イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

合意なきブレクジット、ぎりぎり回避、ハロウィーンの日に思うこと.....イギリスの流動性と多様性と寛容性, 永遠なれ

2019年10月31日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢

今日は、あまり気乗りのしない行事、ハロウィーンの日です。



以前はハロウィーンの当日の日暮れ近くまでハロウィーンの飾りつけはしない不文律(?)が何となくあったものです。しかし今では、なし崩し的に何週間も前に玄関先や前庭に面した窓に骸骨やクモの巣、こうもり等を使った「怪談ディスプレイ」をするイベント好きな人たちが増えてきました。

需要にのって、9月の終わりごろからハロウィーン・パーティ用品や飾りの専用売り場がスーパーに出現、ハロウィーン関連の商品を置いていない店までも飾りつけで人目を引こうと一生懸命...



今日の本題は、ハロウィーンと無関係。

ここ2週間ほどの間に撮ったスーパーやショッピングセンターのハロウィーン便乗お祭り商法の写真を本文と関係なく載せます。



ウェストミンスター(国会)の長い野次りあい閣議と採択を経てハロウィーン・ブレクジットがとりあえず回避されました。

EUとの合意を得られず、今日10月31日に実施されるはずだったブレクジット(EU=欧州連合からのイギリス連合王国の離脱)が(また!!)先延ばしになったのです。



とりあえずブレグジット絶対反対派の私たちは、「合意のないブレグジット」が実現しなくてほっとしているところですが.....先行きは不安です。





イギリスの素晴らしい点(のひとつは)何といっても移民によって作り出された文化の多様性、なのです。



自由と民主主義、公共の利益とお互いの人権を尊重するルールを守りさえすれば、人種や信仰、信条、性別、貧富、年齢、障害の有無、出身地、セクシャル・オリエンテーション(同性愛者か異性愛者か等)などによって差別されることなく平等に扱われることを保証した社会が実際実現していたのです。

少なくとも国家を上げて実現を目指していたように見えました。



ところがここ数年、ブレクジットを採択した後のイギリスでは「移民ウザい」「イスラム教徒が怖い」「東欧からの出稼ぎが俺たちの仕事を取りやがった」と口に出して言う人が増えた、言ってもいいんじゃないかと考える人が増えたような気がします。

そういう考えの人たちはもちろんずっと以前から一定数いたはずなのですが、大っぴらに口に出す人はそれほどいなかったような気がします。

離脱に投票した人の多くは出稼ぎや移民の増大に不安を抱いていたようです。
「な~んだ、やっぱりみんな思っていたんじゃないか、移民がウザいって!」と確認しあえる風潮が生まれたのかもしれません。


社会保障と最低賃金が世界でトップクラスのイギリスに入国永住を希望する人が後を絶たないそうです。

EU離脱でいままで無制限に入国させていたEU諸国の国民を来られなくしてしまえば、人道上の責任のある紛争地などからの難民に「来るな」といってもいいんじゃないのか...?という風潮が育ってもおかしくありません。

イギリスってそんなにフトコロの狭い国だったっけ?

イギリス固有の文化や生活習慣がヨーロッパ諸国の干渉を受けることに不満を持つ人も多かったらしいのです。
例えば、メートル法になじめず、ごみの仕分けがめんどくさいお年寄りとか....

固有の文化や生活習慣へのこだわりが流動性のある、寛容な社会を作り出す妨げになるのは絶対に確かなことです!
固有の文化や生活習慣を捨てることなく異文化と共存できる強さを持っているのがイギリスだと私はずっと信じていたのです。



少子化で、労働者不足の日本でも移民受け入れの必要性が叫ばれているようですが、日本人の多くが反対していると聞きました。

その反対意見の論拠(のひとつ)が「移民を多く受け入れてきたイギリス、ドイツ、フランスの困った状態を見てみろ!日本があんなに混乱した社会になってもいいのか!?」だというのが聞き捨てなりません。

困っていません。

イギリスは、移民を受け入れることで戦後70年間発展してきたのです。

移民が持ち込んだ弊害(ここでは述べません)も数多く見てきたうえで多様性がやっぱり一番ときっぱり言い切れる私の意見を、政見ブログではないストックポート日報に初めて書いてみました。





EU離脱は何もいいことをもたらしませんっ!


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ストックポートで見かけた忠犬

2019年10月30日 09時00分00秒 | 英国のイヌ
ストックポートの安売りドラッグストアの入り口真正面で買い物をしている飼い主を待つ忠犬。


世界中で大人気のラブラドール・レトリーバー Labrador Retriever です。
イギリスでも、とてもよく見かける、流行りすたれがない賢くなつきやすい犬種なのですがストックポート日報に取り上げたのはこれが初めてですね。

写真に写っている通りがかりの女性といっしょに「つながれていないのにじっとしてるなんて、なんて良いイヌなの!?」と感心しあいました。
その人は「うちのバカイヌは絶対に私のあとについて中に入ってきちゃうね」と言っていました。

私は心の中で「本当のバカイヌは つないでおかないと どこかへかってに行っちゃうはずだ」と思ったのですが言いませんでした。

頭や首をなでなでしてもしっぽを振って顔をすり寄せてくることなどなく、鼻先を店の中に向けて顔を前後右左にゆっくり動かし、見えないものを目で追っている動作を続けていました。

おそらく奥行きが深く、広い店内で買い物をしている飼い主のにおいや足音をかぎ分け、聞き分け、外から動きを追っていたのでしょう。

私たちは彼の一心不乱な集中力を乱しては悪いと思ったので離れました。

忠犬ぶり、ここに究めり!



イギリスではイヌを 引きひもでつながなくてはいけない 決まりはないようです。
おとなしくついてきて、人に迷惑をかけないかぎり、つながないで歩かせてもいいみたいです。イヌを従えて町の中を歩いている飼い主をけっこう見ますよ。

イヌもバスや電車に乗せられます。
おとなしくして、ほかの乗客に迷惑をかけないかぎりは。
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リスボンのカップヌードルと天皇陛下即位の礼のつながり、壮大なこじつけ

2019年10月28日 09時00分00秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!
シブい!日本語表記カテゴリー、番外編です。



バンザイ・ヌードル、リスボンの、滞在したホテルの斜め前の遅くまであいている食品店で見つけました。買わずに写真を撮っただけ。

さて、話題が古くて恐縮です。天皇陛下の即位の礼
(しかも写真もずいぶん前に行ったリスボン旅行のもの...)

