イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

2024年07月20日 04時56分38秒 | 英国の、生活のひとコマ

国王、チャールズIII世の肖像入りのイングランド10ポンド紙幣(プラスチック製ですが)をはじめて見つけてからもう1ヶ月が経ちます。

1カ月前の記事に載せた写真の転載です。☟

その記事のリンクです。☟

君主が代わった実感、母女王の肖像紙幣に溶け込む新国王の肖像入り新紙幣を1枚だけ目撃

 

そしてその後、国王バージョンの10ポンド札を全く見かけません。

...とは言え、私は現金をいっさい使いませんから実際はもっともっと流通しているのに気が付かないだけかもしれませんが。

私が現金に触れる唯ーの機会が、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam での店番の午後半日のボランティア。

支払いは現金、カード決済が半々、いえ、カードのほうがやや多いような気もしてきました。

そして、10ポンド札を見かけた翌週に今度はチャールズIII世の肖像入りのイングランド20ポンド紙幣をレジの引き出しの中に見つけました。午前シフトのボランティアが受け取ったのでしょう。

10ポンド札同様、女王版とデザインは同じ、肖像がスルッと入れ替わっただけです。

私がまだ見ていない国王版(チャールズ紙幣)は、5ポンド札と、額面が大きすぎて生涯のうち数えるほどしかお目にかかる機会のない(受け取りを拒否する店舗が多すぎるため、事実上流通しているとはいいがたい)50ポンド札の2種類です。

そして、先週チャールズ20ポンド札をお客さんから受け取りました。10ポンド札は1か月で1枚、20ポンド札は3週間で2枚....週に2回、半日ずつ会計カウンターを任されている私が手にした頻度は多いのか少ないのか...?

 

チャールズ20ポンド札を受け取った時「あ、キング」とつぶやいた私に、手渡したお客さんは「えっ、どれ、見せて!」と驚いて、返されたお札をしげしげと眺めていました。気がつかなかったようです。

新しい肖像の紙幣の導入はできるだけスムースに、混乱は避ける...という紙幣発行元のイングランド銀行の目的は達成されているようです。もちろん、現金を日常使いまわしているその年配の女性はカード決済ー辺倒の私と違って以前にもたびたび目にしているはずですが...よく見ないと気がつかないようですね。

紙幣を受け取る店側はニセ札排除のため、慎重に細部をチェックするためイヤでも気がつきます。

...日本では受け取った紙幣のニセ札チェック、失礼すぎてお客さんの前でやりませんよね。英国では必須です。(オックスファム各店には妖しく蛍光文字がボウっと浮かび上がるハイテク・ニセ札探知機があります...ニセ札探知機について書いたずいぶん前の記事です☟)

ニセ札天国のイギリス!セカンドハンド品を売るチャリティ・ショップにまで導入された最新探知機、50ポンド札事情!

これが、おなじみ女王版、同じでしょ?

裏側は19世紀の画家、ターナーの若い頃の(実物よりも二枚目に描かれているという)自画像です。チャールズ紙幣の裏側も肖像のホログラムを除いてまったく同じです。

 

プラスチックの新発行(当時)の20ポンド札について書いた記事のリンクです☟

久しぶりにイギリスで手にした現金、おなじみハイテク技能を駆使した偽造不能なプラスチックの新紙幣、20ポンドが登場

日本では最近紙幣のデザインがー新したそうですね。流通の進度はいかがでしょうか。

「日本で新デザインの紙幣が発行された」と言ったら夫が慌てました。日本から持ち帰った数万円相当の紙幣がそのうち無効になるなら今のうちに両替しておかなくては!とのこと。「日本では新紙幣が発行されても旧紙幣は無効にならないはずだけど」と私は言ったのですが、もちろん夫はインターネットで調べました。

やっぱり、日本では無効になりませんね。

英国4国(=連合王国)のうち、ウェールズを除く3国(イングランド、スコットランド、北アイルランド)が相互流通が可能な独自の紙幣を発行していますが、どの国も新デザインの紙幣が発行されて通常1年後には旧デザインの額面が無効になります。まあ、どうせその頃には旧デザインの紙幣はどこかで回収されて目にすることはなくなっているはずですが。「タンス預金」にしている人たちはビクビクものでしょう。

このチャールズ紙幣は、「新紙幣」扱いではないようです。オモテ面の君主の肖像が女王から国王にすり替わっただけで何ごともなかったようにしずかに流通が始まりましたから。だから、女王紙幣が無効になることはないそうです。チャールズ紙幣が出回るころには回収されて姿を消すことも考えられますが、それにしても破れない、へたらない永久に新品状態のプラスチック製の紙幣をいつ、どういうきっかけで廃棄するのかが気になるところです。

日本では「諭吉1枚でおつりがくる」のような言い方があるそうですね。もうすでに「渋沢栄ーでお支払い」などと言われているとか、新紙幣の肖像の人物認識が浸透しているらしくてビックリです。私が日本にいた頃はそんな言い方はー際ありませんでしたが。

英国では20ポンド札はターナー、10ポンド札はオースティン、5ポンド札はチャーチル...だなんて知っている人はあまりいないと思います。私は紙幣について何回もストックポート日報に書いたので知っていますが!

...ただ、スコットランドや北アイルランドでは、国王/女王ではなく、日本のように偉人や文化人の肖像をオモテ面に、ウラ面は動物や建造物のイメージをつかっているため、もしかしたらイングランドより額面と人物をセットでおぼえる人はあんがい多いかもしれません。

ちなみに...信じがたい話ですが、スコットランドではイングランドの国王/女王紙幣の他に、3つの銀行が独自に発行した3セットの紙幣が流通しています。

現物写真入りの記事のリンクです☟

スコットランドの10ポンド札、ズラッと並んだ3種類揃い踏み!

見慣れないスコットランドの紙幣の奇抜なデザイン、クモの巣!角数拡大続き番号!他

 

先週、オックスファムに寄付された、タイムリーな王室本。

 

ー緒に店の本棚に並ぶ、チャールズの伝記(らしい)です。

フランス人に夏目漱石の千円札を見せたら、「これ、日本の天皇?ハンサムだね」と言われたことがあります。

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマや映画の撮影場所を提供して観光客を呼び寄せるつもりらしい、街並み自慢のストックポート

2024年07月14日 04時14分40秒 | 英国の、生活のひとコマ

水曜日に、ストックポート、タウンセンターのオールドタウン the Old Town で、テレビドラマの撮影をしていました。

実は、ぐうぜん行き当たったわけではなく、前々日(月曜日)に夫と散策に来てロケーションの準備をしていたのを通りがかりに見かけたのです。その時の写真です☟

現代的なミューラル(ラクガキ風アート)の下の部分を19世紀風の広告ビラが貼り付けられた板で隠してあります。

 

こちらは建物を取り壊したあとの工事現場を、けっこう安っぽい貼りぼて「石アーチとレンガ塀」が隠しています。Manchester Evening News紙 (後述)に載った写真を見ると、このあと壁いっぱいにやはり19世紀風の広告ビラをペタペタ貼り付けたようです。

 

制作には全く関係していなかったらしい警備の男性から「水曜日にここで1日中ドラマの撮影をする」とききだして、物見高い私は見物のため、またタウンセンターに戻ってきたのです!

18世紀から20世紀にかけて建造された古い建物が数多く残るリトル・アンダーバンク Little Underbank という細い通りです。

10年前、「観光ブログ」のはずだった創刊第1号で紹介したストックポート日報の原点ともいうべき通りです。

リトル・アンダーバンクをまたぐ古い橋、セント・ピーターズ・ブリッジ Saint Peter's Bridge の下から先100mぐらいの短い距離が撮影に使われたようです。

ここで終わり☟。エキストラの人たちが休憩していました。私は背景の坂の上からリトル・アンダーバンクに下りてきました。リトル・アンダーバンクの撮影スポットを通りさえしなければハイビズ・ジャケットの付き添い(後述)なしに現場の反対側に来ることが可能です。

そのエリアは、カメラがとらえるアングルに限ってでしょうが19世紀の通りに見えるようていねいにボロ隠しされていました。

グーグルしたら、Manchester Evening News 紙のその日の 記事にすぐヒットしました。

Netflix オリジナルの新連続ドラマ、House of Guinness というビール製造会社「ギネス」の創立者ー家の物語だそうです、配役、配信日などは未発表だそうです。

コスチュームのスカートのふくらみ具合などを見ると1870年代が舞台の設定だということがわかります。

 

 

橋の下で撮影の見物をしようと立ち止まると、何人もいた黄色いハイビズ・ジャケット(安全ベスト)を着た係の人が「通り抜けたいんですか」とていねいに聞いてきました。「いいえ、でもここで見物してもいい?」と聞くと「どうぞどうぞ」とにこやかに応じてくれました。

通り抜けたい人は、ハイビズ・ジャケットの誘導で撮影現場を通り抜けられるのがびっくりです。撮影の合間をぬって何人かの人が通り抜けていました。撮影現場の始まりと終わりのあちら側とこちら側の店は通常通り営業していたのもちょっと驚きです。

極力、地元に負担をかけまい、撮影協力地とうまくやっていきたいという方針なようです。感心しました。

マイクロフォンが追いかけてセリフを拾っていた(エキストラではなく)俳優らしい男性が2人いました。残念、見たことのない顔でした。

NetFlix のイングランド、合衆国制作の質の良いドラマには主役級の配役にテレビや映画ではあまり知られていない実力派の俳優が起用されることが多いように思います。

 

橋の横の階段を上って上のマーケット・スクエア Market Square のある丘の上にいってみたら...

 

撮影見物の特等席、セント・ピーターズ・ゲートの橋の上にはやじ馬が鈴なり...私も人のことは言えませんが、ヒマな人が多いですね。

消防車から長く伸びたホースが橋の脇の階段を通して下に降り、撮影現場の石だたみを濡らすための水を供給していました。

「ガス灯」に見える古風な街灯は、ストックポートが景観保持(と言えば聞こえがいいですが...実際は観光目的で...あざといですよね)のためにそなえつけた電灯です。どっちにしてもこのドラマの小道具には時代背景が合わないような...ガス灯は19世紀末(シャーロック・ホームズの頃)に導入されたはずですから。

 

「古い街並み保存」のためにパンデミックのさなかにていねいに敷かれた敷石とは違い、本物の(たぶん)18世紀のガタガタボコボコした敷石が残る、知る人ぞ知るこ汚い裏通りが実はあります。

月曜日の準備中の写真です☟赤い器材カートの裏手が...

