イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

先週までとはどこか違う今週の英国、クリスマスへの秒読み開始!(ビジネス限定)

2023年11月17日 06時05分44秒 | 英国の、生活のひとコマ

今週、いっせいに解禁した...

クリスマス飾り!

近所の商店街、ブラモール・ビレッジの教会前のクリスマスツリーに青いライトが灯っていました。

商店街のすべての店の飾り窓や店内にもクリスマス飾りが施されていました。

ブラモール・ビレッジ内の小さなショッピングセンターにあるチャリティショップ、オックスファムで週に2回、ボランティアとしてお手伝いしています。

 

14日(火曜日)に私とマネージャーの2人で飾り付けた店内の豪華絢爛キラキラぶりをご覧ください。

 

11月11日は、第一次世界大戦の休戦記念日 Armistice Dayでした。

休戦記念日のパレスチナへの攻撃停止を求めるプロテスト・マーチ(=デモ)についての前々回のストックポート日報の記事のリンクです☟

休戦記念日の、戦後最大規模のプロテストマーチと内務大臣の恥さらし

休戦記念日の11日と、その日に一番近い11月の日曜日(11月11日がぐうぜん土曜日だったため、今年は翌日の12日)のレッド・ポピーデイ Red Poppy Day (Remembrance Sunday とも言います)には、第一次大戦のみならず、戦争で命を落としたすべての兵士の死を悼む厳粛な追悼儀式をとりおこなうのが英国の晩秋のしきたりです。

本来はその行事が終了するまでは、クリスマス飾りやクリスマスソングは自粛するべき...のムードが蔓延していたのですが...今はあまり気にする人もいないようです。10月31日のハロウィーンが終わり次第、店舗やショッピングセンター、コミュニティなんかがこぞって飾りつけをはじめます。

2週間前のストックポートタウンセンターのマーケット・スクエア Market Square です。目立つ場所にそえ付けられたあまり控えめとは言えないクリスマスツリーですが、さすがにまだ、灯りは灯っていません。☟

9月になれば、プレゼント用の品や、飾り、食品などなど...クリスマス用品が全国一斉に、すごい規模で売り出され始めますし。一般の人々は「まだ早いよ...」とうんざりなその頃、ビジネスにとっては「クリスマス商戦」という戦いが始まったようなものなのです。

ただ、この個人商店が並び地域に密接した昔ながらの商店街では、戦没兵士への追悼と感謝が終わるまでは浮かれた商業主義を抑える抑止力のようなものが働いていたようです。オックスファムでも、今週までは派手な飾りはひかえるよう本部から正式な通達があったようです。

あぁ...うちのオックスファムは10月のはじめ頃から浮かれ出し、ショーウィンドウと天井の一部に紙のバンティング(旗飾り)と私が紐でつないだ松ぼっくりのフェストーン(花づな)を取り付け、かなりの勇み足だったのですが。

ショーウィンドウを飾るバンティングです☟。10月に飾り付けてすぐ撮った写真です。この程度の控えめな飾りで充分なのですが...

 

 

週末明けに、「さあ、解禁だ!」とばかりに、マネージャーが奮い立ち、何年か前に一般の人から寄付された、1970年代ムードたっぷりのキラキラの七夕飾りのような飾りを天井スペースいっぱいにめぐらせました。(実際に、1970年頃からしまわれっぱなしの未使用品のデッドストックでした)

店の備品として毎年出してきて使っている10年モノのキッチュなピンクの卓上クリスマスツリーも善意の寄付品です。ピンクはバービー映画のヒットから爆発的に流行り出した2023年の色だとかで、デイスプレイ台ともマッチしています。

やり始めると、やめられないとまらない....

