晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年10月15日 | ものづくり・工場改善 / 但馬産業博物館


新温泉町の「杜氏館」の近くで。

******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第485回(2023年10月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
******************************************

但馬産業博物館シリーズも3回目になりました。
今回は、新温泉町にある「杜氏館」に行ってきました。
杜氏とは酒造りの職人さんの親方ですが、
但馬地区では冬は雪が多く出稼ぎに各地の酒蔵に酒造りに行かれていて、
但馬杜氏は、数は少なくなったものの、日本4大杜氏の一つです。
山口県に獺祭という有名なお酒がありますが、
この酒を造っている酒造会社にも但馬杜氏の方が行かれていた
とのことです(過去のことです)。

まず基本的な知識を。お酒を造る工程は、
1.洗米→2.蒸米→3.麹仕込→4.酛仕込→5.醪仕込
6.しぼり→7.滓引、火入れ、貯蔵
となります。特に、3と4と5の工程がわかりにくいのですが、
酒米と麹菌と水を混ぜて、その量を少しづつ増やしていくと考えておくと
よいのではないかと考えています。

酒造りは立派な「ものづくり」です。
まず簡単に、各工程を紹介した資料の写真をお見せします。

1.洗米(右ページ下)


2.蒸米(左ページ下) 3.麹仕込(左ページ上) 
4.酛仕込(右ページ)



5.醪仕込(左ページ) 6.しぼり(右ページ右) 
7.滓引・火入れ・貯蔵(右ページ左)



では、杜氏館へ

0.杜氏館
これが杜氏館入口


入口近くの但馬杜氏と書かれたTシャツ(なかなかカッコイイ)


杜氏館で説明いただいた元杜氏の田中博和様


田中様が働いておられた播州姫路市のヤヱガキ酒造


日本各地の杜氏集団分布図 中央近くに「但馬杜氏」とあります


お酒の銘柄1 有名な銘柄や地元の銘柄がいろいろあります


お酒の銘柄2


いよいよここからが製造工程の説明です
1.洗米
酒米を(一番有名なのは、山田錦ですが)

磨いて(というより削って削って)丸くして


樽の中で水で洗い


お米を窯と樽などで蒸して、蒸米にします


2.麹仕込
蒸米に麹菌を混ぜる
広島にある「雨後の月」さんを見学させていただきましたが、
むし暑い中で上半身裸で作業をされていました。


蒸米に麹菌を混ぜる2


蒸米に麹菌を混ぜる3


4.酛仕込
説明では、「麹と蒸米と水を混ぜ、酵母を入れて酵母を増殖させる。」
と書かれています。
(正直に言ってこの辺りは正確には理解できていません。炭水化物である
酒米を糖に変え、糖をアルコール(酒)に変えるのですが、炭水化物から糖に
変えるのが麹菌、糖からアルコールに変えるのが酵母という説明がされて
いるものもあります。)


5.醪仕込
量を増やしたものを、かき混ぜています。
(アルコールが発生していますので、樽の中に落ちると酸欠になり
死亡する可能性があると書いた資料を読んだことがあります。
安全第一。)


6.しぼり
写真ではよく分かりませんが、
樽から出した絞る前の酒(どろどろの状態)を布袋に入れて、
この酒槽に布袋を何層にも入れて、
上からジャッキのようなもので圧力をかけると、
底面にある穴から酒が出てきます。


7.滓引・火入れ・貯蔵 そして試飲
滓とは酒の上に浮いているもののようです。これを取ることが滓引き。
その後、火入れをします。写真は酒に火入れ(加熱)をする蛇管というもので、
管がぐるぐるに巻いてあります。酒は下から入れて加熱された酒が上に出て
くるそうです。


そして、やっと今年の酒の出来はどうかなと試飲ができます。
(きっとおいしいでしょうね。)


井上 直久

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 裏面も見てね!の「玄さん」... | トップ | 餅を焼く「玄さん」 / 玄さん »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ものづくり・工場改善 / 但馬産業博物館」カテゴリの最新記事