...橋の上から見下ろせます。

リトル・アンダーバンクの「19世紀の商店街風景」とは別の「裏ダナのびんぼったらしい生活描写」の撮影準備が進んでいるのが橋の上から一望できました。

橋の上、こちら側は歴史ある市のたつマーケット・スクエアです。

ロケーション用のトラックがずらあっと止まっていました。

マーケット・スクエアにあるガラス張りのマーケット・ホール Stockport Market Square とその周りの古い建造物群、第ー級保存指定建築のセント・メアリーズ・チャーチ St Mary's Church, Stockport、坂下の、撮影に使われていたリトルアンダーバンク、と交差するグレート・アンダーバンク Great Underbank、マーケットスクエアと坂下のアンダーバンク2本を結ぶ、いくつもの brow と呼ばれる急な坂...それらが「オールド・タウン」と呼ばれるユニークなストックポート観光の要...らしいです。

Manchester Evening News 紙やストックポートの産業振興ウェッブサイトによると最近、ストックポートは観光地、商業地としてのPRの他、映画やテレビのロケ地としての誘致にひじょうに熱心なのだそうです。

世界的な大ヒットドラマ、20世紀初頭のバーミンガムを舞台にしたピーキー・ブラインダーズ Peakey Blinders の撮影に使われた場所を訪ね歩くいわゆる(日本で言う)「聖地巡り」の人々がストックポートにも足を運ぶという観光効果が表れているそうですし。

実際、ドラマや映画またコマーシャルでも「あ、これストックポートだ!」とわかる映像がたびたび目につきます。

 

ドラマの設定として人気の1950~80年代のレトロなドラマ、また今回のような19世紀が舞台のドラマでもじゅうぶん使える街並みがしっかりと残っています。

「イングランド北西部のハリウッドを目指す」とわけのわからないことを言っているよう(大手の映画製作会社がないだろう!?)ですが、それ、たしかハリーポッター映画のロケに使われたというリバプールも言っていましたよ!

古い街並みの壮大さと都市規模と知名度などで比較をすればリバプールとはスケールの点でドッカーンと格が下がるのストックポートですが、健闘しているとおもいます!

ただ...

リトル・アンダーバンクの橋のこちら側(メインのショッピングセンターに近い側)のサビれぶり...。

アンダーバンクの始まり(左に入ると橋があります)の...

上の写真中央空き店舗の表面に、「レンガ壁」と古風なサッシ窓(上下に上げ下げする窓)が取り付けられていることに気が付きました。

中途半端にモダンなショボいコンクリートの建物だったのですが、表面を飾り付けたみたいですね。いやもしかして、取り壊してたてなおした...?!

なんだか...ディズニーランドみたいなことをしていいのかなぁ。不正直な気がします。

街並みがステキに時代がかって見栄えがしても商店や飲食店が苦戦しているのはどこも同じです。まず空き家問題を何とかしなくては。

この件に関してまたいずれ書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

保守党が大敗、総選挙の結果、新内閣に英国の希望

2024年07月09日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

総選挙 General Election、続きです。

写真は「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝) を実行した結果、だらしなく雑草が生い茂るにまかせていたうちの庭の草刈り前後です。刈ったあとの短くなった草は日光が根元ちかくまでまで届かなかったためか意外にも色がうすく庭の緑が映えません。

投票日(もう5日も前です)の夜、午前3時ごろまで開票速報を見てさすがに眠くなったので寝ました。

夫は、別の部屋でパブに行って大勢で観て盛り上がるサッカー中継のようにインターネットゲーム仲間と最後まで開票速報を楽しんでいました。

保守党は議席を実に244も失い大敗、209議席増やした労働党の圧勝です。(日本でも詳しく報道されたことでしょう)

 

ー連の総選挙に関する記事はこれでおしまいです。

以下、以前の記事に「そのうち書くつもり」と約束したいくつかの事項です。

副首相 deputy prime minister のアンジェラ・レイナー Angela Rayner は、弱冠44歳、ストックポート出身です。

赤い服を着た写真を意図的に選びました。この人は、労働党の党カラー、赤のスーツやワンピースをとてもたくさん持っています。女性の労働党議員や候補者は政権討論会や初登院など人目につく政治イベントでは赤いスーツを着る決まりがあります。男性は赤いネクタイを着用します。保守党は、青。

 

「副首相」は、国王に任命される国家の政権上2番目に重要な権限を持つ役職ですが、正式な役職ではないそうです。今回のー連のニュースではじめて知りました。「副首相」には俸給がありません!

首相次第で、任命されないこともあるそうです。と言っても、首相不在の際には首相の任務を代行する重要な権限もあるそうなのです(特に国会での首相答弁)...よくわかりません。

このレイナーの正式な役職は「大臣 Secretary of State 」です。Secretary of State for Leveling up、Housing and Communities...地域活性化、住宅、コミュニティ大臣(?)。

弁が立つレイナーは、労働者階級の圧倒的な支持をあつめる大人気閣僚です。地元の(私がよく行くスイミングプールのとなりの)公立総合学校 comprehensive school 在学中に16歳で妊娠、義務教育資格認定試験 GCSE をうけることなく退学して未婚の母として出産。数年後、資格を取り介護士として働くあいだに活動を始めた労働組合の組織に押されて政治の道に入りました。レイナー姓の組合活動家と結婚、2児をもうけて離婚。36歳でおばあちゃんになっています。30歳の時に出産後増え続けた体重を38kg(!)落とし、しぼんだ胸を整えるため5,600ポンドかけて豊胸手術をしたと公言しています。

バリバリのイングランド北部労働者階級の訛りで政見を語ります。多くの人が「ストックポート訛りがある」と指摘していますが、私には聞き取れません。

庭奥の「デッキング」の腐り始めた上板を私が独力ではがしました☟

副首相はじめ、新内閣には女性が多く登用されています。25人中、11人。ただ、非白人は2人だけ...

大蔵大臣 Chanceller に史上初めて女性が任命されました。レイチェル・リーヴス Rachel Reeves 45歳、この人は首相と同じオックスフォード大学をでて、経済学の最高峰、London School of Economics で修士号を取得しています。

レイナーのような型破りすぎる経歴の女性が政権の中核に登用される英国はまだまだ捨てたものではない...英国に永住する決意は間違っていなかったのかも...と感慨無量です。

 

外出先から帰って来たら、庭に出るドアマットの上に見つけた立派なネズミの亡骸...☟

もし、リシ・スナクの保守党が政権に居座っていたら...

日本ではあまり話題になっていないらしいルワンダ計画 Rwand Bill / Schem という悪夢の法案が実行されるところでした。

ゴムボートで政情不安な国、貧しい国からやってきて、英国に永住するために「難民申請者 asylum seeker 」になる不法入国者をまとめてアフリカのルワンダに移送するという、とんでもなく人権無視もいいところの法案です。嘘つき前首相、ボリス・ジョンソン内閣で発案され、選挙で大敗リシ・スナク内閣で実現寸前までこぎつけた国家の恥辱案。

20年ぐらい前、民族抗争で怖ろしいことになっていたルワンダ。政情は落ち着いたということですが民主国家にはなり切れていないし、インフラストラクチャーは不十分、女性に対する性的嫌がらせが横行しているという(ドキュメンタリーを見ました)ルワンダに自国を捨ててまで住みたい難民希望者は皆無、もちろんイヤガラセです。

ルワンダに連行されるために、命がけで海を渡って英国をめざす人はいなくなるだろうという狙いです。

多くの英国民は移民が増え続けることをひじょうに強く懸念しています。たしかにすべての入国希望者を永住させれば、英国の国家自体が破綻します!

本国にいれば政見や信条などのために迫害されて命があぶないと判断されたら、国連が認定する「難民」の資格を得られて希望する国に永住することが可能です。国に送還すれば危険な目にあう人を追い出すことはできません。保守党政府は、晴れて難民認定された人々を国に追い返すような非人道的なことはしない代わりにルワンダにー生住んでもらう、何なら家族もよびよせてもいい(英国へ入国はー生涯みとめない)という驚きの非人道法案をぶちあげました!...英国は近代的な民主国家ではなかったのか...!?

ルワンダ計画が実行される(かもしれない)この国に私はー生住み続けたかったのか疑問でした。

チャールズ国王も皇太子時代、この法案が通った時に憤って、激しい言葉を発したと非公式に伝えられています。

サー・キア・スターマーが首相に就任後、まっさきにした決定が、ルワンダ計画をドブに捨てることでした。(イエィ♩!)国民が「No」と言ったのです!

 

自分が所属する政党の勝利がよっぽど嬉しいらしい夫は私にも娘にもネコにも「勝った、勝ったぞ」を終日言い続けていました。

英国に住む合法的な「外国籍永住者 indefenite leave to remein」の私ももちろんうれしかったです!

フランスの国民議会の選挙結果も意外でした。フランスも右派勢力を退けてすべての人に公平な社会を作ろうとする動きがみられます。なんだかおっかないことがおこりそうだったヨーロッパに...おおげさですが...救いが見えてきた気がします。

 

夫はサッカーのヨーロッパ杯でイングランドが準決勝に勝ち進んだことにも大喜びです。

対オランダ戦の準決勝を観戦する時に飲むアルコール0%のビールを買ってきてほしいという夫に、オランダ製のビールを買ってきてやりました(イヤガラセです)

スーパーマーケットのこのはしゃぎぶり...

私も娘もネコたちも、サッカーには全く興味がありません!重要な国際戦だろうがイングランドが勝とうが負けようが全く気になりません!

 

 

 

 

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よくない方向に向かい始めた英国の軌道修正なるか、少し希望が見えてきた総選挙の夜

2024年07月05日 05時23分21秒 | 英国の、生活のひとコマ

7月4日(木曜日)、英国の総選挙投票日、夜、テレビの開票速報をみながら書いています。

写真は、投票所 Polling Station 2か所。午後ボランティアで行った高級住宅地の中のスカウト・ハットと、うちの近所の小学校です。

朝7時から夜10時までの投票時間が終わって、すぐに開票が始まりました。

第ー野党、労働党の圧勝がすでに確定しています。

英国籍のない私は投票権がありません。

英国に移住(移民ではありません。英国籍を申請していませんから)して以来、最も重要な総選挙の行方をかたずをのんで見守っています。まあ、これを書き終わったら私は寝るつもりですが、夫はー晩開票速報を見て明かすつもりらしいです。

私(たち)にとって何がどう「重要」かというと...

