昨日もあいかわらず晴天でした。
火曜日にストックポートのタウンセンターにある
庶民派スーパー、アスダ Asda に行きました。
ロックダウン開始(3月23日)以来、初めてのアスダです。
芸術的に配置されたひっくり返したトロリー(手押し車)が上階駐車場の中央部分のスペースを塞いでいます。
丘の上にはセント・メアリーズ・チャーチが見えます。
3月の終わりに、
どちらかというと高級目のスーパー、セインズベリー Sainsbery に行って以来、3週間ぶりのスーパーでの買い物です。
その時の体験談記事です。☟ぜひ読んでください。
そろそろやめたい、コロナ話...スーパーでの買い物決行!既往症のある夫も気晴らしに同行!予想通り安全で快適でシュールな体験
ロックダウン下のイギリスのスーパーの営業状況を日本の読者の方にわかっていただくために書いた上の記事です。
「別のスーパーに行ったからってわざわざもう1度報告してくれなくてもいい」と思われた方も多いでしょう。
予想どおり入場者制限やソーシャル・ディスタンシングの徹底した実行は同じでしたが、実はいろいろと違いがありました。
いくつかあるトロリー・パークにはすべて、さわる前に持ち手の部分を消毒できるようにサニタイザー(消毒液)のスプレーが置いてありました。
セインズベリーには(3週間前には)なかった!
気が利いています。
買い物後、トロリーを戻した後も車に戻る前に手に振りかけてよく摺り込みました。
グリーンの駐車スペースを区切る白い線が待つ位置を示す、ソーシャル・ディスタンシング・ゾーンの表示の役目を果たしています。
柵のうえにもサニタイザーのボトルが...
セインズベリーの入場待ちの列より短かったにもかかわらず、待ち時間は長かったと思います。
アスダでもトロリー1台につき1人までしか入場できず、夫と私は分かれてそれぞれ1台ずつ小さい(浅い)サイズのトロリーを押し、間をあけて並びました。
快晴でした。
日本人の私は直射日光にできればあたりたくなかったのですが、夫をはじめ、列に並んでいるすべてのイギリス人(白人)は目をつぶり、前にゆっくり進みながらもひまわりのようにつねに太陽のほうに顔を向けていました。(やれやれ)
外出もままならないロックダウン下、ちょっとでも皮膚を日光にさらすチャンスがあれば、1秒たりとも決して無駄にしないのです。
日焼けを求めてやまないおそるべき執念。
買い物を終えて両手で下げて持ち帰れないほど大量の買い物をした、車を持たない人をのせる無線タクシーが次々に駐車場に入って来ては出ていきます。
外出禁止のロックダウン下でも無線タクシー(運転手はすべて登録料を払う自営業)は営業しています。
買い物や病院通いなど、車のない人にはタクシーは欠かせない足なのです。
前回行ったセインズベリーは、どちらかというと中流階級向けの品ぞろえと価格設定なのと、町の中心からちょっと離れた場所にあるため自家用車を利用する人がほとんどで、タクシーは見当たりませんでした。
私は値段が安いアスダのほうが気に入っているのですが、夫はセインズベリーに行きたがります。
今回わざわざアスダに行ったのは、駐車場に充実した園芸コーナーが常時あるからなのです。(残念ながら、目当ての園芸用の土はすべて売り切れでした)
ソーシャル・ディスタンシングの重要さとともに、ゆったり静かに買い物できるありがたさをかみしめました。
赤地に白で繰り返し大書された ROLL BACK は、(もしかしたらアスダでしか使われていない表現かもしれない)「値下げ」という意味です。
「庶民派」スーパー感をぐんと盛り上げています。
セインズベリーにはなかった一方通行システムが採用されていました。
床に進む方向を示すやじるしマークが貼ってあります。
アスダ店内にはいつも通り、ポップミュージックが流れていました。
曲の切れのいいところではセインズベリーと同じように「1人でも多くの方に品物がいきわたるように必要以上の量を取らないでください。人と人の間隔は2m以上あけてください」というおなじみの啓蒙メッセージが放送されていました。