BBCの海外ニュースでみて驚きました。即位はもう4月ごろに終わっていたと思っていたものですから。

天皇皇后両陛下の立つ何とかいう台の幕が開けられたところ(夫は、パペット・シアターみたいだと大喜び)。
声明文を読み上げる陛下(最初のほんの一瞬)。
万歳三唱をリードするアベ首相と、唱和する官僚。
国賓席でとなりの国賓と談笑するチャールズ皇太子(ほんの一瞬)。
礼砲。
....のおなじ切り貼り映像(3分ぐらい)がニュースのたびに放映されました。
ブレクジットのニュースを憑りつかれたように見たがる夫がニュースチャンネルをよくつけているので何回も見てしまいました。

「天皇の長寿を祈願するフレーズ」といった解説付きで万歳三唱シーンをちゃんと3回の唱和付きで見せてくれたのが日本人の私を居心地悪くしました。

戦争体験のある方はもっと複雑な気持ちだったのではないでしょうか。

私たち戦後生まれの世代も大戦末期に追い詰められた日本兵が「天皇陛下バンザーイ」と叫んで自決するシーンを映画やドラマで見て知っていますし....



それよりも、燕尾服着用の紳士然とした中年の男が「バンザーイ」と両手を突き上げて叫ぶ場面が王朝装束の人たちがぞろぞろ居並ぶ「荘厳」で厳粛な雰囲気を思いっきりぶち壊した感が否めないのですが。

ほんとうに伝統儀式の一部なのでしょうか。

バンザーイといえば合格発表、当選確実の立候補者の事務所からの中継、宝くじで特賞が当たった人...などの場面が思い浮かぶのは平和の証(?)。
ね、俗っぽいですよね?

「天皇陛下」が頭につけば太平洋戦争の暗い記憶にさか戻り....

夫は「日本人がバンザーイするところを初めて見た」と無邪気に喜んでいました。
単なる海外の奇習と映ったようです(面倒くさいのでバンザーイにまつわる複雑な背景の説明は省きました)

即位式の映像は日本国外の人にとってはちょっとしたエンターテインメントです。

あ、多くの日本人にとってもそうですよね。

平成の即位の礼のテレビ中継を日本で見たはずなのですが「天皇陛下バンザーイ」場面があったかどうか覚えていません。

天皇制とか昭和天皇の戦争責任に関して強い主張があるわけではないのですが、自分なりの意見があります。
それでも同じ世代で、家族思いの気さくな方らしい徳仁天皇陛下には親しみを感じています。

夫が勝手に思い浮かべたイギリス伝統のパペット・シアター puppet theatre (人形芝居)



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ネコの背中にポケットがある。加齢とともに収納力アップか?

2019年10月27日 09時00分00秒 | うちのネコ、よそのネコ
私の膝の上に這い上がってきたネコのホレイシオ、16歳。


ネコの猫背の背中が水平に「肩」にぶつかるあたりに平らなくぼみがありますよね。
肩甲骨に挟まれた三角地帯です。

三角形のポケット。

拾ってきて家に置いておいたらいつの間にか殻がしわしわになって小さくなった「コンカー(ホースチェストナッツ=マロニエ)」の実を入れてみました。



4つ安定しておさまりました。

以前から気になっていた三角形のポケットですが、ホレイシオが若かった時からこんなに収納スペースがあったのかどうかおぼえていません。

物を詰め込んでみようなどと思い付いたのはこの時が初めてです。
年を取ってから肉が落ち、もしかして、くぼみが深くなっている.....?
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修復過程のヴィクトリア・バス、市民に愛される文化遺産、修復費用をまかなうためにイベント会場として大活躍中

2019年10月26日 09時00分00秒 | マンチェスター
現在イベント会場として人気のスポット、ヴィクトリア・バス Victoria Baths 。昨日の続きです。


かつて女性用のプール入り口だった右端の扉がイベント会場の入り口として使われています。
きちんと車いす対応の長く折れ曲がったランプ(坂)がつけられています。

修復は現在も進行中です。

建物の前面2階のスペースに横に長く並ぶ数部屋は管理人の住居だったそうです。


20世紀初頭の代表的な住居窓、美しいアールデコ様式のステンドグラスはオリジナルだそうです。
床は比較的最近はりかえらえれたようです。

女性用プールの壁も修復途中のようです。




今でも文化遺産の修復、保存援助の公的基金が投入されているのか実は調べられませんでした。

定期的に開催されるフェアやイベントに会場を賃貸することでかなりの収益を上げていると思われるのですが、どうでしょうか。
もちろん収益金はすべて修復費用にまわされるはずです。

私が先週行った、ヴィンテージ家具と雑貨フェア、Vintage Home Show もイベントのひとつです。


販売会ですが、入場者からも5ポンドの入場料を徴収しています。



いわゆる、「アンティーク・マーケット」とは趣の異なる1950年、60年、70年代のものを扱うレトロでおしゃれな「ヴィンテージ」フェアでした。

2,30年前にはガラクタ同様だったレトロ家具が、修理されたり手を入れられたりして、けっこうたいそうな値段で販売されています。

今でも老人ホームに入居するお年寄りなどが自宅の古家具を値打ちも知らず業者に手数料を払ってゴミ捨て場に捨てに行かせる類の古道具...案外そんなところからも流れてくるのかもしれません。

私も好きなのですが、すでに家具は足りているし欲しいものがあったとしてもこんな特設の販売会場で即決するのがためらわれるほどの高額なものがほとんど。
明らかにセカンドハンド価格であることを確認して、ヴィンテージではないひざ掛け毛布(値切って12ポンド)と、1970年代のロブスター柄のティータオル(言い値で10ポンド)を即決購入。

すべて他にはない一点ものなので、欲しいものが見つかれば即決購入がこういったイベントでの買い物の成功の秘訣なのでしょうね。
....ウェッブサイトなどでじっくり他も見ながら検討するのに慣れた今、家具の即決購入はやっぱりためらわれます....