 

「やりすぎると品がない」のはわかっているのですが「やれるだけやるのはキッチュの美学」(認定;私)でもあります。

ブラモール・ビレッジのはずれにある戦没者慰霊塔です。

日曜日の追悼式で町内会や、学校、ボーイスカウトなど地元の団体や個人が捧げた赤いポピーのリースが並びます。

11月12日(日曜日)、レッドポピー・デイのバカ内務大臣、スエラ・ブラバマン(左)と、外務大臣、ジェームス・クレバリー(右)です。ニュース・サイトから勝手に借りた広く拡散している写真です

 

ロンドン、ホワイトホールのセニタフ(巨大な戦没者慰霊塔)に王室メンバー、軍関係者、政府の要人がひとりずつ赤いポピーのリースを捧げる儀式はいうなれば追悼イベントのハイライトです。

翌日月曜日に失言女王ブラバマンはクビになり、クレバリーが内務大臣を後継しました。

失言女王は内務大臣の職を解任されたものの、まだ議席を持つ国会議員です。大臣からバックベンチャー(後ろのほうに座る役職なしヒラ議員)に格下げされたものの「発言は続けていく」と息巻いています。

けっこう長い軍歴があったらしいクレバリーは、勲章をいっぱいつけていますね。

 

いつまでも枯れない、紙や布の作りもののポピーはたぶん、年明けぐらいまで...でしょうか、しばらく冬枯れの町はずれを鮮やかに彩り、そのうち雨ざらしでみすぼらしくなってきたあたりで、どこかに片付けられるようです。

ショッピングセンター中央の児童公園の囲いにかぎ針編みのポピーで書かれた花文字がかかっていました。

「祖国に命を捧げた戦没兵士の一人一人はすべての国民の心の中で生きている」という意味の決まり文句、WE WILL NEVER FORGET の E と T の文字からポピーが落ちちゃっています。

一般の家庭では、さすがに12月になるまで飾りつけはおあずけです。本来は12月13日(クリスマスの12日前)あるいは12月24日(!クリスマス・イヴ)に飾り付けをするのが正式だと言われています。

ガザ地区への攻撃はまだ続いています。

今週の土曜日もロンドンでのプロテスト・マーチが予定されているはずです。

 

 

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驚きの組み合わせで生まれた、ちょっと珍しい見かけのイヌ

2023年11月14日 06時32分52秒 | 英国のイヌ

前回話題にした、スナク内閣のバカ内務大臣が解雇されました。イェイ♪!

...今日の話題はイヌです。

めずらしい見かけのイヌを見つけました。

飼い主に写真を撮っていいかと聞くと、なぜか前肢の付け根を手で支え2本足で立たせる変わったポーズをつけてくれました。

 

この、悲し気な顔立ちと、くるんと巻き上がったシッポはもしかして...シャウペイ?

ブチ模様と体つきが、ジャックラッセル・テリア?

あたりでした。

英国でとても人気のある、小型の狩猟犬、ジャックラッセル・テリアと、ここ十年ほどの間にじわじわと人気が出てきた中国原産の悲し気な顔つきと全身シワシワの珍犬、シャーペイの混血だそうです。

日本ではあまり知られていないらしいシャーペイは、アメリカでは大人気だそうで、ここストックポートでもなぜか(!)子犬ばかりたびたび見かけてストックポート日報で取り上げています。

中華料理のような名前(聞いたのに忘れました)の、生後8か月のこの雄イヌくんは生まれつき耳が全く聞こえないそうです。

飼い主の男性は、まだ成長するはずだと言っていました。

シャーペイは体高(肩までの高さ)が50㎝を超える大きめの中型犬、あるいは小さめの大型犬に分類されるそうです。

端正な顔立ちで小型犬のジャックラッセルと、悲し気にたるんだ顔立ちで体が大きなシャーペイ、驚愕の組み合わせです。母イヌと父イヌ、どっちがどっちだか気になるところです。

9週間前に引き取り手をさがす慈善の斡旋所から引き取った「レスキュードッグ」で、両親に関する詳細や、斡旋所に連れてこられた経緯は聞いていないそうです。

「こんなにかわいくて珍しいイヌが手に入ってラッキーでしたね」と言うと飼い主は嬉しそうでした。

障害のためとても神経質で、飼い主にしかなついていないそうです。知らない人だけではなく、人の手や大きな動きにもビクビクするらしく、さわらせてもらえませんでした。

人間と一緒に社会生活を送るうえでそれでは困るでしょう。飼い主は気長にゆっくりと他の人にもならしていくつもりだと言っていました。いい人に引き取られて本当に良かった!

