不安になりませんか。

国際的な注目は主義主張のあるテロリストのみならず、自分も極端な行為で国際的な注目を浴びてみたい、と思っている平常心を欠いた暴力的な人達にも影響を与えかねません。

挑戦にのって大騒ぎをしない、怖がらない、そしてなおかつ、人命の犠牲を無駄にしないためにも暴力を憎み、暴力に屈しない姿勢を貫くバランスのとれた心構えが、テロにあった国の国民には必要でしょう。

無差別テロ、許すまじ。

なくなった方々のご冥福を心からお祈りします。

きのう通りかかった、ストックポートの市庁舎、半旗が微風になびいていました。



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動物と天童の幻想的な組み合わせ、ボロ店舗に残るレリーフ、夢のあと

2017年03月13日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

ストックポートのタウンセンターを抜けてマンチェスターにつづく、国道A6沿いのボロ空き家店舗です。


入り口の上の正面ファサードの浮き彫りによると、1889年に建てられたらしいです。

ショーウィンドウを保護する板の落書きがうらびれ感をいっそう盛り上げています。

15年ほど前は、タイル店でした。
バスルームのタイルが一部欠落したので、同じタイルを数枚ここで見つけて買ったことがあります。

内部はすっかり機能的にモダンに改装されて、古い建物だという印象はまるでありませんでした。

ひさしぶりの 「古い建物に棲む動物」 カテゴリー、豪華版です。


古代神話がテーマらしい、楽しい装飾フリーズがずらりと外壁の天井近くを飾ります。

天童 Churub とリス。


よく見えないのですが、天童くんがリンゴか何か果物でリスの気を引こうとしているようです。



イヌ?オオカミ?にほえられてこわがっている天童くん、手に小鳥を持っていますね。




南国風(?)の鳥と...


子ヒツジと。

耳が長いのでウサギかとも思ったのですが、ひづめがあるので子ヒツジでしょう。



そしてフクロウ。


このフリーズには天童がいないのが意表をついています。


外壁の、縦長のでっぱった飾りに、ギリシャ神話の神様でしょうか、端正な顔立ちの人物の浮き彫りがあります。




たしか、3種類あったはずですがひとつ写真を撮り忘れました。

さわれる場所にあるのもあり、保存状態が気になるところです。

どれも鼻の頭の表面が日焼けで皮が剥けたように剥落して、同じテラコッタ素材の別の層がのぞいています。


角にあるアーチ型の入り口左側にある、レリーフ。


天童が支える紋章の盾にも、文字が彫り付けてあります。この建物のもともとの所有者のイニシャルでしょう。

小さいけど由緒のあるたてものだったのかもしれません。手のかかった意匠です。
建てられた当時は豪勢な見かけだったはずです。


豪勢でちょっとやりすぎ・・・当時はコテコテの成金趣味と評判だったかもしれませんね。


「貸し店舗」の看板が出て久しいこの稀有な物件、荒れる一方です。

バスの窓から見かけて以来、何年も「降りてそばで見てみたい!」と思っていました。

タイルを買いに行った時は車を裏の駐車場にとめ、建て増しの倉庫のような裏から入り、裏からでたので建物全容を表にまわってみるようなことはしませんでした。

「原爆ドーム・焼け残り廃墟の教会」(3月8日の記事参照)から徒歩5分しか離れていないので、今回思い切ってバスを降りてどっちも見に行きました。


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古い建物に棲む空想の動物たちとイソップ童話か?マンチェスター

2016年09月18日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

マンチェスターの高級ショッピングエリア、セントアンズ・スクエア Saint Ann's Squareの建物群の外壁を飾る動物モチーフについて書いた9月7日の記事のリンクをはりました。↓

マンチェスターの高級ショッピングエリアを見下ろすヒツジ、イルカ、ライオン、またライオン2016年9月7日ブログ


セントアンズ・スクエアの周りにはたくさんの個性ある古い重厚な建物が林立しています。

建物の詳細には見飽きることがありません。いつも新しい発見があります。

スプリング・ガーデンズ Spring Gardens という名前の通りにあるこのオフィスビルは、19世紀半ばに建造されたロマネスク様式の楽しい外観が見どころです。


中世、14世紀ごろのヨーロッパ大陸風のロマンチックな中世建築のマネですね。
有名な観光名所、ロンドンの自然史博物館がニセ・ロマネスク様式の好例です。

自然史博物館の規模を思いっきり小さくした、あまり話題にならない控えめな怪奇趣味のモチーフが正面入り口の柱頭を飾ります。

でもなに、これ?

グリフィン?

クローズアップ・・・


じゃあこれは?ドラゴン?ゴブリン?


クローズアップ・・・みんなひとつづつ、微妙に違う。


きつね?上にはドラゴン。


熱心なハリー・ポッターファンにでも鑑定をお願いしたいところです。



キング・ストリートKing Street角のビルです。


入り口近くに、紋章のレリーフがあります。


紋章に動物はつきものです。

建物の装飾にライオンが多いのは、イギリスの王室の紋章にライオンとユニコーンがつかわれているからなんです。

でも、さすがにバッタは珍しいです。


下の鳥は葉っぱをくわえているので、リバプールの市章にも登場するウだと思うのですが・・・よくわかりません。

リバプールのウがくわえているのは海藻だそうです。ウは河の流れる都市の象徴、海藻は海の象徴、海藻を加えているウは河口都市の象徴です。

河口都市出身の名家の紋章かもしれません。
じゃあバッタは!?