☝手すりの対角の角あたりに私の買ったひざ掛け毛布が小さく写っているのを発見!

男性用<一等>プール。


ミュージック・イベントの際はオーケストラ・ボックスのように楽団が入って演奏するらしいです。
音響がいいのかもしれません。

結婚式にも貸し出している、と案内ポスターにありました。
結婚登記所から出張してきた職員が、プール内に並べた椅子に座る列席者を前に式を執り行ってくれます。

まわりの更衣室ブースのレトロなシマシマカーテンがかわいい!最近取り付けられたようです。


毎年、9月の週末2日だけこのプールに水がはられ、予約でチケットを購入した入場者に開放されるそうです。
多くの入場者は20世紀初頭の水着を着用してコスプレ水泳大会に興ずるということ...見物したい!



イベントの日はイスとテーブルを並べてカフェとして利用される「パイナップル・ルーム」


正面にパイナップルの絵のステンドグラスがあるころからついた通称だそうです。

この部屋と左にある似たようなつくりのもう一部屋は結婚式後のパーティーなどに貸し出せるそうです。
研修や会議にもぴったり!と案内ウェッブにありました。

10年前に見学に来たときはボロボロで、建築資材がぎっしり詰まっていたような不確かな記憶があります。

水曜日の午後はボランティアによる有料(7ポンド)ガイド・ツアーがあるそうです。

前述の管理人の居住エリアとプール観覧席エリアの境にあった美しい、アールヌーボーのステンドグラス。


ここも管理人の居住エリアです。


1906年のグランド・オープニングの時から奇跡のように生き残った「クリケット」テーマのステンドグラス。


こちらは「フットボール(サッカー)」


修復された「古城」と「水車小屋」


半壊状態のヴィクトリアバスでやはり奇跡的に生き残った「妖精」(「トルコ風呂」にあります)は、ヴィクトリア・バス修復のシンボルでもあったはずです。


前回に来たときは周りのステンドグラスは板で囲われていた記憶があります。
修復されたようですね。

御影石のような床も、10年前は荒いコンクリート敷きだったように覚えています。

「トルコ風呂」でも結婚式が挙げられます。
と言うより、どうやら賃貸料を払えばどこで何をしてもいいらしい貸し切りスペースがいっぱいのビクトリア・バス!

「トルコ風呂」から見えるイベント会場、(もと)男性用二等プール。


床も、壁のタイルも新品です!!


改修中に入った時には壁のタイルがところどころはがされ、ペンキで落書きがされていました。

修復過程の見学会と同時に、なぜかこの場所で前衛アーテイストの個展が小規模に開催されていました。
どんな作品だったか、全くおぼえていません!

緑のタイルもアールヌーボー様式!
修復されたものかオリジナルなのかわかりません。

10年前の見学会の際どんな状態だったのか、説明があったのかも覚えていません。

ハロウィーンイベント、クリスマスイベントなど年内もイベント予定が盛りだくさん!


古代ローマ時代の浴場風モザイクタイルの床!





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マンチェスターのかつての繁栄を今に伝える市民プール施設、ヴィクトリア・バス、悲しいボロボロ時代を経て修復が進む市民に愛される文化遺産

2019年10月25日 09時00分00秒 | マンチェスター
週末、マンチェスターのヴィンテージ・ホーム・ショウ Vintage Home Show という古家具、ヴィンテージ雑貨のマーケット・イベントに行きました。


会場は、ヴィクトリア・バス Victoria Baths


マンチェスターのタウンセンターから歩くと20分ぐらいでしょうか。
マンチェスター大学、マンチェスター博物館、ウィットワース美術館(いずれも大学所有)などのあるユニバーシティ・エリアのすぐ近くに位置する、エドワード時代の市民プールだった建築物です。

オープンしたのは、1906年、9月。

マンチェスター市が建設、開放したそれはそれは豪華な、当時のマンチェスターの繁栄ぶりを世界に誇示する世界最高水準の市民のためのレジャー施設だったのです。

男性用の「ギャーラ(一等)プール male Gala pool」、男性用の「セカンド・クラス(二等)プール male second-class pool」、女性用「female pool」の三つの温水プールに、市民が利用できる洗濯施設 laundry、1人用の浴槽のある個室 private bathes (男女別それぞれ等級あり)、トルコ風呂 Turkish baths (蒸し風呂) がありました。

「男性用二等プール」の入り口。


等級によって入り口が違います。もちろん料金も違います。

一番立派で入場料も高かった、ギャーラ・プール。


「トルコ風呂」の内部です。




こちらは一番小さな女性用プール。


産業革命を世界に先駆けて完成した、「世界の工場」イギリスのそのまた工業の中心地、マンチェスターの 隅々にまで贅を凝らした装飾が当時の太っ腹(成金)ぶりを物語っています。







マンチェスターの繁栄も長くは続かず、戦後、綿織物の生産の中心がインドや東南アジアに移行した後は景気が後退...この豪華絢爛、時代がかったレジャー施設を存続維持することが困難になりました。

1950年代に男性用の「二等」プールが埋め立てられて、「スポーツ・ホール」に改装されました。


改装された当時は「ダンス・ホール」として利用されていたらしいのですが、現在メインのイベント会場に活用されています。




建物を裏側から見たところです。


私がマンチェスターに留学中の1993年に永久閉鎖されました。
最後には使用されていたのは一番小さい(もと)女性用プールだけだったそうです。

行ってみなかったのが残念です。

学生課で下宿先として紹介されたテラスト・ハウス(棟割り長屋)を見に来た時、すぐななめ前にあるこのヴィクトリア・バスに圧倒されました。
解放されている市民プールだと知り、再び驚愕。

けっきょくその家には下宿しなかったのですが、そのうち戻って入ってみなくては(そうだ、水着を持ってない)...などと思っているうちに1年も閉鎖されていました。

そして、20年以上前、この通りと平行に走るとなりの通りに半年ほど住んだのですが...
当時の夕方の散歩道でした...閉鎖されてからほんの4,5年の間にひどくボロボロに荒廃した建物の状態にまたショックを受けました。

星付き第二級保存指定建築 Grade II* Listed Building (=準一級)なので取り壊すわけにもいかなかったんですね。

再建修復するべき「連合王国で最も市民に愛される半壊(ボロボロ)建築物」を視聴者投票で選ぶ「Restration」というBBCのテレビ番組で優勝したのは2003年です。
賞金として修復、保存費用として充てられることになった宝くじの収益金の莫大な金額が、実は焼け石に水 だったのが判明したのは修復活動が起動してから....