以前ストックポート日報に載せたシャーペイの子犬です(かわいい!)

こんなに小さくてかわいいのに、もうすでに人生の辛酸をなめつくしたかのような憂い顔ですね。

10年近く前に、息子の職場に毎日出勤していた、シャーペイ(経営者の飼い犬)のリオです☟

この息子の同僚犬も1歳未満だったはずです。

中華料理のような名前のレスキュードッグくんがいた位置から3歩ほど離れた場所で、バレンタインズデーの前日に見かけた、高齢で白内障を患うジャックラッセル・テリアです☟(レスキュー・ドッグくんと飼い主の写真は、ちょうどこのジャックラッセルがいた位置から撮りました)

記事のリンクを貼りました☟

やっと見つけたそれらしい見かけのジャック・ラッセル・テリア

久々に登場、ストックポートで見かけた皮膚たるみ犬、かわいい!

 

 

 

 

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休戦記念日の、戦後最大規模のプロテストマーチと内務大臣の恥さらし

2023年11月12日 06時04分42秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日、11月11日は第一次世界大戦の「休戦」条約が締結された1918年、11月11日の11時を記憶する「休戦記念日 Armistice Day 」でした。

写真は昨日、ストックポートで撮った、戦没者追悼のシンボルの赤いポピーのある光景(とその他、ストックポートの週末風景)です。

 

国家に命を捧げた全ての戦没兵士に追悼を捧げる、英国にとって非常に重要で厳粛な日です。

そしてまた昨日、ロンドンで予定通りイスラエル・ハマス戦争の停戦を訴えるプロテスト・マーチ(=デモ)が開催されました。

イスラエルのガザ地区攻撃中止を訴える30万人もの人々が英国全土から首都に集結した、戦後最大規模のプロテスト・イベントです。

トランスジェンダー差別主義者のリシ・スナク首相とスナク・ウンコ内閣の一味である内務大臣 secretary of state 、スエラ・ブラバマン Suella Braverman、その他保守党右派の議員は親パレスチナの立場をとる抗議活動を制限しようとし続けています。

親イスラエル派であるべき英国の国民が反イスラエル的な行動をするのが外聞が悪いからでしょう。

「厳粛であるべき休戦記念日のプロテストは不敬である disrespectoful」というもっともらしい理由をつけて禁止する動きにまで出たのです。

言論の自由と集会の自由は民主主義国家における基本的人権のはずなのに!

あろうことか、ブラバマンはイスラエル・ハマス戦争の停戦を訴えるプロテスト・イベント全てを「反ユダヤのヘイト行為」と決めつけました。

それだけではなく、右派系新聞に「親パレスチナの暴徒を取り締まらない警察の対応は偏っている(右翼や国家主義者への対応は厳しいのに、えこひいきである)」という論文を投稿し、大ヒンシュクを買いました。

内務大臣による警察の方針への公的な批判は「警察の独立と公共性を脅かす職務逸脱行為」であるのみならず、法律関係者によれば違法だそうです。....警察が政府にコントロールされ政府の意にそわない人を法律外に取り締まり出したらもう民主国家ではなくなるんですよね?ブラバマン、バカなの?(バカです)

野党労働党のみならず、身内である保守党内からもブラバマンをクビにしろという要求が出ていますが、スナク首相はバカ内務大臣をかばい続けていますし、バカ内務大臣は謝りも撤回もしていません。

追悼礼拝と2分間の黙とう儀式が行われるセニタフ The Cenetaph (戦没者追悼記念碑)があるロンドン、ホワイトホール周辺には立ち入らないこと、時間をずらすことなどを条件にプロテスト・マーチは「許可」されることになりました。...と言うか、「禁止」されるいわれすらないのです、民主主義国家では!

