イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

甘いものが食べたくてもそう簡単には買い物に行けないコロナ感染のがれの家庭内籠城中、家にあった材料でケーキを焼く

2020年03月31日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
一昨日、フルーツ・ケーキ fruit cake/fruit loaf を焼きました。


コロナウィルス感染拡大を食い止めるための「自主隔離」中です。
天気は悪く、肌寒い一日でした。
このフルーツケーキ、ストックポート日報でもう何回か見た!と常連読者の方は思われたかもしれません。

その通りです。
うちでとても評判がよく、驚くほど簡単、だれにでも失敗なく焼けると保証できる、10年来使っているレシピです。

再度公開
225gのセルフ・レイジング・フラワーself-raising flour(すでにベーキングパウダーが混入してある市販の小麦粉 )....小麦粉1カップに対して小さじ2杯のベーキングパウダーを混ぜます。
110gのバター
110gの砂糖
225gのドライフルーツ
卵1個(小さめのものなら2個)
小さじ5杯の牛乳

以上をドバっとボールにぶち込んで(順序は関係なし!!!)

(ドライフルーツの上に小麦粉をふるい入れ、ふるいの底でチョンとたたくと雪をかぶった富士山の出来上がり)




ナイフでバターをつぶすように根気よく混ぜます。


バターがツブツブ状になる程度で充分です。
それでもテレビでも見ながらのんびり、30分ぐらいかかります。

ローフ型に入れて....


180度に熱したオーブンで1時間。

出来上がり。


毎年同じレシピでクリスマス前にも焼きます。
伝統的なイギリスのクリスマス・ケーキ風に作るなら、茶色い砂糖を使い、オレンジやレモンの皮を砂糖漬けにした甘苦いピールや砕いたクルミを混ぜ、ブランデーに一晩つけこむといいでしょう。
クリスマス用のスパイス・ミックスを必ず加えます。
硬めのアイシングを表面に塗りたくってもクリスマスっぽく仕上がります。

私は、平常時もクリスマスも同じお徳用ドライフルーツ・ミックスを使います。
私がアルコール飲料を飲めませんのでブランデーも省略します。
要するにクリスマス用・スパイス・ミックスとアイシングをくわえる以外これと全く違わない「クリスマス・ケーキ」をしゃあしゃあとクリスマスのテーブルにのせるわけです。

お徳用ドライフルーツ・ミックスにはカラント(日本ではフランス語でカシスと呼ぶことが多いそうです)という小ぶりの野ブドウとレーズンが主で、ちょっぴりピールも混ざっています。
みみっちく、クリスマス用にも転用できるような中身です。もっと安いものはピールが入っていません。

うちにある、セインズベリーの1kg入りの大袋を買ったのはもう2,3年前だと思います。
カビも生えずカチカチにもならずいつまでももちます。
濃く煮だした紅茶に一晩浸してズルズルにしたものを入れるレシピも試したことがあります。コクが出ておいしかったのですが、めんどくさいです!

うちではこのお徳用ドライフルーツ・ミックスを使った簡単レシピで充分です。
本格的なケーキ作りをする人はたぶん「ミックス」など買ってこないで、それぞれ別に売られているフルーツ(や人によってはナッツをも加えて)を好みや用途によって自分でミックスするはずです。

そういえば日本のフルーツ・ケーキには必ず赤いグラッセ・チェリー(サクランボの砂糖漬け)が入っていたような印象ですが、イギリスのフルーツケーキにはなぜか赤い色はないように思います。

小麦粉を使い切ってしまいました。
新鮮な野菜も不足しています。

3月20日以来、車でスーパーに買い物に行っていません。
駐車場に入るための車の行列がある、などと聞いているのであまり気がのらないのですがそのうち行かなければ!
スーパ―は現在、入場者制限をしているそうです。

お年寄りだけの時間帯や、医療看護介護職の人専用の時間帯をもうけているスーパーもあるらしく、下調べが必要です。

同じものを3個以上買うことをできなくする制限を設けるスーパーも多いらしいのですが、隔離している自分の家族や友人、地域のお年寄りの買い物を請け負っている善意の人も多いので難しいところだそうです。

それに、今は出てくるのが大変なものですから、いつもより多めに買っておこうという人の気持ちがけっこうわかるのです。
トイレットペーパーやパスタを見かけたら20パックも30パックも一人で買い押さえておくのは明らかに利己主義で卑しい行為ですが。

さて、ケーキです。まだ生暖かいうちに夫が豪勢に切り分けて...


夜食に食べたら...


2日で食べきりました。

本日のホレイシオ。


ネコのこのポーズは英語で cat loaf というのです。
ローフは食パンやケーキの1斤。



やっぱり食パンのほうが近いかもしれません。

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コロナ感染の拡大をふせぐため外出禁止になって初めての週末、飽きてきた!それでもまだ士気は高い

2020年03月30日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
斜め向かいの家の窓いっぱいに虹とハートが描かれています。


うちのとなりの家の前窓にも虹とハートが描かれています。


写真は晴天の木曜日(近所のコンビニに買い出しに行った日)の写真です。
週末は雨こそ降らなかったものの、曇りで肌寒い天気でした。

国を挙げてのロックダウン lockdown (禁足)、今日で2週目です。
日曜日の朝には時刻が1時間すすんでいる、という不都合なサマータイムも開始です。

学校が閉鎖され、家にいる子供たちがテレビ番組の呼びかけで地域の住民を元気づけるために希望を表す虹とハートの絵をかいて窓に張り付けるプロジェクトが全国的に展開されているようです。
うちの通りのこの2軒は窓ガラスに直接絵の具で描いたようです。

気力を挙げるなかなか良いプロジェクトです。
木曜日に近所のコンビニまで歩いて行った道々、行き会った数少ないすべての見知らぬ人や前庭でひなたぼっこをしている人たちと(距離をおいて)ていねいにあいさつしあいました。
なんだか、非常時の連帯意識を感じました。

NHS(国家保健サービス)で働く人々(医師、看護師、介護士など)の健闘をたたえて玄関先やバルコニーで時間を決めていっせいに拍手する取り決めも各地で行われています。
夜勤明けの看護師を待ち伏せして花束やチョコレートを贈る地域もあったようです。

禁足たったの一週間、まだまだ感染のピークには達していないイギリスの士気は充分高いようです。
....飽きてきた人も多いと思いますが...特に若い人達。


晴天続きの先週ほぼ一週間、私は庭仕事に励み、両隣りの家では一日中ボールを蹴ったりトランポリンに興ずる子供たちの歓声が聞こえていたものでした。

陽が差さなかった曇りの週末....両隣りの家の庭は静かでした。
子供たちは家の中でどう過ごしていたのやら。
私も庭に出る気はせず、1日家で靴下を編みました。


テレビでは子供たちと取り組むベランダ(あるいは窓際)園芸、クラフト、お菓子作りなどの屋内アクティビティが紹介されています。
たしかに親子で始めるよい機会なのですが、手芸や園芸など経験のない親には食料品店、薬局、スーパー以外の店すべてが閉まっている現在、材料の調達も容易ではないと思います。
スーパーで簡単に手に入るはずの小麦粉は売り切れ続きですし!

私はハーブと野菜のタネをオンライン・ショッピングサイトで注文しました。
多くのオンライン種苗専門店は現在注文に応じられないと表示していました。
おそらく人出不足(自主隔離をしている社員が多いのではと推察します)か売り切ったあと在庫が確保できないからでしょう。
まだオンライン販売を続けている会社を見つけて注文しました。
半分ぐらいは売り切れです!しかも「需要過多のため、配送が10日ぐらいかかる」そうです。

天気のいい時に家にこもる人たちの考えることは同じ。

クローバーのタネも注文しました。
ハゲちょろりんの芝生に蒔くつもりです。


本日のホレイシオ










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コロナ感染拡大を食い止める措置で人々が外出をやめたイギリス、天気がよい日に近所で買い物、まだ余裕?

2020年03月27日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
チャールズ皇太子に続いて、ボリス・ジョンソン首相までコロナウィルスの感染検査で陽性が確認されました。



昨日もあたたかく、良い天気でした。


7日ぶりに家の敷地から外に出ました。

「外出禁止令」が出て5日目です。
1日に1回ずつ、それぞれ食料品等必需品の買い出しと運動、あるいは自主隔離している地域の隣人や家族の手助けなどのための外出が許されています。

基礎疾患のある夫が、70歳以上の高齢者とともに「危険グループ」に指定されているので、私と息子もできる限り家から外に出ないようにしているのです。

近所のコンビニに10分歩いて食料品の買い足しです。


一度に店に入れる人数に制限がありました。


(店内にカウンターが併設されている郵便局までが閉局です)

5人以上は入れません。
1人出たら1人入れるように、戸口近くにあるレジの男性が人数を確認しながら「次の方、どうぞ~」と声をかけています。

(店を出る人とかち合わないよう列の先頭の人は入り口から離れた位置に立つよう指示がありました)

間隔をあけて長い行列ができていました。


スーパーマーケット、コンビニ、パン屋、肉屋など食料品を販売する店、薬局以外の店は現在すべて営業停止です。
人が集まるのを防ぐためです。
人が集まることによる感染拡大を何としても最小限度に食い止めるためです。

となりの薬局は感染の疑いで自主隔離中の客に無料で処方薬の配達サービスがあると数か所、大書してアピールしています。


コンビニの食料ショッピング、割高でしたが、横に長い狭い店内で誰とも会わず安全に快適にゆったりと必要なものを揃えられました。
あいかわらず、トイレットペーパーの棚はからっぽでした。


仕事に行かなくなって、庭仕事やDIY(自宅用大工、内装仕事)をする人が多そうです。

帰り道、板塀の土台のコンクリートにペンキ塗りをする人を見かけました。



一般の店がいっせいに閉店になる前にうちでは夏中切らさないロケット(日本ではルッコラと呼ぶそうですね)のタネを買いそびれてしまいました。
ほうれん草に似た、生で食べられるサラダ菜です。

ちょうど今が蒔き時です。
コンビニには売られていません。

トマトの苗もそろそろ植え時なのに園芸店は無期休業です。
スーパーに行けばあるのかな。
オンラインのショッピングサイトも見てみるつもりです。

あら...


