スティッキー・トリークル・プディング sticky treacle pudding 。
「イギリスのお菓子」の代表例として紹介されたり、パブやカフェで出されるのはころんとしたドーム型です。
ゴールデン・シロップがかかっていたり、カスタード・クリーム(日本でいうプリンの液状のあつあつ)が添えられていたりで ものすごくくどい。
スーパーで買ってきたアルミの箱に入っている出来合いです。
オーブンで温め、食事が終わる頃にはあつあつ.....取り分けたらこんなにグチャグチャになる家庭版。
トリークル treacle(黒蜜)が溶け込んでるので、これだけで充分すぎるほど甘い!
ゴールデンシロップの溶け込んだ黄色いタイプは、スティッキー・トフィー・プディング sticky toffy pudding といいます。
あつあつのとろ~りとしたキャラメル・ソースがかかっています。
どちらもスポンジ、どちらもカスタードを添えて食べられることが多く、どちらもすご~く甘い!です。
日が短くなる秋の終わりの今ごろは なぜか黒くてネトネトした、アツアツのトリークルが恋しくなるのです。
昨日見つけた、今年初めてのクリスマスのお菓子、ミンスパイ mince pie!
しっとりさっくりしたパイ皮(=ショート・クラスト shortcrust、ショートブレッドというビスケットに似ています)に、オレンジとレモンの皮と干し果実をたっぷりの砂糖とスパイスを加えて煮詰めたねっとりした具がぎっしりとつまってます。
クリスマスには早すぎるけど、買っちゃいました。
ところで、今日はハロウィーン Halloween 。
アメリカではじまって、イギリスでもここ10年ほどの間に定着した、子供たちのお楽しみ行事なのです。
ドラキュラやガイコツ、魔女の仮装をした子供たちが家々のドアをたたいてお菓子をねだります。
もらえなかったら、ぬれたトイレットペーパーをドアに投げつけるなどのたわいのないイタズラが許されているのです。
商業主義と、日没後に子供たちが外をうろつくこと、大量のお菓子が消費されること(砂糖税の導入まで現在検討されているイギリスでは肥満や成人病への対策が急務なのです)、ご近所とはいえ夜くつろいでいる他人の家のドアをたたいてお菓子を公然とねだる行為の是非、が問われています。
無邪気な子供たちの娯楽、いっしょに楽しもうよ~という意見も、もちろんあります。
まじめなキリスト教徒は一切否定しているようです。
魔術をたたえる異教のお祭りですから。(何をかたいこと言ってるんだ!?と無神論者には一蹴されがちな意見ですが)
日本でも定着しかかっているそうですね。
少子化の今、地域で子供たちを見守る、これからもっと推奨すべき行事?
それとも商業主義で甘やかしの無視するべき行事?
ここ数年、窓辺にかぼちゃのランタンを飾っていない家(ハロウィーンに協賛しない派)の戸はノックしない指導が学校や家庭で徹底しています。
「ハロウィーン参加はごめんこうむる」という家庭がドアに貼るためのサインが各家庭に配られました。
うちは「こんな行事はやめよう!」と主張するほど堅苦しくないけど、めんどくさいから、今年はパス....そういう家庭も多いはずです。
両隣のお宅の子供たち5人がノックしたらあげようと、一口大のキットカットを一袋用意してあります。