イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

苦手な材料で思い切って作ってみた夫の好物のケーキ。初挑戦、デーツとクルミが入ったイギリスで人気のケーキ(レシピ付き)

2021年02月27日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート


デート&ウォルナット・ローフ date and walnut loaf (ナツメヤシとクルミのケーキ)を作りました。

夫のリクエストです。
これも実はカフェやチェーンのコーヒー店でも出しているイギリスではとてもとても人気のある定番ケーキです。

実は私はこのナツメヤシ(日本ではデーツというようですね、以下デーツとよびます)が苦手です。


袋にぎっちり詰まった、へしゃげて小さめのお菓子の材料用のデーツです。

異国情緒たっぷり、タネを抜いて天日で干したナツメヤシの実です。
ベッタベッタ、噛むとねっちょり.....えぐみのある干し柿みたいな食感と甘さがどうも好きになれないのです。

イギリスでは大きくてブリブリしたラグビーボールのような形の上等のデーツがクリスマスの頃に好んで食べられます。

夫はこれが大好きでクリスマス前に買い込んで年末年始に1日1個ずつ食べています。
食物繊維がたっぷりで便秘に効くらしいので、おなかを下しやすい夫はたくさん食べられません。

とにかく私は好きではありません。
干し柿も干したアプリコットも干したパイナップルも好きではありません。(ねちゃねちゃが)
.....そんなわけで敬遠していたデート・ケーキ作りですが思い切って挑戦しました。

デーツを刻むのにウンザリしました。
手や包丁にネッチャネッチャくっついて、へこんで、よく研いだ包丁でもすぱすぱ切れません。
もしかして、ハサミで切ったら楽だったのかも....と後で思いつきました。

お料理ウェッブサイトで見つけたレシピです(簡単です);
225gの粗く刻んだデーツ、ティースプーン1杯の重曹、85gのバター、85gの砂糖(種類の指定はありません)に熱湯120mlを注いでよくかき混ぜます。

(バターがするするとあっという間に溶けてらくちんだったのですが、黄色い脂が油膜になったのが気持ち悪くて不安になりました)






完全に冷めるまで待って、溶いた卵1個と225gの*セルフレイジングフラワーをくわえ、ていねいによく混ぜ、最後に85gの粗く砕いたクルミを混ぜてローフ型に入れて....

170℃で、1時間焼きます。

*セルフレイジングフラワー self-rising flower は150gの小麦粉にティ―スプーン2杯のベーキングパウダーがすでに混ぜ込んである市販の小麦粉です。
ほとんどのイギリスのお菓子レシピにはこのセルフレイジングフラワーが使われています。



デーツがどっしりとした重いケーキです。



焼いたクルミの香りがします。

砂糖が少なめなのにデーツの甘みがしみわたって、びっくりするほどおいしかったのです!
私がきらいなねっちょりベタベタの食感もどこかへ行ってしまって、デーツが好きではない私もいくらでも食べられるなかなかの出来上がりです。



夫の母が作ったデート&ウォルナット・ローフ/ケーキはもう少ししっとりしていたそうです。
だけど、こっちのほうがだんぜん好みだ、と言ってくれました。



ロックダウンがあけたら、コーヒーチェーン店、コスタ Costa に行って一切れ注文してみるつもりです。
私が作ったデート&ウォルナット・ローフとカフェで出しているデート&ウォルナット・ローフ/ケーキの違いを突き止めなければなりません。


ローフとケーキの違いは何かというと....。
パン焼き型 loaf tin に入れて焼いたこの底の四角い長いケーキが「ローフ loaf 」、丸いケーキ型 cake tin に入れて焼いたケーキが「ケーキ cake」です。

クリスマス前に買った殻に入ったクルミもティブのおもちゃ用に1個だけとってあります。


写真を撮るために前を転がしてみたのですが、無視されました(飽きたようです)

ローフには、やはりお菓子の材料用の形がそろっていない砕いてある袋入りのクルミを買ってきて使いました。






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パンデミックを一時忘れて暖かい午後の散歩、春はもう間近2月の終わりのクロッカスの花盛り

2021年02月26日 09時00分00秒 | 英国の動物
天気がよかったので、散歩に行きました。


あ、そうでした。
ステイ・ホームのロックダウン中です。

近所の商店街のコンビニエンスストアまで、「買い物」に、といいなおします。
散歩=運動はいずれにしてもロックダウン下の外出の理由としてちゃんと認められています。

外を歩いたのは本当に久しぶりです。
一時本当に寒い日が一週間ほど続いたのですが、ここ一週間ほどは気温が高く穏やかでした。

生きた木のクリスマスツリーが(勝手に)植わっているおなじみの空き地です。





いつの間にか、クロッカスが花盛りでした。
いちばん最初の写真も同じ空き地で撮りました。

てっぺんがだらしなく二つに分かれて Vサインのような形になってきた「クリスマスツリー」が目立つ位置に生えています。



先月までクリスマスツリーだった華々しい過去などなかったようなボサボサぶりですが、11月まで点灯されることのないフェアリーライトがあいかわらずぐるぐる巻きつけられています。



花壇ではなく、人が歩いて通る芝生のそこかしこからニョキニョキ出てくるクロッカス、人の手によって植えられているはずなのですが、特に手入れもされていないようです。



テタテットという、小型のスイセンも咲き始めています。

商店街を通って毎年、クロッカスの花盛りが楽しみな公園に行ってみました。


クロッカスの大河。




ここまで満開になるともちろん誰も踏んで通る人はいませんが、芽が出たばかりのクロッカスを知らずに踏んで通る人はけっこうたくさんいたと思われます。
つぼみの出る前に踏みしだかれて倒れ伏したクロッカスの茎もけっこう見つかりました。

本当にあたたかい日でした。
暑がりの私は綿のコートで出かけたのですが、10分も歩く間に暑くなってきました。
うっかり着て出たモヘア入りのセーターが肌にチリチリし始めました。
セーターを脱いで、袖なしのティーシャツの上に綿のコートを羽織っただけで約一時間屋外を歩き続け....うっすらと汗をかきどおしでした。

おなじみの、木彫りのフクロウ、ヴェーラのいる低い柵に囲われた角の空き地です。


スノードロップの盛りはギリギリすぎちゃったところでしょうか。


まだ十分華やかですが、開ききってしまった花がほとんどです。

先週あたりがスノードロップの最盛期と咲き開き始めたクロッカスが同時に見て楽しめるつかの間のクロスオーバーの時だったかもしれません。

なぜか、スノードロップとクロッカスは道路に近い柵ギリギリのところにかたまって群生しています。
イースターまでには、イギリスの春の野の花、黄色いラッパズイセンでこの空き地が埋め尽くされます。
....「自然保護区域 Nature Conservation Area」なんて書かれていますが、球根はすべて人の手によって植えられたものです。

好き勝手に増え続けているみたいですが。

空き地を離れた位置から撮ってみました。


晴れた屋外から家を出た時より薄着で家に帰ってみると、家の中は外より寒かったのです。
コートを脱いで、モヘア入りのセーターをまた着ました。

クロッカスの花盛りを見て外を歩いて汗をかいて、もう春はすぐそこまで来ている、なんて思っていたら一昨年は3月に大雪が降ったのを思い出しました。
油断はできません。







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効果があがっているイギリスのワクチン接種大計画、受けたくない人にもあるらしいそれぞれの言い分

2021年02月25日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
ひさしぶりにコロナウィルスの話題です。


ただし写真はすべて、うちのネコ!
グレーのサバ模様のブチのある息子ネコ、ティブの成長ぶりとあいかわらず体重が減らない黒ブチの母ネコ、リヴィーの近況を写真でお届けします。
(要するにネコ自慢です)




夫が1回目のコロナウィルスのワクチン接種を受けてから10日たちます。

当日と翌日に副作用らしい微熱がありましたがすぐ回復しました。
(腹痛は食べたもののせいだったようです)

12月の初めにはじまった政府のワクチン接種大計画確実に成果をあげています。



先週以来、重症化して病院に搬送される人の数が3分の1に減りました。
昨日の新規感染者数が9,938人。(昨日より1,500人ぐらい増えていますが....!)