通り抜けようと思っていた児童公園が閉鎖されていました。

...と言っても塀沿いに公園の終わりまで行くと、塀が大きく途切れているのです。
そこから入って、な~んだ、反対側の出入り口には、そういえば扉すらありません。住宅街の中の通り抜け近道スポットです。
はいろうと思ったら誰でも入れるいいかげんな入園禁止措置。

「非常事態」を印象付ける赤い報知看板でフラフラ出歩く人々の気持ちを引き締めたかっただけかもしれませんね。


一昨日、海外ニュース(もちろんコロナウィルス関係のニュース一辺倒)で東京都内のどこだったか川沿いの満開の桜並木を見にものすごい数の人が繰り出す...という驚愕映像が放映されました。

美しい桜の下でセルフィーを撮る人波が団子状になってうごめいていました。
インタビューされた70過ぎているとみられるマスクをかけた人たちは口々に「家にずっといたらもっと病気になる」「人との距離を保てばだいじょうぶ.」と答えていました。

「都市封鎖」まで想定されているというのに...?

私が日本に滞在していた2月半ばにはコンサートなどのイベントや会社説明会などが軒並み中止になっていたほどの徹底予防ぶり(その時、イギリスの感染者はどこかで隔離されていたたったの3人程度でした)、それなのに日本人の個人の享楽を追求する自己規律の緩さは何!?

マスクが取り合いになり、転売で儲ける人まで続出するという危機意識はどこへ!?

マスクをしていても人が集まるところに行けば感染する可能性はあるんですっ。
自分が保菌していることを知らずに大勢の人にうつす可能性も大ありです(たしかにマスクをしていればその可能性はいくぶん低くなるとは聞きましたが)。
人にあわなければ、マスクなどしなくても感染しませんし、人にうつすこともありません!!

東京のお花見映像の前には、イタリア北部のどこかの町の火葬場に遺体を運ぶ軍隊のトラックの長い長い行列とそれを沿道の住人がバルコニーから見下ろしている悲壮な映像がうつりました。
恥ずかしかったです。

年をとって外出することがめっきり減ったホレイシオ。


ひなたぼっこが日課です。







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コロナを避けて家にこもる、昨日も晴天、イギリスのうららかな春の一日

2020年03月26日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
昨日もいい天気でした。


老ネコ、ホレイシオは日中、日時計のようにポーズや位置を刻々と変えてぬくぬくと体を伸ばすことに専念していました。




さて、日曜日から実行している「家庭内籠城」、4日目です。
火曜日の午前中、政府から国民一人一人にテキスト・メッセージが届きました。


政府広報
コロナウィルス警告
あたらしい決まりが施行されます;自宅から出ないこと。
詳細と例外などはこちらのリンクへ。
自宅から出るな。
国家保健サービス(NHS)を守れ。
人命を守れ。


飲食店や文化レジャー施設に続いて、生活必需品(食品や薬品)以外の商品を売る店もすべて閉店になりました。
キーワーカー(医療、介護に携わる人、薬局や食料品店、スーパー勤務の人、運送、通信販売、公共交通機関、警察、消防関係に携わる人....などなどの他、なぜか建設作業員)以外の仕事の人は自宅待機です。

外に出ないことが市民の義務になりました。

2,3週間前から可能な人は自宅勤務に切り替えていたはずです。
もう、人にあってもいけないので、外に出てもすることはないはずです。

それでも集まる若者たちは後を絶たない。

ロンドンの地下鉄の通勤時間のラッシュアワーの映像がたびたびうつりました。
2メートルの距離は全く保てないどころか、立っている乗客どうし、身体がぎりぎり触れない程度の危険な込み方です。
職場に出勤している人は「キーワーカー」だけのはずなのに。
運転士の3分の2が自主隔離中(検査が受けられないので感染しているかどうかは不明)で地下鉄サービスの本数が激減しているのだそうです。

ともかく、本当に出勤すべき人かどうか厳密に審査すべき時なようです。
屋外ではたらくから、感染の危険が少ないという理由で建設作業員が建設作業をするのは認められるのはおかしいのではないか、という意見も当然出ています。
スコットランドではすべての建設現場が閉鎖になりました。

外出も、必需品の買い物と運動のための外出はそれぞれ一回限り、とイタリア、スペインなど他のヨーロッパ諸国のように厳しい外出制限が規定されたのですが、他の国と違い、まだ罰則は適応されないようです。

私は連日の晴天で、ガーデニングに没頭しています。
(その後、息子の手伝いは得られません)

連日裏庭の雑草を根こそぎ抜ききりました。

昨日は久しぶりに前庭の花壇の手入れを徹底的にやりました。


お隣のご夫婦が二人とも自宅勤務になったらしく、狭いドライブ(車寄せ)に車がぎっちり2台、ずっととまっています。


いつもなら二人とも出勤した後のお隣のドライブにお邪魔してうちの花壇の反対側の手入れをさせてもらうのですがこっち側しか手が届きません。

夫と、長いことためてあったハーブと花の種をまきました。






昨日の国別感染者数です。


イギリス(UK)の感染者数が9,529人になっています。
私が日本に一時帰国して帰ってきた2月27日には14人だった感染者数が瞬く間にこんなに膨れ上がりました。
一日で1、452人も増えています。

ずっと下の方にスクロールすると日本は1,307人、前日より114人増えています。


以前も書きましたが、イギリスでは2週間前から基本的には入院患者以外ウィルス罹患検査をしていません。
この数は氷山の一角です。

熱や咳などの症状が出たらすぐに一家で自主隔離、病院や診療所に立ち寄っては絶対にいけないことになっています。
感染しているのかいないのか不明なものすごい数の自主隔離者がいるはずなのです。

家から出ない、人にも合わないことにしたからには、家でできることを楽しむつもりです。

家の大掃除、余った毛糸で編み物、スペイン語の独習.....

まずは春の好天を満喫します。






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母の日の自主隔離、社会的距離の確保、天気の良い日に庭仕事、狭いながらも庭のある幸せ

2020年03月23日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
昨日は母の日 Mathering Sunday でした。

本文とあまり関係のない写真です。


生活感あふれる写真をいくつか...

ものすごくいい天気の日曜日でした。
久しぶりに屋外でひなたぼっこをするうちの老ネコホレイシオ。

17歳のうちの息子が生まれて初めてガーデニングをしました!!


「母の日」のプレゼントがわりにヴィオラの移植を手伝わせたのです。
片時もスマートフォンから目を離さず1時間以上かけてたった8株花壇に植えて、注文通り肥料をすき込み水やりも(自分が植えたヴィオラだけ)やってくれましたが2株残してくたびれた、と言って家に入ってしまいました。



月曜日に登校したら先生が欠勤、休講になっていたので帰宅、それ以後一歩も家を出ていません。
「家を出ていない」どころか、息子が屋外に出たのも6日ぶりです!

どのみち金曜日から国中の学校、大学は無期休校になりました。

2年制の「シックスフォームカレッジ」の最終学年だったのですが誰ともお別れの言葉を交わすことなく登校を打ち切りました。
学校の課題はまだパソコンを使って提出し続けているようです。
これ以後、大学の授業料を負担してくれる企業徒弟制度に応募するため、自己推薦書やら試験の成績等を明記した「履歴書」を作成する期間なのですが、この時期受け入れてくれる企業があるとも思えず、どうなることやら...

一家そろって、イギリス政府が強く勧める自主隔離 self isolation に入ったのです。
私は「一家籠城(ろうじょう)」という言葉を一人で使っています。

首相が、「とにかく誰も(よっぽど大事な用事以外で)外に出ないでくれ」と言い出したのは昨日です。
それ以前から夫は外へ出てはいけないカテゴリー(病気ではないものの持病を抱えて免疫力が低いのです)内に該当するので外出禁止勧告を受けていました。
少し遅れて一昨日、よそからウィルスを拾ってくる可能性もある外出を私も控える決心をしました。

土曜日に最後に職場に行って仕事をした後、夫と話し合い、マネージャーに自主隔離をする旨、報告し、快く了承をとりました。
来訪者を入れない方針を取り始めたケア・ホームなので、スーパーや図書館などよりよっぽど安全に思えるのですが、自主隔離、社会的距離の確保 social distancing の意義について、夫の命を危険にさらすことについて真剣に考えた結果です。

さて、母の日です。
日本やアメリカの母の日とは違い、古代から祝われている(キリスト教徒にとっては)異教の、ギリシャ、ローマの女神を奉るお祭りの日がもとになっているといいます。
イースター前の春の行事のひとつです。

ジョンソン首相が「今年、母の日に一番のプレゼントは会いに行かないことだ」と、母親の年齢に関係なく一緒に住んでいるわけではない親を訪ねることを戒めました。

息子には、花もカードもチョコレートもとにかく母の日のプレゼントを買いに出かけたりしなくていい、むしろ家にいるべし、と申し渡しました。
私のベッドに朝食を持ってきてくれる「母の日定番サービス」をしてくれるつもりだったらしいのですが、息子が寝坊してキャンセルです!

代わりに課した庭労働、思いのほか素直に言った通りのことをやってくれたのでこれからも毎日、健康のためやらせることにします。

週末はどこのスーパーも買い占めの人が殺到、あっという間にすべての棚が空になり、行き遅れた人たちには何も残らないという殺伐とした事態がさまざまなメディアで報道されました。
それなのに!、母の日のプレゼント用に大量に仕入れられた花束だけが全く手つかずで残っている映像も繰り返しうつりました。
母の日に母親に会えないのですから買う人がいるわけがないのです。

ついでに、ぎょっとするようなショッキングなニュース映像も見てしまいました。

広大なゴミ処理場に運び込まれた売れ残りの大量の花束が何台ものブルドーザーで一か所に集められ、高く高く積み上げられて雪崩のように崩れそれをまた四方からおしあげ.....、地面一面が色鮮やかな花で覆いつくされるシュールで陰惨なアートのインスタレーションのような場面です。

自分自身や他人の命を危険にさらす無防備で自覚の足りない、パブやレストランで集まるのをどうしてもやめられない人たちが後を絶たないため、イタリア、スペインに続いて飲食店やレジャー施設の無期営業停止が週末から始まりました。

その代わり、週末に公園やナショナルトラストなどが管理する美しい庭園、田園地帯の散歩道などを訪れる人はいっぱいいたのです。
戸外での散歩や運動は特に問題がないといわれているものですから。

やっぱり人がいっぱい集まれば戸外でも屋内でも同じですね。
ニュース映像では、遊歩道を込みあったスーパーの通路と同じぐらいの間隔で人々が行き来していたり、人々が広大な草地に寝そべるのどかな光景がまるで真夏の海岸の海水浴場みたいだったり、アイスクリーム売り場に行列ができていたり.....「危ない」と思わせる屋外シーンを次々と放映していました。

ナショナルトラストは無期閉園も考えているそうですし、公園の閉鎖も考えられるそうです。
日本のお花見も同じですね。
人が集まるのがよくないのです!