移民排斥の機運におされてフランス、ドイツ、イタリアでは右派、極右勢力が躍進しているようです。他の州先進国の多くでも同じ動きがあるらしい今、移民問題がものすごく深刻なここ英国で(少し)左寄りの中道政党しかも名前がけっこうラディカルな労働党が政権に就くのは特異なことかもしれません。

まだまだ、捨てたものではない、英国。

「移民(国外から移住して英国籍を得た者)」より立場が不安定で、しかも白人ではない私たちのような非常に微妙な存在の他国籍永住者にとってはちょっとひと安心...というか、次の内閣解散までの5年間、息がつけると言ったところです。

日本の皆さんは私のように英国人と正式に結婚して永住権を得て30年以上英国に住んでいる私のような日本人が何を不安に思っているのか不思議に思われるかもしれません。

今回の選挙で議席をのばすであろう、リフォームUK Reform UK のような、露骨に移民排斥を訴える右派勢力が政権をとれば(それでも永住権を理由なくはく奪されるようなことはまだ考えられませんが...!)、「移民(外国人)でていけ」「移民(外国人)のせいで治安が悪くなった」「移民(外国人)に仕事を取られた」など、非寛容な意見を堂々と口にする人がおおぜい出てくることは絶対に間違いありません。

私たちが排斥対象として攻撃の矢面に立たされることが今からしっかりと予想がつきます。

口にするだけではなく、態度に出す人もいるでしょう。断絶と不安定な社会の到来は予測がつきます。

娘が卒業して以来、めったに足を踏み入れることがなかった小学校の正門です。☟学校はもちろん休校です。投票所に使われているのは「ジュニア・スクール (8歳~11歳まで)」の講堂だけなんですけどね。

 

現在の英国は、30年前マンチェスターの大学に留学していた私が「ー生住みたい」と思った素晴らしい国ではなくなりつつあります。間違いなくブレクシットBrexit  (英国のEU離脱)決定の頃あたりから、英国至上主義(他の国はどうでもいい)や「移民や(たとえ英国民であっても)その子孫、ウザい」という差別主義的な意見を口に出してもいいと思うような人が増えてきたように思います。

投票所の講堂入り口に立っているこの男性は、この選挙区で優位な政党リブデムス Lib Dems (自民党 )のボランティア運動員です。日本では考えられないのですが、投票を終えた人に集計予想のために、だれに投票したか聞きだしています。

私が素晴らしいと思った英国は他民族が融合し、お互いの文化や価値観に敬意を払って共存する自由で民主的な国家だったはずなのですが...

小学校の正門から入って、裏門から出ました。ふだんは登下校時以外門が閉鎖されていて通り抜けができません。

実は排斥主義的な人々(はっきり言って人種差別主義者)は昔からけっこういたみたいですね..。

ありがたいことに私はまだ個人的に差別を経験したことはなく(少なくとも自覚はありません)、じゅうぶんに英国社会に融合していたつもりです。社会全体の排斥的な風潮は、報道や身近な人の見聞きした逸話など遠くから少しずつひたひたと忍び寄ってくるようです。

...私の周りの英国人の多くも「たしかに、誰もそんな差別的なこと言わなかったし、思っていてもバレないようにみんな気をつけていたから、自分も今まで気が付かなかっただけで...いたんだよね、そんな人たち」と言い始めています。

件のリフォームUKの選挙運動のボランティアが首相のリシ・スナクを南アジア(パキスタン、インド、バングラデッシュ)人とイスラム教徒に対する最悪の蔑称「パキ」(英語では表記と発言が禁止されている言葉です)と呼んで物議を醸しました。

私はリシ・スナクが大っ嫌いですが(!)彼に対する人種差別発言は絶対に許しません。

移民の子孫であるスナクが首相になる英国を英国民は誇りに思っていいはずなのですが...

今回の選挙と、英国の社会背景について、まだまだ日本の皆さんにお伝えしたいことはあるのですが...とりあえず、おちついて(ねむくなるまで...)開票速報を見るつもりです。

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大詰めに入った英国にとって重要な総選挙、引き続きスナク首相のズレまくり

2024年06月26日 03時46分01秒 | 英国の、生活のひとコマ

...天皇陛下ご夫妻がいらしているなんて、夕方のニュースではじめて知りました。

今日の話題は総選挙 General election 2024 、7月4日木曜日の投票日まで2週間を切りました。

写真はすべて、2日間にわたって近所で撮った党員が投票する党を表明する家の前にたてる看板です。この地域は第三政党、現在は第二政党の労働党に次ぐ議席数をもつリブデムス LibDems ( liberal democrats =自民党)の地盤なのです。通常、労働党は表立った選挙活動を控えていると言われています。リブデムスが議席を取れば保守党の議席数をおさえることになりますから。実際、労働党への支持を表立って表明する家庭はこの選挙区ではほとんど見なかったのですが...今年は違います!けっこう見かけました。ロイヤル・ブルーに木のシンボルの保守党の立て看板がひとつも見当たりませーん!

ストックポート日報 3度目のレポートです。14年間にわたって政権を担ってきた保守党 Conservative Party の敗北はいまや明らかです。労働党 Labour Party の圧倒的なリードです。

14年間の失策、無策と並びスナク首相の壊滅的なリーダシップの欠如と不人気に原因があることは言うまでもありません。

保守党の公約の、必ず実現させるとスナクが確約した、実現は絶望的な天下の悪法「兵役 Natinal Service 」の義務復活案...(もう今あまり話題になっていませんが)の以下、詳細です。

18歳の男女すべてが1年間の兵役 military service か、1か月に1回、週末に(年間25日間)社会奉仕活動 civill service を強要されます。

社会奉仕活動とは医療保健サービス、介護、消防あるいは地域で要請のある活動のいずれかの,社会性の高い要するにボランティアです(兵役よりラクそう)。それにしてもすでにそういう仕事についている人はどうするのか、週末2日に無償で働けということなのか...?!

英国では一般に若者のボランティア活動は盛んです。義務として強制させられるのに抵抗のある人も多いでしょう、兵役は言わずもがな...

義務教育修了試験終了後やギャップイヤーと言われる大学の休学中に、海外でボランティアや旅行してまわるのも兵役か社会奉仕の義務が終わるまで禁止です。兵役のために休学したり職場を離れたりされたら教育界や産業界の混乱は並大抵のことではなさそうです!

多くの欧州諸国は2,000年前後に評判が悪かった兵役の義務を廃止しています。(例外やロシアの脅威から復活している国もあり)冷戦の終結後、意味がなくなったのと、ものすごい税金の無駄遣いだったそうですので。

英国を含む多くの欧米諸国では、「職業軍人」を擁する志願制の軍隊でうまく回っているようです。志願者から選抜した、やる気と素質のある少数の若者をお金と時間をかけて訓練した方が絶対に効率がいいのです!

たしかに、隣国と緊張状態にあるとか戦争中とかならなりふり構わず徴兵しなきゃならないのでしょうけど。備えあれば憂いなし、ヘタな鉄砲も数うちゃ当たると言いますし。

で、今のところ全面戦争に巻き込まれるんおそれが極端に少ない英国で、メチャクチャに税金を無駄につぎ込んで「予備兵力」を強化させる意義はあるかというと...ないみたいです、ぜんぜん。

総選挙で突飛な公約をぶち上げるのは悪手中の悪手だそうですし、スナク首相は頭がヘンになっちゃったのかと思いますよね。

有識者の解説によると、1949年から1960年まで賛否両論のもとに施行された「旧兵役の義務」の復活は、ある特定の層に強烈にアピールするそうです。ー部の高齢者と、もちろん右派の人々です。まあ、少数にウケても大した票にはならなそうですけどね。

強い印象を支持者に残して首相の座を去りたい、要するにかっこよく負けたいというスナクの意思なのでは、ということです。説得力はありませんがなんとなく納得です。

国家への奉仕精神と愛国精神を若い世代に植え付けたいというウケのいい言い方をしていますが、そのスナクは、6月6日にフランスで開催されたノルマンディー上陸作戦 D-Day 80周年記念式典の午前の部(英国人戦没兵士の追悼式)だけ出席して、午後の部(旧連合国の合同式典)を早退して帰国してしまったのです!!民放局のインタビューがあったからです。

式典後、フランスの大統領ほか、旧連合各国首脳と要人、英国王、ゼレンスキー大統領などの出席者が作戦に参加した平均年齢100歳の復員兵に感謝の意を表する歓談会がありました。最大野党労働党の党首、サー・キア・スターマーも出席して最後まで残ったようです。

それを平然とポカしたスナクの「愛国心の欠如」がごうごうたる非難のもとになりました。

こっそりとですが...「戦勝の栄光」の話はもういいよ...と思っている敗戦国の国民である私ですら、英国人ー般にとってノルマンディー上陸を果たして、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を終結に導いた連合軍兵士の功績(と犠牲)がどれほど重要だかはよくわかっているつもりです。それを欧州で戦線をリードした英国の首相が平気でポカす...?そして党内の誰もとめなかった...!?(スケジュールを管理する秘書とかいるでしょうに)

ニュースのインタビューで、長年の保守党支持者のある資産家が「スナクの判断力の欠如は首相として致命的。もう保守党には投票しない」と言っていました。このD-デイ早退事件で国民に明らかになったのは、スナクの「愛国心の欠如」よりもっと重要な「判断力の欠如」でした。問題点がやっと腑に落ちました。

ちなみに、早退してうけたインタビューで、スナクは育った環境のことで突っ込んだ質問をされました。

父は医師、母は薬局を経営する薬剤師のスナク家は裕福な「知的中産階級」の家庭です。スナクは1年間の授業料(現在)が49,152ポンド(約1千万円)もする、スナク家より上の階級の子弟が行く名門私立校ウィンチェスター・カレッジで日本の中高にあたる教育を受けたことで知られています。

「勤勉な両親は自分の教育のために犠牲を払った」といいたいがために、「必要なモノが足らず不自由した」と発言、具体的に何が足りなかったのかと聞かれ、「たくさん。特にスカイTV」と答え、大失笑を買いました。スナクの少年時代(35年ぐらい前?)、スカイTV (有料の衛星放送)が契約できた恵まれた家庭はごく少数でした...!「スカイTVがなかったなんて、なんて恵まれない子供時代だったのでしょう」という皮肉たっぷりの揶揄が飛び交っています。

発言する前に考えがまわらなかったのでしょうか。

2週間近くたった今でも「スナクとスカイTV」を笑いのネタにした数えきれないほどのミームでソーシャルメディアはあふれかえっています。

それに、労働党党首のサー・キア・スターマーとの公開討論会で国家医療保険サービスが機能不全なのは医療従事者のストライキのせいだ、とか産業が低迷しているのは労働組合のせいだとか、政府の無策の責任転嫁発言で会場からブーイングを浴びています。(どちらもYouTubedで視聴できます)

リシ・スナクの日本での評判は押しなべていいようですね。検索してみました。

来日時に広島でお好み焼きを焼いたり、靴を脱ぐ座敷での会談に岸田首相が応援している広島カープの赤い靴下をはいていったり...