1月の最初の週は連日5万人超、1月8日は6万人以上でした....すごい勢いで減っています。
昨日の死者は442人、一昨日、548人より100人以上減っています。


1回目の接種を受けて14日以降は、たとえ発症しても重症になる可能性は75%減ることが実証されているそうです。
すでに1824万2873人(18歳以上の全人口の3割強)が昨日の午後までに1回目の接種を受けているそうです。
2回目を接種すれば85%減....と言っても2回の接種を完了した人はまだ64万2千788人...1回だけの人にくらべるとずいぶん少ないですね。

とにかく、何をやってもうまくいかなかったイギリス政府のコロナ対策、ここにきてやっと「長いトンネルの先にはっきりと明かりが見えてきた(メディアが好む表現)」のです。

ワクチンの接種により国民の免疫力があがったのみならず、イギリスにとってとりわけ重要な「重症者、死亡者を減らす」という目標が達成されつつあります。
18歳以上の全人口の接種完了(少なくとも1回目だけは)は当初、9月の終わりを目標にしていたそうですがこの分では7月中に達成できるそうです。

注射を打つのに資格が全くないボランティアまで大量にあつめての急ピッチの接種です。



夫に注射してくれたのも「セント・ジョン・アンビュランス St John Ambulance」という救命法を教えるボランティア団体の緑の制服を着たボランティアの青年だったそうです。
20時間以上の研修を受けているそうなので、技術に問題は全くありません。

イギリス政府にとって、ワクチン接種が最後の望みだったのは確かです。
他の対策はすべて裏目に出て、もうどうしようもない大惨事になっていたのですから。



ボリス無能ジョンソン首相は去年の2月には「コロナは恐れるに足らず、すぐに収束します」なんて言っていました。
「医療関係者にいきわたらなくなる」ため、マスクもしないようにと言っていました。

一時は検査をやめて、「重症化しにくい健康な人たちを感染させることによって国民の半分以上に抗体を作る」計画を打ち出して....囲い込んで守るべきものすごい数の高齢者や既往症のある人たちを死なせてしまいました。


大幅な軌道修正!「無差別徹底検査大作戦」を決行して感染者の特定、追跡、隔離をすることになったのですが、感染者数の激増は確認できてもかんじんの追跡、隔離が全然うまくいきません。

いちおうは効果をあげた最初のロックダウンが解除された夏のおわり以降、いい気になって経済活動を後押し....結果はうなぎのぼりの感染者数。


感染率が高い変異種の存在が確認されたにもかかわらず、クリスマス経済効果や「クリスマスを離れて住む家族と過ごすのを許可する政府からの特別なプレゼント(国民の気持ちに寄り添う保守党政府アッピール)」にこだわったための年末年始の感染者数の大激増....





ワクチン接種を受けたくないない人が世界中どこにでも一定数いるようです。
でも、はっきり言ってここイギリスでは「そんなことは言っていられない、自分の番がまわってきた人は受けなければ!.」というのが現状です。

黒人と、インド人パキスタン人など[南]アジア人 ( Black Asian and Minority Ethnic=BAME)のコミュニティでは接種を否定する人たちの割合が異常に高いのです。

「マイクロチップを埋め込まれる」「生殖能力が落ちる」など荒唐無稽な陰謀説がソーシャルメディアなどを通じてコミュニティで広がっているらしいのです。
「人体実験される」という説はもっと根強く蔓延しているようです。

現代医学を信じない人や、ワクチンが怖いという人の割合いも高いようです。

結束の強い狭い社会ではまわりと同じことを信じる同調圧力があるのかもしれません。

政府が当初発表した「危険度が高いBAMEを優先的に接種する」案が人体実験説(白人に接種する前に自分たちでまず効果や副作用を試すつもりだ!)の原因のひとつになったらしいのです。
(BAMEの危険度が高いという医学的根拠がなかったため、結局その案は廃棄されました)

実際、BAMEはイギリスでもアメリカでも感染、死亡率がずば抜けて高いのです。
在宅ワークが不可能なフロントライン・ワーカーが多く、高齢者を含む大家族がひとつ屋根の下に住む世帯が多いからという納得できる社会的な理由の他に、たしかに感染すると重症化しやすいというまだ解明されていないDNAレベルの理由もあるらしいのです。

それなのに接種を受けた(受けるつもり)の黒人は50%ちょっとぐらいだというのですから驚きです。





2週間ほど前までのニュースでは「BAME にどうやってワクチン接種を受けてもらうか」という話題でもちきりでした。
BAMEコミュニティの宗教指導者たちがお手本に率先して接種を受け、BAEMの科学者がワクチンの安全性を解説したりの映像が繰り返しニュースで流れていました。
BAMEのニュースキャスターや芸能人が「うちの両親も受けたので一安心です」なんて言っていました。

BAMEの存在は「マイノリティ(少数派)」だからと過小評価できるものではありません。
都市に特に多いその人たちの全人口を数に取り込まなければ「ワクチンで国民の一定数に抗体を作る」計画がうまく回らないのです。

病院に搬送されるBAMEの重症者の数も減らさなければ医療危機を回避することも難しいのです。




もちろん、BAEMに限らず多くの国民が、副作用や少数の人に起こるというショック症状の可能性、100%の有効性は保証されない、多くの人がすでに感染している今やる意義はあるのか?などワクチン接種に懐疑的な意見もいろいろ耳にしています。

ソーシャルメディアで拡散された陰謀説や一部のコミュニティで妄信されている恐怖に裏打ちされた危険説などと違って、科学者が発表した「実験データに現れていない副作用の危険性」....なんていうレポートも読もうと思ったらちゃんと読めます。

イギリスは民主主義国家なので懐疑的な情報を禁止するわけにも、受けたくない人に接種を強制するわけにもいきません。

それでも、少しの悪い可能性を考慮してもできるだけ多くの人に納得して接種してもらう価値は充分あるということなのです。
それ以外には、イギリスでは日常生活を取り戻す方法は考えられません。



いけ好かない政府ですが、接種計画をここまで迅速に進めまき直しを計ることに成功しつつあるらしいことは評価するつもりです。
ワクチン接種が本当にそんなに危険で無用なものだったら、医療、科学の先進国であるイギリスの政府がここまでがむしゃらに推進するはずがない、と思いたいです。

世界で最初にワクチンを開発認可して、世界最大規模の接種計画を実行しているイギリスで接種がこんなに早く受けられるのはありがたい!と素直に思ってもいいはずです。




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エコなカゴ編み、ロックダウンにうってつけ環境にやさしいアップサイクル手芸(家族は迷惑)

2021年02月22日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
ちょっと「手芸ブログ」みたいな記事を書いてみます。


近頃はやっているという「アップサイクル up-cycle」(不用品の再利用)手芸です。



偶然見つけたウェッブサイトの記事を見て、細長く切った「紙のカゴ編み」を年末に好奇心から試してみました。

大して創造性も工夫もなく、手先をちょこちょこ動かしていると出来上がるあってもあまり役に立たない小物入れ、というかペン立て、その他用途はお好みで...の容器が出来上がります。

メガネ立てやら浅いものはクルミ入れやらあまり人に見せたくない作品が家の中にいくつか たまってきています。(そのうち処分します)

資材の無駄やゴミを減らすというコンセプトはたしかに素晴らしいのですが、アップサイクル手芸の作品はいかにも「再生しました」というショボい仕上がり(特に誰にでも簡単にできるものは)だという先入観がありました。

それが.....この紙のカゴ編はけっこうおもしろくて、もっと作ってみたくなっちゃうんですね。
考えなくても手が動くところが編み物のメリヤス編みばかりを延々と続ける感覚に近いかもしれません。

オンラインショップで購入した小さな物がとてつもなく大きな段ボール箱で届きました。
長い長い茶色の紙が、壊れやすい製品の入った小さな箱の周りをぎっしりととぐろを巻くように詰め込んでありました。

トイレットペーパーのようなミシン目で切り離せば、長さ40cmぐらいの、A4のレポート用紙より少し縦長の長方形の紙がたくさんできました。





それを縦半分に切って、内側にたてに折り込んで、長いストリップ(長い一片)にして編んでみたのがたくさんあっても困る「ペン立て」です(上の写真)

「やれやれ」という顔で私の作業を見つめながら夫が朝食を食べています。

初めての大作に挑戦しました。
まずストリップ2本の端と端を糊付けして長いストリップを20本作りました。

「やってみたい」と思われた読者の方のためにつくり方の説明です;
(初めての方はまず縦横4本ずつの8本ではじめるとよいでしょう)

互い違いにはさんでいって....(真ん中に折りじるしがつけてあります)


上下左右に足していくと大きな正方形の(仮の)「底」ができました。


縦と横、偶数の同数のストリップが必要です。
(底が正方形でないと、ふちが同じ高さで終わらないのです)

日本語ではカゴ「編み」と言いますが、英語では basket weave 、カゴ「織り」ですね。
「織り」なのに邪道かもしれませんが、私はこの段階で端の重なっているストリップどうし糊付して抜け落ちないように固定しました。

朝食を終えた夫は食卓をすべて作業台に提供して消えてくれました。



正方形の辺の真ん中(ちょうどストリップ5本目と6本目のあいだ)と真ん中を結ぶ 折り線を4本つけます。
紙を切るのに使ったペーパーナイフを使いました。

正方形の中に斜め45度の正方形の折り線があるのが分るでしょうか。

その線が、最終的な「底」の辺になります。

折り線に沿って起こすように(仮の)底の角を立てて.....