バルコニーすらない狭いフラットで自己隔離せざるを得ない人々も大勢いるなか私のうちは幸い、狭いのですがプライベートな裏庭があります。
夏になると木の葉が茂って日陰になるので園芸にも向いていない役立たずな庭ですが。


日がかげったら日本製の炊飯器(保温モード)の上で暖を取るホレイシオ。



日没後、急激に気温が下がり、ヒーターをつけました。
ホレイシオはもちろんラジエータ―の前の特等席にうつりました。



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コロナ騒ぎで殺伐とした世の中にも花咲く春は来る!春の始まり、エクィノックス 

2020年03月21日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
昨日、金曜日は夜明けから日没まで、日没から夜明けの長さが同じになるスプリング・エクィノックス sprong equinox の日でした。



春の始まりの日です。
以後少しずつ日が長くなってきます。

ヨーロッパではクリスマスに次ぐ大きな祭典、イースターも間近です。

しばらく外出しない間に、おなじみの木彫りのフクロウ、ヴェーラのいる空き地のラッパズイセンがほぼ満開状態になっていました。


晴天のエクィノックス、青い空に大きな雲が白くくっきり浮かび、春の訪れを祝うには最高の天気でした。




イギリスで、いえいえ、世界中で一番美しい季節ですね。

スーパーに買い物に行く途中、車をとめて写真を撮りました。

こんなにいい天気なのに世間はコロナウィルス恐慌で大さわぎ。
スーパー、アスダの棚の多くはカラッポ。
昨日は紅茶が消えていました。

パスタとトイレットペーパーはずっと姿を消しています。
品薄状態なのではなく、入りしだい買いだめ panick buying する客に根こそぎ持っていかれちゃうようです。

どのスーパーも一人当たり買える数を制限し始めたようです。

アスダでも「いるだけ買ってください。ため込みはやめましょう」店内アナウンスを繰り返していました。
買い物客は比較的少なく、人との距離を充分とって安全に買い物することができました。

学校は金曜日から閉鎖、パブやクラブ、レストラン、カフェ、劇場、映画館、遊園地、レジャーセンター、スポーツジムなどが金曜日の夜の営業を最後に無期営業停止になりました。

いよいよの法的措置です。








この空き地のそばの、住宅街の中にあるカフェにはけっこうお客が入っていました。
車で前を通っただけですが。

おそらくは「コミュニティ・スピリッツ」の高揚のため、コロナウィルスで苦戦している地元のビジネスをサポートする意味も込めて「大勢の人が集まっておしゃべりしたり飲んだり食べたりする危険エリア」に集まっている人たちだと思われます。

政府の手厚い支援が期待できるらしいのですが、地域に根差して頑張っている多くの店が経営困難に陥っています。
本当にお気の毒なのですが、みんなで不要不急の外出は避けこれ以上感染が広がらないようにしよう、と決めたのですから従わなければなりません。
若い人たちが通常通り、パブやクラブに集まってコロナ騒ぎなどないことのようにふるまっている無法ぶりがたびたび報道されています。
自分たちはたとえ感染しても症状が軽くすむらしいと高をくくっている人たちが多いらしいのです。

人が集まる場所で感染して保菌者となって感染が命取りとなる人たちにまでばら撒くことになる自覚が足りないようです。


町の無人化によって感染の広がりを抑えることができるでしょうか。

人が集まらない戸外の外出はひかえなくてもよいようです。

この空き地は、市が指定した小さな「自然保護区域」なのです。









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久しぶりにイギリスで手にした現金、おなじみハイテク技能を駆使した偽造不能なプラスチックの新紙幣、20ポンドが登場

2020年03月20日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

日本に関する考察とイギリスのコロナウィルス騒ぎの話題はちょっと置いておいて...

薄いプラスチック製(正しくは新素材、ポリマー樹脂)新20ポンド紙幣についての話題です。



これで、よく使われる3種の幣(5ポンド、10ポンド、20ポンド)がすべてプラスチック製になりました。
(紙製でもないのに対応する日本語がないので、紙幣と呼ぶことにします)

2月20日発行だそうです。
流通が始まって、ほやほや。

イギリスのキャッシュレス化はロンドン・オリンピック(2012年)を機にすごい勢いで普及しています。
私の場合、ほとんどすべての支払いをカードでするようになってから1年ぐらい、かなり遅れを取っています。

私が日本に滞在中に発券された新紙幣ですが、初めて見たのは先週の金曜日。
イギリスに帰ってから実に3週間たつまで目にすることがなかったのです。

現金を手にするほとんど唯一の機会といえば、1週間に1度、ボランティアでお手伝いをしているチャリティショップ、オックスファムでお客様とお金のやり取りをする時ぐらい。



それも今では半分以上のお客様がカードの、しかも暗証番号を必要としない「コンタクトレス」決済で支払いをします。
現金のみで支払う人の大半は高齢の人ですね。


さて、この新紙幣、例によって造幣技術の粋を極めた偽造をものすごく困難にするための工夫が凝らされています。

オモテ面右下のランセット窓にはアラビア数字で20、20、20...の透明な刻印(凹印)があります。


他のプラスチック紙幣と同様、Bank of England の文字が指ではっきり感じられるように盛り上がっています。
ホログラムも各所に!

虹色ホログラム地に Twenty と書かれた文字が角度を変えると....


シルバー地に Pounds に変わります。


裏側の肖像は19世紀イギリスのロマン派の画家、ジョーゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー Joseph Mallord William Turner。


彼の名言「ゆえに光も色彩である Light is therefore Colour」 も印刷されています。

プラスチックの紙幣は洗えます。
うっかり5ポンド札をポケットにいれたまま洗濯機で洗ってしまったことがありますが、色あせすることもなくピンピンの状態で出てきました。

丈夫で長持ち、清潔に使えます。

消毒することもできそうです。
と言っても、持ち主以外さわらないバンク・カードのみでキャッシュレス決済をした方が細菌の拡散を防ぐうえで効果的なことは言うまでもありませんが。

ちなみに、この紙幣は私の所有です。
現金が必要になったので、久しぶりに(それこそ数カ月ぶりに)ATMで多めにおろしたのです。

機械からピンピンの新札が出てきたのですが、たったの数分間ゆるくたたんで財布に入れただけで、永遠に取れないたわんだ癖がつきました。
一人で立つ!し...


意味もなく高く積むこともできます。


日本にはプラスチック紙幣がありませんね。

日本では偽造防止のための工夫が必要ないからではないでしょうか。
イギリスは紙幣の偽造がとても多いのだそうです。

現在移行期間なので、旧紙幣(紙製)と平行して流通しているはずです。
旧紙幣は1年間は有効なはずですが(流通停止=無効になる6カ月前に通達があるそうです)それ以前にすぐに姿を消すと思います。

おそらくこの手持ちの紙幣(額面40ポンド)を使い切ったら再びキャッシュレス生活に戻ると思いますので、しばらく紙幣を手にすることはなくなるでしょう。

それにしても女王陛下の肖像が若い!ですね。
40年ぐらい前から時がとまったかのようです。

イギリスの紙幣、コインについて書いた以前の記事のリンクです☟

ニセ札天国のイギリス!セカンドハンド品を売るチャリティ・ショップにまで導入された最新探知機、50ポンド札事情!

今日でお別れ、丸い1ポンド硬貨 偽造不能の新硬貨は12角形

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コロナウィルスの蔓延で社会が断絶それどころじゃない春を待つ、イースター前のイギリス

2020年03月19日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
健康に問題のある夫が無期限の「自主隔離 self isolation」に入りました。
政府の勧告に従って、私も不要不急の外出は避けています。

気分を変えて、のんきな写真をいくつか....
リラックス顔のチーズ&オニオンパイ cheese & onion pie。


レモン・カード・タート lemon curd tart。


おなじみのミスター・キプリング社製 ベーカウェル・タート Bakewell tart の春らしい色の季節限定レモン風味版。


ああ、コロナウィルスの大流行ですっかり忘れていました、もうすぐイースターだったのです。


公園や自然保護区域ではイースターの花、黄いろいラッパ水仙が咲き誇っている春の待たれるワクワクする3月の半ば。

毎年写真を撮って載せているのですが...
何しろ、月曜日以来、家の外に出ていないのです。

近所のコンビニエンスストアに久しぶりに買い出しに出かけました。


トイレットペーパーがありました!


2パック(12ロール)買って帰りました。
手に入らなかったら、手持ちのロールを使い切ったあと、新聞を使う覚悟だったのです。

大手のスーパーではすべての品目に一人の客が買える個数の制限を設けることにしたそうです。
買い占め panick buying が社会問題になっています。

今日、木曜日に友達がうちに来る予定だったのですが、ご主人にコロナの症状が出たので家じゅうで2週間の自主隔離に入ったという知らせがありました。
検査は受けられません。

【公認】感染者が2600人を超え、金曜日からついにイギリスでも学校閉鎖です。



☝の人数は病院にすでに収容されていた患者や症状が重くて搬送された人のみが検査を受けて陽性判定された「氷山の一角」の数です。
実際には自宅で自主隔離している海面の下に隠れた膨大な数の感染者がいるといわれています。

風邪から回復した息子の学校は今週に入って先生の多くが欠勤で休講続き、一度も登校しないまま学校閉鎖で冬学期が終わってしまいました。
コンピュータ―を使った「ホームスクーリング」があるようです。

ロンドンは都市閉鎖の可能性も出ています。

ストックポートではただの一人もマスクをしている人を見ません。
土日だけ仕事をしているケアホームにも、スーパーにもバスにもいません。

混雑していた2週間前のロンドンの地下鉄ではぽつぽつ見かけたらしいのですが。
現在はロンドンの地下鉄はガラガラ、マスクの必要を感じる人が減ったのではないでしょうか。

店では売られていないマスクですが、オンラインで買えます。
日本と違って需要が極端に少ないので、買い占め、転売の対象になることはないようなのですが、もちろん一部に高い需要があるので値段は高めです。
一般の人には必要ないとされている、効果も確認されていないものに大枚はたく人たちが出ないよう、政府は今のところ着用をすすめていません。

中国の武漢で感染拡大が始まったころは「社会不安をあおるのでマスクをしないでください、効果もありません」とテレビで明言していたものでしたが、現在ではだれも「するな」とは言っていないようです。


家族が一日中家にいるため、ラジエーター(暖房)がついている時間が長くなり、ご機嫌なのが老ネコ、ホレイシオ。


暖気を全身に浴びてゆったりぬくぬく。









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コロナウィルス禍、混乱きわまるイギリスのその後

2020年03月17日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
イギリスのコロナウイルスに関する状況が深刻化しています。


上の写真は先週の木曜日に撮りました。

スーパー、セインズベリーのパスタの棚が空っぽです。
でもなぜ、パスタ?!