そんなどうでもいい親しみやすさを日本なんかでアピールしてどうする...!?お好み焼きはこちらでも報道されましたが、赤い靴下について私は知りませんでした。

最後に、通りに面した窓に小さい支持ポスターを張った、夫が労働党員の私のうちです

前回2本の総選挙記事のリンクです☟☟

ズレた首相が率いる保守党政権、総選挙に何とかなりそうな希望が見えてきた英国の未来

英国にとって特別な意味を持つ今回の総選挙、公約と国民の意識、草が茂る庭とネコのハゲ

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒマな人が多いらしい、英国の園芸アートお茶目なタピオリー新発見

2024年06月23日 06時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

自宅から徒歩20分ぐらいの場所の閑静な住宅街を歩いていたらみかけた...

ちょっと特異なタイプのトピアリー。...以前に通った時は気が付きませんでした。

。トピアリー topiary は植木の剪定芸術です。ストックポート日報でもたびたび取り上げています。

ヨーロッパ大陸では円錐や球形など幾何学的な形を対象に配置した整然としたアレンジが一般的らしいのですが、ここ英国では16世紀ごろから、動物や結び目、グネグネした形状など手の込んだ形に刈り込んでゴタゴタしたアレンジの独自の発展を遂げたようです。

「3D(彫刻)タイプ」は時々見かけますがこの「レリーフ(浮彫)」タイプは珍しいです。

生け垣のすぐそばを歩いていてもなんかボコボコしているな...?という印象で気が付かない人も多いかもしれません。

わざわざ、静かな通りの真ん中まで出て眺めてみました。

先頭のゾウ2匹と謎めいたヨツアシ動物、一番後ろはキリンでしょうか。あるいはブラキオザウラス(シッポなし)?

剪定の腕前はたしかです。プロの職人さんの仕事でしょうか。ただし画力が今ひとつ...ほほ笑ましくて好きですが。

そうそう、この場所のすぐそばにはやはりストックポート日報でおなじみの「子ゾウの行進」の3Dタピオリーの生垣があります。この場所から5~6分、わざわざ行ってみました。

これこれ。

クルマの通行禁止の細道に沿って行進する子ゾウくんたちの輪郭が年々、はっきりクッキリしてきますが、ちょっと散髪が必要なようです。最初に見かけたのはもう、10年近く前です。

内側まで手が回らないようですが...

先頭の子ゾウくんだけ、正面から見える内側の目がうがってあります。

雨模様の、暗く肌寒い日が続いていましたが、週の半ばから晴天の英国の夏らしい気持ちの良い天気を楽しんでいます。来週あたりからまた翳るようなのですが。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

君主が代わった実感、母女王の肖像紙幣に溶け込む新国王の肖像入り新紙幣を1枚だけ目撃

2024年06月19日 22時36分26秒 | 英国の、生活のひとコマ

2枚のプラスチック製(正確にはポリマー樹脂)の10ポンド札。

上がチャールズIII世新国王、下がエリザベスII世、と肖像が違うでしょう?ついに出た、新国王の紙幣!(プラスチックですが)

デザインはそのまま、肖像の構図も同じですがよく見たらなで肩の女王の背景の「10,10,10...」のほうが、いかつい肩の国王の背景のより多く見えています。

モノグラムの「CR」(チャールズ)と「EIIR」(エリザベスII)の位置も違います。

基本デザインに変更なしなので新旧スムースに溶け込んで、気が付かない人も多いでしょう。混乱がなくて何よりです。

国王バージョン、はじめて見ました!

ボランティアでお手伝いしている、チャリティショップ、オックスファム Oxfam で閉店後売り上げの集計をしていた時、たくさんの「女王バージョン」に混ざって1枚だけ見つけました。マネージャーも初めて見たそうです。そのあと1回、半日レジを担当しましたが「国王バージョン」は1枚も受け取りませんでしたし集計の時にも見つかりませんでした。

国王の即位は2022年9月、もう2年近く前...去年のクリスマスカードに初めて新国王の肖像切手が貼られていたのを見つけてからももう半年。2023年5月の戴冠式からもう1年たっていますよね。

裏側の肖像は19世紀初頭に活躍した作家、ジェーン・オースティン。

 

調べてみました。

今月(6月)5日から流通が始まった出来立てのほやほや、他に同じく従来通りのデザインの5、10、20、50ポンド紙幣が同時に流通開始したそうです。戴冠式後まもなく「国王バージョン」の発行決定とデザインの発表があったようです。聞き逃しました(私の日本滞在中です)

国王の横顔が刻印された新デザインの貨幣も流通待ちです。(貨幣のほうは不定期にしょっちゅうデザインが更新されいろいろなシリーズが同時進行で流通しています)

チャールズ新国王の貨幣の肖像は在位中ずうっと「左向き」と決まっています。故女王の肖像は「右向き」

王国の歴史が始まって以来、英国では君主が変わるたびに貨幣の肖像の向きが右、左と入れ替わる伝統だそうです。最初のセットは草花と動物シリーズ...楽しみです!

現金を使わず持ち歩かずのカードのみの支払い生活に切り替えて久しい私が、唯ー無二の現金に触れる機会がこのボランティアの店番の仕事です。平日の日中お買い物するお客さんはお年寄りが多いためか、現金を受け取る機会はけっこうあります。現金とカードの支払いは半々ぐらいでしょうか。発行から10日後に1枚だけ目にしたのは、早いのか遅いのか...?

英国ではニセ札偽造技術の進歩に対抗するためか、10年ちょっとおきぐらいに紙幣のデザインがー新されます。そして新デザインが出回った頃、予告された後の充分な猶予期間を経て旧デザインの紙幣の流通が停止、額面が無効になります。...どうせその頃には文字通り紙製の古くなった紙幣はボロボロ...回収されて断裁されていたそうですが...

...発行されてまだ7年ぐらいしかたっていない女王バージョンのプラスチック紙幣は、今でも新品同様、パリパリのツルツル、折り目すらつきません。間違えて洗濯した時も洗濯機から完全無欠の状態でホログラムを怪しく光らせながら出てきました(体験談)。10年たってもへたらないのでは?それでもそのうち廃棄処分になるのでしょうか?

それにしても紙幣のチャールズ、老けていますね。73歳で即位した2年前の肖像画でしょうか。それに引き換え、女王の肖像は若いですよね!50代ぐらいの肖像画が使われているのでは?

オックスファムで、即位の年から現在までの女王の帽子デザインに関する本をみつけました。

図番が充実していてとても興味深いのですが、フランス語、残念、読めません!

女王の存命中、夫君エジンバラ公が高齢で公務を退いた後、代役で息子のチャールズ皇太子(当時)が母女王をエスコートしていくつかの重要な儀式に出席していました。

新聞社のウェッブサイトで見つけた、亡くなる前年の国会の開会式の写真です。

95歳の女王陛下が若見えしすぎでチャールズが老けすぎ!いっしょに出てくるたびに母と息子ではなく、姉と弟、へたすれば夫婦に見えてもおかしくない「見た目の年齢」に内心どよめいていました。

ついでです。

うちの母息子コンビのネコの威厳のない、かわいくもない写真です。

息子ネコ、ティブが成人してから母ネコ、リヴィーと顔がどっちも正面を向いていっしょに写った1年以内の写真を探すのに苦労しました。あまり仲良くありませんし。

...親子にみえません。動物は年を取っても老けて見えないのがうらやましいですね。まあ、年の差が推定2歳か3歳だというのがカギかもしれませんが。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冷や汗をかく完熟トマトと、コンビニ繁栄前の英国の町の便利な小売店事情

2024年06月18日 06時57分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

うちの近所の「コンビニエンス・ストア(コンビニ)」です。

ずっとこの場所にある、コミュニティの中心のような店です。

 

ー昨日通りかかって気が付きました!

前面ガラス壁にドカドカ貼りつけられた巨大なトマトの写真に「ぐりぐり目 googly eyes」がある!

直径3cmぐらいの巨大サイズの、中の黒目がぐりぐり動くコミカルな目玉ペア、いったい誰がはったのでしょうか。

「バンダリズム(破壊行為)」の一種のはずですが、お茶目です!

真っ赤になって冷や汗をかくトマトの表情がかわいい!