となりの辺に巻き込むようにストリップを互い違いに差し込んで「織って」いくと....


ふちがだんだん高くなっていきます!!

「説明がヘタでわからない」と思われた方も多いでしょう。
手に取って実際やってみるとストリップの1本1本がするすると織るべき方向に導いてくれます。
対向からのびてくるストリップをくわえ込むように互い違いに組み込んでいくとあっという間にまとまるのが......何とも言えず快感なのです。



ぎゅっぎゅっと引っ張り上げるように目を詰めていくこの作業に一番時間がかかります。

ふちを同じ高さに折り込むと出る様々な長さの余分なストリップはすべて外側の編み目に差し込んで.....


出来上がり。


これはなかなか使えるサイズに仕上がりました。
手芸ウェッブサイトのようにわざとらしく毛糸の玉を入れて写真を撮ってみました。

毛糸を入れておくのに実際に使えます。
がっしりと丈夫にできています。
毛糸を入れたままふちを片手で持って持ち上げてもたわみません。

「アップサイクル手芸サイト」で紹介されていたのは、茶色の紙袋を開いてストリップに切って使用する、という企画でした。
アメリカではどこの家庭でも店で買ったものを入れてくれる同じサイズの茶色の紙袋がたくさんたまっているらしいのです。

出来上がりの作品が素朴でなかなかよく見えたので私も試してみたのですが、うちにあった新聞についてくるカタログや古い書類を使ってもなんだか気に入らなかったのです。

イギリスでは「マニラ・ペーパー」というこの、おそらく再生紙であると思われる薄い茶色の紙を使うと見栄えがけっこういいでしょう?

緩衝材としてぐしゃぐしゃと箱に詰められていたのではっきりと残る細かいしわも「アップサイクル」らしくて気に入りました。

昔、日本でおばさんやおばあさんたちが細く切ったチラシを細く長く硬く巻いた棒でカゴを編む手芸が流行っていましたっけ。
ちゃんとした「カゴ編み」で、しかも技術が高度で感心したものでした。
それでも作品のほとんどは「ペン立て」「状差し」「造花用の花瓶」のような、やはりたくさんあってももらっても困る品ぞろえの小品ばかり、チラシの写真や文字が丸見えでいかにも「再生」っていうところが若かった当時の私にはなんだか悲しい印象だったのですが......

今はもう、「再生」こそがエコロジカルでおしゃれなコンセプトなのです。

細く長く巻いた再生紙の「カゴ編み」、ちょっと見渡せば今も世界中で盛んなようです。
「アップサイクル手芸サイト」でも見かけました。
発展途上国では、果物かごやショッピングバッグなど「再生」まるわかりで、しかもなかなかステキなプロの手づくり商品を売って生計を立てているコミュニティーもあるようです。

茶色い紙はまだたくさん残っています。
別のサイズのカゴをもう一つ、二つ作ってみてもいいと思うのですが、紙がなくなったらもうやめにするでしょう。
材料を集めてまで続けたいとは思えません。

編み物のように奥が深くはないのです。

夫と息子は、役に立たないものや時間や手間がかかるわりにはアリガタミがないもののことを形容するのに、「お母さんのカゴ編み Mum's paper basket weaving のよう」という表現を好んで使うようになりました。








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料理をなまける!段取りが悪く食材が底をついてきた買い出し前の週末のイギリス伝統の家庭料理(冷凍食品)

2021年02月21日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
昨日は料理をなまけました。


スーパーマーケットで買ってきた出来合いの冷凍のパイ。

もうストックポート日報に何回も載せている......


顔のあるチーズ&オニオン・パイchees & onion pie

毎回、表情や顔の造作が違います。

チーズ&オニオン・パイはベジタリアンの夫の大好物です。
「肉モドキ」の類ではなく、ベジタリアンが食べてもだいじょうぶな、昔ながらの伝統の食事パイの一品です。
やわらかく煮込んだタマネギとアツアツのチーズソースがトロンと入っています。

ベジタリアンではない息子もチーズ&オニオン・パイを食べたいと言ったので、しかつめ顔をふたつ並べます。


しかつめ顔はオーブン調理された後、ニガ笑いに変わりました。

長方形のはコッテリしたステーキ&キドニー・パイ steak &kidney pie 、私が食べました。



ステーキ&キドニー・パイにもすっとぼけた顔があります。

もちろん「顔」ではなくて、目印に各種パイの区別がつくよう表面につけた刻み目なのです。
うちでよく食べるチーズ&オニオン・パイが一番人間らしい表情豊かな顔を与えられているようです。

パイ2種類をオーブンに入れて30分、冷凍のグリンピース garden peas と輪切りにして煮たニンジンが付け合わせです。
炭水化物は柔らかくゆでてつぶしたジャガイモ。
私が昨日の夕食に調理したのはニンジンとジャガイモだけでした!

冷蔵庫がそろそろカラッポです。

ジャガイモは芽が出かかっていたのですが、深くえぐって何とか使い切りました。
スーパーマーケットに1週間分の買い出しに行く前はたいてい冷凍食品を夕食に出し、ついでに買い込む冷凍食品のリスト作りもします。



ステーキ&キドニー・パイはイギリスの庶民的な伝統料理の代表として挙げられる一品!
ウシのステーキ(肉片)と、刻んだキドニー(腎臓)がたっぷり入っています。
そのまま食べると硬くて不味い部分のステーキが濃いグレービーでトロトロになるまで長時間煮込まれています。
家庭で調理するのはちょっとめんどくさいのではないでしょうか。
私は試したことがありません。

この Holands 社の冷凍パイ各種は、フィッシュ&チップス店で食べられます。
パブでも美しく盛り付けた自家製パイ各種(日によって違うことがあります)が食べられますが、店内で飲食できるスペースのあるフィッシュ&チップス店でパイを食べてみるというのはいかがでしょうか。
お手頃で思いっきり庶民的な「イギリス生活実体験」が満喫できること請け合いです。

付け合わせにマッシィ・ピー mashy peas(塩ゆでしてつぶしたウグイス豆)とチップス chips(太い短冊切りのポテトフライ)がおススメです。
チップスにはテーブルにおいてある赤茶色のモルト・ビネガー malt vinegar (麦芽酢)をたっぷりかけましょう。


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パンデミックで交通量が減っているイギリスの道路で今日もどこかで工事が進行、単刀直入!工事中の表示

2021年02月19日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
コロナウィルスのパンデミックが始まってから、確実に道路工事が増えたような気がします。





....といっても私の行動範囲は非常に限られているので、どこもそうだとは言い切れないのですが。

外にでるたびに私が行く先々で、工事中の標識を目にします。



3月に始まった1回目のロックダウンが緩和される段階で、最初に再開されたのが建設現場でした。
屋外作業なので比較的安全、とみなされたためでしょう。

それ以後、建築や改装、道路の舗装や、ガス、水道、電信などの補修工事をどこに行っても見るような気がします。

家で仕事をする人が増え、店や飲食店、教育機関まで閉鎖している今、交通量は圧倒的に減っています。

年末にパンデミックが始まって以来1度だけ行ったストックポートの歴史的景観を保存するエリアでは広範囲に及ぶ補修工事がすすんでいました。





(上の2枚は以前の記事に載せた写真です)

とにかく人があまり出歩かない今、工事決行の絶好のチャンスなのかもしれません。

私がイギリスに来たばかりの30年前、週末は工事作業がたいていどこも休みでした。
自家用車で通勤する人がとても多い(地域にもよりますが)イギリスでは平日の、工事が引き起こす渋滞のための経済的損失はちょっとしたものだったはずです。

日本人の私など、その話を聞いて「工事は交通量の少ない週末にやればいいのに」と不思議に思ったものでした。

今では、週末、休日にも工事をしています。(やはり地域によるのかもしれませんが)


片側を溝のように長く掘り起こしているこの工事は、ガス菅か水道管の補修だったように思います。

片側の車線が通行止めです。




臨時に設置された信号のずっと手前で対抗する車線の車が通り過ぎるのを待ちます。
通常のラッシュアワーにはかなりな渋滞を引き起こすはずです。
50m先には大都市マンチェスターに直通の国道A6があります。

信号の代りに「とまれ STOP」「すすめ GO」と書かれた丸い標識を持った工事関係者が立っている道路工事現場もあります。
流れの方向ごとの交通量や状況に合わせて臨機応変に止めたり進めたりできて便利です。

上の写真2枚と同じ場所の反対側から撮った写真です。


「片側車線を閉鎖 single file traffic」標識の、車線を表す黒い線のふさがれている側が左になっています。



去年の春に日本に行った時に撮った写真です。


エスカレーターの点検中でした。

これは道路の拡張工事中の柵....


