自宅の近くのお家のさくらの花が咲きました。
空も雲一つなく真っ青です。
******************************************
ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第474回(2023年4月3(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
古民家旅館 雲海の宿 月星亭 / 足立泰司 / ものづくり・工場改善 会社編
******************************************
今回は5年もの歳月をかけて古民家を旅館に大改造された足立泰司さんをご紹介したいと思います。
◆古民家を大改造中
足立さんと初めてお会いしたのは2019年6月8日。実家の松の木が大きくて素晴らしいとほめていただきました。聞けば、造園業をされており木については大変お詳しいとのこと。さらに聞くと、東京の町田市に住んでおられるが、今は、故郷である但馬の古民家を大改造中で旅館にされるとのこと。造園業や建物の改造に興味があった私は大改造現場を早速見せていただきました。
見せていただいた古民家は竹田城に近い朝来市山東町迫間にありました。江戸時代に建てられたものでかなり古く、現場を見てこれを改造するんですかと思わず聞きたくなりそうなほど、その改造の大変さが感じられました。
↓ 大改造中の屋内①
・・・畳は無く、脚立が立ち、工具等が散乱し、工事中です
↓ 大改造中の屋内②
・・・庭も工事中で整備されておらず、障子の紙も貼られていません
◆過去の様子と現在の様子の比較
今回、5年の歳月をかけ、さらにコロナ禍を乗り越えられて、古民家の大改造を達成され、
「古民家旅館亭 雲海の宿 月星亭」を開業
されました。同時にお食事処も開業されています。
その苦闘の様子がわかりやすいように、2019年当時の様子(大改造開始から1年目)と完成した現在の2023年の様子を比較してご紹介したいと思います。
①建物の正面の様子
⇩建物の雰囲気は変わりませんが、玄関の石畳ができて、提灯が掲げられ、
松の木の根元が庭らしくなっています⇩
②室内からの庭の眺め
⇩障子には紙が貼られ、
ガラス越しに見える庭もきれいに整備されました⇩
③趣のある丸い窓
⇩丸い窓(こんな窓がまだ残っているんですね)には障子が取り付けられ、
幻想的な雰囲気になりました。⇩
④囲炉裏周辺
⇩暖炉の備品も取り付けられ、周囲に屏風が置かれ、
楽しく歓談できる素敵な雰囲気になっています。⇩
◆自慢は露天風呂
最初の訪問時に一番びっくりしたのは、大きな岩がくり抜かれて屋外にドカンと置かれており、何をされるのですかと聞くと露天風呂にされるとのこと。その時は、どんな風になるのか全く想像もできませんでしたが、自慢の露天風呂ができていました。右上のお湯の出口の石が個性的です。
こちらはお庭の灯篭です。人の背丈以上でとにかく大きいです。足立さんは庭師をされていた関係で、木や石やを常に扱っておられました。
灯篭の後方の庭からの眺めも素晴らしいです。
◆お食事処もやっています
旅館は一棟貸しで、寝室2部屋や囲炉裏付きの居間があり、室内風呂と露天風呂が利用できます。8名までの利用が可能です。とにかく、周囲の自然環境と調和した、落ち着ける古民家旅館に仕上がっています。
予約は 古民家旅館 雲海の宿 月星亭
079-666-8155 へ
朝来市山東町迫間字大林213番1
(竹田城と雲海を見ることのできる場所まではすぐそこです)
お食事処もやっておられます。自家製の野菜をふんだんに使ったお昼の「おまかせランチ」(1480円)は要予約で1日15食限定になります。定休日は月曜と火曜です。上の写真の石燈籠の右側にランチやっていますという旗が立っています。
↓ 建物全体の外観
↓ あたらしくいただいた名刺
↓ おまかせランチの一例
(後日、ランチの写真を挿入予定です)
◆ご苦労様でした
コロナ前の2019年に最初に訪問させていただいたときは、とにかく改造の程度が大きくて大変そうで、いつ完成するのだろうかと思いましたが、コロナ禍を乗り越えて今回ついに完成されました。
初志貫徹!