 

英国でも、営業時間の長い「コンビニ」が林立しはじめて20年ぐらいたつのではないでしょうか。

 

この店は現在、オランダ資本の国際フランチャイズ店 スパー Spa、ですが過去、数回店名と経営者が変わっています。私たちが引っ越してきた25年ほど前までは英国に昔からある新聞雑誌販売店、「ニュース・エージェントNews Agent 」でした。

新聞の宅配がー般的ではない英国では出勤前に近所のニュース・エージェントで新聞を買う習慣があったようです。

この3分の1の店内面積でスナック類、タバコ、缶入りドリンク、カードなども販売していました。となり2軒分の店舗スペースを購入して、本格的なコンビニ経営に乗り出したのが15年ほど前だったでしょうか。

私が来た30余年前の英国ではコンビニなんて見かけませんでした。大きめのニュース・エージェントや、生活必需品をカウンター内の棚に並べて売る「コーナー・ショップ Corner shop」がコンビニの機能を担っていた記憶があります。いずれも、住宅街のなかにあり、ー般の個人商店よりかなり長い時間営業していましたので、どこの町でも便利な存在だったはずです。

どちらも都市部では「アジア系(インド、パキスタン、バングラデシュ)」の移民ー家の経営が多かったようです。現在ニュース・エージェントやコーナー・ショップをあまり見かけなくなりました。それらの店の多くはコンビニにフランチャイズ参入しているようですね。

ほとんどのコンビニのガラス面が食品の写真でおおわれ、店内のようすが見えません。壁際いっぱいに並んだ商品棚の裏側が外から見えないように目隠しをしているのかもしれません。

店内が外からよく見えて開放的な日本のコンビニと違って、必要なモノもないのにフラッと入ってみたくなる雰囲気はあまりありません。雑誌の立ち読みをしている人もいませんし...

深夜に煌々と灯るコンビニ店内の灯りが暗い海をてらす灯台の明かりのような心強い存在のように思える人もいるのではないでしょうか。日本のコンビニも24時間営業が難しくなっていると、最近聞きました。

住宅街にあるこの店は夜9時までの営業です。大手スーパーが経営する、にぎやかな街の中にある多くのコンビニは24時間営業です...世の中、便利になったものです。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英国にとって特別な意味を持つ今回の総選挙、公約と国民の意識、草が茂る庭とネコのハゲ

2024年06月16日 18時03分33秒 | 英国の、生活のひとコマ

英国の 総選挙 General Election 2024、続きです。投票日は7月4日(恒例の木曜日)。

写真は以前に記事にした「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝)、実行後1か月の経過写真です。草取りと芝刈りをやめたうちの庭のボーボーぶりをご覧ください。

実行し始めた5月半ばの写真です☟

 

あいかわらず第ー野党の労働党 Labour Party が、現政権を担う保守党 Comservative を圧倒的にリードしています。思い知ったかリシ・スナク、いい気味です。

政権が2大政党の間で行ったり来たりする英国の政況が理解できない日本人もいるでしょう。前回、保守党に投票した人が今回、労働党に鞍替え...それも多数の人があっさり政見をひるがえすものだろうかって。

日本だと、自民党支持者が大挙して共産党に投票するイメージでしょうか。

たしかに、「保守」と「労働」って両極端なイメージですよね。保守党支持者はパブリック・スクール(伝統的な私立校)出身者で、労働党支持者はバリバリの労働組合活動家...みたいな。たしかにそういう人たちが基盤にはいるみたい...ですが、じっさいはそういう人たちはごくごく少数です。

特権階級でも労働者の権利のために戦う闘士でも何でもないー般の人が、候補者の人柄というより、党全体の公約などから自身の損得や国益などを考慮してじっくり選ぶことが多いようです。

今回は公共サービス、特に医療!の質の低下に国民の不満が限界に達しました。完全に無料で受けられる医療の待ち時間がめちゃくちゃ長い!

ここ20年、英国でも急激にすすんでいる高齢化のため介護問題も深刻です。

医師や看護師がしょっちゅうストライキをしていますし!国家医療サービス登録を抜ける個人経営の歯科診療が続出、歯科治療も受けにくくなっています!!パトロールの警官の減少、消防もボランティア頼み、公立校の校舎はボロボロ...等々

公共サービスの財源の税制も今回は焦点です。保守党政権は増税を抑え、社会保障や公共サービスの予算もどんどん削っていったのです。

日本では増税=悪法(搾取)みたいな考え方が一般的ですよね。

欧州ー般では、保守系政権は増税を避け、消費を促して経済発展に力を入れる傾向があるらしいです。みんながお金を使えば雇用も促進、貧乏人も減るという理屈です。そのかわり福祉や公共サービスまで手が回らない。反して、左派系の政権は増税もやむなし、そのかわり誰でも公平に恩恵にあずかれる公共サービスや社会保障に力を入れ、受けられる医療や教育などのサービスが貧富の差で違わないようにする傾向らしいです。

英国民は、待たずに診察してほしい、子育て世帯に援助を、介護を無料に、などなどのサービスを当然のように要求します。その代わりに増税は比較的かんたんに受け入れる傾向があります。日本と違って、教育や老後のために貯金する必要性がほとんどないのが理由だと言って間違いありません。

今回はどの党も「所得税からの増税はナシ」と公約しています。国民が物価高で手取りが減ることに敏感になってきているためでしょう。超富裕層に余分に徴収するという緑の党 Green Party は例外として。

現行、無税の私立校の授業料に消費税を課す、外国籍企業や国外在住の英国人が所有する不動産の家賃に特別な課税をする労働党の新税制案は、微妙に物議を醸すでしょう。多少無理してでも子供の教育にお金を惜しまない知的中流階級が労働党支持者に占める割合はけっこう大きいそうですから。退職後、国内の自宅を賃貸しして物価が安い暖かい国にー時的に移住する中産層の多くも労働党支持だそうですし。

とにかく、公共サービスや福祉を向上するには財源の確保が必須なのは国民すべてが理解しているはずです。

私は今回の総選挙まで、保守党は右派、労働党は左派、第三政党のリブデムス(LibDems =自民党)は中道派...と何となく思っていました。そんな単純なものではありませんでした。

調べてみたら、前回(2019年)の総選挙で議席を得たのは13党(多くてびっくり)。議席のない公認の党は4党。何人かいたらしい無所属候補者は前回は1人も議席を獲得していません。

興味のある方のために、政権討論会や政見インタビューなどでマスメディアから平等な扱いを受けるべき英国7大政党を書き出します。

現行の議席の多い順に...保守党(中道右派~右派)、労働党(中道左派)、スコットランド国民党 SNP (中道左派)、リブデムス(中道派~中道左派)、ウェールズ党 Plaid Cymru (プライド・カムリ、通称カムリ、中道左派~左派)、緑の党 Green Party (左派)そして議席はないものの前回の総選挙後にガンガン躍進している、英国公認党の中で最右派、ポピュリズム系の英国再構築党(?Reform UK、右派)...

スコットランドのSNPとか、ウェールズのカムリとか、そこでしか候補者を立てていないローカルな党の代表者も、ちゃんと全国放送の討論会などによばれています。どっちもウザい国家主義的な民族主義集団みたいな党名ですが、おどろくほどラディカルです。

カムリにいたっては、労働党よりも左派でした!子供の貧困を撲滅しウェールズの教育の機会の不公正を正してイングランドより教育水準をあげてやると言っていましたし、SNPはスコットランドが英国から独立したらEUにー国家として加入する、移民と共存する社会を目指すと言っていました!!

...私たちは万がー、保守党が政権にいすわったらスコットランドに移住してもいいぐらいだ...とうすぼんやりと考えているところです。現実味はありませんが。

労働党はその名のイメージに反して意外と経済重視です。党首の温厚そうな紳士、サー・キア・スターマーは「(ハマスを叩き潰すまで)イスラエルは戦争を継続すべき」旨の発言をして、国内のイスラム教徒支持者の大半を離反させました。あれだけ民間人の犠牲を出しているガザの攻撃、だめでしょうっ!?

選挙権のない私はともかく、労働党員の夫とトランスジェンダーの娘は労働党に投票するはずです。「親イスラエル」の党首に少しの疑問はありますが、保守党に政権を温存させることなど絶対にあってはならないことですっ!

「労働党に投票しよう」と書かれた党発行のポスターを通りから見えるようにに貼り付けているぐらいですし☟

朝食を食べながら紗のカーテン越しに通りをながめるのが大好きな夫がキッチンの窓に貼ったポスターがジャマだと言うので、(自分で貼ったくせに)玄関わきに移しました。植木がよく育っているのが私の自慢です。

サラサラの赤髪がトレードマークの労働党副党首、アンジェラ・レイナー(郷土の誉、ストックポート出身のギャル大臣)、スナク首相発案の世紀の墳飯公約、「兵役 National Service 復活」、ほら吹き右翼ナイジェル・フォラージ(リフォームUK党首)のイケオジファッション...そして重要な不法入国者 illigal migrants 問題 (前回、移民と書いたのは誤りです。後述します)等、書くべきことがまだあるのですが長くなって収拾がつかなくなったので、また今度。

(もう少し軽い話題をお届けした後、総選挙の話題に戻ります)

 

フサフサ茂った庭の草と息子ネコ、ティブのあざやかな背中ハゲ☟

草ボーボーキャンペーンの記事のリンクです☟

野草の生育を促進し、自然保護活動に貢献するキャンペーン(庭仕事をなまけられて一石二鳥)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ズレた首相が率いる保守党政権、総選挙に何とかなりそうな希望が見えてきた英国の未来

2024年06月15日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

英国の総選挙 General Election 2024 の話題です。投票日7月4日まで、のこすところ3週間を切りました。

2010年から14年間、政権を握ってきた保守党 Conservative Partyから、第ー野党の労働党 Labour Party に政権が移行する可能性が大ありのとても重要な総選挙なのです。

ちなみに...英国籍のない私には選挙権がありません。

英国人の夫は労働党員です。トニー・ブレア率いる労働党政府のイラクへの軍事介入に抗議して2002年に離党しましたが、左派の党首(当時)ジェレミー・コービンを支持するために、2010年に再入党しました。

テレビのニュースでは、総選挙の話題でもちきりです。

日本でも報道されているはずの英国総選挙、できるだけ日本人が知らなそうなことを拾ってダラダラと書いてみます。

英国の国会 Parliament の庶民院 (アメリカ合衆国に倣って下院と記述する日本のメディアもありますね)Commons は最長5年で解散、総選挙の決まりです。今年がちょうどその年です。今年いっぱいいすわる(予想ではクリスマスを控えた年末を避け解散は秋)こともできたのですが、内閣はインフレの抑止とG7国ダントツ1位の経済成長を遂げた成果をおぼえてもらっているうちに!と5月22日解散、総選挙を告示しました。懸念の移民の数もこのところ少なくなっているようですし。

…グズグズしていると、そのうちまたゴムボートでやってくる移民がどんどん増えちゃうかもしれませんしね。

 

英国の選挙運動は日本のそれとは全く違います。

名前を連呼の宣伝車、「本人」と大書されたタスキをかけた候補者が駅前広場で演説...なんて光景は皆無です。候補者の写真入りポスターも全く見かけません。(例外はパキスタン系候補者です。各地のパキスタン人街に限ってよくみかけます)

木の柱と板張りで自立する豪華版...