文化財の修復、保存費用をいったんつぎ込んだからには途中でやめるわけにはいきません。
番組放送以後、市民の注目度もグーンとアップ、修復そしてプールとして再オープンへの期待がどんどん高まっていきました。

私も修復存続嘆願書に署名しましたし、少額の寄付もしました。オープンデイに説明を聞きにもいきました。

閉鎖と同時に結成され、市民の文化遺産を忘れられた存在にしないために地道に活動を続けてきた「ヴィクトリア・バス友の会 The Friends of Victoria Baths」が、以後は市民を巻き込んでの長い長い 修復活動に乗り出したのでした。

維持費がかかりすぎるため、プールの再開は現在のところ視野に入ってはいないそうです。
それでも市民の生活史遺産として保存活動が続行されています。

修復がかなり進んだ現在、この建物は現在イベント会場としてフェアやマーケット、コンサートや映画上映会などに使われています。

当時まだかなり危険な状態で、指定された順路以外歩くことを許されなかった10年ほど前、2回目の見学ツアーに参加して以来 戻る機会がなかったのですが、今回の楽しそうなヴィンテージ・フェア、友達といってみることにしたのです。


早くついたので開場前に周りを散歩しました。


路上に金髪のカツラが落ちていました。



続きと、ヴィンテージ・フェアに関してはまた次回に。


















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リスボンにもあった、へんなもの。せっかく撮った写真なので載せきることにするリスボン最終回

2019年10月24日 09時00分00秒 | ヨーロッパ
リスボンで撮った写真がまだあります。(たぶんこれで最後です)

古い建物が多く残る街の古い建物に多いのがこれ......


どういう事情でか、窓がふさがれています。
建築物が建てられてから長いことたつ間に内部の間取りが変わったとか、イギリスのように「窓税」がかかるのを避けて塗りこめたとか....

なんだか上の写真の大規模な「窓の痕(あと)」らしき現象はあとから塗りこめたようには見えません。
窓の中に貼り詰められたポルトガルの建築物の典型的な装飾タイルが周りの壁と全く同じでした。

もしかして、最初から窓なしで建てて、それでもバランスなどを考えて窓のあるべき一に窓枠(窓もどき)をずらっと配置した??

私が勝手に作り上げた「窓もどき」説に関しては、2年前のイギリス南西部の観光地バース Bath の記事を読んでください↓

窓もどき!天下の悪法、窓税が作り出したへんてこりんな建物の数々  バース  10


これは規模が大きいです。


これは、何らかの事情があって広場に面した窓をすべて後から塞いだようです。

堂々としたみっともない塞ぎ方です。
屋根の部分から張りだしたドーマー窓まで塞がれています。

同じく古い建物にしばしばみられる「高所ドア」


二階の高さよりちょっと低いぐらいの位置に、たぶん外から出入りできるよう階段付きの独立した出入口があったのでしょうね。
ハトがとまっている戸口の下に明らかに突き出した床があった形跡が見うけられます。

二階の出入り口を廃したのに、戸口も塞いじゃったりしないで扉や窓の保存状態もカンペキに保っておく律義さが気に入りました。

イギリスではおなじみです。


改装補修中の足場の覆いにビルの外観の実寸イラスト付き!イギリスでは写真版をよく見ます。
さすがは国際観光都市!都市景観への配慮が行き届いています。

リスボンについて最初に撮った写真がこれです。


縛り首用の「首吊り縄」そっくりな地下鉄のつり革。
皮製ではなく、金属でした。

そういえば、私がイギリスに来たばかりのころ、ロンドンの地下鉄にはつり革の代りに黒い硬いゴムの玉がバネの先についてブルブル揺れていましたっけ。
手のひらにスポッとおさまる握り玉、慣れないと不安定でした。

ロンドンに行く機会はそうそうなく、いつ現行のプラスチックのトライアングル型にモデルチェンジされたのか記憶がありません。



イギリスではめったに見ることのないナプキン・ディスペンサー、スペインとポルトガルではたいていのカフェのテーブルに設置されています。


一枚ずつ簡単に引き出せる清潔で実用的な優れもの、すべてビール、コーヒー、清涼飲料などのメーカーのロゴ入りです。
中身のナプキンにも一枚一枚ロゴが印刷されていることもあります。

納品業者がサービスでくれるのでしょうね。

「自分の肖像(自社ロゴ)入りのカップからおいしそうにコーヒーを飲む歯抜け男」キャラクターが気に入りました。

広場に並べたテーブルに長居したのですが、背後の古い建物のカフェに入ってお手洗いを使いました。

入り口上部のアーチに、「自社ロゴ入りのカップからおいしそうにコーヒーを飲む歯抜け男」のレリーフが彫り付けてありました。


ブラジル産コーヒー会社の直営店?
あるいはカフェの開店祝いに業者が外装もサービス、ついでにあまり優雅ではない歯抜け男の宣伝モチーフも残していったとか?

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リスボンの写真がまだ出てきた....タイルとモザイク、古典柄の連続模様はリスボン名物、アートバージョンも存在する

2019年10月22日 09時00分00秒 | ヨーロッパ
昨日に引き続き、「リスボン写真」の復活です。


どうせだから、テーマに沿って出し切っちゃいます。




ポルトガルの建築物のどうやら定番装飾アイテムらしい外壁を覆いつくすタイル

上の写真3枚は、あまり保存状態がいいとも思えない現代タイル作家の落書き調タイル作品(伝統のマヨルカ焼き風にも見えます)。

うーん。
オリジナルのタイルが破損したとか剥落した、とかで修復が難しかったりすると思い切って斬新な現代アート風タイルに貼り替えちゃったりするアイデアもいいかもしれません。

貼り変えちゃったならメインテナンスをちゃんとすればいいのに、と思いませんか。

遠くて、はっきりしませんね....