ちょっとかわいい.....お腹を串刺しにされた作業員。
一列に並んで目を伏せて「工事でご迷惑をおかけしますがご容赦ください」と道行く人々にお詫びしているんですね。

日本ではとにかく文字やイラストが描かれた看板や表示がめちゃめちゃ多い、ということを以前にもくどくど書いたのですが、お詫びの表現も白熱しているように思います。
写真を撮ってこなかったのが残念ですが、深々と頭を下げてお詫びする作業員のイラストがどこの工事現場にも必ずあります。


去年書いた日本の看板、注意書きに関する記事のリンクです☟(工事とはあまり関係ありませんが)

日本で見かけた文字の羅列、フトドキ行為、許すまじ!景観を犠牲にする意義と効果はいかほど?


電車内での通話が他人にとって迷惑な日本ではあまり必要とも思えない車内アナウンスがひっきりなしに流れている印象...他

イギリスの工事現場では法定のシンボルと、決まりきった簡潔な「事実の表示」と「指示」しか目にすることはありません。


昨日うちの近所の道端に、電信関係の補修工事の準備のための囲いがおいてありました。


よく読んでみたら小さく書かれたお詫びの一文がありました。
「We apologise for any inconvinience caused 不都合の件、お詫びします」

お詫びする作業員のイラスト看板などどこにもありません。
仕事をしている作業員が謝らなければならないいわれなど、まるでないように思われます。

たしかに工事による交通止めはかなり迷惑ですが。


パンデミック前に、建設ラッシュのマンチェスターで撮った夜間も続くビル建設工事の写真です。









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春が待たれる、イースターはまだ40日も先、キリスト教の行事は口実、夕食にしきたり通り甘いものを食べまくるパンケーキの日

2021年02月17日 08時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
今日、イースターまでのキリスト教の節制期間、レントLent が始まります。
キリストが復活するおめでたいイースター Easter までの40日間、肉、卵、乳製品、甘いものを断ち、キリストの受難のことを思い自己の過ちを悔いあたらめる期間です。



信仰のない私たち家族にもうちのネコ、ティブにも全く関係のないしきたりです。

他のおおぜいのイギリス人と同様、昨日のパンケーキ・チューズデイ Pancake Tuesday は祝いました。

翌日からの節制期間を前に家にある脂、卵、乳製品を食べきるためにパンケーキを焼いて食事がわりに食べたのが起源です。
今ではレントを実行するのはごくわずかの熱心で敬虔なキリスト教徒の家庭に限られるはずです。
パンケーキ・チューズデイは甘いものを食べまくる楽しい伝統の習慣として今でも信仰とは無関係に多くの家庭で実行されています。

スーパーマーケットでインスタントの「バッター」を買ってきました。


ためしに使ってみたかったのです。

プラスチックのボトルのラベルに印刷された線まで水を入れてよく振ると、ゆるめのバッターの出来上がり。

座ってスマートフォンを見ている息子に振ってもらいました。
「そんなにゆるゆる振っても混ざらないってば!」と注意したら「やさしく振るようにって書いてある」と言い返されました。
その通りなのですが。
いつまでたっても混ざりません。
底のほうに白く固まったままの材料が振っても全然動きません!
私が長い菜ばしを突っ込んで激しくかき混ぜてやっと混ざりました。

パンケーキ専用のフライパンがあるのですが、うまくひっくりかえせません。

パンケーキをひっくり返すのが好きだという夫が引き継ぎ、パンケーキ焼きを引き受けてくれました。





9枚焼けました。
3人で、1人3枚。

1枚ずつ焼き上がり次第、代わりばんこに食べていきます。
夫が食べている間、私か息子がフライパンの番をしました。

最後のほうになるとフライパンにくっつきやすくなって、やっぱりひっくり返すのが困難に。



「この写真も撮れ」と言われたので上のぐちゃぐちゃのパンケーキの写真を撮りました。
(これも数に入っています。見かけによらずおいしかったですよ)

バターをのせてレモンを絞って巻いて食べます。


砂糖をかけるのも人気です。

なんだか春巻きみたいですね。
あまり見栄えがしません!

バナナ、ナッティラ、ゴールデンシロップ、ピーナツバターなど、かけるものにもバリエーションがたくさんあります。




ヴァレンタインズ・デーと平行して販売促進が展開される、スーパーマーケットにとっては関連商品を売る大きなチャンスです。

パンケーキと、スーパーマーケットで買ってきたアップル・クランブル apple crunble まで夕食に食べました。


アップルパイのなかみに、同じ量の砂糖とバターと小麦粉を練ってこってりした口当たりのボロボロの「皮」をのせたパイのようなお菓子です。
必ず、アイスクリームや生クリームなど乳製品といっしょに食べられます。

私はプレイン・ヨーグルトといっしょに食べました。


とにかくイギリスでは食事の代りに食べられるだけ甘いものを詰め込むのがパンケーキ・チューズデイです。
翌日からの辛気臭いレントを迎えるにあたって甘いものと美味しいものの食べおさめ....

甘ければ甘いほど、くどければくどいほど!後利益がありそうです。

......いえ、私の家ではレントなんてやりませんが!!

3年前の、上の息子と当時のガールフレンドがうちに来て準備をしてくれた豪華なパンケーキ・チューズディについて書いた記事のリンクです☟
(うちでよく使うレシピ付き)

ぜいたく食の食べ納め!子供たちに大うけの、年中行事、宗教的起源はただの言い訳、パンケーキが食べ放題の日

https://blog.goo.ne.jp/stockport/e/f742eb741acc4b1ad1b46f38f0c71ef2
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ワクチンの副作用?不調で寝込んだ夫とそれでも祝ったヴァレンタインズ・デー、好評だったバナナケーキのピーナツバターいり

2021年02月15日 08時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
昨日のヴァレンタインズ・デー Saint Valentine's Day のために.....


前日、バナナ&ピーナツバターケーキ banana & peanut butter cake を焼きました。

バナナ・ブレッドは夫の大好物です。
ピーナツバターも大好きな夫のために新しいレシピを試してみました。



ところが夫は昨日は1日、調子が悪くて寝ていました。

腹痛があったそうです。
微熱もあったかもしれません。
前日、土曜日に打ってもらったコロナウィルスのワクチン(第一回目)の予想された副作用だったのかもしれません。
あるいは土曜日の夕食に出した、ソーセージ・キャセロール(夫には特製、ベジタリアン・ソーセージを使用)がお腹にやさしくなかったのかもしれません。


バナナ&ピーナツバター・ケーキはベッドにもっていって2人でヴァレンタインズ・デーを祝って食べました。


朝食と昼食は抜きましたが、ケーキと紅茶はお腹におさまりました。

ご心配なく、夕食にはおりてきて、ご飯とシャケの塩焼きとお味噌汁のあっさりした和食を私たちと一緒にとりました。
食欲がまだ戻らず、シャケは半分残しましたが、午後のティ―タイムにベッドで食べたバナナ&ピーナツバター・ケーキがおいしかったそうで、食後にもうひと切れ食べました。

高級スーパーマーケット、ウェイトローズ Waitrose のレシピです。

バター 150g
砂糖(薄い茶色でしっとりしたもの light brown soft suger がおススメ) 150g
セルフ・レイジング・フラワー self-raising flour  300g
卵 2個
長めの熟れたバナナ(細切れにしたもの) 3本
ピーナツバター 75g
ベーキング・パウダー ティースプーン1杯......