非常時の買いだめにうってつけの日持ちのする食品の代表例だからでしょう。
ヨーロッパでまず最初にイタリアでコロナウィルスの感染が圧倒的に蔓延したことと関係あるかも、と私は思っていました。

セインズベリーのパスタはイタリア製だそうですし...。

(イギリスはEU離脱したはずですが現在はまだ「移行期間」なので、物や人の移動には変化がありません)

実はソーシャルメディアで「真っ先に品薄になる」という情報が流れたらしいのです。イタリアの情勢と無関係だったみたいですね。
その時は単なるデマだったかもしれないのですが、それ以後いつも棚はカラッポ。

デマが真実になりました。

スパゲッティやパスタが手に入らなくなっても別にどうってことはない、と思っていたのですが今週になって様相が変わってきました。

昨日、午後1時ごろストックポートのタウンセンターの、庶民派スーパー、アスダで撮った写真です。
果物の棚がカラッポ、バナナが欲しかったのに。


シリアルの棚も...


あらら、小麦粉の棚もカラッポです。


缶詰売り場にはまだ豆るいやツナ、サーディンが残っていたので私も少し買っておきました。
日持ちのする食品が軒並み買いあさりの対象になっているのです!

パスタがまっさきに消えたのも納得です。

買いだめにふさわしくない果物の棚は、そのうち補充されたでしょうね。
でも平日の昼間、こんなにカラッポになったのを見たことがありません。
人出が足りないのか、はたまた流通が滞っているのか....?

もちろんトイレットペーパーは全然ありません。

この2枚の写真を撮った...




先週の木曜日の時点でもうすでに棚はカラッポでした!


日本でもソーシャルメディアのデマにあおられ、不安に駆られた消費者がまとめ買いしてトイレットペーペーが不足、買い占めや転売で儲ける人まで続出した、というニュースがイギリスでも報道されました。

「コロナ禍はまだまだ、対岸の火事」だった時の話です。

日本のトイレットペーパーパニックは、中国からの輸入がとまるという信ぴょう性がありそうなデマがもとだと聞いたのですが、イギリスは全然違う...!
トイレットペーパーの買いあさりはオーストラリアでの「棚がカラッポ写真」のソーシャルネットワークへの投稿から始まったらしいのです。。
パスタの買いあさりと同様、納得できないはじまりなのですが、いったんカラッポの棚を見たら「入荷次第買い押さえなきゃ!」という心理が働くのは無理がないと思います。

自分だけよければ、という買い占めはあさましいことですが....。

「ヨーロッパがパンデミックの中心に」というWHO(世界保健機構)の公式発表が出てしまいました。
イタリア、フランス、スペインの規模に感染拡大が進むのは時間の問題と言われているイギリスです。

国民の大半が感染して生産活動がとまってしまえば食品や生活必需品の流通が滞る恐れも充分あります。
昨日の私は(誓って言いますが)節度を持って買い物をしましたがこの先どこまで平静でいられるか自信がありません。


「自主隔離」に備える人も多いと思います。
必要なものを備蓄しておけば、2週間外出しないで感染の広がりを抑える市民の義務が果たせます。

そう、自主隔離。
現在、イギリスには自主隔離をしている計り知れない数の国民がいるといわれています。


イギリスでは全く独自のコロナ対策を取り始めました。

まず、咳と熱が出たら1週間自己隔離。(医療機関への連絡は不要)。
家族に感染者が出たら2週間の自己隔離。
症状が悪化すればオンラインでNHS(国家保健省)の機関に連絡する。
よっぽどのことがない限り、111番(NHSの救急ライン)には電話しない。

感染の恐れのある人の病院や診療所への立ち入りは厳禁。

すでに病院に収容されている人以外、コロナウィルス検査は受けられないことにする。

必要のない外出や人との接触は避ける。

70歳以上の高齢者、既往症のある人、それに妊婦は無期限の自己隔離を求められる。

大規模な集会(コンサートなど)や狭い場所(飲食店など)での集まりはひかえる(禁止ではない)。

それでも今のところ学校は閉鎖しない。

先週の木曜日(私たちのが検査結果が陰性だった日)以来、地域にひとつずつしかない大病院でしか検査が行われていないので、昨日の感染者数☟「UK 1534人」は本当に海面に出ている氷山の一角にしか過ぎないのです。


重症化しやすいグループは感染源から切り離し、限られた医療施設とスタッフは重症者への対応に集中できるよう、症状が軽いほとんどの人は自宅で自己療養、自己隔離に徹することになりました。

そうやって、感染者数の拡大のピークをウィルスの勢いが弱まりそうな夏ごろまでを目標にできるだけひきのばし、それまでに軽い症状で回復して免疫をつけた人を増やしておくという方針のようなのです。
イタリア、スペイン、フランスのような外出禁止命令と学校閉鎖は、数週間から数カ月後に予測されている感染者数のピーク時まで取っておくらしいのです。

就任して4カ月ぐらいしかたっていないジョンソン首相は、「国民が助け合ってこの危機を乗り越える」ように呼び掛けています。
外出禁止になどしなくても各自が自覚を持った行動をとることを期待されているのです。

それができるか、イギリス人?
だって、(他の国々同様)スーパーで買い占めをする国民ですよ?


そうだ、イギリスにもあった、公共のアート。


イギリスには鑑賞の対象の「美術作品」というより、空間のかざり、景観のおまけといった風情のパブリックアートが多いかもしれません。

スーパー、セインズベリーの駐車場の外にスゴい威圧感で設置されています。
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イギリスの混乱!日本から帰った私たちを振り回してコロナウィルス感染の拡大で右往左往!

2020年03月14日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
ご無沙汰していました。
日本のことをあれこれ評しているうちにイギリスのコロナウィルスの蔓延が深刻化してきました。

話題を変更...

木曜日(2月12日)スーパーに買い物に行ったところ、トイレットペーパーの売り場が空っぽでした。


え、イギリスでも?!
その日の朝、コロナウィルス感染検査の結果が晴れて陰性、外出してもいいことになったので短期自主隔離を解除して買い物に出かけたのです。

えええ、コロナウィルスの感染検査って?!

結果が出るまで黙っていましたが、この私がコロナウィルスの検査を受ける羽目になったのです。
はい、順を追ってお話します。

ストックポート日報、復刊です...

が、日本に帰国した際の話題についてはちょっと置いといて...

私が日本からイギリスに帰った2月27日の夕方、感染者数がたったの14人だったイギリスでは、コロナウィルスの世界的大流行はまだまだ対岸の火事といった風情でした。
日本では200人を超えていましたっけ(横浜港に停泊中のクルーズ船乗客の感染者700人弱は除く

その翌朝、最初の死亡者が出て、感染者数は19人に増えていました。(2月28日)

その週末は勤め先(お年寄りが20人近く住んでいるケア施設)のマネージャーから、大事をとって出勤しないように言われました。
日本に限らず海外滞在者を入れない方針だったと強調されました。(2月29日、3月1日)

先週の金曜日、ボランティアをしているチャリティショップに行くと 他のボランティアに「二週間以内前に日本を含めた危険区域にいた人を入れるわけにはいかない」と言われました。感染者数が900人を超えていたということで。(3月6日)

日本は私が滞在していた2月の終わりごろまで中国、韓国それと東南アジアのもう2か国とともに、感染者数トップ4、か5に位置していた、世界的に見て危険区域だったのでした。
え、ちょっと待って、それって、クルーズ船の乗客を含めた数ですよ!日本国内に接岸されているものの、日本国内に上陸することはない人たちです!!!!

クルーズ船をのぞくと300人以下だったはずですし、その時すでにイタリア、フランス、ドイツ、スペインがすごい勢いで追い上げてきていたはずなのです。
イギリスだってたったの5日で160人にまで増えていたのです。
もうとっくに、海外渡航していない人たち同士での国内感染が始まっていたはずなのです。

しかし以上の西ヨーロッパ諸国は「イギリスにとっての危険区域」に指定されていませんでした。

帰宅して、ボランティア団体のマネージャーに電話で抗議しました。情報のアップデートも要求して、意外と素直に受け入れられました。
同時にイギリス各機関のものすごい混乱を痛感したのです。

その週末、咳も熱もなく自宅待機する必要なしということで、ケア施設に出勤しました。(3月7日、8日)

そこで戸口に貼ってあったのが.....


日本、韓国、ラオス、イタリア等々リストに載っている国から二週間以内に来たものは健康診査をしてから入館すること(全文の写真は撮りませんでした)
イラン、中国の武漢のある省等々リストに載っている国から二週間以内に来たものは健康に問題がなくても入館を禁ずる、と書かれたおそらく2~3週間前の政府の通達文だと思われます。

前日に来てくれって言われたから行ったのに、「日本にいた人は健康診査なしに入るな」ってどういうことなのか?!
この張り紙はその朝、マネージャーが貼ったということですが、どこに行ったのか本人には会えずじまいでした。

(誰も気にしていなかったらしい貼り紙は無視してその日は仕事をして帰りました)

イギリスの各機関の極度の混乱ぶりがますます浮き彫りになる1シーンでした。

日曜日(8日)の夕方、一緒に日本に行った夫が咳をしていました。
本人は風邪だと言い張るのですが、念のため、NHS(国家保健省)のウェッブサイトでチェックしてみました。

(ケア施設に2日も行ってしまった後です!おばあさんの隣に座っておしゃべりもしてしまいました!!)

