イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

しつこく追い続ける、マンチェスターの汚名の壁!取り壊しのめどはまだ立たず

2018年09月02日 09時00分00秒 | マンチェスター
またまた、マンチェスターの話題です。

しかも、これまたおなじみの「マンチェスターの壁 Manchester Wall」


正式名は「壁 the wall」。

現代日本を代表する建築家、安藤忠雄のデザインです。

市民の憩いのオアシス、噴水と緑の芝生のエリア、ピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens を半囲いにする、コンクリート撃ちっぱなしのこの「壁」、ベルリンの壁になぞらえてつけられた「マンチェスターの壁」という通称のほうがよく知られているようです。

出現以来、市民の憎悪のまとです。



今年の7月の暑い日に撮ったピカディリー・ガーデンズの写真を見つけました。





上の二枚のどちらにも、鳩の公衆便所壁が背景にちらっと写っています。




それにしても、さいしょは「本当のベルリンの壁のようにしてやる」とペンキで落書きをする不心得者が一人もいないようなのが不思議でした。

いたようですね。

過去にも当局が落書きを苦心して消したような痕跡が残る壁の写真を載せたことがあります。

しかし!



いつ描かれたかは知りませんが、こんなにおおがかりな落書きが放置されているのを見るのは初めてです。

しかも、スッパリ下半分(作業員の手が届く部分?)は苦心して消した痕跡がありありと残っているのです。

反対側の写真です。


見るも無残なハトの公衆便所部分の、厚く積もった糞はどうやらこそげ落とされたらしいのですが、(以前の記事の写真を見てください。リンクをいちばん下に貼りました)市当局が壁の定期的なメインテナンスを明らかに放擲したあとの湿気による黒ずみはそのままです。

マンチェスター・プライド Manchester Pride という性的少数派の権利をたたえ、偏見の撤廃を訴える大イベントで4日間にわたって盛り上がった週末明けの火曜日です。(月曜日はバンクホリデーという祝日でした)

国中、あるいは海外からも運動支援者や単なるお祭り好きがマンチェスターにわんさか集まったのです。

マンチェスター、シティセンターのさらなる中心地、ピカディリー・ガーデンズのばばっちい、みすぼらしい壁!

本来は市が誇るべき、パブリック・アートなはずです。

以前は確かにコンクリート表面がつるりと均一なグレーに保たれていて、市民の嫌う威圧感はともかくとして、無機質な美しさはまあ、たしかにありました。


しかし取り壊しが決まってからのこの体たらく!

いくら何でも市の名誉にかかわるのではないか?とちょっときれいにしてみようとする…でも、どうせ取り壊す市民の憎悪のまと、落書き消し作業は税金の無駄づかいだ…いや、大勢の観光客の目にとまる国際イベントを控えて、いくら何でもハトの糞てんこ盛りはまずいのではないか?!…などという葛藤があったのかもしれません。いえ、あくまで私の想像ですが。



以前に来た時、すぐ裏にある観光案内所で屋外アートイベント Bee in the City の案内地図をもらったついでに、壁取り壊しの動きについて係の人に聞いてみました。

「よくぞ聞いてくれた!」とばかりにうれしそうに答えてくれたその人のいうには、「公的にはあと二年は取り壊しが実現しない。しかし、早期実現に向けて署名運動を起こす気運もあるらしい」ということでした。

二年も残るんなら、ちょっとクリーニングぐらいした方がいいと思うのですが。
国際観光都市を目指すマンチェスター。

ばっちい、見苦しい、ここまで落ち目!ピカディリー・ガーデンズの打ちっぱなし「壁」近況


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コメント (2)
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