上の写真のたてものの上階は、タイルが剥がれて、(あるいは意図的にはがして)ほっておくとこんなにボロボロでしょぼくなる、見本です。
一階の一部にかろうじてタイルが集中して残っています。

街の中心にも「タイルの剥がれたボロボロ外壁」建築をけっこう見かけました。

街の中心からちょっと離れた場所で見つけた、剥がれた部分に張り付けた手描きのタイル柄のコピー。


元のタイルを忠実に復元してカラーコピーしてもしょぼいものはしょぼい。
どうせなら開き直っていかにも「どうでもよい」処理にしたところが感心です。

きれいなタイル貼り建築のごく一例。





かなり長い間広場に並べたカフェのテーブルに居座って楽しませてもらったストリート・ダンサーの写真です。


帽子がまわってきた2回ともお金を入れて賞賛の意を表しました。


写真をのせたポイントは、モザイクの敷石です。
バスキング(大道芸)の人気スポットらしい広場の、彫像を中心に放射状に広がる黒い敷石を配置したモザイクの古典模様がとても美しかったのです。

モザイクの敷石はリスボンの名物のようでした。
歩道や広場はどこもすべて敷石です。

敷石舗装がしてある車道もありました。
ちょっと広めの道路の歩道にはすべて違う柄の黒石モザイクがほどこされていました。

一見、表面に張り付ける石のタイルのようにも見えますが実は違いました。
修復待ちの掘り返された石片が道端に寄せられているのをところどころで見かけましたが、上が平らな「抜けた歯」というか、楔形の深く地面に刺さる形状でした。

最初に配置するのは異常に大変そうですが、補修は案外らくちんかもしれません。
破損したり抜けたりした部分だけ小さな石片を差し込めば元通りになるのですから。

ファンシー雑貨ショップ、ALE HOP のマスコットのウシを撮った写真です。



滞在したホテルのそば、の取り壊し待ちのぼろビルを囲む塀に....


....ずらっと貼られていたデフォルメされた似顔絵が興味深くて写真を撮りました。


いずれも歩道のモザイクに注目!

9月にリスボンで大道芸フェスティバルがあったようです。


このポスターが気に入りました。



石だたみの歩道と車道とタイルに覆われた建物と「ストリート・アート」とはとても呼べない落書き壁と....





.....一方通行の狭い通りの車道に埋め込まれた敷石の、車輪の重みがかかる部分がくぼんで(地面に深く食い込んで)いるところが興味深いですね。


パリではとてもたくさん見かけたデスマスク(?)タイプのアートを一件だけ、見かけました。



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またか、リスボン?テジョ河畔の謎のアート活動

2019年10月21日 09時00分00秒 | ヨーロッパ
9月のリスボンの写真が忘れた頃に突然登場。


テジョ河 Rio Tejo の川岸です。

大西洋(写真の右側)にそそぐ、砂浜がある大河です。


義援金(?)を要求するバケツを設置していた砂パフォーマンスアーティスト。


賽の河原に....





麻原彰晃....?


二枚上の写真を見てください。
右手のコンクリートの柱に川岸を歩く人の目にとまるように白いペンキで「 PAPA RESPEITO PAZ AMOR 」と書かれているのが目に入りました。

こんな顔をした、誰かのお父さんが亡くなった慰霊行為の表現なのかと思ったのですが...(papaという文字が目に入ったので)

帰国してからグーグル翻訳でチェックしてみました。

ポルトガル語でpapa はローマ法王の意味らしいのです。「尊敬、平和、愛」。

説明も慰霊のろうそくなども義援金箱もなく、何かの表現行為なのは間違いないのですが、謎です。

この4つの単語はセットになって書かれることによって何かの意味(特にカトリック関係の?)を持つのでしょうか。
ご存知の方、教えてください。

私たちは旅行先でもお互いの写真を撮りあう、ということをめったにしないのですが、鏡や明るい場所のガラス(外の光景が写り込みます)があれば私が熱心に「なかよしセルフィー」を撮ることにしています。


右から3枚目の鏡面ガラスに写っているのが私たちです。

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秋らしい紅葉の並木道の写真掲載の予定変更、イギリスの交通事情にあった剪定方法

2019年10月20日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

近所の通りの中途半端な紅葉の木々の写真です。


この通りは樹齢も木の種類もまちまちの、統一感のない「並木」とは言えない植樹エリアなのです。私は気に入っています。

「イギリスの秋」らしい紅葉の写真を撮ろうと思ったのですが....うーん。それよりバス停の表示の奥の庇(ひさし)のようにちょこっとえぐれた木の刈り込みに注目です。

以前も、ストックポート日報に独立した記事まで書いた、イギリス名物(判定;私)二階建てバスを通すためのバスの天井の形に沿った「えぐれ」です。

記事のリンクです☟
気を付けてみるとわかるイギリスらしい特徴のあるイギリス中どこにでもある並木道

あいかわらず車の運転中に「えぐれ」の目立つ連続並木を見つけて喜んでいるのですが、実はこんな記事を去年書いたことすら忘れていました。

先週、「過去に書かれたアクセス数の多い記事」の上位ランクに上がってきたのを見つけてびっくり!読み返してみました。

古い記事を掘り出して読んでくださった方々、ありがとうございます。

もっと先まで歩けばもっと違う木の紅葉の進んだ「えぐれ」も見つかったと思うのですが、バス道を徒歩で行く機会がなかなかないのです。
機会を作って写真を撮ってきます。

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人けのない住宅街の行き止まり、秋の日暮れ前にソフトクリームが売れたイタリア移民の家族ビジネスアイスクリームヴァン

2019年10月19日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
ストックポート日報にはめったに載せない、〈人物を正面から撮った写真〉です。


アイスクリーム・ヴァン icecream van ビジネス、「パオロ&サン☆ PAOLO & SON ☆」を息子とやっているらしい、強いイタリア語訛りのあるパオロ。

日暮れ前、5時すぎごろ私が住む短い袋小路にちょっとの間ヴァンをとめていました。


下校してきたお隣の女の子とお母さんにソフトクリームが売れたようです。
学校はどこも3時半ごろに終わるのですが、公立小学校にすべてに設置されている「学童保育」(アフター・スクール・クラブ)に行っていたようです。

通常の下校時間をとっくに過ぎたこの時間、外にいる子供は少ないですよ。
アイスクリームが売れたのは奇跡のような偶然?