と、選挙時期になるとニュースレターとともに党員に四つ折りにされて封筒で送られてくるA4ペラペラ版の...

応援ポスターを党の支持者が自宅の敷地内の人目につく場所に掲示して士気をあおります。

夫が送られてきた労働党支持ポスターを私の了承を取って玄関わきのキッチンの窓に掲示しました。

選挙区の候補者がイベントや職場、福祉施設などを訪ねて有権者と対話して得票につなげるキャンペーンが主流です。候補者本人が1軒ずつ有権者の家を訪ねて投票を訴えるのも珍しくありません。

各党の党首はじめ、有力議員はマスメディアが主催する討論会でガンガン政見を訴えます。議員や候補者がウォーターパークに行ったりウォールクライミングに興じたり、マーケットでお買い物するなど、親しみのある人柄を演出するイベントもどんどんテレビで取材させています。

キッチンの窓の内側です☟労働党のエンブレムである「赤いバラ」のレゴをとなりに置いてみました。夕方灯りをともせば外からも見えるはずです。

 

6月14日現在、野党、労働党がダントツでリードしています!

労働党支持が42%、保守党支持が22%、(BBC調査、ハハハざまーみろ)....えっえっえっ、3位につけているのがまさかのリフォームUK党!リフォームUK党は「ブレクシット党」を改名した移民徹底排斥を訴える国内最右派の認定政党です!(ぎょっ)

いつもなら労働党、保守党と並んで3大政党を形成する、労働党に次ぐ第2野党のはずの自由民主党 (リブデムス LibDems)がなんと、4位に転落!?(次回に後述します)

国民は本当にウンザリなのです。保守党、労働党のみならずすべての党が国家保健サービスの建て直し税制の不公正の是正社会保障国防、治安の充実...そして移民問題の解決を公約に盛り込んでいます。

あと、保守党の「兵役義務」復活。スナク、頭だいじょうぶか!?(次回後述します)

以上すべてが、現状、メチャクチャ不十分!保守党、14年間、いったい全体何やっていたんだ!?

リヴィーの写真を連投したので、埋め合わせに息子ネコ、ティブの写真です☟

そして、リシ・スナクは、国民の総意(総選挙の結果)で選出された首相ではそもそもありません。

コロナウィルスによる感染症が蔓延したパンデミック期の嘘つき不誠実首相、ボリス・ジョンソンがやっとのこと辞任。そのあと就任後、経済をめちゃくちゃにしてあっという間に辞任したリズ・トラスの後釜に消去法で身内推しで就任したのです。党首は党員のみの選挙で決まります。

ボサボサ頭で見るからにうさん臭くしゃべり方ももたもたしていたジョンソン前首相と違い、パリっとしたスーツを着こなし弁舌も笑顔もさわやか、良き夫、パパでもあるらしいスナク首相にはどうしようもない持って生まれた欠点があります。

人の気持ちに寄り添えない。

億万長者のリシ・スナク。自身が政治家になる前に金融アナリストで成した資産とインドの大富豪の娘である妻が受け取る配当を合わせたスナク家の資産は...£651,000,000 (6億5千100万ポンド...1,290億7千7百34万円!!!)。サンデイ・タイムスによる英国の長者番つけ2024年版 Sunday Times UK Rich List 2024 によれば「英国の首相は英国で245番目にお金持ち、今年はついに国王(258位)を抜いた!」とテレビで話題になっていたのでした。今、その番付表をみつけて0の数に気をつけながら書き写しました...!

首相就任前後から、若い人の2か月分のお給料の値段のスーツを着ているとか、愛用のローファーがエルメスだったかグッチだったか忘れましたがドエラい高級品だったのが話題になった記憶もあります。

大蔵大臣時代、ツイッターに彼自身がさっそうと腕まくりして給油する動画を投稿しました。ガソリンの値段に関するツイートです。スーパーマーケットのガソリンスタンドでの撮影でしたが、彼自身の愛車は、新車の値段が14万ポンド(2,800万円)前後の Tesla Sモデルでさすがに高級すぎて反感を買いそうなので、スーパーマーケットの従業員所有の大衆車、Kia Rio を借りたことも揶揄の対象になったのでした。

...そんな首相が「国民のみなさん、生活たいへんですよね。お察しします」なんてへらへら発言しても「僕は困っていませんけど」という本音が表情から透けて見える気がします。

もちろん、それだけではなくLGBT への無理解、特にトランスジェンダーに対する差別的発言を撤回すらしていない、自分規準の常識でしか物事を見られない人物でもあるのです。

スナクの、今回の総選挙に向けたキャンペーンが始まって間もなくの大失態は墳飯ものでした。

第二次大戦を連合軍の勝利に導いた、1944年6月6日のノルマンディ上陸作戦80周年記念式典の英国軍戦没者の慰霊式に午前中ちょっと顔を出しただけで、午後の連合軍合同式典を全ポカしして、帰国してしまったのでした。民放局の政見インタビューがあったからです。

英国において、戦没者や退役軍人(ノルマンディ上陸作戦に参加した生存者の平均年齢は100歳だそうです)への敬意はなんだか凄い...のです。侵されざるべき神聖なことらしいのに、なんという不敬!すぐに謝罪しましたが...なんというわかっていない人なのでしょう?!

公に口に出す人はもちろんだーれもいませんが...スナクはやっぱり「移民の孫」だと失望した人は絶対にたくさんいたはずです。

対立候補の労働党首、サー・キア・スターマーはいかにも温厚な英国紳士といった容貌で、ノルマンディ関係の国内式典には勲章をいっぱいつけた従軍経験のある男女の労働党員の国会議員を引き連れて出席、「自分の家族も代々従軍して国家に貢献してきた」旨のスピーチを披露していました。

「僕は移民ー家のスナクくんちとは違いますよ」とは、まさかさすがに元人権派弁護士のスターマーが考えたとも思えないのですが...

私はスナクの唯ーの強みは「移民の孫」であることだと思います。誇っていいはずですよ。

木の柱で自立する豪華版支持ポスターは、以前紹介した季節外れのクリスマスツリーです。その隣の家の小さめクリスマスツリーも成長していました☟

長くなりますので、続きます。

スナクのヘイトスピーチに関する前回の記事です☟

国家の恥辱、英国首相のスピーチ欺瞞、ニュースで報道されなくたって言ったのは事実!

 

ついでです。おぼえる気がおこらない、英国の国会の正式名称です☟

The Honourable the Commons of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland in Parliament assembled

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野草の生育を促進し、自然保護活動に貢献するキャンペーン(庭仕事をなまけられて一石二鳥)

2024年05月04日 06時16分44秒 | 英国の、生活のひとコマ

5月1日に載せるべき話題でした。

2019年に始まって、今年で5年目の、英国の「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝)をご存知でしょうか。

私は今年初めて知りました。今年はもしかしたら例年よりメディアでとりあげられる頻度が高かったのかも知れません。地上波のニュース・チャンネル2局で報道されているのをどちらもぐうぜん見かけました。

 

近年、英国の住宅地からミツバチ、チョウ、それに野鳥が減ってきています。生息環境である自然が減ってきているからだ、という指摘は間違っていません。...と言っても街路樹や公園の木々は青々と茂っていますし、公園や住宅の庭の芝生や生垣はよく手入れされて緑が目に清々しいですし、花壇も春夏には、花ざかり。

 

プラントライフPlantlife というキャンペーン主催者によれば、手入れのされたそれら人口の自然だけでは不十分なのだそうです。野草そのものも減ってきていることにも危機感を持たなければならないそうです。

というわけで、ー般家庭の庭や公共の空き地、公園、校庭などの緑のスペースで野草(=雑草!)の生育を促すために5月1日から1か月間芝刈り(lawn mowing)と草取りをやめようというというキャンペーンなのです。キャンペーンの趣旨は町に野生の自然を取り戻すこと。

自然が戻れば昆虫や野鳥も戻ってくるはずですし地球温暖化の抑制の助けにもなるはずです。

賛成!

写真は、天気のよかったー昨日撮ったわが家の裏庭(と背中ハゲネコ、タイベリウス)です。

最後に芝刈りをしてから4週間、ボサボサと草がのびはじめています。そろそろまたしなきゃと思っていたところ、キャンペーンの話を聞きました。そうだ!うちの庭は手入れが悪いのではなく、自然があふれていることにすればいいんだ!

草花の生育が早い夏になれば、毎週の芝刈りが必要です。かなり煩わしく思っていたところでした。芝刈り、やめた!(助かった)

 

もともと、うちの庭には園芸店で買ってきてじゅうたんのように敷き詰める「芝生 lawn 」ではなく勝手に生えている「青草 green grass 」を短く刈って「芝生」に仕立てています。花の咲く雑草も以前から大歓迎。(ただし、花壇に生える雑草は抜いています。ほっておくと占領されてしまいますから)

タンポポや...

 

デイジーが毎年、咲き乱れていい感じです。

バターカップのツヤツヤした黄色い花もかわいいでしょう?

1輪だけ咲いた今年最初のバターカップ。夏には庭中このバターカップで埋め尽くされるはずです。

以上、最もよく見かけるこの3種の他にもわが家の常連雑草がたくさん花を咲かせる準備中です。

プラントライフのウェッブサイトを見つけて、活動に参加の申し込みをしました。べつに申しこまなくてもいいのですが、他の会員の活動状況や野草(=雑草)に関する知識や情報をニュースレターで送ってもらえるようです。楽しみです。

ちなみに私は活動内容を、「5月いっぱい芝刈りをやめる、その後は秋まで例年よりも刈る回数を半分以下に減らす」と穏やかな方式を選択しました。「今後いっさい手を入れない(ボーボー状態にする)」選択肢もありました。...私にはそこまでワイルドな庭にする度胸はありません。

とりあえず1か月、野放し状態にしてみます。芝刈りがめんどくさいからではなく!野草(=雑草)の生育を促して地域の自然保護活動に貢献するためです!