バカ内部大臣は「親パレスチナ暴徒によって追悼儀式のみならず、首都の安全まで脅かされる」と言っていました(バカ...!)

当日は、第二次世界大戦に従軍した高齢の退役軍人や関係者が参列して追悼行事は滞りなく終わりました。あっけないほど例年通りです。

テレビで生中継されました。

そもそも、退役軍人や、戦没兵士の遺族を支える会など関係者は「この儀式のために人々の民主的な権利が損なわれてはならない(追悼式が妨げられないかぎりプロテスト歓迎)」と明言しているんですけどね。

11時ピッタリに始まった2分間の黙とうの間、次々と映る英国各地の戦没者慰霊施設のひとつとして、ストックポートの戦没者慰霊堂/市民美術館の階段に設置された巨大な十字架の前で黙とうする地元の関係者も映りました。

 

午後、通りかかった時の黙とう終了後の十字架です。ミズゴケにさしてあるはずの生花が見当たりません☟

 

慰霊堂内部です☟

 

追悼式終了後、ニュース番組のテレビカメラはプロテスト・マーチに参加する予定の人が集まったロンドンの中心にある緑豊かなハイド・パークに切り替わりました。

晴天の週末、参加者はみんな楽しそうでした。

多くの人がダウンロードしてプリントアウトしたのか、「パレスチナを開放せよ」と書かれたお揃いのプラカードを手にしていました。突然思いついて出てきたのか、「子供を殺すのをやめろ!」と油性ペンで殴り書きされた段ボール箱の蓋(?)を手にした人も映りました。

多くの子供を含む、パレスチナ人の犠牲をこれ以上出してはいけないと声を上げる市民のプロテストです。

あくまで「停戦」と「パレスチナ解放」を訴えるのが趣旨で、暴力集団ハマスを支持するプロテストではありません。イスラエルによるパレスチナ占領に抗議する反イスラエル派の人も含まれていたはずですが、反ユダヤ(民族)主義のイベントでは決してありません。

天気が良いので公園に遊びに来た手ぶらのロンドン市民の飛び入り参加もあったはずです。

おおぜいの人がセルフィーを撮っていましたし、レポーターを背景に記念写真を撮るうかれた人も映りました。

 

プロテスト・マーチに気軽に参加して声を上げることができる民主主義のすばらしさがテレビ画面を通じて実感できます!

 

追悼式の終了と、追悼式参加者の解散を待って開始されたプロテスト・マーチはロンドンの中心地を2時間かけてゆっくりと横切り、テムズ川を渡ってアメリカ大使館前で無事、終了。

警察が一番手を焼いたのは、プロテスト・マーチと悶着を起こす目的でやはり全国から終結した「反プロテスター Counter -protesters」です。

彼らはプロテスト・マーチを妨害しようとして警察ともめ、たくさんの警察官にケガをさせました!逮捕者も多数!

100人以上の逮捕者はひとり残らず「反プロテスト」!!ほぼ全員、ナイフやナックル・ダスター(鋲が突き出た拳に巻き付けるバンド)や鉄棒など子供っぽい武器を所持していたそうです。

反プロテスト派とは、「ネオナチ」や白人至上主義者を含む「極右 far-rightです。

....え?「ネオナチ」や白人至上主義者は、ユダヤ人排斥論者では?ユダヤ人が建国したイスラエルを支援するためにわざわざ親パレスチナのプロテスト粉砕に乗り出してきたの?...と思ったのですが...

