晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 企業編 ②東海バネ工業 ロングテール戦略

2012年03月25日 | ものづくり・工場改善 会社編

(2012年3月26日発行)(次回4月2日発行予定)

(独り言:今、もの造り企業の環境はたいへん厳しいですね。3K職場ですし、海外から安価なものが入ってくるし。
また、但馬は”谷間”から来ているのではと言われるくらい平地が少ないところです。
そんな但馬地方のもの造り企業の応援の気持ちでこの記事を書いています。
                                       井上三郎右衛門@晴耕雨読)

 今回は、2011年度最後の回になります。
 ものづくり・工場改善のカテゴリーには多くに方に来ていただいており、ものづくり・工場改善 会社編の1回目は、豊岡市の中の旧日高町にある、木製ハンガーシェア50%の中田工芸さんを紹介いたしました。最終回は「2011年版 ものづくり白書」(経済産業省・厚生労働省・文部科学省 編)を私なりにまとめてみようとトライしてみたのですが、巻頭に平成22年度ものづくり白書の骨子ということで、8ページにわたりまとめられたものがありました。
 そのため、方針を変更して、白書の292ページに「東海バネ工業」さんのコラムがあり、「東海バネ工業」さんのご紹介をしたいと思います。

 まず、白書のコラムに記載されている内容から、「東海バネ工業」さんの概要を把握ください。
 卓越したばね職人が1個から手作り、顧客開拓の壁を破ったWebへの着眼
 東海バネ工業(株)(大阪府大阪市)は、大量生産が85%という業界にあって、平均ロット5個という大手企業が参入しにくく価格競争に巻き込まれにくい、ばねの微量生産を行っている。同社は、2段階のIT経営の実践によって、5年間で売上高5割増を実現した。
 1段階目は、受注管理システムの導入である。・・・・・
 2段階目は、Webを活用した顧客開拓の実現である。・・・・・多様な業界から問い合わせが入り、新規顧客は年々増加。2003年13億円だった売上げは2007年には19.8億円、経常利益は10%近い数値になった。さらには、受注増によって同社製品の社会的貢献性を認識し、従業員のモチベーションが向上した。

以下に記載した内容は、①~④の資料を参考にしました。
①2011年版ものづくり白書
②「多品種微量の経営」(京都経営品質協議会平成18年度エクセレント企業調査事業の配布資料)
③2011年6月23日TV東京系列放映「カンブリア宮殿」放映内容・他
④「東海バネ工業」会社ホームページ

●はじめに
 東海バネ工業さんは、本社は大阪市に、工場が伊丹市と豊岡市にあります。豊岡市の工場は、神美台の工業団地(実は、母親の実家の目の前)にあり、匠の技を伝える館のようなものも工場に併設されています。

●会社データ(資料④より)
 本社 大阪市
 資本金 96445千円
 従業員数 80人

●バネ業界の特徴(外憂)
 バネ業界は自動車・電機関係の下請け色が濃く、生産は大量生産が85%を占め、価格は既に決まっており、常にローコストが要求されます。
●会社の問題点(内憂)
 