停まっていた時間といっても本当に2分足らずでしょうか。
「あ、アイスクリームヴァンが来た」と家の中で気がついて、お財布をつかんで外に走り出た時にはもう発車しているような短い時間です。

夏には10分ぐらい停まっています。

子供のいる家庭の多い行き止まりの通りなので、日の長い夏の午後には何人もの子供たちが外で遊んでいて、けっこう売れているみたいです。

そうやって、短い夏の間いくつもの行き止まりの通りをこまめに回ればけっこうな実入りになるのでは?

今回、うちの通りに停まっていたのは、アイスクリームの販売目当てではなく、「車を回して向きを変え、もと来た大通りに戻る」のが目的なのじゃないかと思います。

バスの通る大通りから出ている、静かな並木道の行き止まり直前にある「わき道」なのです。

子供が誰も出ていないのにしょっちゅう 袋小路に車を入れて2分足らず停車していくのは、車を回すついでにお得意さんの家庭がけっこうあるこの通りにもしかしたらだれか出ていて売れるかも....という期待があるに違いありません。

たぶん、おおきな公園かショッピングセンターの駐車場か、どこかもっと売れそうな場所で一日商売をした後の帰途なのだと思います。

前庭の花壇の草抜きやゴミ出ししている時などにオルゴールのようなチロチロした音色のイタリア歌曲っぽい音楽を流すアイスクリームヴァンを見かけるとなぜかアイスクリームが食べたくなります。

呼び止めて、お金を家からとって来て「99フレーク(紙のように薄いチョコレートをまとめた棒)」をさした「ソフトアイスクリーム」を買って外で食べたことが何回かあります。

パウロ&サン、10年以上の付き合いです。
イギリスにはなぜか、アイスクリームがらみの家族経営ビジネスをやっているイタリア人の移民が多いのです。

パウロのヴァンの座席は特別仕様のイタリア国旗色の布張りです。

売っているのは「本格イタリア仕込みのジェラート」などではなく、普通のソフトアイスクリームやイギリスの企業が卸しているアイスロリー(棒付きアイスキャンディー)です。
イギリスのソフトアイスクリームは冷たい生クリームのような味です。必ずと言っていいほどチョコレート棒をさすかキャラメルやラズベリーのソースをかけて食べます。

車体に「Italian Style」と書かれていますが、「え、どこが?」と聞きたくなります。


「写真をブログに載せる」と言ったら、「インドのブログ?」と聞き返されました。

どうやら私のことをずっとインド人だと思っていたらしいのです。
(東南アジア人だと思われることはあるのですが....)



暗くて雨の多い冬、外に出ている人があまりいないイギリスでアイスクリームヴァン商売が繁盛するとは思えないのですが、日本のかき氷屋のように夏限定というわけではないようです。
公園など人が集まる場所では寒い冬に外でアイスクリームを買って食べる人もけっこういるのです。

そういえばパオロの「息子(サン son )」を見たことがありません。


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イギリスの10月、晩秋の終わりを告げるハロウィーンの....え、まだ10月半ばです...飾りつけは始まっています(一軒だけ)

2019年10月18日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
一週間休刊していました。復刊です。

比較的暖かい日が続いている10月半ば。


10月になったとたんに出現した、向かいの家のハロウィーン・ディスプレイ。

といってもハロウィーンは10月31日、まだ2週間も先、はしゃぎすぎです!

ハロウィーンの飾りは当日日暮れ過ぎに出すべきなのです!

ハロウィーン当日、日暮れ近い3時半ごろ、学校から帰ってきた子供たちにとって親が夜に備えて飾りつけをするのを手伝うのはたとえようもなくワクワクすることだったはずです。

明るい真昼の光にさらされる「おしゃれっぽい」ハロウィーンのかざりつけ、子供たちにとっては当日のワクワク期待感ぶち壊し行為だと思うのですが....
去年引っ越してきた小さな子供のいる家庭です。



人魚の骸骨....
看板には「DEAD AND BREAKFAST」と書かれています。

イギリスでハロウィーンが盛んになったのは、ここ20年ぐらいでしょうか。もちろんアメリカの影響です。
仮装した子供たちが近所の家々のドアをノックしてお菓子をねだるアメリカ風トリック・オア・トリートは近頃あまり流行らないようです。(地域によるのかもしれません)
現在23歳の上の息子が子供のころはどこでも盛況でしたよ。
友達同士とその親がかたまってまわりました。

子供が楽しむのを見るのはうれしいのですが、私にはあまり乗り気のしないイベントでした。

(熱心な親は自分も仮装して大はしゃぎでしたっけ)

現在はお友達の家の仮装パーティーに行くことが多いらしいですね。

ああ、イギリスの10月.....


先週、スーパーマーケットでクリスマス向けのお菓子の販売が始まりました。


うんざりです。
クリスマスは2か月も先!