とにかく、民主主義的なことがむかつくので騒いで叩き潰したいだけの連中なようです。もしかしたら所持しているナックルダスターや鉄棒を使ってみたかったのかもしれませんね。

プロテスト・マーチは成功、親パレスチナ側からは「暴徒」も「反ユダヤ主義のヘイト行為」も指摘されませんでした。

第一次大戦の休戦を記念する日にパレスチナでの休戦を請願する、効果的で戦没者へのリスペクト(敬意)が表明されるいいイベントだったと参加者も参加しなかった大勢のプロテスト支持者も声をそろえて賞賛していました。

「プロテスト・マーチは、自由と民主主義を守るために命を捧げた戦没兵士に対する何よりのリスペクトだった」という声もありました

多くのプロテスターは戦没者への感謝と敬意のシンボル、赤いポピーを胸につけていました。

 

ざまあみろ、バカ内務大臣ブラバマン!暴徒はプロテスト・マーチをやめさせようとしたブラバマン側の一味だ!

この人は、「ホームレスは好きで(路上生活を)やっている life style choice 」とSNSで発言しました。

「ホームレスは不法移民で、強引な物乞い、ドロボウで薬物中毒者」とも。ホームレスにテントを提供するチャリティ団体を解散させ、テントの提供を処罰対象にするつもりだとも言っています。

好きでやっているわけないでだろう!?バカ!

私が以前、ストックポート日報 で記事にした頃よりずっと、さまざまな要因でホームレス問題が深刻化しています。

他人ごとではない?犬を連れて路上に座るホームレスの事情はいろいろ

一定の手続きを踏めば受けられることになっていた福祉の受給が難しくなっていますし、けっこう簡単に入所できた一時宿泊施設(ホステル)も今では圧倒的に足りません。リンクを貼った上の記事の頃とは事情が違ってきています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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見なれない白いタマゴと、鶏卵にまつわるあれこれ

2023年11月07日 02時53分31秒 | 英国の、生活のひとコマ

タマゴ(鶏卵)の話です。

電化製品が比較的安く買える英国最大手のスーパーマーケット・チェーン、テスコ Tesco の大型店舗に行きました。キッチンのテレビが壊れたものですから。家電売り場が一時的に閉鎖で、テレビの下見はできませんでした...その話はさておき。

中二階のカフェから見下ろした店内のようすです。広大なクリスマス雑貨売り場と、臨時パーテンションで区切られた改装予定の家電売り場...☟

 

別々に行動していた夫が私を探し出して、「すごいぞ!タダ~Tadh ♪(ジャジャーン♪)!」とタマゴの箱を突き付けてきました。

あけてみたら、全部真っ白。(ぜんぜんすごくないのですが)英国で普通に流通しているタマゴは殻の茶色いものばかり。三十余年、私が知る限りずっとそうでしたから、ちょっと意外でした。

以前の記事で使った、英国の一般的なタマゴの写真です☟

 

日本のタマゴはたいてい白ですよね。

卵売り場に行ってみたら、白いのも茶色いのもいっしょの大箱の中に積まれていました。6個入りの箱を一つずつ開けてみなければどちらが入っているかわかりません。ひとつの箱には茶色か白の同じ色ばかり詰まっていました。

現在主流の、フリー・レンジ free range(放し飼いタマゴ)自社ブランドMサイズ6個入りが,(白も茶も)1ポンド50ペンス(275円)です。

67歳の夫が子供の頃、英国で一般に流通するすべての卵は白かったそうです!

いつの間にか白い卵は市場から消滅、そしてまた、戻ってきた?

検索してみたら、関心を持つ人が多かったらしく、「テスコの白い卵」に関する記述に数多くヒットしました。

遅くとも1980年頃には一般消費者が買える卵はすべて茶色になっていたそうです。

一般消費者には「茶色い卵のほうが栄養価が高い、味が良い」という強い思い込みが昔からあり、茶色い方が良く売れたからです。

質問掲示板に寄せられた一般回答者のコメントによれば、市場全体が茶色一辺倒に変わる前の過渡期には白いタマゴを濃い紅茶に一晩漬けて(茶色くして)から出荷する生産者もいたようです。

タマゴの色はニワトリの種類によって違います。

興味深い記事を見つけました。耳たぶ earlobe (クチバシの横のビロビロ)が白いニワトリは白いタマゴを、赤っぽいニワトリは茶色いタマゴを生むそうです!!よそのサイトから勝手に借りた資料画像です。☟