「日本から渡航して2週間以内で、咳か熱、または両方の症状がある人はコロナウィルスの検査を受けるべし」と書かれていて、検査の申し込みをその場で即しました。
検査機関からの連絡を待つようにとの指示が出ました。

翌日になっても連絡は来ませんでした。

「熱や咳のある人は決して、決して診療所や救急病院に行かないこと」という政府の強い通達が出ていたため、NHSのホットライン、111番には症状相談と検査申し込みの電話が殺到していたようです。

私も翌朝のどが痛くなり、腹痛を発症しました。

夫の咳はひどくなり、心配なことに熱まで出て...実はその時点で「これはただのひどい風邪ではないのか」と気がついたのですが、オンラインで検査を要請した時点で「自主隔離の市民義務」が発生してしまい、どこにも行かれないどころか万が一、夫の風邪だか新型コロナ肺炎だかの症状が悪化したとしても陰性の診断がない限り、診療所すら行けません。
(熱と咳のある人は立ち入り禁止なのですからっ!)

そういうわけで、「絶対に風邪だ」とイライラしながら言い張る夫が111番に連絡して「日本から2月27日に帰ってきた」と言うと、「今から30分後に指定の検査場所に車で来るように」と特急予約が取れました。(3月10日)

車で10分、検査所に向かいました。
住宅街の中にあるビジネスパークの駐車場の中に、車をとめて待つスペースが用意されてありました。


すぐそばの建物から溶接工のような防御服を着た女性の検査官が出てきて手早く検査をしてくれました。
車の中にいる私と夫ののどと鼻の奥に軸の長い綿棒を突っ込みちょんちょんとつついて検査は終わり。

離れた場所で受け取った綿棒を封筒に入れてレベルをはるアシスタントをしていた青年に見覚えがありました。
(手首のしまったてるてる坊主のような防御服を着ていましたが、顔は覆っていませんでした)
しばらく考えて、思い出しました。

すぐ近くの獣医科の診療所でうちの老ネコ、ホレイシオの抜歯手術の時に説明をしてくれた獣医科のインターン生でした!
夫の肩にしがみつくホレイシオの写真を撮った時 一緒に写ってしまったので顔を覚えていたのです(ブログにも顛末をのせています)。

獣医科の学生まで駆り出すほど手が足りないらしいのです!

結果は陰性
私も夫もただの風邪でした!
症状の軽かった私と違い 夫はまだ咳をしているので外出はひかえていますが、起きてコンピューターゲームをしています。

私と同じく腹痛になり、私より症状の重かった息子は、日本に行っていなかったので検査を受けられませんでした!!

ものすごい数の人が検査の順番待ちをしていたらしいのです。
私たちは日本にいたというだけで、図らずも順番飛ばしをしてしまったというわけなのです。

さて、陰性結果を聞いたその日、イギリス政府は海外からの感染を防ぐ努力をする段階を通り越し、国内での感染拡大をできるだけ遅らせる努力をする段階に入った、と発表しました。(3月12日)

「その発表は一週間遅い!」と思ったのは私だけではないはずですっ!

以後、日本や韓国等にいたから優先的に検査が受けられるなどということはなくなり、熱や咳の症状が出たら即、自主隔離するよう通達が出ました。
全員公平に検査が受けられず、感染を拡大しないよう各自で最大限の努力をする、ということになったらしいのです。
私たちは、日本がイギリスにとっての危険地域指定だった日最後の滑り込みで特急検査が受けられたわけなのです。

世話してくれる人が家にいない、いても共倒れ、あるいは重症化した時以外は111番に連絡をするな、ということです。

非常事態。

私が日本に滞在中にロンドン知事候補が日本で無理ならロンドンでオリンピックを引き受けると発言して主に日本人の抗議の的になっていましたっけ。たったの3週間前ですよ!!

昨日、3月13日金曜日の時点でイギリスの感染者数は日本を超えました。


日本が701人、UKが798人です。

とりあえず、日本で感染していなかったことがわかったので、スーパー、セインズベリーに行きました。
4日ぶりの外出でした。
「トイレットペーパーの売り場が空っぽ」はどうしたのかって?

長くなるのでまた明日。

もう十分長くなっていますが。


いつの間にかうちの近所のサクラがきれいに咲いていました。




昨日撮った写真です。


























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久しぶりに見ると懐かしい!日本ならではの光景 その2

2020年03月09日 09時00分00秒 | 日本
そう言えば、あった!日本ならではの...
続きです。

私の知らないうちにものすごいブームになっていたらしい、千葉県船橋市の非公式ゆるキャラ、ふなっしー。


日本独自の地方マーケティング現象、日本中の市町村の町おこしキャラクターゆるキャラ
ゆるキャラと地域の活性化の話題はイギリスのテレビでも取り上げられたことがありますし、マーケティングなどを専門にしている人たちには海外でも研究対象だったらしいのです。

そのわりには、日本国外でもマネをして成功した、という話を聞いたことがないように思います。
やはり、私が見たテレビ番組でも「異文化」として取り上げられていました。

すっかり死に絶えたと思っていたふなっしーが、駅ビルのピーナッツ(千葉県の特産品)専門店の入り口で客引きをしていました。
いえ、別に客引きをしていたわけでもなく、飾りとして外のソファーに置かれていただけです。
売り物のピーナツ製品との関連性もなさそうです。

役所指定のゆるキャラは今は人気が廃れて(かつてほどは)機能していないということですが企業のマスコットは健在です。

りそな銀行のマスコットらしい、りそにゃ。


頭でっかちで大きな目の市町村のゆるキャラと違い、デザインとしてあか抜けている大人っぽくシンプルでクールな表現、気に入ったので写真を撮りました。
ただ、命名には感心しません。
りそなだからりそにゃという安易さよりも私は個人的にネコが「うれしいにゃー」、イヌが「楽しいワン」などと言っているコピーをセンスないなぁと思っています。
...でもたぶん、日本では非常に親しまれている言い回しなのでしょうね。

日本にいる間にさまざまなところで見かけた企業マスコットですが、私は特に産地認定、野菜のゆるキャラに興味を持ちました。





多くは野菜に顔を書いて手脚をはやしただけのシンプルな表現なのですが...

ナスの帽子をかぶった少年ニンジャ、博多なす忍。


柿もエリンギも細くて長いナスもイギリスでは見かけないものですから、調理師をしている息子に見せるために写真を撮りました。

企業や特産品に注目を集めるためのかわいいキャラクターの創作は日本独自の発想なはずです。
少なくとも、ここまで広く普及している国は他にないのでは、と思います。


たぶん、ゆるキャラ以後の傾向だと思うのですが、どうなのでしょうか。
ゆるキャラが、(たとえ一時でも)観光地や特産品の知名度や、「ご当地」の好感度を上げるのに一役買ったと世界的にも注目される現象だったのですから、その後企業や特産品のプロモーションに引き継がれるのは当然でしょう。

でも、ゆるキャラはどうしてすたれたのでしょうか?

今年、神戸の三宮の繁華街で見かけた、焼き肉屋の前で客引きをする、神戸ウシのマスコット!!


かに道楽のグネグネ脚の動く電動看板!


去年帰国した時見かけた、秋葉原の焼き肉レストランの、かわいい~ブタの昭和の薫り高いほのぼのイラスト!



これも絶対に日本独自の....と決めつけてはいけませんね。少なくともイギリスでは絶対に考えられない食肉レストランのマスコットや客引き看板にその肉を提供する動物が五体満足な姿でかわいく/ユーモラスに登場する猟奇性

万カツサンドの看板の写真を撮っていると、同行の友達がいぶかりました。
どこが珍しいのか、何かマズいことがあるのかと聞かれました。

服を着たかわいいブタたちがニコニコしながらトンカツの話をしていていいわけがありません!
右側のお母さんブタなんて子ブタを前にフライパンでトンカツを調理しているではありませんか!!

(ニコニコ笑うウシのトレードマークも問題です)

ゆるキャラ以前から存在する日本の肉料理屋の擬人化された動物キャラクターは日本に住んでいたころから疑問視していました。
新宿にあったトンカツ屋さんの看板にフライパンを持ったブタのコックさんがいましたっけ...悲しいです!

牛肉やブタ肉製品のラベルなどにウシやブタのイメージを使うことは極力避けているような動物愛護国として知られるイギリスです。
ベジタリアンも非常に多く、子供たちにソーセージやフライドチキンがブタやニワトリの肉でできていることをある程度の年齢になるまで隠している親もたくさんいるらしいのです。

消費者の反応を敏感に察知して、まれにウシやブタのウェルフェアに心をくばって昔ながらの製法で作られた肉製品にはわざと昔のラベルなどからとった古いブタやウシのイラストが使われていることがあります。

例外的に生きた姿を表現しても消費者の反感を買わないのは、魚のイメージです。
サーディンの絵が描かれたサーディンの缶詰が売られています。

魚が尾かしら付きで食卓に上がることなどめったにないはずのイギリスなのに、不思議です。
看板に魚のイラストを使うフィッシュ&チップスが多いように思います。

ネコやクマや梨の妖精のキャラクターは確実に日本の市町村や企業のイメージアップに貢献しているらしいのですが、ブタの一家のイラストは焼き肉屋の売り上げにどれだけの影響力があるのか?







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久しぶりに見ると懐かしい!日本ならではの光景 その1 

2020年03月08日 09時00分00秒 | 日本
そう言えば、日本には...
立体の駐輪場があったのでした!




駅まで自転車に乗っていく人が実に多いですね。
イギリスでは車の排気ガスを減らすため、自治体や環境保護グループが熱心に自転車での通勤通学を推奨しているのですが、なかなか日本のようにはいきません。
原則として歩道上の走行は禁止ですし交通渋滞するラッシュアワーに車道を自転車で走るのはけっこう怖そうです。

でもしかし、イギリスでこれだけ(最寄り駅までの)自転車通勤通学が普及したら自転車をとめる設備をどうするか、考えはあるのでしょうか?

