17年間うちにいたネコのホレイシオを送って2週間目です。
家にネコがいない生活にも慣れてきました。
夫が、「またネコが欲しい」と言い出しました。
息子も賛成です。
「まだホレイシオの喪があけていない」という日本的な感覚にとらわれているのは私だけのようです。
....と言ってもこだわるほどのことではありません。
夫と私がいっしょに住みはじめてから20年、うちにはいつも(最後のブーツが交通事故で死んでからの4年間を除き)ホレイシオともう1匹ネコがいました。
夫が子ネコの時から飼っていてうちに連れてきた年寄りネコのジンジャーが21歳で死んで以来、3匹のネコを、キャット・アダプション・センター cat aduption centre (ネコの引き取り手を探す慈善団体)を通じて斡旋してもらったのです。
(ホレイシオはジンジャーが死ぬ前の年に子ネコとしてうちにやってきました)
残念ながら、それぞれ短い間に鮮やかな思い出を私たちに残し、その3匹のネコはすべてそれぞれ病気で、アナグマに襲われて、そして交通事故で早くに死んでしまったのです。
ネコの引き取り手募集のウェッブサイトには、 ホレイシオを見つけた国内最大のネコの保護団体、キャット・プロテクション Cat Protection 、
メスのクリオを子ネコの時に斡旋してもらった、歴史のある RSPCA (王立動物虐待防止協会)、少し成長した子ネコだったマーマデュークを斡旋してもらったブリークホルト・アニマル・サンクチュアリー Bleakholt Animal Sanctuary ....その他、たくさんの協会が現在引き取り手を探しているネコたちの情報をのせていました。
どの協会のウェッブサイトにもたくさん載っている子ネコの写真のほとんどすべてに「予約済み」(引き取り手募集締め切り)のしるしがあります。
まだ問い合わせを受け付けているネコの多くは、事情があって飼い主が手放した大人の元飼いネコです。
かわいい子ネコは引き取り手がすぐに見つかるようですね。
それなのにしばらく写真をそのまま載せておくのはかわいい~子ネコの写真がたくさん載っていればウェッブサイトが華やかに引き立つからでしょう。
私たちが希望するのは 引き取り手を探すのがかなり困難だといわれる大人のネコです。
(できれば、人に慣れている愛情深いネコがよく数年後に寿命を迎える10歳以上の高齢ネコは避けたいという身勝手な希望はあります)
6年前に、すでに3歳だったブーツを斡旋してくれたアダプションセンターにまた戻りたい、と思ってウェッブサイトをいろいろ見てみたのですが、どれがその協会だったのかか思い出せません。
他のネコたちを引き取る際の契約書類は全て保管してあるのにブーツに関しては、どこか別の場所にしまい込んだのか、見つからないのです。
場所はおぼろげながら記憶していました。
電話で場所を確認したあと夫が運転する車で、息子2人と家族連れでぞろぞろネコ物色に出かけた楽しい記憶があるのです。
天気がよかった先週の木曜日に息子と二人、おぼろげな記憶を頼りに田舎のドライブがてら行ってみることにしました。
うちからそれほど離れていない住宅街の道を脇に入ると始まる広々とした田舎道を5分ほど走ればその場所についたはずなのです。
何となく風景に見おぼえがあるという息子に、右がわに農地にはいる細いわき道と、もしかしたら立っているかもしれない看板等に注意するよう言いつけて前方に注意を集中して運転を続けました。
するとすぐ、「今、ペット・ホテルの看板があった!」というのです。
通り過ぎた後だったので、道の脇にトラクターなどで入れる放牧地への入り口を見つけ、車の向きを変えるために駐車しました。
放牧されているヒツジに声をかけました。(無視されました)
6年前はなかったはずのマンチェスター国際空港へのバイパス道路も遠くに見えています。
もと来た道を少し戻ってペット・ホテルの看板が立っているわき道に車で入り、ちょっと広くなっている放牧地の入り口で車をとめました。
一番上から5枚目までの写真は、車をとめてから両側を放牧場に挟まれた、車一台がやっと通れるその幅の細い道を歩いた時に撮りました。
晴天!