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好きだった!伝統の園芸アートの顔、無残!

2024年05月03日 06時25分02秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日は、快晴の1日でした。

よく通る、高級住宅街の中の大きな住宅です。

見おぼえがあるぞ、と思われた方もいるでしょう。

 

今年1月の記事、ご記憶でしょうか。

ジャガイモ頭のような顔の形状に刈り込まれたボクサスの生垣...ヨーロッパ伝統の園芸技法、トピアリーtopiary のド素人版が道行く人々の目を楽しませていました。その時の記事のリンクです☟☟☟。

特にここ英国で、凝った形状に刈り込んで人目を惹く独自の発展を遂げた(そしてほぼ廃れた)トピアリー技法についてちょっと調べて書いた過去の記事のリンクも貼られています。

高級住宅地の端正に整った前庭に原始アートか、へたっぴなトピアリー挑戦

その時に載せなかった写真です。ね?1月には確かに顔がありました。

木の葉が芽吹く春先にかけて顔立ちがあいまいにブレ始めていました。眼窩のくぼみも浅くなって、そろそろ剪定でキリっとした彫りの深い目鼻立ちを取り戻す時期では、と思っていたら...ショック!

のっぺらぼう処置が施されているその場に遭遇しました。

顔の後ろから、奥まで続く後ろ側を電動の剪定バリカンで刈り込んでいたこの人に「えー、この顔失くしちゃうのー?がっかり」と声をかけました。

会社の名前入りのポロシャツを着たプロの園芸サービス業者です。裏庭から前庭に出てきたこの家のご主人を連れてきてくれました。

高齢の紳士でした。

顔の維持は手がかかるのでやめることにした...そうです。残念だと言ったらとても喜んでくれました。そもそも、なんで「顔」にしたのか聞いてみたら...

パンデミックのロックダウン中に、息子が送ってきたナショナル・トラスト(歴史的建造物や庭園、自然景観などを維持する私営の団体)の庭園の巧妙なトピアリー・アートの写真を見て、挑戦欲に駆られてやってみた!とのこと、意欲はスゴい!

となりのポンポンがのった角錐はなんとかプロの手助けも借りて、ナショナル・トラスト所有のルネッサンス/スチュワート王朝ふうの回遊庭園にありそうな形状で維持できそうです!ご主人は「パイナップル」にするつもりだったと恥ずかしそうに白状してくれました。

ロックダウンって、2020年の夏ですね、もう4年も前!...多くの人が外出しないでできるいろいろな新しい趣味に挑戦したのでした。

 

ところで、前述の記事で取り上げた1軒おいたとなりの家の、なぞのトピアリー疑惑物件(同じくボクサスの生垣)ですが...

5ヶ月たってはっきりしました、私の盛大なかん違いなようです。もう「ゾウ」も「コビトカバ」も「カピバラ」も「張子のトラ」も何にも見えません。思うように密に茂っていないだけなようです。ただ...左側で、サボテン状、あるいは「かっぱえびせん数本」の形にまとめようというかすかな意志がうかがわれます...よね?

同じ通りの、地方選挙 byelection の投票所 polling station の看板です。この奥にはケア・ホームがあるはずです。

英国の投票日は平日の早朝から深夜まで。ちなみに英国籍のない私は選挙権がありません。

参考までに、以前の記事のリンクです。英国の投票日についてのレポートです☟

イギリスの運命を決定する重大な総選挙の投票日、病み上がりの散歩に同行した投票所、平日に全校休校の公立小学校

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怒涛の出版から1年余、ついに入手、ハリー王子の暴露本!ハリーが受け取る印税はナシ

2024年04月26日 05時23分41秒 | 英国の、生活のひとコマ

私が週2回、ボランティアでお手伝いをしているチャリティショップ、オックスファム Oxfam のマネージャーが、「これ探してるって言ってたよね?」と手渡してくれたのが、これ!

去年の1月10日に発売され、たいへんな話題になった...というか、発売解禁までの前評判(特に悪評)がすさまじかった...ハリー王子の暴露自叙伝スペア SPARE 」が、とうとう寄付されました。買いましたとも!

国王チャールズⅢ世と故ダイアナ妃の次男、サセックス公ハリー Prince Harry, Duke of Sussex が、王室に生まれ、兄、ウィリアム皇太子の「予備 spare」として遇され、充たされない少年時代を経て成人していく悲しい半生自伝だということです。内容は発売前からかなりの部分がリークされ、知れ渡っていました。

その時(発売1週間後ですが)の記事のリンクです☟。ぜひ読んでください。

内容はもう知れ渡っているハリー王子の暴露自叙伝、発売されて1週間(私は未読)

その後、あまり話題にはなっていなかったような...?

「とうとう寄付された」なんて白々しいことを書きましたが、実は3か月ほど前、店番をしていたら女性客が「これください」とレジに持ってきたのがこの「スペア」。えー、私さがしてたのに、ボランティア先の店にあったの?!

お客さんに「私これ、読みたかったの、遅かったか~」と言ってしまったら気さくなその人は「じゃあ、これ読みおわったらまたすぐに持ってきて寄付するね」と言ってくれました。(この店ではボランティアとお客さんとのなれなれしいやり取りは日常茶飯事です)

ああ、あのお客さんが読み終わってまた寄付してくれたのね。ずいぶん時間がかかったのはいろんな人に貸しまわっていたからでしょう。

ー般の人からの寄付品を売って慈善事業の基金にするチャリテ―ショップで、セカンドハンド本の7ポンド99ペンス (1、556円)はかなりの高額です。

値付けのもとになったのは、書店での販売価格28ポンド( 5,453円、誰が買うんだと言いたくなるボッタクリ価格)。ただし、リンクを貼った上の記事にも書きましたがなぜか発売当日から現在に至るまで、一般書店で「半額」の14ポンドで販売され続けています。(なぜ?)それを思えば7ポンド99ペンスは明らかに高い。

 

...もちろん私はオックスファム価格の7ポンド99ペンスで買いました。寄付ですから。それにお金は1ペニーもハリーの懐には入りません!いい気味です。売り上げは、全額、慈善団体オックスファムに。アフリカの子供が教育を受ける援助や貧しい国の少年少女を児童労働や強制結婚から救う手助けになるはずです!!

余談ですが、蚤の市や骨董/ガラクタ屋などと違って、ー般の人からの善意の寄付品を売って慈善事業の基金にしているチャリティショップで値切るのは感心できません。

「(セカンドハンドにしては)高いな」と思える価格でも、少し余分に払った金額は寄付と思ってほしいです。1ペニーでも多く利益を上げて自分たちより困っている人たちや公益性のある事業を支援するための寄付と思うべきです。私たちは無給で奉仕しているのです。余分に払った金額が誰かの私腹を肥やしているわけではないことを理解して「お買い得品ハント」も社会的意義のある楽しいイベントとして認識してもらいたいです!(良いものを安く買い、不用品の再利用、売り上げは公益性の高い慈善事業に)

「スペア」を購入後...あらら...見覚えのあるお客さんが衣類やらガラス製品やら段ボールに詰めた書籍類やらの不用品を裏口から持ち込んで、寄付してくれました。ついでにわざわざ店先にまわり、店番をしていた私のところに来て「お待たせ、ハリーの本、寄付したわよ、箱の中に入ってるから。楽しんで読んでね」と声をかけてくれました。

「えー、この本、あなたが寄付してくれたんじゃないんですか?」と購入してカウンターの下に保管しておいた私の蔵書「スペア」を出して見せました...違う人の寄付品だったようです。それにしても私が購入した同じ日に持ってきてくれるなんてなんという偶然。

 

発売1年目のハリーの本が店内に2冊。(手前が私の蔵書です)

 

マネージャーいわく、実は件の女性が買った以前にも、発売3週間後に最初の寄付があったし、私が日本に滞在していた最近の3週間の間にも2冊寄付され、棚に出した数時間後、すぐに売れたそうです。

発売から1年、購入者の本棚でほこりをかぶっていた「スペア」がチャリティショップで善意の基金として日の目を見る第2のブームが始まったのかもしれません(私の独断)

「スペア」が寄付されるたびに、読書好きのマネージャーは「評判のこれ、読んでみようか」と数ページめくってみるそうですが「ダメだ、下らん」と閉じてしまうのだそうです。文学青年だったプライドが許さないのでしょう。

 

持ち帰って、数ページ読んでみましたよ。

(閉じてしまうページを、リヴィーのお腹の肉の下に敷いておさえています)

 

「うまい!」

母、ダイアナ妃への思慕が読者の感傷にキュンとくるとても巧妙なオープニングです。文学通のマネージャーがイヤな顔をする理由がよくわかりました。一般受けを狙って成功した巧妙さ。ミーハーな私は大好きです。

アメリカでの贅沢な生活を維持するための資金作りのための出版だという評判ですし、肉親(王室メンバー!)をこき下ろして自分サイドの、同情をひくエピソード満載だとも言われていますが...ハリーはたったの12歳で最愛の母をひどくいたましい事故で亡くしたのです。母ダイアナ妃への思慕を持ち出されたらハリーへの批判もたちどころに萎える、というものです。

 

もちろんプロのノンフィクションライターが執筆したゴーストライター本ですが、執筆者のクレジットがどこにも見当たりません。

ベッドタイムに少しずつ読むのが楽しみです。407ページ、先は長そうです。

 

 

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムリがあるコロナワクチン危険説、それでも私たちのことを心配してくれている?

2024年04月24日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

平日の午後、マンチェスターに行きました。

ピカディリー・ガーデンズの、ストックポート日報ではすっかりおなじみ、おそろしく評判の悪かった、安藤忠雄デザインの打ちっぱなし壁の、取り壊しを免れてわずかに残った部分が工事用の囲いに覆われていました。(上の写真)

今日の話題は、コービッド19(新型コロナウィルスによる感染症)のワクチン攻撃運動...。

マンチェスター・ピカディリー駅から、ショッピングエリアに向かう途中の工事中の仮囲い板塀に貼り付けられた、見おぼえのある顔写真の数々...