日本の、「合法的に」大量の自転車をとめさせる取り組みはスゴイです!
通行のジャマになるし、高級目デパートとショッピング・モールが入ったこぎれいな駅ビルなのですが、油をさされた金属、夏には匂うゴムタイヤが目の高さにずらっと...
...決して美的な光景ではないのですが、機能性には脱帽です!

どこの町にも公共の場の彫塑、彫刻、立体アートも数多くあったのでした。

古典的な裸婦のブロンズ像が多いようです。




☝「注文の多い噴水公園」正面の裸婦像の写真をもう一度。

立体駐輪施設のそばの、これは「交通安全の像」だそうです。


石工職人が制作したような作風が「アート」にしては異質だし、なぜここに? とかなり以前から疑問に思っていた作品です。
もしかしてもしかしたら、このすぐそばで小学生が2人、車にはねられて亡くなったその慰霊像...とか?
そうだとしたら、「道を横断するときは手をあげて」と道行くよい子たちに訴えかけているポーズがいたましいです。

由来をご存知の方、教えてください。F市...、ああ、もういい。千葉県船橋市の船橋駅です。

船橋市には、船橋港(東京湾)に流れ込む海老川沿いの橋巡り遊歩道があります。


川にかかる橋すべてに設置されたブロンズ像を見てまわるなかなか楽しい散歩コースです。


日本に住んでいた時の私は私は、公共の場所のアート設置は欧米諸国のマネだと思っていました。
イギリスに住んでいる今、それはどうやら違うということが分かったのですが疑問は残ります。
公共の場所の立体作品が日本にこんなに多いのはなぜなのか。


それも、ほとんどが現代、古典を問わずフォーマルな(お金のかかっていそうな)形態の永久設置アート。
イギリスやヨーロッパには町ゆかりの偉人の銅像のほか、町を活気づける、プロの作家が制作した落書き風の「ストリート・アート」が多く目につきます。
日本の「本格アート連投」は日本独自の現象だと思います。

ヨーロッパには、美術館の敷地や、美術館のあるエリアの広場などに限って気鋭の立体アートが設置されていることが多いのです。

この謎の球体のように...。


上野公園内の東京都美術館の屋外永久展示です。
自分の姿を写し込んでセルフィーを撮る人がいっぱい、愛される現代アートです。

日本の市町村の文化的アプローチ、いいと思います!!
(でも税金が使われているんですよね...)

2枚の写真は「現代の日本らしい風景が見たい」という友達に見せるために撮りました。




いずれも船橋駅のそばです。

このごちゃごちゃ看板のそれぞれの自己主張、規格の全く違う小さな建物がちまちまとコンパクトにかたまる日本人の生活臭を感じる通り、はイギリス人には強烈な旅情を感じさせるはずです。

日本の風景として海外で知られるイメージは大きく三分しています。
白砂の参道の向こうの赤い大鳥居、サクラと富士山のような「伝統」グループと、イギリスでは不人気の打ちっぱなし建築など無機質でクールなイメージ、渋谷駅前のスクランブル交差点で4方向から一斉に横断する人の群れといった「現代」グループ。
アニメやゆるキャラなどのファンキーでキッチュなイメージも若い人達のあこがれらしいのです。

「強烈な色彩のごちゃごちゃグラフィック」を第4のグループとして加えてもいいように思います。
繁華街の雑居ビルの飲食店や風俗店の看板やネオンサインなどがこのグループに加えられます。

次回に続きます。
毎日投稿を心がけます。
コロナウィルスへの対応なども前回更新した時から変化があるのをお伝えします。




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電車内での通話が他人にとって迷惑な日本ではあまり必要とも思えない車内アナウンスがひっきりなしに流れている印象...他

2020年03月06日 09時00分00秒 | 日本
日本で見かけた、「あまりかまわないでほしい!」と思わせる件、前回の続きです。



駅のプラットフォームでの立ち位置、階段の上がり降り、通行する右左を指し示すやじるしの洪水とともに....
日本では電車内のアナウンスの多さにまず圧倒されます。

他のお客様のご迷惑になりますので携帯電話はマナーモードにしてお使いください通話はご遠慮ください優先席の近くでは電源をお切りください/お体のご不自由なお客様お年を召したお客様のために座席をお譲りください/本日雨のため傘などのお忘れ物が多くなっております.../この先揺れますので手すりつり革などにおつかまりください/車内込み合ってまいりました1人でも多くのお客様が座席にお座りになれるよう..../ 扉付近でたちどまることなく.../お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけいたしますただいま特急電車待ち合わせのため.../お出口は左側です左側開きまーす

駅のホームで電車を待っている時も...

1番線総武線快速上り列車が到着いたします。黄色い線の内側まで下がってお待ちください/降りる方がすんでからご乗車ください/扉が閉まります次の電車をご利用ください/扉閉まりまーす発車いたします

のアナウンスがひっきりなしに聞こえてきます。



15年前初めて日本に来た夫が「車掌が乗客に放送で言うようなことか?」と本気でいぶかっていました。
現在、首都圏の私たちがよく利用する路線では英語、中国語、韓国語で録音された同じ内容のアナウンスも流れるので、車内ではひっきりなしに放送を聞かされている印象です。

慣れてしまえば、普通です。
私もイギリスに住み始める前には普通だと思っていましたし。

だけど、久しぶりに帰国して聞かされる内容は「親や先生に言われるのならともかく...」な公共道徳(譲りあい、思いやり)や秩序を守る呼びかけだったり、たった3分程度の信号待ち停車の説明だったり、忘れ物、閉まるドア、揺れに注意、など子供を思う親心のような内容だったり....。

イギリスでは基本的にホームでは到着した電車の行き先も行ってもらえませんし、いつの間にか扉が閉まり静かに出発するのが普通です。
車内ではつぎの停車駅の名前すら言わないのが長い間普通でした。
最近は次に停まる駅名をアナウンスしてくれることが増えたように思います。
10年ぐらい前に登場した、各車両の両端の電光掲示に次の停車駅の名前が右から左へ流れ続ける「ハイテク車両」ではやはり停車駅のアナウンスはありません。

「お出口は右側です」とも言ってくれません。
電車が止まると乗客が下りる側の扉のボタンを押して開けることになっているので、短い停車時間中に降りられるかどうか(特に利用者の少ない駅など)不安です。

だけど、これすら慣れてしまえば普通なのです。

突発的な揺れに備えてつり革や手すりにつかまるのは立っている人にとって当たり前なのでわざわざ注意してもらうまでのこともないと思われています。

ところで、日本で携帯電話の車内通話がどこでも禁止されているのは、「うるさい(他人に迷惑だ)」からですよね。
最近の携帯電話は感度が良いので大きな声を張り上げなくても普通の話し声で通話の相手に通じるのに、そして電車内にいる人と会話しても問題はないようなのに「車内通話は周りに迷惑」という理由で禁止されているのが不思議です。

もちろん日本のほとんどの乗客が「他人が車内で通話しているのは耳障りだから自分もやらない」と納得しているので必要な決まりなのでしょう。

車内アナウンスが(しかも自分たち日本人にとって不要な英語、中国語、韓国語まで自動的に繰り返される)ひっきりなしに流れるのは「うるさい」とは思わず聞き過ごせるのに他人の通話は「うるさい」、「迷惑」だと思うらしい日本人の感覚には疑問が残ります。

イギリスでは車内の放送がほとんどなく、乗客の車内通話は許されています。
家族に帰宅予想時間や夕食の段取り、駅まで迎えに来てもらえるかどうか、など文字チャットでも済む内容の用件を親し気に手短に通話しているのがよく聞こえてきます。

そう言えば、スマートフォンが普及する以前、10年ほど前には通話時間ごとに料金がかかる契約が主流だったので、現在と違って無料の「テキスト(電話回線の文字チャット)」で静かに連絡を取り合うことが多かったように思います。

利用者の安全確保と他人の迷惑になる行為の根絶そして秩序の維持!
が日本の社会の目標だといって良いのでしょうか。




その目標のためにはうるさかったり、余計なお世話だったり、見苦しかったり...日本国内に住んでいて見慣れている人達以外には奇異に映ることが疑問も持たれずに目の前で進行しているのが日本、だという印象です。


駅や電車の中だけではありません。
エスカレーターにも...


安全のための親切な注意が、図案で、文字で、そしてあたたかい女性の肉声を録音したアナウンスで繰り返し通達されます。







イギリスでは片側のみに極端に単純化した禁止マークのスティッカーがはられていることが多いようです。
注意事項は世界共通のようですが、文字で書かれているのを見たことがありません。(探せばあるのかもしれませんが)

エスカレーターに一度でも乗ったことがある人ならわかっているような注意アナウンスは、流しません。

よく利用するストックポートのスーパーのエスカレーターでは女性の声を模した無機質な合成音声で終着点に近づいていることを告げる、盲人を対象にしたアナウンスがありますが。


イギリスでは注意や警告、呼びかけは利用者の自己責任、公共心にゆだねるために必要最小限度におさえているようです。
その最小限度の通達は当然、より重きを置いてとられるはずなのです。

日本では書いたもの、放送したものが目や耳にとまることが注意や自覚を促す効果を生むと期待しているようなのです。
あるいは利用者を信頼していない?