栄養価や味の違いはタマゴの殻の色ではなく、ニワトリの飼料と健康状態によるそうです。

実は1980年以降も、白いタマゴは主にホスピタリティ(ホテル、飲食)業界で流通していたそうです。

ロックダウン期間中に注文がパタッととまって、困った生産者が小売業にたのみ込んで引き取ってもらったのが、白いタマゴの一般販路再流通のきっかけで、テスコが買い取り始めパンデミック終了後も白いタマゴの販売を続けているというわけです。

 

レストランやカフェが使用しているタマゴに不信感を持っている人は多いですよ。

英国では非常に多くの消費者がニワトリの生育環境を気にして、気をつけて買わないようにしている caged eggs (檻に入れられたニワトリが生むタマゴ)が使われているかもしれないからです。

経費をできるだけおさえたいであろう経営者は、タマゴの出自を公表するわけではなし、実際放し飼いだろうが劣悪な環境の檻飼いだろうが卵の味に明らかな違いがあるとも思えないし、安い方を仕入れる方が得でしょうから。

その点、このテスコの白い卵は、「フリーレンジ free range 放し飼いの」タマゴと明記されていますから、白くても安心して買えます。

白いのを買いました。夫は大喜びです。

 

エッギー・ソルジャー eggy solders (タマゴの兵隊さん)という英国特有の不思議なタマゴの食べ方をご存知でしょうか。ディッピー・エッグ dippy egg とも言うようです。

エッグカップに載せた半熟のゆで卵に、短冊切りにした薄切りトーストの先っちょをちょっと浸して食べるのです。

煮立ったお湯に冷蔵庫から出した卵を投入、3分(常温保管なら2分)ゆでて、火をとめ蓋をしてさらに3分おく...オンラインレシピどおりに、黄身がジュルジュルのディッピー・エッグを作ってみました。

 

子供のお皿にズラッと並んだ短冊切りのトーストが閲兵式のようなので、その名がついたらしいです。ナイフで切りながら大人もよくやります!ドラマの朝食シーンなどにでてきます。

ただし、夫は「タマゴのサルモネラ中毒」をなぜかとても怖れていて、ゆでタマゴは完熟に、目玉焼きはひっくり返して表面もカチカチに焼くたちですので、小さかった子供たちにエッギー・ソルジャーを用意してやったこともありませんし、半熟タマゴも食べさせませんでした。

...サルモネラ中毒はこわくないのですが、固ゆでタマゴを好む私には美味しいとは思えませんでした...もったいないから最後まで食べましたが。

3分加熱されているので中毒の心配はないはずです。衛生管理が今より悪そうな、夫が子供の頃の英国ではタマゴの食中毒がけっこうあったのだと思います。

 

安心の固ゆでタマゴです☟

「サルモネラ中毒の恐怖」は英国の、特に夫世代にはかなり一般的です。

「めんどくさい客」の夫が宿泊先のホテルやB&Bの朝食の席でタマゴの調理法につける注文(よく火をとおしてほしい)には、どこでも「怖いですものね、サルモネラ中毒」と快く応じてくれます。

 

ところで、「日本のタマゴは生で食べられる」のが知られてきています。新鮮で安全で生のまま食べてもサルモネラ中毒の心配のない日本の鶏卵は世界のグルメの渇望の的だそうです。

私は日本滞在中に、生産者が新鮮な農作物を直接持ちこむシステムの店に寄ったことがあります。そこのタマゴ売り場で見た生産者のプロモーションビデオに驚きました。

昼夜分かたず産卵させるために外光を遮断して24時間常灯している大規模で清潔な鶏卵工場を紹介する映像でした。

何千羽ものニワトリが身動きできないギュウギュウ詰めの状態で閉じ込められていました。

この飼育法は英国はもとより、たしかEU加盟国でも違法なはずです。英国では間違いなく不買運動がおこる、産業規模の動物虐待です...factry farm(畜産工場)と呼ばれる違法な動物虐待農場に潜入して隠し撮りする動物の権利擁護グループの告発ビデオみたいなこの光景を英国では企業は絶対に公開しないはずです。

国民性の違いでしょう。たしかに「衛生管理が徹底された環境で生産集荷されるわが社のタマゴを安心して召し上がっていただきたい」というメッセージはしっかりと伝わってきました。

日本国民として...、いただく命に感謝して食前に手を合わせる美しい習慣よりも、畜産動物の扱いを世界標準に引き上げた方がもっと自国に誇りが持てるのに...と思います!