 
 昔気質の職人さんが多く、コストダウンのための生産性の向上を目指す活動をしても、なかなか付いてきてくれないという問題がありました。
●転機
 そんな中で、現在の社長の渡辺さんが社団法人バネ工業会のバネ業界視察に参加され、今日の東海バネ工業さんの発展に繋がる大きな気づき・お土産を2つ持って帰られました。
  1つ目が、ドイツでの気づきで「注文が欲しいばっかりに値引きをして、損はしないが儲からないバネ屋になっている。お客様の言いなりにならない、(こちらの)言い値で買っていただける、あるいは適正な価格で買っていただける、そういう製品・サービスに絶対しなければいけない。」
 2つ目が、フランスでの気づきで「誰もやりたがらない仕事に取り組んで一生懸命汗を流している連中が「もっと良いバネを作ろう、誰にも出来ないバネを作る職人になろう」と、そういう気持ちになるように、彼らの仕事を正当に評価し、そして、それに見合う報酬を与えてあげなければいけない。」
●その後の改革
 すぐに改革ができたわけではないようですが、改革が成功したポイントは2つあるように思います。
 1つ目が、多品種少量の受注・生産に対応できるコンピュータシステムを導入されて、バージョンアップを重ねられている点。この点は、②の京都経営品質協議会の資料にかなり詳しく書かれています。
 2つ目が技術の継承を大事にされている点。この点は、③のガイヤの夜明けの放映内容でかなり詳しく説明されています。また、社長の渡辺さんは、「人件費は経費でない、投資だ。しかも未来への投資だ。」と言われています。
●すごさ
 1点目は、全国880社のお客様に対し、1件あたりの受注金額がせいぜい5から6万円で、そういった小口受注が年間約3万件ある中で、納期遵守率が99.97%(資料②より)である点から推測できます。
 2点目は、「3月11日の東北関東大震災による大きな揺れが首都圏を襲うなか、東京スカイツリーが無傷でいられたのは(東京タワーは先端が曲がりました)、先端部に取り付けられた「制振装置」のお陰。そこにとりつけられたのは 人の背丈程もある巨大なバネ…実は東海バネが作ったものだった。」(資料③より)という点から推測できます。
●まとめ
 製造メーカは製品を大量生産する方が楽なはずです。しかし、それは圧倒的な技術差が無い限り価格競争に巻き込まれることを意味します。日々求められるコストダウン要求にどこまで対応できるのか。先日のTV東京系の「ガイヤの夜明け」の番組でも出ていましたが、下請け製造企業の生きるひとつの道は独自商品を、もしくは独自技術を持つことです。
 その道は厳しいですが、決心して一歩前に踏み出さない限り、一般的な中小製造業メーカに明るい未来は無いように思います。
 多品種少量高付加価値の生産・販売をめざすロングテール戦略(少量しか発注しない多数の顧客層をターゲットとする戦略)が、一般的な中小製造業メーカの生き残りの一つの選択肢であるはずです。
 
 頑張れ!中小製造業メーカの方々。
 
 

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カステラ焼きの玄さん

2012年03月17日 | 玄さん

(2012年3月20日発行)(次回3月27日予定)

こんにちは。
今回は、玄さんです。
道の駅神鍋高原で売っていた、カステラ焼きの玄さんです。
あんことカスタード入りの2種類があったと思います。
おいしかったです。
よろしかったらどうぞ。

2
笑っている顔が良いですね。

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植村直己冒険館

2012年03月10日 | 神鍋レジャー

(2012年3月12日発行)(次回3月19日予定

こんにちは。
今日は、いつもととは違い、神鍋高原の入り口にある、植村直己冒険館の紹介になります。

まず、植村直己さんをどれくらいの方がご存知ですかね。紹介しますと、
神鍋高原のある豊岡市の旧日高町の出身で、1941年2月の生まれです。
エベレストに登頂されたり、
5大陸の最高峰に登頂されたり、
グリーンランドを犬ぞりで横断されたり、
の冒険をされています。
世界的な冒険家として有名です。
ただ、1984年2月に、北米のマキッンリーに単独登頂をされた後、消息を絶たれました。
国民栄誉賞を受賞されています。
植村直己さんの優れた人となりを後世に継承するために、自然を相手に創造的な勇気ある行動をした人または団体に植村直己冒険賞が毎年贈られています。

個人的な思い出は、
高校時代に、エベレスト登頂直後で、高校に来られ、講演を聞き、エベレストの山頂の石(砂岩でした)を見た記憶があります。
お父さんは、建設会社の植村建設を経営されていて、家の裏の工事に来られていたときにお話をしたことがあります。

2月に雪下ろしに帰った時に、豪雪のため道路に雪が大量に残り、ノーマルタイヤでのこれ以上神鍋山に向けて走るのは危ないと忠告され、植村直己冒険館の駐車場に車を停めさせていただきました。その関係で、植村直己冒険館の中の中にも入りました。

一度寄ってみて、植村さんの冒険数々を知ってください。

植村直己冒険館
豊岡市伊府785番地
TEL0796666-44-1515
HP:http://www3.city.toyooka.lg.jp/boukenkan/

入り口の写真と、パンフレット

Photo

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神鍋山の四季 2012年3月 スキー場とスキー客

2012年03月03日 | 神鍋山の四季

(2012年3月5日発行)(次回3月12日予定)

今年は豪雪でなかなか春らしさが感じられません。
先週もまた雪が降るというので、雪下ろしに神鍋に帰ってきました。

豪雪のせいか、スキー客の人が例年と比較したら多いように感じました。
豪雪でうれしい悲鳴の方もおられますね。うらやましい。

Photo
(先週2月に帰った時の写真です。)

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