晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(10) 値引き要求・短納期に応える77の鉄則 近江堅一

2012年10月14日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

第116号(2012年10月15日(月)発行)
      (次回10月22日(月)発行予定)

この本はトヨタ生産方式などについて書いてあるのか正直よくわからないなというのが感想です。
ちなみに、本のシリーズ名、本のタイトル、本のサブタイトルは以下になります。
シリーズ名:トヨタに学びたければトヨタを忘れろ
タイトル:値引き要求・短納期に応える77の鉄則
サブタイトル:中小メーカのためのトヨタ生産方式
シリーズ名では、「トヨタを忘れろ」とあり、タイトルには「トヨタ」の文字は出てきませんが、サブタイトルではしっかり「トヨタ生産方式」とあります。
本の中を読んでいると、著者は「トヨタ生産方式の真の伝道者」から教えを受けたと書いてあるのですが、その真の伝道者の名前は書いてありませんし、なぜ書かれていないのか理由も書かれていません。
でも、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか。とにかく値引きに、短納期に、その他のことにいろいろと苦しんでおられる中小企業に、今後の解決の糸口が他の本よりもよりストレートに見つかればとの思いで取り上げています。
ですので、取り上げたポイントは、工場改善という視点から挙げています。

他の本とは違い、頭をガーンと殴られる思いの方もおられるかもしれません。一度読んでみてください。

1.タイプ
 
 いいとこ取り型: TOC・TQM・ISO・トヨタ生産方式のいいとこ取りをされています。その分、トヨタ生産方式を導入するというイメージは薄い。

2.内容
 トヨタ生産方式の導入の進め方記載はありません。

3.読書後の感想
 
本の全部が参考になリますが、気に入ったところを1ヶ所紹介しておきます。
 114pに以下の様なタイトルの記載があります。
 「4-1 1日1時間、時間をつくり改善に使おう
 この習慣が多くの発見と成果を出させる」
 記載文を少し紹介しますと、「経営者は部下へ「不良を減らせ」と指示するだけでなく、自ら、不良を発生させている作業を観察し、その作業に潜んでいる不良をつくっている原因を追究していく。この姿勢が大切である。
もっともですね。

 
 

 
4.本の情報
 タイトル:値引き要求・短納期に応える77の鉄則
 出版社:日刊工業新聞社
 価格:2000円
 出版年:平成22年
 ページ:182p

5.著者略歴
 著者は、近江堅一さんと近江良和さんの2名ですが、近江堅一さんがシリーズの本を主に書かれているので、近江堅一さんの略歴を記載しておきます。
 大手電気メーカにて、32年間工場管理に従事。この間、トヨタ生産方式の真の実践者より7年間(月1回)現場指導を受ける。また、TQMの指導も受ける。これらをベースに工場改善を重ねFL法(中小メーカ向けトヨタ生産方式)を確立し協力会社に適用。

 
6.外観
Photo



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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(9) 御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか 若井吉樹

2012年09月30日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年10月1日(月)発行)(次回10月8日(月)予定)

トヨタ生産方式の導入の本では、6冊目になります。
タイトルの 「御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか?」 が衝撃的で、思わず手にとってしまいました。
(タイトルの 「なぜ」 の部分はわざわざ赤字にしてあるので、そのまま再現しています。)
しかも、サブタイトルが 偽りの「かんばん」 となっています。
また、本の帯には、 まったく新しいトヨタ生産方式の入門書 と書いてありました。

ただし、本は、現在は在庫が無く、増刷の予定も無く、手に入りにくい状態になっています。
近くの図書館などにあれば借りて読んでいただけると、
大変参考になるのではと思います。

1.タイプ
 
 ジャストインタイム型

2.内容
 第6章 本当のトヨタ生産方式の進め方 (163p~201p) の中の、
 3 トヨタ方式導入のステップ 以下 (182p~201p)に記載があります。
 項目は以下になります。
  3.トヨタ生産方式導入のステップ
  4.トヨタ生産方式の導入ステップ1 「モノづくりの流れづくり」
  5.トヨタ生産方式の導入ステップ2 「ジャスト・イン・タイムのしくみつくり」
  6.トヨタ生産方式の導入ステップ3 「永遠に続く絶え間ない改善」
 
 になります。

3.読書後の感想
 社内の改善だけなら社内でクローズも出来ますが、ジャストインタイム生産は社外との関わりが出てきます。社外展開のところが他の本に比較してわかりやすかった。

 

 
4.本の情報
 タイトル:御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか?
 出版社:技術評論社
 価格:1580円
 出版年:平成19年
 ページ:205p

5.著者略歴
 NEC系の会社で、システムエンジニアとして、十数年に渡り製造業・装置向けに生産管理情報システムパッケージ開発などをされていたようです。
 その後、トヨタ生産方式導入コンサルタントの支援メンバーとして活躍されたようです。

 
6.外観
 Photo_3






 

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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(8) トヨタプロダクションシステム 門田安弘

2012年09月17日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年9月17日(月)発行)(次回9月10日(月)予定)

トヨタ生産方式の導入の本では、5冊目になります。
とっても有名な先生の書かれた本のようで、海外でも有名なようです。
ただ私は浅学なので、最近お名前と本の存在を知りました。
また、本全体としては約550pあり、トヨタ生産方式について一番詳細に記載・説明がされているように思います。
ただ、ページ数が多く、読みきれておらず、紹介の内容もかなり省かせていただいています。