 

日本に住んでいる友人が、私が好きそうだと送ってくれた傑作写真です。

座布団10枚!

いちばん最初の写真は、夫のための固ゆでタマゴをガードしてくれているロイヤル・ガード(衛兵)です。赤いジャケットの衛兵のエッグ・ウォーマー(ゆでタマゴの保温キャップ)は、英国の昔ながらの編み物のパターンを見つけて私が20年ほど前に編みました。「衛兵とタマゴ」はエッギー・ソルジャーからの連想でしょうね。

 

茶色いタマゴの写真を載せた、以前の記事のリンクです☟。ニワトリのウェルフェア(厚生)について調べて書いています。

不揃いなタマゴたち(色黒ずん胴濃淡大小取り混ぜパック入り)

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のん気な花火と悲惨なパレスチナ戦争、他国の紛争が決して他人ごとではない人がいる英国の、晩秋の風景

2023年11月03日 06時21分06秒 | 英国の、生活のひとコマ

近況です。写真は先週撮った、すべて家の近所の住宅街の秋の光景です。今週あたり、落葉が始まるようです。

昨日はボンファイア・ナイト Bonfire Night (かがり火の夜)という晩秋の始まりを告げる、おかしな起源の夜祭りの日でした。

かがり火をたいて、花火をバンバンあげる、英国独自の奇習です。

5年も前に載せた、ボンファイヤ・ナイトの起源に関する記事のリンクです☟

英国史の陰惨な一コマ、未遂に終わった火薬陰謀事件を記念して始まった秋の気分盛り上げイベントガイフォークス・ナイト

動物愛護団体は、花火の音におびえるネコやイヌに気を配るよう、夜間にネコを外に出さないように毎年呼びかけています。(出先で花火の音におびえ、わけがわからなくなって帰宅できなくなるネコもいるらしいです)

うちのネコ2匹は夜遊びをすることなく、家の中でぬくぬくとすごしていますし、二重窓の我が家では花火の音も全く気にならないようです。

母ネコリヴィーと...

息子ネコティブの最近影です。

 

日がどんどん短くなってきています。

夏の夜がいつまでも明るい英国では花火も怪談(前回の記事参照)と同様、日が暮れるのが早い秋冬の夜長に楽しむものなのです。

先週の日曜日午前1時に、サマータイムから標準時間に戻りもう一週間たちます。日付が変わる夜、寝る前に目覚まし時計を1時間遅らせておくのが習わしです。家中の時計をその日のうちに調整したものの、いまだにクルマのダッシュボードについている時計の時刻が「サマータイム」なのです。

クルマに乗るたびに「あーっ、もうこんな時間」とパニックになりすぐに「落ち着こう、時計だけサマータイムだ」と自分に言い聞かせています。いいかげん直せばいいのに...と思いますが忘れ続けています。

 水曜日から2日間、ストーム・キーラン storm Ciarán という秋のミニ台風が、主に英国南部で吹き荒れました。交通がとまり、学校が閉鎖、ジャージー諸島では屋根がとんだり倒木やよその家の塀が窓ガラスを突き破ったりの怖ろしい被害が出たようですが、ここ、北西部ではほとんど影響はありません。