この近辺、まだまだ、おもしろい建物が発掘できます。



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マンチェスターの高級ショッピングエリアを見下ろすヒツジ、イルカ、そしてまたライオン

2016年09月07日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

ひさしぶりの古い建物に棲む動物探しです。

やっぱりマンチェスターは収穫が多い。
高級店の並ぶ、セント・アンズ・スクエア Saint Ann's Square の周りの古い建物群の・・・


角の一階店舗入り口の上のレリーフは・・・


ボートの正面みたい意匠ですね。


下には、ギリシャ神話風のイルカが2匹。もと船会社の自社ビルだったとか?
雄ヒツジのうえにはワシまでいます。

同じビルの上階窓にはイギリスの古い建物にはおなじみのライオンが約束事のようにちゃんといます。


このビルの横に続く、バークレー銀行の・・・、




金ぴかライオンのメダリオン。


頭から後光のように飛び出ているとげとげ(見えにくいですね)は、ハトよけです。
フンをされたらたまりません。

最近、マンチェスターのこのあたりの多くのビルの、ロンドンの不動産業者やアラブ、ロシアなどの国外の資産家たちによる買い上げがすすんでいるそうです。

マンチェスターの地域の活性化、コミュニティー精神の高揚などにまったく関係も関心も無い彼らが家賃をどんどん上げていくため、古くから地元に根差してビジネス活動をしていた高級店が軒並み撤退せざるをえないのだとか・・・

結果として、マンチェスターの個性あるショッピングエリアが少しずつ寂れる一方なのだそうです。

近代的な設備を誇るショッピング・モールに集約的に賃貸契約をする全国展開のチェーン店のみが生き残れる状態だそうです。

それらの店も、オンライン・ショッピングの普及で苦戦しているはずです。

古い美しい建物に昔から間借りする個性ある一流店、できればサポートしてあげたいけど・・・普通の庶民には手の出ない高級品の専門店で、なかなか縁がありません。


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おかしなお獅子、魔よけかも

2016年03月14日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

ストックポートを縦断する、国道、A6,
タウンセンター近くの棟続きのレンガ造りの建物の隣り合った2軒の入り口です。
     


2軒のアーチの交わる共有スペースに、謎のレリーフ。


下は、イギリスの古い建築物にはおなじみの、ライオン・・・だと思われる動物の顔が・・・・

デフォルメされすぎて、魔よけかなにかにしか見えません。人間の鼻なのもブキミです。

元は住宅だったこの建物、今は、貸しオフィスとして使われています。


玄関先のタイヤのついた戸別用ゴミ箱、見苦しいですね。複数あることから(それにしてもすごい数ですが)・・・雑居ビルのようです。
ちなみに、家庭用もこのサイズです。





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訂正、ヒョウと天童のビルの真実

2015年11月18日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

11月9日の、ヒョウと、天童のレリーフが飾る丸窓についての本欄、訂正です。

    

反対側にもおなじ窓があるっていうのが、あやまり。反対側のレリーフは、よく見たらライオンでした。


ライオンの装飾は、ストックポート日報の「古い建物に棲む動物をさがす」カテゴリーで、おなじみ。
両側の角に、それぞれ、ライオンとヒョウ(ほんとにヒョウか?)


窓に垂直に下がる、フェアリー・ライト。


冬の長い夜を飾る、イルミネーション、あるいは、先週あたりから輝きだしたクリスマス飾りに溶け合ってますが、この、オフィスビルの丸窓に、一年中下がってます。

明かりが灯りだしたのは、日が短くなる、ごく最近、秋になってからです。

口の中に舌が見えてるライオンの表現、どうでしょうか。
マヌケ面。


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組み合わせの妙、ヒョウと、天童が飾る丸窓

2015年11月09日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
ヒョウでしょうか・・・・・?


リアルでいてまた、象徴的すぎてよくわかりません。

上に天童たち。


豊穣のシンボル、果物の花綱なんかあって、世俗的です。


ディーンズゲイトのオフィスビル。


反対側にもおなじデザインの窓があります。

ヒョウですよ・・・・ね?
ライオンはよくみるけど、ヒョウは意表をついてます。

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ライオンとユニコーン、シェークスピアと、宇宙からのメッセージ ・

2015年11月07日 09時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす
硬い金網に保護された、金ぴかライオンとユニコーン、イギリスの王室の紋章です。


王室の紋章のあるぺディメントの下には、思索のポーズのシェークスピア。


中央図書館の斜め横、1845年に建てられた、シェークスピア像の立つアルコーブが入り口のすぐ上にあるシアター・ロイヤル・マンチェスター The Theatre Royal Manchester 。


2012年以来、空きビルで、入り口が板囲いに覆われています。


1921年にはもう、閉鎖。
その後100年近く、宴会場、ビンゴホール、ナイトクラブ、レストランとして、開閉を繰り返してきました。

現在の持ち主はホテルのオーナー。
徹底的な補修の後、劇場として再生させることが地元からは期待されていますが、難しいようです。

ところで、この側面の落書きはなんでしょうか。


修復工事のための印か何かかもしれません。
・・・・それにしては、雑すぎ。

反対側。



こんな高い場所に、苦心してする意義があるとも思えない、メッセージ性も創意工夫も何もない、お下劣ですらない 落書き。

宇宙からのメッセージかも。



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