細かく切ったバターを砂糖とよく混ぜたあと、他の材料を混ぜながら加え、型に入れオーブンで180℃で50分から1時間焼きます。
私は電動の撹拌機を持っていないので、テレビを見ながら木べらで時間をかけて混ぜます。

セルフ・レイジング・フラワーというのはベーキングパウダーが均一に混ざった状態で売られている小麦粉(薄力粉)です。
ほとんどのイギリスのお菓子作りのレシピにはセルフ・レイジング・フラワーが使われています。

1カップ(125g)の小麦粉にティースプーン(3g)1杯の割合でベーキングパウダーが含まれているそうです。

バナナ・ケーキ、バナナ・ブレッドが最初に作られたのは1930年代のアメリカ合衆国だそうです。
イギリスでも大人気のレシピです。

ピーナツ(モンキーナッツ monkey nuts とも言います)とバナナの組み合わせ、なぜかどちらもおサルの大好物....
ピーナツ・バターをくわえることによりアメリカっぽさが増しました。

左は夫が私に、右が私が夫にそれぞれ贈ったカードです。


夫は毎年、「隠れた崇拝者 seacret admirere より」と見え透いた匿名でヴァレンタインズ・デーのカードとプレゼントを贈ってくれます。
今年もらったのはクッションです。
いつもなら朝、食卓の上に置いてあったりするのですが今年は14日に日付が変わった深夜「こんなものが届いていた」としらじらしいことを言って渡してくれました。




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むやみに寒い週末の午後、体調が心配だったうちの夫が待ちに待ったワクチン接種、これで少し安心できる(か?)

2021年02月14日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
夫が昨日(土曜日)1回目のコロナウィルス・ワクチンの接種を受けました。


水曜日に、NHS(国家保健省)からテキスト(電話回線のメール)を受け取り、指示通り時間の予約をしました。
場所は選べないようです。

グレーター・マンチェスターとチェシャーの州境にあるマンチェスター・ラグビー・クラブが指定された接種会場でした。
家から車で15分ぐらい、すぐそばのケアホームで働いていたことがあります。

懐かしいエリアです。
門の前をよくとおったものでしたが、ラグビー・クラブに入ったのはこれが初めてです。


ラグビー・クラブの看板が出ているバス道から門を通って細道を入ったらこーんなに広大なグラウンドやら、公園やら、何に使うのか不明の空き地がいっぱいあるなんて!
....知りませんでした。

スカッシュ・クラブとクリケット・クラブも併設のようです。







ものすごく寒い日でした。
日が照らず、風が強かったためもあります。

クラブハウスの裏側の、白いテントを通って接種会場に入ります。


ただついてきただけの私はもちろん中に入れません。

こちらが、車をとめた広大な駐車場のある表側です。


接種を終えた人はこちらから出てきます。


駐車場の凍結に備えて、ビニール袋に入った塩が用意されていました。



待っている間にちょっと見物しました。
(車の中にいても寒いのです!)

ラグビー場はここのようです。


12月はじめに世界に先駆けて始まった英国の接種プロジェクト、もう全人口の20%弱にあたる1400万人以上の人が少なくとも1回は接種を受けています。
全人口を危険度に応じて細かく段階分けしています。
10段階(10グループ)までは50歳以上の「優先グループ」とされ、危険度の高いグループから接種をすすめています。

上位グループの内訳は:
①ケアホームの入居者と職員 ②80歳以上と医療従事者 ③75歳から79歳まで そして今週中に、④グループの70歳から74歳までの人と、重症化しやすい非常に重篤な基礎疾患のある 人への接種を完了する予定のようです。

上記のカテゴリーには出て来ない、50代前半のソーシャルワーカーの友人は1月中に2回目の接種を完了したそうです。
問題のある家庭を個別訪問している「エッセンシャル・ワーカー」ですから。

学校の先生や宅配員なども順位を上げる話も出ています。
職業や年齢、健康状態などいろいろな要因も考慮して、国家の管理下で公平に優先順位がもうけられているはずです。

夫は60代前半ですが免疫力が低いので4番目の危険度に認定されています。

(必ずしも前の段階のグループのすべての人が終えてから次のグループにうつる、というわけではないようです。まだ75~79歳の接種が終わっていなくて、次の段階の人たちと並行しておかなわれている地域もあるみたいです)

50代で健康に特に問題のない私は第8段階、4月までには通知がもらえそうです。

指定の時間の5分前に入った夫は予定時間を20分も過ぎて出てきました。

受付をすませた順に予約時間はほぼ無視で注射をするテーブルに誘導されたそうです。

接種後15分間は運転してはいけないそうなので、私が運転してかえりました。(そして、違う道を通って帰ろうという私の発案で道に迷いました)

1人で運転してきた人は、接種後30分ほど一休みしてから帰宅するよう言われたそうです。
座って休むスペースが用意されていたそうです。

いちばん最初の写真は、接種後読むリーフレットと、第1回目の接種が終わった「認定書(カード)」です。

3か月後にもう1回受けて接種完了。
同じ会場であることが多いそうですが、私の接種の時も同じ場所かどうかはわからないそうです。

オックスフォード大学の研究所が開発したアストラ・ゼネカ製のワクチンだったそうです。
もうすぐ90歳になる夫の父は年末にファイザー製のワクチンを拒否して、2週間後に希望したアストラ・ゼネカを接種してもらいました。

あら、希望が通るのね、と意外に思ったものですが、今回夫の時は当日会場に行くまでどちらが入荷するかわからなかったため、その場で好き嫌いを言える状況ではなかったそうです。

実際こんなに早くに打ってもらえて、大助かりです。
どっちでも全然かまいません。
最初の1回で、かなりな効き目が期待できるというらしいですし。

効果が表れるまで2週間ほどかかり、また、だるさ、微熱など心配するには及ばない程度の軽い副作用があるかもしれません。


会場で手渡されたというリーフレットによると.....。


二回の接種が完了しても、やはりコロナウィルスに感染して他の人にうつす可能性が完全になくなるわけではないようです。
接種後もコロナにかかることがあるかどうか「わからない」と書かれています。
その可能性はかなり低く抑えられることが期待されているようですが。

症状を抑える、あるいはたとえ発症しても軽症ですむというのがワクチンに期待される効果なようです。

(まだ接種を受けていない)他の人を守るために、ソーシャルディスタンシングとマスクの着用と手洗いを続け、ガイドラインに従って感染予防策を実行しなくてはなりません。

日本人の、少なくとも高齢者と重症化する可能性の高い人たちへの接種が完全に終わるまではオリンピックは無理ですってば....!
たとえ海外からの入国者すべてに接種を義務付けても、です。

「Go to」とやら言う政策の再開も無茶ですよ!

6か月後にはウィルスがより強力な変異種に進化している可能性もないわけではない(ワクチンの効果が薄れる)そうですし。












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おなじみの近所の商店街に見る、イギリスのロックダウンの規制とマスク着用の実行度

2021年02月12日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
イギリスでは異例の寒さが続いています。
スコットランドの北部の町では記録破りのマイナス23℃!



それでも晴天続きです。
ロックダウンのさなか、出かける場所は限られています。
スーパーマーケットと、コンビニエンスストア、それと近所の商店街ぐらいです。

この商店街にはなぜか多い理・美容院、フェイシャル、ネイル、日焼けサロンといった「ビューティ産業」はすべて閉鎖です。
2軒あるチャリティショップも閉まっています。



生活必需品(医薬品、食品、それに衛生用品)を売る店以外、閉まっているはずなのですが、今回3度目のロックダウンの規制はかなりゆるいのです。

最初の時と違い、2度目(秋に、クリスマスまでに感染者数を抑え込む目的で決行した短期決戦ロックダウン=効果なし)と今回のロックダウンでは生活必需品以外のものを売る店が「クリック&コレクト click &collect 」営業を許されているのです。
「クリック&コレクト click &collect 」というのは、オンラインで購入(支払い済み)したものをとりに行く客だけがひとりずつ店に入ることができるシステムです。

医薬品、衛生用品を売る薬局はもちろん普通に営業しています。


パン屋もしかり。


小さい店では一度に1人のみなど、人数制限があるので店の前ではたいてい誰かが順番待ちをしています。

空き家になったとなり2軒の店舗スペースを確保して手広く営業している人気のカフェの前にはいつでも人がいます。


カフェやレストランは「テイカウェイ takaway (持ち帰り)」営業が許されています。
店内での飲食はできません。

決して広くはない歩道にかたまっている、店に入る順番を待っている人がたちの間を抜ける時 けっこう不安になります。

今日の話題はフェース・マスクです。

イギリスでも夏以来、店内でのマスク着用はすっかり習慣として根付いていますが、屋外でマスクをしている人はやはり本当に少ないのです。
入場制限のある店の前でしゃべりながら待っているほとんどの人たちはマスクなしです。

自分の番がくる直前にマスクをするのかな。

している人がいないわけではありません。
冬には防寒にマスクをしている人もいるかもしれません。
商店街ではいくつもの商店を出たり入ったりするたびにつけ外しするのが煩わしいので買い物が終わるまでつけっぱなしにしておく人もいるでしょう。

日本にいた時にも(小学校の給食当番の時以外)マスクをしたことがない私も、この頃は外出の際マスクをしています。
湿った息がこもるマスクをしていると、冬には乾きがちな唇が潤って調子がいいのです!