英国の各地で、イスラエル‐パレスチナ戦争の停戦を求める抗議運動がおこっています。

ロンドン、トラファルガー・スクエアでは開戦以来、4週連続の土曜日に数万人規模のイスラエルへの抗議者が平和な請願運動に集まっています。

英国は民主主義国家ですから、言論と集会の自由が国民の権利として保証されているはずです。それなのに現・保守党内閣の吹きだまったウンコのような政治家集団は民間人の犠牲者(過半数が子供!)を出し続ける非人道的なガザ・ストリップへの空爆に抗議する人々を「反ユダヤ主義のヘイト行為」と決めつけて、解散させようとしています。

 

保守党ウンコ集団の首謀者が LGBT を対象としたヘイト発言をかました首相、リシ・スナクです。スナクのヘイト発言に関して、日本では全く報道されていないようなので、ストックポート日報 の以下の記事をもういちど、読んでください。☟

国家の恥辱、英国首相のスピーチ欺瞞、ニュースで報道されなくたって言ったのは事実!

「平和な請願/抗議運動」の参加者にイスラム原理主義者的なスローガンを連呼する人たちもいたそうです。

実際にこの戦争が始まってから、ユダヤ人のコミュニティや学校などを対象とした本物の「ヘイト行為」も頻発しています。たしかに反ユダヤ主義やヘイト行為は問題をややこしくする許せない行為です。

(私は断固として、パレスチナ解放を支持しますが!)それに、戦争を始めた武力集団ハマスは、イスラエル側が主張するように野蛮で暴力的なイスラム原理主義者なのはたしかみたいですね。

 

他の価値観を一切認めない前近代的なイスラム原理主義者があの地域を掌握してしまえば、もっと困ったことになりそうです。不死身のタリバンが戻って来てアフガニスタンでやりたい放題やっているように...

だからと言って、自国の占領地で一般市民を囲い込み、空爆、兵糧攻め...近代国家のイスラエルがやっていいことであるわけないです。

...ここ、パレスチナ問題のそもそもの歴史的要因を作り出した罪深い英国では、それとは全く別の...当事者など(ユダヤ系やイスラム教徒が多数、私の知り合いにもちらほら...)、他人ごとではない人が大勢いるため関心が非常に高く...おそらく世論を二分しています。

「あなたはどっち派?」なんて誰かに聞いたことなどありませんが!

堂々と抗議活動に参加して声を上げる人がいるかと思えば、「黙っていた方が誰かともめなくて安心」という考えの人もいるはずです。

ブレクシット(英国のEU離脱)の頃の賛否のように、うっかりしたことを言って相手の意見が違ったりしたら困りますから。

ちなみに、私がお手伝いをしているチャリティ・ショップ(一般からの寄付品を販売して慈善活動の基金にするセカンドハンド・ショップ)オックスファム OXFAM のマネージャーの亡くなった奥さんはテラビーブ出身のイスラエル人だったそうです。

10月のはじめに何をあせってか、クリスマス飾り競争に一番乗りを目指して私が作った松ぼっくりのフェストゥーンを天井にめぐらせるマネージャーの写真です☟

この写真を撮ったあと、赤、緑、金銀のフォイルのキラキラリボンを絡めて、もっとハデにしました。

イスラエルの義家族とは今でも親戚づきあいのある彼はこの件でとても憔悴して神経質になっています。(その人たちの無事は確認したようです)周りは気を使って何も言いません。

そういう事例は英国内にいくつもあると思われます。ユダヤ系の人々はもちろん、英国に定住しているパレスチナ難民もガザに親戚がいる人も、ものすごくたくさんいそうです。

世界中の貧困地域に援助の手を差し伸べる慈善団体、オックスファムは、開戦と同時に封鎖され物資やインフラを絶たれたガザ・ストリップのための人道援助の募金活動をはじめました。

...基金も物資も潤沢に集まっているみたいなのに...スラエルが検問所を閉ざしているので!補給できないんですよね。どうするの、マネージャー?...なんて、彼が気の毒でとても言えません。

 

パレスチナ問題への人々の意識と保守党内閣のウンコぶりに関して、改めて詳しく書く機会があると思います。

 

 

 

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