1.タイプ
 門田形
 (かつての記事では「未記載」としていました。まだ特徴付けた名前を付けられていないのでこのようにしています。)
2.内容
 第5章 トヨタ生産方式の導入 (525p~538p) に記載があります。
 目次の内容からすると、
 (1)導入に先立ち4つのステップが必要
 (2)現場改善のテクニックの適用
になります。
3.読書後の感想
 省略
4.本の情報
 タイトル:トヨタプロダクションシステム
 出版社:プレジデント社
 価格:不明
 出版年:2006年
 ページ:約550p
5.著者略歴
 
調べてみると愛知大学助手・講師、大阪府立大学助教授、筑波大学教授、筑波大学大学院経営・政策科学研究科長、筑波大学社会工学系長、筑波大学名誉教授などをされています。
 2012年10月15日に行われる大野耐一生誕100年記念フォーラム 21世紀の「ものづくり思想」の探求では、パネル・ディスカッションのパネリストとしても登場されます。(他のパネリストは、張富士夫(トヨタ自動車株式会社会長)や藤本隆宏(東京大学経済学部教授)などです。)
6.外観
 Photo_2


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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(7) トヨタ生産方式 導入・実践ノウハウ集 竹内鉦造

2012年07月29日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年7月30日(月)発行)(次回8月6日(月)予定)

さて、今回はトヨタ生産方式の導入の本の4冊目になります。これ以降紹介する本はそれほどページ数が割かれていなかったり、導入のステップが記載されていなかったりします。この本は、項目毎のチェックシート方式で、導入のステップが明確には書いてないように思います。しかし、チェックシート部は約30pにもなり、トヨタ生産方式を理解するのに役立つ本と考えます。一度トライください。

1.タイプ
 チェックシート型

2.内容
 第2章のモノづくり職場の自己診断の、p36~p67に記載があります。
 記載の項目は、
 (1)仕掛品の状況
 (2)時間当たりの出来高のばらつき
 などなど15項目に及びます。著者も少し項目が多いかなとは書かれていますが、それだけ色々な点でチェックができるかと思います。
 多すぎれば、自分で選択されたら良いと思います。

3.読書後の感想
 
トヨタ自動車株式会社でTPS主査という役職を経験され、さらにパナソニック株式会社でも改善活動のアドバイザーを経験されています。自動車と電気製品の製造現場それぞれの豊富な経験を著作にされているように思います。

4.本の情報
 タイトル:すぐに使える トヨタ生産方式 導入・実践ノウハウ集
 出版社:日本能率協会マネジメントセンター
 価格:2800円
 出版年:2011年
 ページ数:285p

5.著者略歴
 1971年トヨタ自動車株式会社入社。TPS主査を経験。その後、パナソニック株式会社にてアドバイザー。現在、ティー・エス・コンサル(ムダ取り研究所)代表取締役社長。

6.外観
 Photo


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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(6) トヨタ生産方式 小谷重徳

2012年07月16日 | ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式

(2012年7月16日(月)発行)(次回7月23日(月)予定)

いやー暑いですね。九州地方では梅雨の豪雨で被害が出ていますが、雨が降らないところは空梅雨状態のように思われます。
九州の梅雨の被害では、よく訪問していた会社は、最大の雨量を記録した阿蘇市乙姫の近くにあります。そのため、会社の関係者の方に被害はなかったかなと心配します。一昨日は京都市北部・亀岡市が豪雨に遭ったようで、京都縦貫道が一部閉鎖され、亀岡市内を抜けるのに2時間ほどかかりました。被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

さて、今回はトヨタ生産方式の導入の本の3冊目になります。といっても、記載があるのは20pのみですが。正式な本のタイトルが「理論から手法まできちんとわかる トヨタ生産方式」ですので、トヨタ生産方式の導入だけでなく、トヨタ生産方式全体を理解するのに役立つ本と考えます。一度トライください。

1.タイプ
 モデルライン型

2.内容
 第11章のトヨタ生産方式の導入の、p219~p239に記載があります。
導入のステップは、
 (1)トップマネジメントのリーダシップの発揮と目標の設定
 (2)導入の進め方の決定
 (3)従業員の意識改革と人材育成
 (4)プロジェクトチームの編成
 (5)モデルラインへの導入
 (6)導入の拡大
となっています。ポイントを整理してみると、
 ①トップマネジメントのリーダーシップ
 ②従業員の意識改革
 ③モデルラインへの導入(限定的な導入)
ということになると考えます。
 ③のモデルラインへの導入の部分に注意すべき記載がありましたので以下に記載しておきます。
 「まずはプロジェクトチームのメンバーが導入計画を自主的に立案して指導を受けるようにし、最初からコンサルタントの指示に従って行動するようなことは避けなければいけない。」

3.読書後の感想
 従来型の工場では、トヨタ生産方式を一気に導入することは出来ないので、手法の個別の導入と、生産ラインの改善がある程度進んだ場合後の、各工程間のどのようにつないでいくかについても記載がされている。
 その点から、従来型の工場での導入のステップとして参考になる部分が必ずあると思われる。

4.本の情報
 タイトル:理論から手法まできちんとわかるトヨタ生産方式
 出版社:日刊工業新聞社
 価格:2200円
 出版年:2008年
 ページ数:269p

5.著者略歴
 名古屋工業大学大学院工学研究科修了後、トヨタ自動車入社。現在、首都大学東京教授。

6.外観
 Photo


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