.....それはともかく、
「感染者数を抑え込んでいる東アジアの国々のようにマスク着用を徹底した方がよくないか? そのためには屋外でも法制化した方がよくないか? すでにそうしているヨーロッパの多くの国々に倣ったほうがよくないか?」という疑問が イギリスでもたびたび出てきています。

そのたびに政府医療公報担当者は「その必要はない」と否定しています。

たしかに、法制化すれば取り締まらなければならないなど面倒なことが目に見えています。
屋外では感染の可能性がけた違いに低いらしいので、それだけの面倒なことをする意味はないと結論づけたのだと思います。

パンデミック初期の中国ではすべての人がマスクをしていたにもかかわらず、感染者の数は増えるばかりだったでしょう?

中国は都市の徹底した封鎖と感染者の特定、完全な囲い込みで収束に持ち込んだのであって、マスク着用を徹底したためだとは思えない(たしかに一因ではあったでしょう)....というのがマスクをする習慣を今までもたなかったイギリス人の多く(と私)の考えです。

今では「感染の可能性が高い屋内空間ではしないよりは絶対した方が良い」という認識です。
特にソーシャルディスタンシングの実行に限界がある状況では、です。

決まりだから屋内ではマスクをする、たしかに飛沫の拡散はだいぶ抑えられているらしいし…と理解した上でマスクの習慣を取り入れたイギリス人ですが、
「人と話す時にはマスクをしていたくない」理屈にあわない人がいまだにけっこういるのは確かです。
人とコミュニュケートする時に顔を隠すことに抵抗がある文化的背景が確かに.....あります。


このごちゃごちゃとしたキッチュな雑貨品を店の内外に所狭しと並べて売っている荒物屋というのか、何でも屋というのか...?


規制が非常に厳しかった1回目のロックダウン時にも店を開けていました!
生理用品や紙オムツなどの衛生用品や、お菓子やインスタント食品などの食料品も扱っているため、「生活必需品販売店」扱いで規制が適用されなかったみたいです。
入場制限もなしです。
欲しいものがあったので、ガラガラの店にこわごわと入ってみました。
イスラム教徒らしい経営者の男性がひとりでカウンターの後ろで床に膝をついて礼拝をしていました。
営業中に。

結局目当てのものは見つからずでした。

テイカウェイ営業のカフェのヴァレンタインデー・プロモーションです。


10ポンド95ペンス(1585円)のアフタヌーン・ティー、いいですね♡。
あ、テイカウェイでしたっけ。(アメリカっぽくTAKEOUT と書かれています)
紙コップの紅茶を持ち帰り?!だったら、高くないですか(自分で用意した方が安上がりです)





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今回のロックダウン以来初めての庶民派スーパーマーケット、アスダ再訪;新機軸の感染対策、果たして効果は?(徹底ならず)

2021年02月11日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢


またスーパーマーケットの話です。
本当にひさしぶりに、ストックポートのタウンセンターにある庶民派スーパー、アスダ Asdaに行きました。
3度目のロックダウン以来はじめてではないでしょうか。

食べたいものに注文が多い息子を連れて行きました。

私はご存知のように運動のためと称して近所をよく歩き回っているのですが息子には本当に久しぶりの外出です。



天気がよかったので買い物が終わった後、屋上の駐車場に出てみました。

眺めがいいのです。
私たちの車は階下(店舗の下が駐車スペースになっています)の駐車場にとめてあるにもかかわらず、です。

寒いので息子は嫌がりました。

店舗の外壁を利用した効果的な広告スペースです。


長ーいこと、たしかクリスマスの前ごろまでは1年以上前(パンデミック以前)に封切りされたハリウッド映画のポスターが貼られていました。
(映画館は去年の最初のロックダウン開始とともにすべて閉館され、段階を経た緩和の際も一度も再開されていません)

「自分が感染している前提で行動せよ / 各人が感染拡大の責任を自覚せよ / 規則を守って感染拡大を阻止せよ(意訳)」という単刀直入な標語が効いているコロナウィルス対策のポスターに貼り変えられていました。

店内で買い物に使うショッピング・トロリー shopping trolley が整然ととめられています。


トロリーのことは日本では「カート」っていうんでしたね。

多くのスーパーマーケットはカートとカートを鎖でつないでいます。
カートを使用するため鎖を外すには使用後戻ってくる1ポンド硬貨を入れなければなりません。
盗難防止のためと使用後所定の位置に戻してもらうためでしょう。

赤いスロットに1ポンド硬貨を押し込むと、前のカートからのびて差し込まれている鎖がガチャンと外れる仕掛けです。


使用後、前にとめてあるカートから下がる鎖の先端を自分のカートの差込口に押し込めば、コインがポロッと押し戻されてきます。

アスダはパンデミック発生以来この1ポンド硬貨の一時預かり方式をやめています!
カートどうしつながれることなく、鎖はだらんと下がっています。

ちょっと前に、もうちょっと高級目のイメージのある別のスーパーマーケット、セインズベリーで撮った写真があります。


セインズベリーではパンデミックの今でも1ポンド硬貨の一時預かり方式を続けています。
1ポンドコインを入れたスライダーを右にカチンと押し込めばやはり鎖が外れます。

8年前のロンドン・オリンピックの頃から政府が積極的に進めているというクレジット化ですが、特に年配の人など一定数の人たちは現金を手放すことはありませんでした。
それが、コロナウィルスのパンデミック以来あっという間に現金払いが過去のものになりました。
もうお財布に現金を入れて持ち歩いている人があまりいないイギリスです。(もちろん皆無ではありません)

アスダは、会計時に返金されるこれまた一時預かりの2時間1ポンドの駐車料金を徴収するのもやめました。
ロックダウンのあいだだけでしょうけど。

誰がさわったかわからない現金のやり取りを少しでも避けるためです。

セインズベリーでは全国規模のナショナル・ロックダウンが始まって以来、入店する客の人数を厳格に制限しています。
入り口と出口に立った係員がアイパッドを使って差し引き人数を集計しています。

マスクをしていない客は入店を断られるか,あるいは入ったところにあるカウンターで10枚セットの使い捨てマスクを購入するように誘導されます。

そう言えば、アスダではチェックなしで素通りでした。(私たちは階下の駐車スペースから店内に直通のエレベーターできました)

冬の晴天と白い雲、遠くの林や丘の上の教会の周りの古い街並みを一望して楽しみたかったのですが、息子が寒いとぐずるので店内に(再び!)戻ることにした際、入り口で見かけた....


人との間隔を2mとれ、マスクの着用が必須、等どこの店でも掲げているコロナ関係の注意書きポスターと、より目立つところに立つ看板表示。

QRコードをスキャンして指示通りの番号を入力し、車に戻って店に入る順番を待つように、と書かれています。
「あなたの順番が来たら自動的にお知らせします。スマートフォンをお持ちでない?ご心配なく!通常の列に並んで順番をお待ちください。係りの者がご案内します」と書かれていました。

えー?!誰も並んでないし、人数チェックしてる係の人もいませんよ。
ここも素通りです。
......ガラガラの平日だったからでしょう。

それにしても、吹きさらしの寒い外で待たなくてもいい、画期的ハイテク順番待ちシステム!
週末など人でいっぱいの時には客に寒い思いをさせずに安全に少しずつ入れていくいい手段かもしれません。


階下の駐車場に戻る大きなエレベーターに乗りました。


密をさけるため、いちどにお二人様しか乗れないことになっていました!
店舗内のエスカレーター乗り場横に(パンデミックとは関係なく)小さな警備カウンターが設置してあります。
そこにスタンバイしている警備員が乗り込む人数を制限していました。

階下の駐車スペースからエレベーターで上がってきた時には、気がつきませんでした。
あとでよく見たら人数制限の貼り紙がしてありましたが。

スタッフが配置されていない階下の駐車場では誰にも何も言われなかったので、見知らぬ男性客と私たち親子が「相乗り」してきました。

安全対策を実行するなら、もっと徹底しなくては!

懐かしい!!
去年の4月に書いた、最初のロックダウンの時にアスダで買い物をした時の記事です☟
リンクを貼りましたので、ぜひ開けて読んでみてください。階上駐車スペースの眺めがちょっぴりお分かりいただけます。

ロックダウンのイギリスで営業を続けるスーパーマーケット、感染拡大阻止大作戦、店によって方針も少しちがう?

最初のロックダウンの緊張感が思い出されます。
その時はマスクをしている人はほとんどいませんでした。




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ストックポートの中心で異彩を放つ玉虫色の妖しいビル、数年前に表面加工を施された公営住宅の安全性は?