ハロウィーンが終わればいわゆる「クリスマス商戦(日本的表現)」が始まります。

ただし、クリスマスへの期待にワクワクの国を挙げての大はしゃぎは、厳粛な 戦没者慰霊の日 Remembrance Day (11月11日、レッド・ポピー・デイRed Poppy Day とも言います)が終わってから解禁になるようです。

明日からは小さな話題と秋らしい写真をのせて毎日投稿を心がけます。

ハロウィーン当日は忌々しい(おそらく同意なしの)ブレクシット (イギリスのEU離脱)決行日です。



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暑かった9月のリスボンにもかくれた顔はある

2019年10月13日 09時00分00秒 | さがせば何処にでも顔はある
秋の深まる肌寒いイギリスの話題から突然暑かった9月のリスボンに話題を引きもどします。

3輪タクシー


今さら....自動車やバイクなど乗り物には必ず前に2個あるライトを目に見立てて顔をイメージするのは実にたやすいのですが....
おちゃめな笑顔がかわいかったので写真を撮りました。
上半分が小さな口の口角をキッとあげて笑顔を作る強がり顔に見えたのですが、撮った写真をよく見ていると黒い舌(タイヤ)をだらんと伸ばす口吻の突き出た動物のようにも見えてきました。

サン・ジョルジュ城の塔にも顔がある。


リスボンはまだあついらしいですね。

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ヒツジにさわって匂いが嗅げる!動物好きの夢の実現!いえ、編み物愛好家の極楽浄土、歴史ある羊毛生産の中心地ヨークシャーでの編み物フェア

2019年10月12日 09時00分00秒 | イングランド北部
前回の続きです。

ヨークシャー北部の「編み物イベント」、ヤーンデール Yarndale の話題です。

町外れにある農業振興会の広大な建物を利用して開催されました。
まわりはヨークシャーの丘陵地です。




中世の古城のある町の中心から レトロな赤い二階建てバスの送迎付き。



家畜のオークション会場で時間がわりのワークショップをやっていました。



小さめのオークション会場では靴下の展示も。


ずらっと手すりりにめぐらせた物干し綱に下がっている手編みの靴下は一般の手編み愛好者からの善意の寄付だそうです。
編み物の著作もある有名な靴下のデザイナー企画したチャリティーイベント、寄付された靴下はフェアの後は恵まれない人たちへ送られるということです。


.....イギリスの牧羊の歴史は数千年もさかのぼれるそうです。
今、ちょっと調べました。現在(2014年の記録)でも約2,400万頭のヒツジが連合王国にいるそうです。

先週10月5日の連合王国の総人口は67,623,517人だったそうですから、比率は....ええっととにかくヒツジの数はすごいです。
17世紀に東インド会社を通じてインドから綿が渡来するまで、ウールと麻の2種類の布地しか普及していなかったイギリスでは羊毛生産は本当に長い間、非常に重要な産業だったらしいのです。

特に17世紀以降、毛織物産業で栄えたヨークシャーの歴史はヒツジとの縁が深いようです。


現在はほとんどすべてのイギリスのヒツジは食肉用に飼育されています。
一歳未満のオスの子ヒツジ(ラム lamb)が、母ヒツジが次の子ヒツジ(弟か妹)を出産する前にと殺され肉用に出荷されます。

肉用ヒツジの被毛(フリース)は繊維が短く長く強く紡ぐのには向いていないらしいのです。

夏に羊の毛刈りをするのは、虫がヒツジの暖かい皮膚に卵を産むのを防ぐためです。
大量に刈り取られたフリースは建築資材(壁や床下の詰め物)ぐらいしか使い道がなく、二束三文で引き取られるとか。

ブリテン島には古代から記録に残っているだけでも600種類ものヒツジがいたそうです。(!世界最高)、

残念、その多くは絶滅したそうです。

絶滅を免れた希少価値の優れた羊毛繊維用のヒツジは篤農家の努力によって保存繁殖され続けています。

やっぱりいたいた、イギリスの編み物フェステバルになくてはならないイギリス原産の(高級)羊毛繊維用のヒツジたち!






この二頭はエクスムア・ホーン Exmoor Horn という、聞いたことのない古代種の腹違いの兄弟です。


2歳足らずのトビーと8か月のテディ。

アッと驚くトビーの股間。


まだ子ヒツジのテディの股間も十分立派でした。
タネヒツジの資格充分!

エクスムア・ホーン専門のブリーダーのこの農家はエクスムア・ホーン種の手編み用の毛糸の製造販売もしています。

コンテストの連続優勝羊のトビーは弟のテディと全国の羊毛フェアや農業博覧会などを回るのが仕事だそうで、本当に人になれていました。
そばによると柵に体を擦り付けてきます。かわいい!かわいい!

おさわりし放題。
きれいに洗われたもこもこ被毛にこっそり顔を押し付けてみました。

ヒツジのケモノっぽい脂のにおいが最高です。実際すごく脂っぽく、一瞬お肌がツヤツヤになった気がしました。
あまりにも何度も何度も見に戻ってきたので、喜んだ飼い主のおじさんがお土産に展示用のヒツジくさいもこもこフリースをひとつまみ分けてくれました。

南米産、アルパカも大人気。


観光牧場で客寄せに飼われているのをよく見ます。
イギリスの国産アルパカ糸もよく売れています。

ちょっと写っているのは、腋臭(ワキガ)のようなにおいのするアンゴラ・ヤギです。

会場は一時、身動きも困難なほど大盛況でした。
たいていの入場者は大きなバッグやリュックサックを肩にかけているので(もちろん毛糸製品の買い出し用です)余計に窮屈でした。

人が3~4人ぐらいすり抜けて通れるほどのはばの通路の両側に、毛糸の玉や枷や紡錘コーンや手編み作品の見本(販売品の見本や、デザインを売るための展示です)などの色とりどりの展示が壮観だったのですが、写真を撮りませんでした。

よく空いているスポットで撮った写真です。


右側の、この店のディスプレイがちょっと気に入ったので。




毛糸を染める染料を売る店でした。
ヒツジのぬいぐるみを自社製品の染料で染め分けて見本代わりに吊り下げていました。

たくさんの店で染められていない毛糸が枷で売られていました。


生成りやグレー、キャラメル色の自然な色のまま編んでももちろんいいはずですが、自分で好みの色に染める人が多いらしいのです。

イギリス原産種のヒツジの被毛そのままの色はとても美しく、染めるのは惜しい気がします。
比較的安い羊毛そのものの色の枷売りを買おうかと迷ったのですが、やめました。

ヨークシャー産のシェットランド【風】Shetland-type 糸の紡錘巻き700gを17ポンドという格安で購入。

「シェットランド」というのは、編み物をする人たちの間では糸の種類の名前(普通名詞)として通っているのですが、現在、イギリス国内でシェットランド糸と銘打って販売することができるのは、シェットランド地方で紡がれたシェットランド種の糸だけなのだそうです...こういった知識も販売者とのおしゃべりで仕入れました。