きまじめなセインズベリーと違ってアスダの放送はDJのように軽快な語り口でした。
イギリスのスーパーでは営業中スタッフが棚に商品を補充しているところをよく見かけます。
(そういえば、2月に日本に帰国した時に何回か行ったスーパーでは見たおぼえがありません。お客様の目障り/ジャマにならないように営業中の補充はひかえているのでしょうか)
客が来ても場所をあけるようなことはありません。
客もスタッフの仕事を中断させるのが心苦しく目当ての棚に手を伸ばす時、スペースをあけてもらう時など声をかけます。
「ちょっと失礼」「あ、どうぞ」などというやり取りがたいていあります。
チームワークで補充しているスタッフも仕事の伝達や私語など和やかにおしゃべりをしていることが多いのです。
今回、ロックダウン下のセインズベリーでは、スタッフはすべて単独で持ち場につき、誰も口を利かず、墓場のように静かでした。
前回の記事に書いたようにアイル(棚と棚の間の販売通路)に客が入ってくると台車をそのままにしてサッとアイルから退出していました。
そういう決まりがあるのだろうと思います。
アスダではあいかわらずチームワークで仕事をしているスタッフどうしがおしゃべりしていましたし、補充中の棚にゆっくり近づいていくと仕事をやめて数歩後に下がって私たちが立ち退くまで待っていてくれるのですが、アイルの外には出ません。
規律の問題か、のんきな人がそろっていたのか....?
もしかして、ポップミュージックのバックグラウンドが緊張感を和らげている...?
音楽のかかっていない喫茶店では自分の声が大きく響く気がして会話がはずまないことがあるらしいように、スーパーでもBGMがないと自分の声が気になるのかもしれません。
そんな細かいことに目くじら立てるつもりはありません。
お互い常識の判断で気を付けていたので決して危険ではなかったはずです。
しかし、補充するスタッフがおしゃべりすると商品に飛沫が飛ぶじゃないか!
.....と心配になるほど世の中も私も神経質になっています。
アスダにもマスクをしたスタッフは皆無でした。
ただし、ペパーミントグリーンのマスクをしている客を3人も見かけました。そのうちの1人は野球帽を目深にかぶってサングラスまで着用、銀行強盗にしか見えませんでした。
3週間前にセインズベリーで見かけた、唯一のマスク着用者は南方系の東洋人でした。
買わないものは触らない、というエチケットも徹底されています。
アスダでももちろん、チェックアウト(会計)に並ぶ位置も床にしるしがしてありました。
外出をできるだけ控えるために、通常より多めに買い物をするのは致し方ないことだと思います。
決して備蓄のための買いだめではありません。
店中に半額以下に値下がりした悲しいイースターエッグが積まれていました。
カエルのフレドーくんの形の気持ちの悪い市販品のチョコレートがいっしょに入っています。
カエルの後ろ脚が直立、というところに工夫のない造形です。
ダルダルしたあま~い味で明らかに子供向きです。
大人の私も1人で4日で食べきりました。
今年のイースターはほぼキャンセル状態だったはずです。
同居している人としか会えないのですから、イースターエッグはものすごい規模で売れ残ったことでしょう。
以前は空洞の大きな卵型のチョコレートの中に通常の市販品チョコレートやアメが入っていたのですが、ある年、大きな卵型チョコレートにかぶりついた小さな男の子の口に中のチョコレートが入って窒息死するといういたましい事件があったのだそうです。
それ以後、空洞の卵型のチョコレートの中に小さなチョコレートやお菓子を入れて販売することは禁止になったということです。
息子が教えてくれました、(もしかしたら都市伝説の類かもしれません)
イギリスのロックダウンは昨日よりさらに3週間は延長されるそうです。
昨日の早朝の段階でイギリスの感染者数累計は10万8千692人でした。
重体で病院に搬送され、検査をうけて感染が確認された人のみの数なのは言うまでもありません。