日本の行政や関係機関がそれらのマジメな通達に多用する子供や擬人化された動物のマンガっぽいイラストは「四角四面のお役所仕事」、ガミガミ説教する「上から目線」と受けとられないよう、あるいはとんがった空気を和らげる工夫(のつもり)の表現だと思うのですが違うでしょうか。

日本では受け入れられているようですが、イギリス人にはふまじめにうつるかもしれません。
私はなんかちょっとバカにされている気になります。
イギリスで注意書きや警告に使われる図像はあくまで記号化された無機質な表現を目指しているように思えます。

その方が個人の感情(好み)がさしはさまれる余地を許さず単刀直入に必要なことを訴えられるから...だと思います。

以前に、近所の渓谷の遊歩道の途中にある自然観測池について書いた記事をのせました。
その池には囲いがないことのみならず、雨のあと地面がぬかるんで沼沢地化して とても危険なのにもかかわらず、危険を知らせる立て札や、立ち入り禁止札などが一切ないことに驚いた、というコメントをいくつかいただきました。

その時、日本とイギリス両国の行政や管理機関の、市民やサービス利用者への対応の大きな違いに気がつきました。
イギリスの行政は、多くの人を楽しませる美観を損ねてまで少数の「不心得者」や「自己責任への自覚が足りない人」に訴えかける警告や注意書きを立てるには及ばないと判断しているようなのです。
イギリスの市民は「子供扱い」されることを好みませんし。

日本の行政は「何かあった時のため」警告はしておいた、という既成事実を作っておきたがっているように思います。
スタッフやまわりの人が注意すると「逆切れ」されることもあるといいますし、書いておいておけばトラブルも回避できるということかもしれません。

話がそれますが、疑問なのが「歩きスマホ」です。


「歩きスマホ」を戒める絵入りのポスターや看板を駅に限らずたくさんの場所で目にしたにもかかわらず、スマートフォンを見ながら歩いている人が日本にはとても多いのです。

イギリスにももちろん同じくらいたくさんいますよ、「歩きスマホ」!
イギリスではその場で「気をつけろ!」と注意されてすぐ止める人をたびたび目にしていますが、書かれているのを見たことはありません。

電車内での通話をしない日本人が「歩きスマホ」をやめないのは他の人もやっているから、他の人に迷惑だという自覚がないから...だと思うのですが。
標語やポスターが役に立っていない、という好例ではないでしょうか。

日本には注意する人がいるのでしょうか。

それと、酔っ払い!


スーツを着たホワイトカラーの会社員がプラットフォームを千鳥足で歩いていたり公園のベンチで酔っぱらって寝そべっていたりなんて、イギリスでは想像もできません!

まさかの欧米人向け英訳マナーポスター!!


「nice♡」、「 good!」って...
いくらかわいい東武鉄道の女性職員キャラクターに「〇」をもらったって、思いやりや他者への心遣いを持つように鉄道会社に言われて「余計なお世話!」と思わない欧米人はたぶんあまりいない...と思います。















 
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日本で見かけた文字の羅列、フトドキ行為、許すまじ!景観を犠牲にする意義と効果はいかほど?

2020年03月04日 09時00分00秒 | 日本
先週まで日本に帰国していた時のことを書きます。(前回の続きです)

梅がきれいに咲いていました。


2週間ちょっと滞在した東京近郊の都市、F市の主要駅のすぐそばにある、公園です。
(ああぁ、F市だなんて昭和の終わりごろのミステリー小説のようですね...地名を出したくないのです)

真ん中に浅い池がありボコボコと噴水があがる、市民の憩いの場、きれいな公園です。


夕陽が美しい夕方に、駅から帰宅途上に写真を撮りました。


昼間に撮った入り口付近の写真です。


日本の公園ではおなじみの立て看板の林立...。
手前右には駐車場の利用時間と、公園利用者以外はとめないでほしい旨書かれている「お知らせ/お願い」。
奥には放置自転車に関する「警告」と、男の子が水の中に入っているイラストに「お願い 水の中には入らないでください!この水は飲めません」と書かれた「お願い」看板。

その右側には...


ハトにエサをやっている女の子のイラストと「フン害で迷惑しています。ハトにエサ与えないでください」の「お願い」看板、自転車に乗っている男の子が小さい子供にぶつかったところのイラストと「危険」の文字、「公園内で自転車などの走行はしないで!」と書かれた「呼びかけ」、
その後ろに斜めに映っているのには「他の人の迷惑となる様な行為はやめましょう」の「呼びかけ」看板が立っています。

噴水池の向こうのよく手入れされた花壇が並ぶエリアにも...


他の人の迷惑となる様な行為はやめましょう」が再び登場。ほか、「園内の禁煙にご協力ください」、ゴミ箱には家庭内のゴミは捨てないでください。」そしてゴミ捨てに関する罰則。

日本の公共の場所は利用者の公共心に訴える(懇願する、呼びかける、脅す)あるいは指導しようと躍起になっている文字列の洪水なのです。
この公園に限らず、私が訪れた多くの場所に共通して言えることです。

あの、見苦しくないですか。

日本にずっと住んでいる人にはこれが普通に映るのでしょうか。
美しく整備された公園の美観を損ねていないでしょうか。
言葉の選び方、や絵のヘタさ、(意味もなく)強調したい語を赤で書く子供っぽい前近代的なセンス、「...様な事や行為」って何ですか? 等々はこのさい追及しないことにしても 市民の憩いの場の公園で 市の公園緑地課が市民にガミガミ言う利点は(あるとすれば)何なのか教えてもらいたいです。

マンガっぽいイラストの多用はガミガミ言っている感じを和らげているつもりなのでしょうが、バカにされている気がします。
(え、しない?)

ああ、もちろん他の人の迷惑となる様な事や行為をする人が後を絶たないのですよね。
立て看板でけん制しておけばそういうことはなくなるでしょうし....いや、そんなことあるわけないですってば!!
第一、書くことによって(=してはいけないということを知らなかった人に教えてあげることによって)迷惑行為がなくなるのを期待するならば何が迷惑行為であるのかすべて書き出さなければいけないはずです。
ゴミを捨てるとか、たき火をするとか、花壇の花を抜くとか。大音量で音楽をかけるとか。
...じゃあ、記述がないから池に石を投げてもいいのか?というへ理屈を言う人がでてきたら...?「いい」というしかありません。

景観上問題あり、という以前に市民や公園利用者のモラルの低さ、公共心のなさを大声で触れ回っているような光景です。
市の公園課が利用者を子供扱いしているように見えるのも問題だと思うのですが。
(え、見えない?)

ちなみに、ベンチに座っている上の写真の男性は「園内の禁煙にご協力ください」立て看板の前で缶ビールを飲みながらタバコを吸っていました。

ついでですが、この公園の奥の時計塔のとても目立つスローガン...


「スポーツと平和を愛する、まちづくり」ははたして公園にとって必要でしょうか。

駅のロータリーに続く広い通りからよく見えます。
通りを行き来する住民に目標に対する自覚を促し、他市の市民に F 市の志の高さをアピールする役割を果たしているか、といえば全然そんなことはないと思います。
となりの市には「交通事故ゼロ都市宣言」と書かれたこれより大きな時計塔があります。

宣言したり、目標を掲げて文字にして公表することによってどのくらいの効用があるのでしょうか。
せめて市民の意識の高揚ぐらいは期待したいのですが...私だったら受験生が自分の部屋に「必勝・合格」などと書くようなことを公共の場所に税金を使って書くことが恥ずかしいようにおもうのですが、やっぱり、意味があることなのでしょうか?

電車で通った都内のある駅ビルの壁には「スポーツと人が熱いまち」と書かれていました。
目標や宣言ではなく、事実なのですよね、私が住人だったら恥ずかしいような...
(え、恥ずかしくない? 私が考えすぎでしょうか)

F 駅周辺のそのほかの看板。

一回言えばわかる。


大事な注意書きらしいのですがすさまじい退色ぶり。ポイ捨てされたタバコやゴミよりみっともない。


ああああぁ、F市だなんて固有名詞がまるわかりですね。(もういいか)


駅前にもあった、どう見てもイラストがよぶんなフトドキな女の子のハトのエサやり禁止看板。


公園の「フン害で迷惑しています。」の部分が抜けています。


通勤通学時間にはにぎわう川沿いの遊歩道。


自転車と歩行者の接触事故があったようです。
自転車での走行を禁止する旨通達する立て看板があった方がいいのはもちろんなのですが...





自転車での走行を禁止する旨、赤黒文字で大書されたこの黄色い立て看板は3メートルほどおきに設置されてました。
「自転車走行断じて許すまじ」の気迫がひしひしと伝わってきます。
私と夫が歩いている時に、これだけしつこく禁止立て札が出ているにもかかわらず、年配の奥様風の人が自転車で通り抜けていきました。
その人は、ただ単にうっかり心ここにあらず、といったかんじで降りるのを忘れたように見えたのですがうちの夫は「あの年齢層の日本人女性がここまで堂々と公共の規則違反をしている場面を初めて見た!」と感慨深げでした。

実家の近所です。




蛍光イエローの幟(のぼり)には「オレオレ詐欺に注意」と書かれています。
大風でまくれあがってずっとこの状態のままでした。


この地域にはオレオレ詐欺に引っかかった人が特別多いのでしょうか。
地域の高齢者は「だいじょうぶ、気をつけますからあの目立つ幟は下ろしてください」と申し立てるべきだと思います。

どうやら痴漢が多いらしいことは事実のようなのです。


日本の公共標語/看板ではすっかりおなじみの「文字の色変え」テクニックのため赤字で書かれて退色した「ちかんに注意」という字がうっすら輪郭だけ残っています。



以前は地元中学校のPTAによるおどろおどろしい、少女の前に立ちふさがる黒メガネでマスクをかけた怪しい男のイラスト入りたて看板がこの場所に20年以上設置されていました。
ぼろっちくなったので、何年か前に取り換えられたようです。

イギリスの住民は特にちかんのような風紀犯罪の警告看板を自分たちが住んでいる地域にたてることを絶対許さないはずです。
ちかんが多発するような問題のある地域であるという風評が確実に不動産の価値を引き下げるからです。

「不寛容な地主」も地域にとってマイナスイメージであるはずです。


以上、話が少しそれましたが、利用者の安全を守るため、他の利用者に迷惑となる行為を徹底的に排除するための日本の「ガミガミキャンペーン」についてとてもたくさん書くことがあります。
以下、次回に...。

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コロナウィルスの蔓延が不安な日本に一時帰国して帰ってきました...日本のマスクと感染予防、他

2020年03月02日 09時00分00秒 | 日本
2月の初めから先週まで、夫と二人で日本に帰国していました。


上野公園内で、外国人観光客を喜ばせていた桜の木です。
早咲きの種類でしょうね。暖冬とは関係なさそうです。

帰国前に2週間分のストックポート日報の記事を予約投稿していきました。
先週までの2週間分の記事がちょっぴり「時事性」にかけていたのはそのためなのです。

パーソナル・コンピュータを持参しないと記事の投稿が難しいのです。(スマートフォンで投稿すると規格が変わってしまうので避けています)
イギリスの自宅に落ち着いた今、日本での体験/感想を、撮った写真とともにつづります。