2021年02月08日 08時00分00秒 | ストックポートとその周辺
霧雨が降ったりやんだりの土曜日、近所の商店街まで歩いて買い物に出たついでに足をのばしてタウンセンターの手前まで行きました。
運動のためです。



玉虫色の妖しいビルが、ストックポートのタウンセンターを横切る国道A6をちょっと奥に入ったところに4棟、規則性なく並んでいます。
16階だての集合住宅です。

ずうっと以前にもストックポート日報で紹介しました。
(2番煎じで恐縮です)
そう、みる方角によって表面の色が変わるのです。

これはそのうちのひとつモットラム・タワーズ Mottram Towers。


裏へまわり、古い建物が多く残る、景観保存地域の Higher Hillgate という通りから「タワーズ」群を擁する集合住宅ブロックを通り抜けて、表通り、国道A6に出てみました。








離れるにしたがい、玉虫色があずき色に変化します。
見る位置によってはエメラルドグリーン一色になるのですが、この時は立つべき位置が特定できませんでした。

角度だけではなく距離でも色が変わります!けっこうスゴくないですか?!

夫も子供たちも「だからどうした?」とあまり興味を持ってくれないのですが。

イギリスではタワーブロック towerblock (高層住宅)が戦後、空爆によって破壊された都市の復興とそれまで依然としてそこら中にあったという「スラム」解体計画推進のためとてもたくさんたてられたそうです。

すべてが、低所得者を優先的に入居させる家賃の安い公営住宅です。

1950年代から70年代にかけてが最盛期だそうです。
70年代にもなれば、初期の建物の表面が黒くすすけたりひびがはいったり、コンクリート建築特有のみすぼらしさが目立ち始めます。
公共エリアが荒れ、エレベーターがしょっちゅう壊れ、治安の悪さも話題になり人気がガタ落ち。

この16階だての4棟は1963年に完成だそうです。(今 調べました)
こげ茶色のタイルで覆われていたのですが、数年前にこの怪しげな表面加工が施されたのです。

別の棟、ラトクリフ・タワーズ Ratcliff Tiwers です。




エメラルドグリーンの状態をお目にかけたくて!!

ね、A6まで出ると玉虫色を経てあずき色に変身です。


ああ、うーん....左側のもっと奥のを見てください。


(真ん中にちょこっとのぞいているのがモットラム・タワーズ です)

日本では大人気、不動産価値も高いというタワー・ブロック(タワマンっていうんですよね)、イギリスでは初期の構想を裏切って次々と取り壊されている問題建築です。
上にあげたような理由の他に、イギリス人って本当にコンクリート建築がきらいだというのも1970年代以後にはっきりしてきました。

コンクリートの外壁がむき出しの建物は1990年以来、ほとんど建てられていないのではないでしょうか。
モダンな建築物の表面はガラス張り、タイル張り、鏡面仕上げ、などツルツルしていることが多いように思います。

多くの地域では建物の高さに制限があるため、現在5,6階以上の住宅ビルが建てられることもあまりないようです。

2017年6月にロンドン、ノースケンジントンの24階だてのタワーブロック、グレンフェル・タワー Grenfel Tower の大火災が世界中の話題になりましたっけ。
一説には80人以上亡くなったとか、いたましいことです。
公営住宅の間借り人が格安で借りて法外な家賃をとる「また貸し」をしていたり、不法滞在の移民が住民登録せずに住んでいたりで、誰が火災の時いて、誰が行方不明なのか今だに完全にはわかっていないそうなのです。

イギリス人が大っ嫌いな灰色のコンクリートビルのグレンフェル・タワーがにょきっとそそり立っているのがケンジントンのお金持ちエリアから丸見えで評判が悪かったのだそうです。

そこで見栄えを向上させるために市が取り付けたピッカピカ鏡面仕上げのクラディング(外壁に貼った緩衝材)が実は可燃性の高い悪質な安物で炎を外壁伝いにあっという間に広げる原因になったのでした。

ごつごつした暗い色のはんぱにモダンだった高層公営住宅ビル「玉虫色のタワーブロック群」も、ロンドンとカーライル(イングランドとスコットランドの国境地)を結ぶかつての大街道 A6と、歴史的景観が残る Higher Hillgate に挟まれて思いっきり景観を損ねていました。

玉虫色の怪しげなクラディングの取り付けが完成したのはグレンフェル・タワーの大惨事のほんの少し前です。

大惨事のあとテリーザ・メイ首相(当時)が「国内すべてのタワーブロックの安全調査と工事責任者の責任追及、処罰を決行する」と大宣言して....600ちょっと不適格な集合住宅が見つかって大さわぎになりましたが、工事関係者の責任追及に関しては続報を聞かなかったように思います。

この玉虫4棟はだいじょうぶなのか?

はい、資材を納品した緩衝材の業者のウェッブサイトを見つけました。
「弊社が手掛けた成功例」に3色変化の玉虫色に輝く外壁がおもいっきり妖しげな4棟のうちのひとつモットラム・タワーズ の写真が使われていました。

安全規格すべてにパスしているようです!



ラトクリフ・タワーズの脇、右の隅近くに第一級保存建築!Saint Thomas's Church の鐘楼がちょこっと見えています。













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ロックダウンでもカードを送り、女性はチョコレートやぬいぐるみや花束をもらうバレンタインデーはやってくる

2021年02月06日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
スーパーマーケット、セインズベリーに週に1度の買い出しに行きました。


もちろん、ロックダウンのさなかです。

忘れていました、セイント・ヴァレンタインズ・ディ Saint Valentain's Day(バレンタインデー)!


1週間後です。

去年、2020年のバレンタインデーの時、コロナウィルス騒ぎはすでに始まっていました。
イギリスをはじめ、欧米諸国ではまだ完全に「対岸の火事」でした。

2019年末に中国でウィルスの存在が確認されて....その時は人から人への感染は起こりえないと発表されていたはずです。
2月には武漢がロックダウンになって大さわぎ。
クルーズ船が停泊、1月中に大量の中国人観光客を迎えて感染が広がっていた日本もちょっとした騒ぎが始まっていました。

去年のバレンタインデーの時、私と夫は日本にいました。
英国に戻った2月27日の感染者数はたったの14人だったのをおぼえています。
まだまだ「中国、韓国、日本など極東だけの問題」という意識でした!

それが、まあ今のこの英国のパンデミックの大惨事、なんということでしょう!?

3月23日に1日の感染者が1500人に迫り、イタリア、スペインに倣っての一斉ロックダウンに踏み切り....
緩和の時期を経て、感染者数が最大の年明けには1日6万人越え、現在は2万人台を維持している状態です。

感染力が7割高いといわれる変異株、「ケント種 Kent variant 」の蔓延、累計死者11万人越え、そして3度目のロックダウンが始まってもう1か月....!

それにしてもカードにプレゼントがずらっと並ぶプロモーションの赤い棚.、スーパーマーケットのこののんきさ...!




3回目の今回のロックダウンは去年3月に始まった最初のロックダウンの時に比べると格段に緊張感が低く、規制も驚くほどゆるいのです。
最初の時よりもずうっと状況が悪化しているのにもかかわらず、です。

職場が閉鎖されていなかったリ、同じ人となら(原則として子供やお年寄りなどの世話などのために)「サポートバブル」なるグループを形成して同所帯の人以外とも会えることになっています。

今回も夫婦やいっしょに住んでいる恋人どうしには、パンデミックなど関係なしにやはりバレンタインデーにプレゼントやカードを送りあうはずです。
飲食店がすべて閉まっているので、ロマンチックなディナー・デイトはあきらめなくてはならないでしょう。

同じセインズベリーでのバレンタインデー前日のようすについて2年前に書いたストックポート日報の記事のリンクです☟
イギリスのバレンタインデーについて詳しく書いてあります。

商業主義は日本だけではない!ヴァレンタインディ前日のスーパーにみる究極の商魂ロマンチック路線、イギリス版




イースターのチョコレートまでもう売りだされています。


ええ、まあ、毎年のことですが。

(バレンタインデーのロマンチックなギフト用品を熱心に見ていたおじいさんが、イースター・エッグの売り場でも熱心にチョコレートを見ています)



今年のイースターは4月4日です。
2か月も先です。
イースターの前には母の日 Mothering Sunday があります。


そうそう、去年はバレンタインデーは普通に祝ったイギリスも母の日とイースターはロックダウンでキャンセルになったのでした!