素晴らしい秋空でした。
そうそう、思い出した、この家に見おぼえがあります。
アダプション・センターはこのとなりにあったはずですがすぐには目につきません。
もともと、どのウェッブサイトにもアダプションセンターを訪れるには事前の予約が必須の旨明記されていましたので、この日は場所だけ確認して(ついでに秋の田舎道ドライブも楽しんで!)帰るつもりでした。
ネコのアダプションセンターであることを示す看板も連絡先の表示なども何も出ていません。
(6年前も看板は出ていなかったはずです)
通りがかりの人がネコ見たさにおしかけてきては困るからでしょう。
引き取り手募集のウェッブサイトには、各地のアダプション・センターの住所や連絡先はふつう 書かれていません。
本気でネコを引き取りたいと思っている人が本部に連絡するとその人の地元のセンターやウェッブサイトで見つけた目当てのネコがいるセンターに取り次いでくれるか、連絡先を教えてもらって個別に予約をしてから見せてもらえるシステムになっているのがほとんどです。
どの団体でもコロナ騒ぎ以前からの厳然とした方針のはずですが、「コロナ感染の拡大防止のため特に理解してもらいたい」とわざわざウェッブサイトに明記しています。
で、肝心の疑問です;今でもここでアダプションサービス(引き取りの仲介)をやっているのかどうか?
ファームハウスの前を通るととなりにと小さな駐車場とペットホテル kennels & cattery がありました。
ペットホテルはもう受付時間を過ぎていました。
イヌの吠える声が聞こえてきました。
ファームハウスの前まで戻ったら、息子がネコの存在に気がつきました、それも3匹!
ファームハウスの横の自宅用駐車スペースです。
そうそう、この奥の金網の向こうが広大な定住ネコの放し飼いスペースでした。
さまざまな事情で保護されてやってきたネコたちの中には飼いネコに向いていない、なつかない、引き取り先がいつまでも決まらないネコもいるそうです。
そういうネコは充分なエサを与え、暖房の効いた納屋に自由に出入りできる快適な環境の裏庭に囲い込まれて外ネコ生活をして飼われているのです。
前回行った時は30匹ぐらいいたはずです。
.......飼い主だった一人暮らしのおじいさんが認知症を悪化させ施設に収容された時に保護されたというブーツをここで見つけたのです。
とてもかわいがられていたらしく、私たちにすぐ信頼をよせる情愛深いネコでした。
上の3匹と.....
どこからともなく飛び出してきて私たちの脚に頭の後ろを激しく摺り寄せつづける異常になれなれしい太ったネコはこの家の飼い猫のようです。
ひさしぶりのネコとのスキンシップ、思わず感動で涙ぐみました!
しかもホレイシオと同じ白黒の「タキシード・キャット」!
ネコをかまっているとペットホテルのスタッフが泊り客であるイヌを2匹散歩に連れ出すところに行き会いました。
声をかけて、アダプションセンターについて聞いてみました。
アダプションセンターは、Stopford Cat Rescue という名前で今でも運営されているということを教えてもらいました。
ペットホテルとは無関係だそうですが、同じ農場の敷地内にある動物好きな施設同士、緊密な交流があるようです。
まずウェッブサイトを見つけて連絡することを勧められました。
帰りのドライブの途中、息子がスマートフォンで検索するとたしかに私が家を出る前に見てきた数々のネコの引き取り手募集ウェッブサイトの中にこのセンターもありました!
ホレイシオのことは決して忘れません。
でもネコをまた身近に見て、ネコと暮らす日がまた来る可能性を思って胸が熱くなったのは事実です。
ちなみに、私は個人の家で生まれた子ネコはできれば引き取るべきではないという考えです。
オスもメスも飼いネコは去勢して、飼えないネコが増えるのを防ぐのは人間の務めなはずですから。
アダプションセンターを介してネコをもらい受けるには引き取り希望者が審査を受けなければなりません。
その場で連れて帰ることはできません。
小さい子供やイヌのいる家には斡旋できないネコもいます。
交通量の多い道路沿いや線路沿いに住んでいる場合「家ネコ」として適しているネコしか斡旋してもらえませんし、外に出る習慣のあるネコを斡旋する家にはネコ用の出入り口を設けなくてはなりません。
過去に動物虐待や動物遺棄などの犯罪記録が残っている人も除外されます。
今のところ100%条件にかなったネコはこのステップフォード・キャット・レスキューを含めた多数のウェッブサイトに出ている引き取り手募集中のネコのリストにはいません。
いえ、100%希望にかなわなくてもかまいません。
引き取り手のいない恵まれないネコに落ち着ける家を見つけてやる意義は大きいでしょうから。
そして夫の病院通い(あいかわらずコロナ患者のための病床確保のため入院させてもらえないのです)のため、ネコ探しに多大な時間を割くことが難しくなっているので、「うちにまたネコ」の至福の時までは少し時間がかかりそうです。
創刊直後のストックポート日報 でブーツのことを紹介した記事からの転載です。
安易な名前が気に入らなかったのですが、アダプションセンターでつけられた仮の名前、Boots を下の息子が気に入ってしまいそのまま引き取り後の名前にしてしまいました。
ね、「長靴をはいたネコ」のようなカバリエー・ブーツ(銃士がはく膝丈の長靴)を履いているでしょう?