今回は、話題のコロナウィルス coronaviras ....
と、マスク


2月の最初の週に東京駅、新幹線ホームの一連のベンチに座る人たちすべてがマスクをしている光景が珍しかったので遠くから写真を撮りました。

滞在中、日本の2月にしては異例の気温の高さにびっくりしました。
普通2月の寒さは日本のほうがイギリスより厳しいため、暑がりの私も暖かい衣類を持参して準備周到で帰国したのですが、拍子抜けの暖冬、そのせいでしょうか、その週は新型ウィルスの襲撃に備えるためマスクを着用する人が意外に少なかったのです。
(暖かい時に自分の息の熱がこもるマスクをつけて出歩くのはけっこう煩わしいですよね)



実家近くで見かけた、これも早咲きのサクラのようです。どぎついピンクのこの種類はイギリスでもよく見かけます。☝

流感予防、花粉症対策のため、日本では冬から春先にかけてどこに行っても見かけるマスクですが、イギリスでは全く見かけません。
ほかのヨーロッパ諸国やアメリカでもマスクをする人はいないようです。

西洋人にとって、マスクといえば外科医が手術をする時につけるもの、一般人がしているのは不気味に映るようなのです。

私がイギリスに来る前、30年以上前の日本人向けの海外での「エチケットガイド本」には、「日本人のマスク着用者は欧米人には伝染病者各離病棟からの脱出者のような印象を与えるので要注意」とたしかに書かれていたのですが、現在は決してそんなとられ方はしません。
顔の下半分を隠すのはドロボウか暗殺者(ニンジャに例えればかっこいいのですが)、まっとうにお天道様の下を歩けない類の人たちの象徴に見えるようです。
あるいはただ単にヘンに見えるだけ。

(日本人女性がよくやる)口を覆って話をされるのも嫌がる西洋人が多いのです。

...10年ほど前の冬に帰国した時、日本人の私にも長ーいこと見ていなかった日本人の集団マスク姿が物珍しくうつりました。
初めて見たうちの夫ははっきりと怖がりました。

中国武漢でのコロナウィルスの大発生のニュースは、私たちが日本に行く前からイギリスのメディアを賑わしていました。
全員がマスクを着用していた中国の人々のニュース映像を見てマスクの必要性について問い合わせるイギリス人もかなりいたようです。

BBCニュースでは専門家がきっぱりと「マスクを着用することによって感染を防ぐ効果はほとんど期待できない(菌のついた手で口や鼻を触ることによる感染を防ぐ効果はあるだろうけど)」と言っていました。

実際、すべての人々がマスクをしているらしい中国でも感染はひろがる一方、(少なくとも私と夫にとって)マスクの効果に説得力はまるでありません。

私たちは日本でマスクなしを通しました。

私たちが到着した次の週には屋形船の新年会で集団感染、などなどの感染者情報が次々にニュースになり...

すべての人がマスク着用の電車にも乗り合わせました。


私たちの滞在中に感染の恐怖が「対岸の火事」ではなくなり、(気候は異常に暖かいにもかかわらず)感染予防のためマスク着用が大勢になったようです。



私たちには(あまり)説得力のないマスク着用の感染防止効果ですが、効果を期待するための正しい着用の仕方が公表された頃には私も「効果が少ないのにナンセンス!」とは思えなくなってきました。
「正しく着用さえすればある程度の効果はあるのかもしれない。そうでなければ天下のNHKが着用法について講釈するわけがないし、理知的な日本人ほとんどすべてが着用するわけがないではないか...?」と思い始めたのです。

でも、NHKが言っていた正しい着用法を徹底する人が何人いるのかが疑問です。
マスクが品薄で、「一度はずしたら捨てて新しいものと取り換える」を実践していた人は私の見る限り周りにはいませんでした。
ゴム紐以外マスクにさわらない、鼻の横にすき間がないように着用...もかなりハードルが高いように見えました。

メガネが曇るためか鼻を出している人も多く見かけました。

お母さんのマスクを引っ張っている赤ちゃんもいました。...お母さんの鼻や口がむき出しになることより、他人のマスクにさわるのは危険なのじゃなかったかしら、と心配に...

マスクの着用にある程度の効果があるらしいのは(しぶしぶですが)認めます。
ただ、効果を期待して着用するのなら、専門家が勧める通りにきちっと着用すればいいのに、でなかったらやっぱり意味ない、と思えてしまうのです。

中国の多くの都市では外出禁止令が出たということですが、日本では連休の一日、たくさんの人が込み合った電車に乗って外出していました。


☝これも上野公園です。
不忍の池のほとりでもサクラが咲いていました。


日本には今でも紙タオルやドライヤーが備え付けられていない公衆トイレも多く、日本人が愛用するハンカチの出番なのですが、咳やくしゃみをする時など鼻や口を抑えるのに使ったハンカチできれいに洗った手を拭いてもいいのでしょうか。
実際、ほとんどの人がマスクを外していたカフェやレストランでマスクがわりか、食べながらハンカチで口を覆う奥ゆかしい女性をけっこう見かけました。

私に言わせれば、みんながマスクを外して飲食やおしゃべりをする日本の狭いカフェやレストランのほうが皆が口を閉ざしている電車内より感染の危険が高いように思われます。

街にゴミ箱が少ない、あるいはまったくない地域もある日本ですが、鼻をかんだり、口元を拭いたりしたチリ紙などが捨てられず、バッグやポケットに入れて長く持ち歩くことになるのも気になりました。

...いえ、私自身はそれほど神経質ではなかったのですが、菌がついているかもしれないチリ紙をバッグの中に外出中ずっと入れていることを、どこに行くにもマスクを外さない潔癖な人たちはどう思っているのかと気になったのです。


焼き立てパンをトレーにのせてとってまわる日本特有のベーカリーではおいしそうなパンが覆いもなく飛沫を浴び放題です。

日本のセルフサービスのカフェやファーストフードレストランではトレーにのせたまま食べるためでしょうか、店の人がテーブルをいちいち拭くこともないようなのです。
(イギリスでは運ぶのに使ったトレーからテーブルにうつして食べる人が多いためか、片付けてテーブルを拭く仕事を専門にする人がけっこうたくさんいます。
多くは知的障害者のその人たちに片付けてもらうのは社会的にも意義のあることなのです)





ベーカリーで売られていたパンダあんぱんと、ブタの蒸しパンです☝


感染源だとされるエスカレーターの手すりに手を触れないようにしている人も多かったのですが、デパートでは「手すりにおつかまりになり...」と安全な利用を呼びかけるアナウンスが繰り返されていました。

「人と腕の長さ以上の距離をとる」のも感染防止に効果があるとNHKが言っていました。
がしかし、あの通勤ラッシュでどうやってその距離を取れというのか...?
日本ではいっせい実現が難しそうだった時差出勤がこれを機に根付くといいですね。

イギリスでは「効果が期待できない」と言われているマスクをいっせいに(しかも、専門家が勧める方法を徹底的に実行するのは難しい、マスクの供給が追い付かない、にもかかわらず)着用するよりも、もっと日本で感染防止に役立つことが実行できそうに思えました。


中国の隣国で、感染者が多い(イギリスに帰った時点で、クルーズ船の乗客をのぞいて240人ほどだったと思います)日本滞在者がほかの国への入国を阻止されることを心配していたのですが、検査もなく無事、ストックポートの自宅に帰宅できました。

中国人の入国者がいなかったせいか、入国審査の列の進みはいつもよりずっと早かったのです。

乗り継ぎ地のデュッセルドルフ(ドイツ)に到着以来、マスクをした人を一切見ていません。


☝イギリスでもとても人気のあるドイツの焼き菓子、ストゥルーデル(筒状のアップルパイ)を本場ドイツの空港で食べました。
3時間以上も乗り継ぎ時間があったのです。


デュッセルドルフ空港の乗り継ぎ中継所の身体検査をする男女の係官だけは道路工事現場などで作業をする人たちが着用する防塵用のマスクをしていました。

帰宅した日のニュースによれば、イギリスの感染者は14人、翌朝19人になり、そのうち1人(クルーズ船での感染者)がなくなったらしいのですがまだまだ影響が少ないイギリスです。

勤め先の老人ホームのマネージャーが今週は家で待機するよう連絡してきました。
日本に限らず、イギリス国外から2週間以内に入国した人はホームに入れない方針なのだそうです。
まさかの感染者が高齢の入居者に接触することをおそれる予防手段でしょうが、納得です。

私も(感染していたとしたら)まわりに拡散するのだけは避けるつもりでいます。
冷蔵庫内が空っぽなのでスーパーマーケットで買い物はしましたが、しばらくは不要不急の外出や家族に高齢者や子供のいる人と会うのも控えた方がいいかもしれませんね。

全日空のジャンボ機では、マスクをしたたくさんの日本人ツアー客と乗り合わせました。
日本から帰国するらしい大勢のヨーロッパ人もあわせると200人ぐらいはいたでしょうか。

成田空港からは数分おきに出発便が国外に向けて離陸していました。
私と同じ日にとてもたくさんの人が日本国内から海外に渡航したはずです。



海外旅行ツアーの人たちはまさか自主隔離なんてするはずがないし日本人のツアー客は短期間に多くのヨーロッパの都市を回るはずですね。
感染の可能性のある人たちがまさかのヨーロッパにコロナ菌拡散...なんてことにならなければいいのですが。

昨日のイギリスのスカイニュースチャンネルでは、「中国のように大量感染者が発生した場合、イギリスがどこまで対応できるのか」を解説していました。

解説者は「中国のように6日で専門の病院を建てるのは無理。中国のように外出禁止を罰則を伴う法令化するのも無理。なぜならイギリスは民主国家だから。」と言っていました。

日本のように各人が自己流の努力をするよりも中国のように全員がマスクを正しく装着したり、外出禁止や町の閉鎖を法令化するなど国家の圧力のもとに徹底的にちゃんとやった方がいいに決まっているのです。
...がいかんせん、日本もイギリスも民主国家なのです!
中国式は無理ですよ。(中国ではあれだけやってもまだ感染者が増えていますね)

さて、感染レベルが日本並みになったとすれば、イギリスはどの程度の対策がとれるのか.?


東京駅の新幹線ホームで見つけた広告看板、気に入りました。☟





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