よその世帯の人を家によんだりよばれたりが禁止だったからです。
親戚の子供たち、孫たちにあげるはずのイースター・エッグ(チョコレート)と、母の日にお母さんにあげるはずの花束が大量に売れ残ったことが記憶にあります。

イースター・エッグは半額以下になってとにかく売り切ったでしょうが、大量の花束は廃棄処分にされました。
ゴミ処理場でブルドーザーを使って鮮やかな彩りの花が大量に山のように積み上げられていく悲しいシーンをニュースで見てしまいました。

今年のイースターのロックダウン状況はまだ予想できません。











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季節遅れのクリスマス料理、シリーズ最後を飾るモドキ製品を使ったベジタリアン版

2021年02月04日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
メリークリスマス!


これで最後です。
近所のコンビニエンスストアで半額で買ったインスタント・サシェット instant sachet (袋入りインスタント調味料)クリスマス・スペシャル版、第3弾...


ソテーした芽キャベツとベーコン Sautéed Brussels Sprouts with Bacon。
イギリスでは芽キャベツ Brusseles sprouts はロースト・ターキーのクリスマスディナーに添える定番中の定番です。

子供たちが食べたがらないクリスマスの付け合わせの定番としても知られています。

なぜ芽キャベツの英語が「ブラッスルス・スプロウト(ブリュッセルの芽)」とベルギーの首都の名前を冠しているのか気になるところです。
「古代ローマ時代に現在のベルギーあたりで栽培が始まった(出典不明)」とウィッキピーディアには書かれています。
まわりのイギリス人はこの謎が誰も気にならないようです。

昔いっしょに食事をした友達のお父さんにきいてみたら「ブラッスルスが気に入らないのならキオト(京都)スプラウトとでも呼ぼうじゃないか」といわれたことがあります。

ベーコンと芽キャベツを炒め合わせるレシピは、昔からあるようです。
雑誌やテレビで紹介されているのも目にします。

砕いたクルミや乾燥したトウガラシを試したこともあります。
フランスや「本場(?)」ベルギーではクリと炒め合わせるそうです。

昨日載せた写真をもう一度。


夫がベジタリアンなので、ベーコンとは似ても似つかない「肉モドキ」ベーコンを使いました。

見た目が気持ちわるい、いちばん最初の写真をご覧ください。
ちぎって少し食べてみました。

大豆たんぱくが主原料だそうですが、なんだか懐かしい「魚肉ソーセージ」のような食感です。
かすかに、スモークト・ベーコンのようないぶした味がついています。不味い。

ベーコン(モドキ)と、茎と外側の葉を除いた芽キャベツ(半分に切るのを忘れました!)を焼き色がつくまで炒めて少量の水とサシェットの粉末のなかみを混ぜ、弱火にしてフタをして10分....



子供が嫌う淡泊で青臭いキャベツの味がすっかり消えてなんだか複雑で濃いクリスマス風味で....おいしかったのです!

赤っぽい色はパプリカのようです。
材料一覧を見てみました。
タイム、セージ、パセリとイギリスに昔からあるハーブ類と、ニンニク、麦芽まで入っています。
クリスマスっぽい風味のもとはたぶん黒いモラセス molasses (糖蜜)でしょう。

ブランデーに浸したドライフルーツがぎっしり詰まってどす黒くて重いイギリスの「クリスマス・ケーキ」にはモラセスが使われることが多いのです。

昔からの芽キャベツとベーコンのソテーには通常コショウぐらいしか調味料を使わないはずです。
(今、レシピのウェッブサイトを見て確認しました)
ベーコンからにじみ出た風味豊かな脂と塩味が淡泊な芽キャベツに与える風味だけで充分おいしいはずなのです。

こんがり炒めてややこしい味付けをされたベーコンモドキは結構おいしかったですよ。
「せっかくのブラッスルス・スプロウトを薄気味悪い肉モドキが台なしにしている」とモンクたらたらだった夫も食べてみて悪くない、と評価を下しました。

本物のベーコンを使っていたら、もっともっと複雑濃厚でややこしい味に仕上がったのかもしれません。
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いまだに衰えない空前のベジタリアン人気を支える肉モドキ製品、モドキではない肉なしの工夫食品にも今注目!

2021年02月03日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
スーパーマーケット、セインズベリーで見つけた......


ベジタリアン向き、「ポーク・パイ pork pie 」


製品名は「4Mini No-Pork Pies」 。
「ノー・ポーク・パイ」でした、ポーク・パイではありません。

2ポンド60ペンス(373円)が 1ポンド49ペンス(213円)とかなりの値下げ、ためしに買ってみました。
(怖いもの見たさです)

買い物を袋から出して食卓に並べたまま、ベジタリアン(正確にはサカナは食べるペスカトリアン)の夫と食べてみました。



「ニセモノの肉は使われていません」と明記されています。
「肉モドキ」を使ってポーク・パイに似せたベジタリアン・スナックではなく、ポークパイと同じ形はしているものの別物の野菜スナックであることを強調しています。

驚いたことに、美味しかったのです。
やわらかく煮てつぶした緑のレンティル(レンズマメ)に天日で乾燥したトマト、ピーマン、ニンジン、タマネギが入って、塩、コショウ、ナツメグで味付けしてあるようです。

春巻きのようなインド料理のベジタリアン・サモーサ samosa のなかみ(スパイスが効いたつぶしたポテト)に味と食感が似ていました。

「肉モドキ」ではないところが夫の気に入ったようです。
植物ベースのものと卵、乳製品(それと魚)だけの食事では栄養は足りているものの、食べられるもののバラエティが限られてしまいます。
「肉モドキ」は私の勧めでいろいろ試してみているのですが、別に肉の味が恋しいわけではない夫は近頃、「ニセモノの人工的な味には飽き飽きしてきた」と言っていたところ、これは見つけものかもしれません。

イギリスほど肉を食べない食文化の外国料理と並んでベジタリアンも食べられる独自の植物由来の食材を多用したレシピがここ数年人気を集めています。
その路線と、「肉モドキ」を使ったベジタリアン向き肉製品の中間に位置するようなノー・ポーク・パイ....こういうお惣菜がこれから増えてくるのではないでしょうか。

これは本物のミニ・ポークパイ。


見た目はそっくり!



ポーク・パイはストックポート日報に何回も登場する私の大好物です。
イギリスを離れてどこかよその国で暮らすことになったら恋しくなるであろう食べ物の筆頭です。



外がさっくり、中がしっとりとした厚いパイ皮のツボにポーク・ジェリー(プリプリ固い煮凝り)でかためたピンクのひき肉が詰まっています。
産地によって実に多くの味付けバリエーションがあります。
コショウの効いた塩味が一般的です。

この一口大のミニサイズひとつでかなりお腹にずっしり来るものです。
標準サイズならひとつで充分おひるごはんの分量です。
標準サイズをおやつに食べて、ちゃんと別に食事をする人が多いイギリスで肥満が国家的大問題なのにも納得です。
動物性脂肪分とでんぷん質、それに塩分たっぷりで体にいいとはあまり思えません。(おいしいけど!)

ね、ノー・ポーク・パイとは全く違うものでしょう?


ポークパイに大きく話がそれました。

ノー・ポーク・パイを見つけた、セインズベリーの「ミート・フリー meat free」出来合い製品売り場です。


「meat free」と書かれた緑色の表示まですべての冷蔵棚がミート・フリー(肉を使用しない肉製品=肉モドキ)売り場に割かれています。
もちろん、冷凍食品売り場、セーボリー・スナック(パイなどお食事になる甘くないおやつ/軽食)、お弁当売り場にもベジタリアン向きコーナーが設けてあります。

イギリスのベジタリアン需要の高さがお分かりいただけるかと思います。
近年はベジタリアンのみならず、ダイエットや健康、それに環境!!に興味のある人までも利用しているらしいベジタリアン食品です。

ちょうど去年の今頃、熱心に書き続けたべジタリアンに関する記事の一部のリンクです☟

なぜか, 今ブーム!身近になった?それでもかなりハードルが高い完全菜食主義、ビーガン...本場イギリスでの近況

イギリスの菜食事情、昨日の続き....すっかり市民権を得たベジタリアンに現在、おしゃれなブームのビーガン考

そこで探していたものを見つけました!


肉モドキの決定版!ニセベーコン!!
いつもは冷凍食品売り場で見かけるのですが。
冷凍の、見た目ももう少しリアルなものを買って食べてみたことがあります。
ベーコンとして食べるにはかなり寂しい食品です。
健康のための代用品として利用する人も多いらしいのですが、こんなものを代わりに食べるぐらいならベーコンなんて別に食べなくてもいい、思えるぐらいのニセ度。
ベーコンを使ったレシピに使うのなら、まあオッケー....といった満足度でしょうか。

実はベーコンを使うべきレシピがあるのです。
以下次号。


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