イヌの毛ブレンド糸を扱う業者がいました。


イヌのにおいがかすかにしましたよ!!
自分の飼い犬の毛ならともかく(紡いでくれるビジネスが存在します!)どこの誰のイヌかもわからないよそのイヌのクサい毛がブレンドされた毛糸を買う人がいるのか...?.....いるんでしょうね。

赤ちゃん用セーターの編みあがり見本。


久しぶりに見た、かわいくないっ(!)教育玩具(?)新生児人形。
顔立ちも体つきもリアルな新生児人形には、上の写真のように肌が茶色い黒人バージョン、釣り目の東洋人バージョンがあります。

23歳の上の息子が小さい頃に行った公立の保育園にもこの「3人種バージョン」があって、男の子も赤ちゃん人形をあやしたり寝かしつけたりしていました。
「イギリスの公正な社会」を目指す姿勢にちょっぴり心を打たれたものですが....

人種や信条によって差別されることのない公正な社会の建設を次の世代にゆだねる教育は大賛成ですが、この編み物見本の展示はちっともかわいくありません!
自分の子供や孫のために編んでやりたい!と思う人がいるのか...?....やっぱりいるんでしょうね。


真ん中の店の出ていない空いた通路の両側には家畜を入れておく仮囲いがそのままありました。


人ごみをかき分けたりしないで手早く会場を横切るのに都合の良いエリアです。

イギリスでも「町の毛糸屋」はどんどん閉店しています。
編み物の愛好者は増えているらしいのですが。

頑張って営業を続けている昔ながらの「町の毛糸屋」は主におばあさん相手の、とても安いアクリル100%の毛糸を扱っているところが多い気がします。
衣料品がとても高かった30年ぐらい(?)前まで、節約のために一家全員のソックスやセーターを編んだ世代の女性ですね。

このヤーンデールに高い入場料を払って入場し、いろいろ買い込んで帰った「新世代の編み物愛好家」は質(と値段も)の高い毛糸を、膨大な選択肢からじっくり選べるオンライン(インターネット)で購入することが多いのです。

販売者が一堂に会するこのフェア(販売会)は売り物の毛糸に触って、つまんで、においまでクンクンかげるという、編み物愛好者の極楽浄土でした!
ウェッブサイト・アドレスがプリントされた、気に入った業者の絵葉書や名刺をいくつかもらって帰りました。

フランス語を話すおしゃれっぽい女性のグループと、ロシア語(だと思います)を話すおばさんグループも来ていました。

フランス人グループが出品者と(英語で)会話しているのが耳に入りました。
この毛糸フェア訪問は「イギリス・ツアー」に組み込まれているそうです。

町にもどる送迎バスを待つ、入場者たち;お買い物に大満足。





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お城の残るヨークシャーの田舎町、赤い「ロンドン バス」が送り迎えする編み物フェアに行ってみた!

2019年10月10日 09時00分00秒 | イングランド北部
ヨークシャー北部のマーケットタウン、スキップトン Skipton で毎年開催される「編み物フェア」、ヤーンズデール Yarndale に行きました。


9月末の話です。
(イギリスの秋らしい話題を心がけています)

スキップトンはドームズデイ・ブック(11世紀に発行された世界初の公式土地台帳)にも記載されているという古い古い町です。

有名なスキップトン城 Skipton Castle が 町の中にあります。


お堀もなく、長い塀に囲まれています。

指定の駐車場から会場への送迎無料バスが出ている町の中心まで、城壁(に見えないのですが)沿いに少し歩きました。


町の中心の立派な図書館の...


...前から、無料の送迎バスが出ていました。


私がイギリスに来たころ(30年ほど前)には、ロンドンの街なかをまだポツポツと走っていたボンネット・バス...後ろの部分が開いていて、信号待ちなどで止まった時に飛び乗り、飛び降り自由の危ないバス....です。

赤い電話ボックスとともに、年配の人には郷愁を誘い、若い人にはレトロ・ポップでおしゃれに映るイギリスの原風景(?)



「ロンドンに行ったら、乗らなきゃ!」といわれていた観光名物でもあったはずです。
日本では「ロンドン バス」と呼ばれることもあったはずです。

そのためか、一部 意図的に残してあったのかもしれません。

首から旧式の券売機を下げた車掌さんがやって来て、乗った地点と行先に応じて料金を請求、レシート代わりの乗車券をくれました。

結婚式場などに招待客を運んだり パーティやミュージックイベントそのものを 走行するバスの車内で開催したり、このヤーンデールのようなイベント会場への無料送迎用に…
今でもイベント用に貸し出されたボンネットバスを時々いろいろなところで見かけます。

ちなみに、私が留学したマンチェスターでは 当時もうすっかり、乗った時点で運転士さんに行先を告げてお金を払う(出入口は運転席のあるバスの先頭にしかありません)「ワンマンバス」に切り替わっており ボンネット・バスは一台も走っていませんでした。

話がそれましたが、この「編み物フェア」、ヤーンデールは、主に北部の独立毛糸メーカーや、牧羊農家、編み物に関係した製品を作ったり販売したりする業者が300ほど集まって展示販売をする、要するに「販売会」なのです。

北イングランドの編み物愛好家にとってかなり重要なイベントでもあるようです。
「販売会」にけっこう高額な入場料をとる!(13ポンド!!)ことに実は疑問もあって、今まで足を運んだことはありません。

ストックポートの由緒あるパブで週ごとに集まる編み物クラブのメンバーにさそわれ、ふっと興味がわいて行ってみることにしました。
1時間半の長いドライブ、車に乗せて行ってもらえるというのも魅力です。

町はずれの広大な農業振興会の会場(家畜のオークションが定期的にあるという)いっぱいに毛糸屋が店を開くというのにも興味をそそられました。

楽しかったです!
買い物もしました!



私たち世代の女性でいっぱい!
入場者は ほぼ100%女性でした!

スキップトンやボンネット・バスの説明にスペースを割いてしまいました!
次回は会場内をちょっぴりお目にかけます。

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