去年、9月の週末に見かけたワクチン攻撃キャンペーンと同じ人たちがやっている「啓蒙活動」です。

その時の記事です。☟

陰謀論この世の終わり宣教人権..主張したい人全員集合、夏日が続くマンチェスターにて

前回の、皮肉を利かせたつもりの「SAFE & EFECTIVE (安全で有効)」という見出しに、今回は「NOT SAFE & NOT EFFECTIVE 」と小さな画数の「NOT」が加えられていました。

ワクチン接種後に死亡、重篤な副作用を発症、障害が現在も残る等の「ワクチン犠牲者」の写真だということです。

前回と同じ疑問が湧いてきました。この人たちの目的はいったい何?

パンデミックは完全に終わっています。たしかにコービット19は撲滅されたわけではなく、いまだに絶えない感染者がごくわずかですが死亡していますが、国家規模の無料接種はとっくの昔に終了しています。

今さら、ワクチンの危険を訴える意義とは?

「陰謀説」とやらと深いところでつながりがあったりして...?

現在もケイト・ミドルトン Kate Middleton と結婚前の名前で呼ばれることが多いケイト皇太子妃 (42歳)の写真がドッカンと特別枠で貼られています。

特別枠を分け合うのは、ファイザー・ワクチン接種後、血栓の症状に見舞われたオーストラリア人のシエナ・ノウルス、馬術競技界のアイドルだそうです(調べました)

ケイト妃は義父のチャールズ国王に続いて、ガンにかかったことを公表、誰しもガンにかかり得ることを国民に認識させ話題になりました。

誰がかかってもおかしくないガン、40歳をすぎればかかる可能性も上がります。

ケイト妃はワクチン接種を完了、2024年3月22日にガン公表、と書かれていますがまさか、ガンにかかったのはワクチン接種のせいだ...なんて言ってませんよね?言っているようなものです!

ワクチン接種シーンの写真まで挿入して、なんともあざとい人心操作!

 

友人との待ち合わせまで時間がありましたので、キャンペーン中の女性2人に議論を吹っかけてやろうかという邪心がふとわいてきました。言い負かしてやったらスッとするでしょう。

カサなしで綿のコートを着て出てきた私は雨に濡れて寒かったのです。雨に濡れながら話の通じなそうな人たちと自分が吹っかけた議論で足止めされながら道行く人々の注目を浴びるのは賢明ではない...ととっさに判断して思いとどまりました。

言い負かすなんて絶対に無理なのは最初っからわかり切っていましたし。

あとで見てみるために写真を撮っていたら、キャンペーンの女性の1人が「ハ~イ♪ これ、もってって読んでね~」と驚くほど軽いノリでA4サイズのちゃちっぽいチラシを手渡してくれました。「陰謀論(?)」の闘士のあまりの感じよさに拍子抜け。私も「ありがとう♪、あとで読むね~」と同レベルの軽いノリで受け取って立ち去りました。

これ☟(一般人編)

食卓の上に置きっぱなししておいたら、翌朝読んだらしい夫と娘が「なんじゃ、これ?」とキタナい言葉を使って反応しました。

 

...帰宅後、検索してみました。注目度の高いケイト妃のガン罹患とワクチン接種には何ら因果関係が見いだせないにもかかわらず(だってワクチン接種は2年以上前でしょ?)、ワクチン攻撃派は二つを無理やり結び付けてワクチンが、危険あるいは殺人生物兵器であるかのような証拠に使おうと必死だ...みたいな英語メディアの記述にガンガンヒットしました!!

 

顔面マヒの写真が痛々しいジャスティン・ビーバー(カナダ人のポップシンガー)と、 同じく接種後に脳内うっ血を発症したビーバーの妻のように、自分たちの悲惨な体験からワクチンの危険性を説法してまわる人たちの気持ちはよくわかります。

(☟著名人編;顔面マヒのジャステイン・ビーバーは下段左から2番目)

でも、ケイト妃本人がワクチン接種と自身のガン罹患について何も言っていないのに、この決めつけは迷惑以外の何物でもありません。それだから、ワクチン攻撃派の主張に信ぴょう性が見えないのですっ!(ちなみに、となりのノウルスのワクチン接種との因果関係に関しては専門家の意見が二分、因果関係を支持する専門家も多数いるそうです)

 

私は、ワクチン接種がなければパンデミックが長引き、より多くの人々が亡くなっていたはずだと確信しています。少なくとも、ここ英国では。なぜか感染者数が極端に低く、オリンピックまでやってのけた日本では理解してもらえないかもしれません。

世界中でワクチンを接種した何億もの人の中には、接種後、ごくわずかですがこの仮囲い塀に写真が貼られた人たちのように、何らかの命に係わる重篤な健康障害を引き起こすか死亡するかしているらしいのは理解しています(因果関係についてはすべてが証明されているわけではありません)。

コービット19に限らず、すべてのワクチン接種にはごくまれに重篤な副作用の発症や死亡する可能性があることは周知の事実です。

少なくともここ英国では、国家規模の無料接種が始まる前に、何らかの副作用が ほぼ すべての人に出る可能性が指摘されていましたし、接種会場での確認もありました。多くの人は「重篤な副作用の出るごく稀な可能性」についても納得したうえで接種を受けたはずです。

ちなみに、これも日本の人にはピンとこないらしいのですが、接種会場で手渡されたリーフレットには「ワクチン接種の目的はあくまでも重症化する可能性を大幅に下げることであり、感染を防ぐことではない(接種後も3分の1の人は感染する)」と明記されていました。(実際は3分の1以上のワクチン接種者が感染しました)

...くりかえしますが、それでもあの時はやるしかなかったのがワクチン接種です。

「ワクチンは不要だ」とうったえる、比較的穏健な反ワクチン派の人たちは「感染が拡大しすぎた結果、ウィルスは弱体化していくはずなのでそれまで待てばよい」と言っていました。実際その通りになりましたが...

ここ英国ではそれを待てなかったのです!私の夫や個人的に知っている既往症のあるあの人この人...それに高齢者の多くはワクチン接種を受けていなければ現在、命を落としていた可能性も大ありだったのです。

インドやイランなどワクチン接種が普及しなかった発展途上国、ワクチン拒否者が多かったというアメリカ合衆国では多大な犠牲が出ています。

一方、中国はたしかにワクチン接種に頼らずに死者数を抑えることに成功していますが、あのめーっちゃくちゃ厳しい行動規制が自由主義諸国で受け入れられるとは絶対に思えません。

 

60歳を過ぎた私たち夫婦に、NHS(国家医療サービス)から「無料でコロナワクチンの接種が受けられますよ」という案内メールが来ています。職務上、感染すると危険な人たちと接触する機会のある医療、介護職などの人たちも無料で受けられるとのこと(強制ではないようです)。

私たちは、受けません。

「ワクチンが危険だから」ではなく、今、コービッドにかかっても重症化する可能性は低そうだからです。ほとんどの人に起こるあの副作用(発熱、倦怠感 etc.)はもうこりごりです...

 

小雨の中、小さな折り畳み傘を二人で分け合って「啓蒙活動」をがんばっていたあのフレンドリーな女性2人は(陰謀論者かもしれませんが)私たち道行く人々のことを本気で心配してくれていたのかも...という気がちょっとしてきました。

軽いノリで、質問ぐらいしてみてもよかったかもしれません。(想定問答集など暗記して議論武装している可能性もありますが)

...もらったチラシに連絡先が書かれていました。連絡してまで議論/質問攻めする気は...ちょっとありません。

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英国の、サクラの季節に間に合った...

2024年04月20日 05時55分03秒 | 英国の、生活のひとコマ

一か月以上、休刊していたストックポート日報、今日からとつぜん、復刊です。

3月の後半から、4月の初めまで、日本にいました。

 

夫と二人、高齢の父の住む実家に3週間近くの滞在でした。後半は、現在スペインのバルセロナに住む息子が合流しました。

息子は、本職のシェフの仕事を休み、6カ月近くタイでキックボクシング(と言うと訂正されます、ムエタイですね)のプロ選手として活動していました。私たちが英国に帰国した翌日、バルセロナに戻りました。

家族で密な時間を過ごすのに専念した滞在でした。

写真は、主に近所で撮った、住宅街の遅咲きのヤエザクラ、ボタンザクラです。

1週間前に撮ったもの、2日前に撮ったものが混在しています。何週間も散らない、潔くないのが英国のサクラ!残念、最盛期は見逃しましたがじゅうぶんきれいです。

 

散る時も儚くハラハラと...ではなく、花の形のまま、ポタッと未練たらしく落花して道行く人々に踏みにじられて形を崩していきます。

普通の淡いさくら色のサクラも2月に開花していましたっけ。(日本に行く前に記事にしました)2月に咲いたサクラの木にはもうさすがに葉が生い茂っていました。

暖冬の影響で例年より2,3週間早めに開花すると期待されていた日本のサクラ、予想ははずれて、私たちの滞在中には開いてくれませんでした。

英国に帰国したのは4月の2日でした。日本のサクラの開花をギリギリ見逃しました。

....と言っても、英国の一番美しい季節に帰ってこられて大満足です。

 

美しい日本のサクラも見られるものなら見たかったのですが...実はこだわりません。どこで見られてもうれしいです。

サクラ、あるいは白から濃いピンク色の花を咲かせる「サクラもどき」も含めた春の花木を見てうれしくなるのは「やっぱり私も日本人」だからでしょう。

 4月2日って、帰国してからずいぶん経ってますね...

帰国以来、家のことでバタバタしていました。

そのうちおっくうになってストックポート日報 は廃刊しちゃおうかな、なんて思っていました。、50日ぶりに自分のブログをアクセスしてみて、まだ読んでくださっている方が多いことを知り気を取り直して続けることにしました。

日本の皆様に読んでいただけるストックポート日報 は私の現在、数少ない日本との接点なのですから。

次号からは、気楽に読んでいただける文章を気楽に書いたできるだけ多くの投稿を心がけます。

日本滞在中に感じた、日本に関するさまざまなことをそのうち少しずつ記事にします。

いただいたコメントもゆっくりと楽しんで読ませていただきます。

 

英国の住宅街の並木道でおなじみの、二階建てバスの形に道路側がえぐれた背の高い木です。☟

 

上の写真を二階建てバスが下を通過するタイミングで撮れたら良かったのですが...このサクラ☟は、住宅の敷地内に植えられているので二階建てバスの通行のジャマになるほど道路に枝が張り出していませんね。

 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする