晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(5) トヨタ生産方式のIE的考察 新郷重夫 

2012年06月30日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年7月2日(月)発行)(次回7月9日(月)予定)

 今回は、トヨタ生産方式の導入の本の2冊目になります。1冊目は、トヨタの歴史に基づき、トヨタが生産方式を確立していった順番に導入をしていけば良いとの結論と理解しました。2冊目は、トヨタ生産方式の構成要素的なものから、この順番で導入されるのが良いと記載されていると理解しました。どちらも同じ結論に最終的になっていると考えます。そのため、両方の本を読み、読み比べられると、より理解が進むのではと思います。
 トライ(本を読むこと)をお願いします。

1.タイプ
 クッション在庫方式
2.内容
 第2部「トヨタ生産方式のIE的考察」の、第7章「トヨタ生産方式の導入と展開」に関連の記載があります。299p~318p。
 ステップとしては、
 ①徹底的なムダ排除の空気作り
 ②生産方式の改善
 ③カンバン制度への展開
になります。
 すぐに生産方式を改善するのではなく、非原価主義を理解する(=意識革命が必要)ことが必要になります。つまり、生産に関する風土の変革が必要になります。そのためには、”トヨタ生産方式”を実施している工場の実態を見学するすることが極めて有効と記載されています。また、個々の手法のみではなく、それらが”どのように関連を持っているか?”ということを明確に理解することが大切です。さらに、経営者の決心が必要です。
 生産方式の導入では、ジャストインタイムの点からは、①シングル段取りの採用、②レイアウトの改善、③多工程持ちへの改善により、流れ作業化・小ロット生産化を図ります。また、自働化の点からは、ポカヨケなどの導入を図ります。
 以上の準備がしっかりできても、心配な点はいくつもあるので、現在の在庫を無いものと思って仕事を進める「クッション在庫方式」を実施されたらどうですかと記載されています。
 生産方式の導入後に、カンバン制度の導入に踏み切ります。
3.読書後の感想
 結論を一言で言え言われると、317pの図41「トヨタ生産方式とカンバン制度の導入計画」になります。注意いただきたいのは、「トヨタ生産方式の導入」に「カンバン制度の導入」が追加されていることです。つまり、世間一般の方の中には、トヨタ生産方式とカンバン制度を同じものと誤解をされている方もあるようですが、”トヨタ生産方式”は”製造の方式”であり、”カンバン制度”は”運用の手段”ですので、別々に記載がされています。
 新郷重夫先生の本は、ページ数が多く、同じような記述が何度も何度も出てきます。そのため読む時間が大変長くなります。しかし、これらを咀嚼して読んでいくことで、効率的な生産方法やトヨタ生産方式の基本が体の中に染み渡り、理解が深まり、力が付いてくるように思います。
 今から約30年前に出版された本ですが、今でも違和感なく読めるのは、それほど生産方式についての本質が変わっていないためではないかと想像します。
4.本の情報
 タイトル:トヨタ生産方式のIE的考察-ノン・ストック生産への展開-
 出版社:日刊工業新聞
 価格:2500円(当時)
 出版年:昭和55年
5.著者略歴
 昭和5年に山梨高等工業学校卒業後、台湾総督府交通局や日本能率協会に奉職。
 昭和34年に経営管理改善研究所を設立し、所長。
 昭和45年黄綬褒章を受ける。
6.外観
 Photo

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四季の花 2012年6月 ささゆり

2012年06月24日 | 四季の花

(2012年6月25日(月)発行)(次回7月2日(月)予定)

今回は絶滅危惧種の第三弾の「ささゆり」です。
「ささゆり」は兵庫県の絶滅危惧種ではないようですが、
長野県・奈良県・四国のいくつかの県では、絶滅危惧種などに指定されているようです。

家の松の木の下に、2輪、ひっそりと咲いています。

6

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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(4) トヨタ生産方式導入の奥義 青木幹晴

2012年06月17日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年6月18日(月)発行)(次回6月25日(月)予定)

今回の記事が100番目の記事になりました。祝!!100号。

 トヨタ生産方式のシリーズもいよいよ具体的になり、個別の本の紹介に入ることになります。
最初は、青木幹晴先生の、「トヨタ生産方式導入の奥義」になります。本のタイトルの中に「トヨタ生産方式」と「導入」という、そのものずばりの言葉がある唯一の本です。その点から、大変参考になると思います。一度お読みください。

1.タイプ
 (トヨタが生産方式を確立した手順をそのまま)トレース方式
2.内容
 基本的には、トヨタ自動車がトヨタ生産方式を確立していった手順どうりにトレースすれば、トヨタ生産方式の導入はうまく行くという内容です。
 その根拠は、著者のトヨタ自動車内での経験と、トヨタ自動車以外へのコンサルタント経験から、導かれています。
 導入に特に関連する部分は、「第2章 導入順序が成否を左右する」 (61p~115p)です。導入の順番は、
 段階1 設備の機種別配置
 段階2 設備の工程順配置(工程別配置と記載されている場所もあり)
 段階3 ニンベンのついた自働化(これ以降がトヨタ生産方式)
 段階4 目のない少人化
になります。
 なぜこの順番で行うのかは、トヨタ生産方式を勉強されれば理解できると思います。ですので、ニンベンのついた自動化(その本質は、人が設備から離れて作業を行う)や、目のない少人化(その本質は、生産量にあわせて人の数を増減する定員制の打破)の理解が不足されている方は、別途調べていただけたらと思います。
 この本の素晴らしさは、分かりにくいことを「絵解き」で解説(絵を描いてわかりやすく解説)されていることです。特に、
 63pのトヨタ生産方式城の築城
 96、97pのトヨタ生産方式導入から完成への進化順序
が関係する部分ですが、一目見てかなりのことが理解できます。
 その点からも、たいへんお勧めの本です。
3.読書後の感想
 トヨタ生産方式の本を多数読んでみて、トヨタ生産方式は平準化生産方式と呼んだ方が良いのではと感じるところが多い。かんばん方式は、最終組み立て工程の平準化が出来た後に実施することが出来る。平準化していないのにかんばん方式を導入することはむしろ害が多い。
 しかし、どれだけの企業が平準化が出来ているだろうかと考えると、トヨタ生産方式を導入できる企業は限られてくる。むしろ、個別の企業の環境・状況を考慮し
 ①リードタイムの短縮、
 ②コストの削減、
 ③品質の向上
などの目的で、
 ①-1段取り変え時間の短縮
 ①-2装置のレイアウト変更
 ①-3多能工化・多工程持ち
 ②-1仕掛品在庫の削減
 ②-2ムダをなくす
 ③-1ポカヨケの導入
 ③-2金のかからない全数検査
 ③-3次工程検査
を実施されるのも良いと思われる。

 個人的な感想になるが、私は新郷重夫先生の段取替えの改善考え方を高く評価しています。しかし、トヨタ出身の方が書かれた本を読んでも、新郷先生の名前や、段取替えの考え方などを詳しく書かれたものはないように思います。その点で、青木先生は新郷先生の段取替えを高く評価されており、共感するものがあります。
4.本の情報
 タイトル:【トヨタ式最強図解】トヨタ生産方式導入の奥義
 出版社:ナツメ社
 出版年:2009年
 定価:1980円
 ページ数:191p
5.著者略歴
 
1955年愛知県生まれ。1978年早稲田大学卒業後、トヨタ自動車工業に入社。2004年トヨタ自動車を退職。コンサルタント会社を経て、豊田生産コンサルティングを設立。
6.外観
Photo




 
 

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シールの玄さん

2012年06月10日 | 玄さん

(2012年6月11日(月)発行)(次回6月18日(月)予定)

たまたま見た自動車の後ろのガラスに貼られていたので、パチリ!

運転は「安全運転」で。

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但馬ドーム

2012年06月03日 | 神鍋レジャー

(2012年6月4日(月)発行)(次回6月11日(月)予定)

但馬ドームは、神鍋高原の名所のひとつです。
国道482号で神鍋高原を目指すとき、山間に白い大きな屋根が見えてきます。
開閉式の屋根を装備した最大収容人員9700人の全天候型ドームです。
木造建築では、最大と聞いたように思います。(何で最大かの記憶がありません。)

写真を撮った当日は、但馬ドームフェスティバルをやっていました。

Photo

ソフトボールの全国大会も行われ、有名選手も来られるようです。
ソフトボールが出来るのですから、とにかくBIGです。

建築面積:20、494、08m
最高天井高さ:59.81m
収容人員:9700人

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