大変ご苦労様でした。
井上直久
京セラ創業者、元京都商工会議所会頭の稲盛和夫様が8月24日に逝去されました。
享年90歳。
筆者は直接のご指導などをいただいたことはありませんでしたが、ある著書を読ましていただたときの直接指導の場面での質問への回答にたいへん感動した覚えがあります。詳細な内容は覚えていないのですが、質問の目的である本質を見抜き、広い視野を持っての的確な回答であったと記憶しています。
フィロソフィーを経営の前面に出されており、日本航空のあれだけ早い再建は、その賜物のように思われます。
また、得度をされたのは自宅に近い京都府八幡市の円福寺であり、その円福寺を私は何度も訪れています。
ご冥福を祈り合掌。
******************************************
ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第459回(2022年9月5日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 会社編⑬ー2 豊岡市工業会 ~会社展示編~
******************************************
今回は、豊岡市工業会の2回目で、会社展示にスポットを当てて記事を書いてみました。
(1)豊岡市工業会
まず、豊岡市工業会の紹介資料になります。
①7月23、24日に実施された
「おっとろっしゃ!とよおかのものづくり7」のパンフレットです。
会員企業の一覧が左側のページにあります。多いいですね。
②「豊岡市工業会」のパンフレットです。
金属加工業とばね製造業の写真が2つずつ入っており目立ちます。
会員企業を確認すると、純粋な製造業と言える会社以外に、
建設業や設計サービス業などの会社さんも含まれています。
また、豊岡市以外の企業さんも目立ち、「但馬工業会」といった雰囲気です。
③豊岡市工業会の「10周年記念誌」です。
設立から、もう10年たったのですね。
(設立時の地域外の会社さんへの視察は京都地区で、京セラとオムロンだったと
ある方からお聞きしました。オムロンの草津工場にも来られたみたいです。
その当時は私は見学路から数mのところにデスクがありました。)
「世界に羽ばたく 豊岡のモノづくり」
(2)兵庫県立但馬技術大学校
展示をされていた企業さん等の中から2事業者さんを選びました。
最初の事業者さんは但馬技術大学校さんです。
2つ目の事業者さんは前野紙業さんです。
①大学校ですので製造業とは言えないかと思われますが、
機械工学科や建築工学科や自動車工学科などがあるとのことです。
関連性はありますね。
学習・訓練後には但馬地区の事業者さんに就職される方が多いようです。
②こちらが実際の展示になります。
③展示パネルの横にはこんなものが。競技用の車です。
車体に書かれた宣伝から車と分かるのですが、1リッターの燃料で
どれだけ長い距離を走れるかという競技に参加されたいます。
毎年、優秀な成績を挙げられています。
その理由は、優秀な指導教官の方の熱心な指導によるもののようです。
(学生の方から熱心な説明をいただきました。ありがとうございました。)
豊岡病院に行くときに大学校の横の道を車で走っています。
しかし、何をされているかわかっていなかったのですが。
写真ついては、展示説明者の方のご了解をいただき、撮影して、掲載しています。
(3)前野紙業
旧日高町にある紙箱などを製造されている会社さんです。
常に会社の横の道を車で走っています。
①展示パネルの前に製造されている箱の説明が。
「前野紙業株式会社では こんな箱を作っています」
②展示台には、「玄さん」ができるペーパークラフトが
早速、家に帰って組み立ててみました。
③台紙からのピースの切り離しが難しい
ピースは2つなのですが、まず台紙から切り離すのが難しい。
特に切れ込みが鋭角の部分が。
カッターも使って破れないように工夫しながら切り離しました。
④各ピースを切り離した状態です。
さすが紙業屋さん!と納得したのは、鋭角の切れ込み(下の写真の下側
の玄さんの顔のピースの下部に複数個所あり)部分はちぎれてピース側
に残らないように先端を少し太くしたうえで、先端は丸みをつけられて
いました。
⑤玄さんの胴体ブロックを組み立てた状態です。
簡単にできました。(糊付けしていません)
⑥顔の組み立てを始めると、説明書はありませんので
どう組み立てたらいいのかわからなくなりましたが・・・・
さすが紙業屋さんですね、①②③④⑤⑥と順番に組み立てると
⑦顔のブロックが出来上がりました!!
(糊付けしていません)
⑧顔のブロックを、胴体のブロックに乗せて
出来上がり。
思ったより簡単にできました。その理由は、紙業屋さんのノウハウ
が入っているからでしょうね。
井上 直久
おもしろい形ですね!!セファランサスという花だそうです。実家の庭に家内が植えています。
******************************************
ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第456回(2022年8月1日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 会社編⑬ー1 豊岡市工業会 ~ものづくり体験~
******************************************
今回は、但馬地域のものづくり企業さんの集まりである、「豊岡市工業会」さんのご紹介をしたいと思います。
豊岡市工業会は約11年前に設立されたものづくりに関する団体です。10周年の記念誌等によると、地域の経済をものづくりの現場から何とか元気にしていきたいと願う企業の集まりで、豊岡市というより但馬地域のものづくり企業が参加されている団体で、業種も製造業だけではなく建設業そして専門技術・サービス業まで幅広く企業さんが参加されています。
今回、7月23日(土)、24日(日)に豊岡稽古堂で、「ものづくり体験」と「事業紹介展示」をされていました。
この記事では、まず、会員企業の製品や技術を使った「ものづくり体験」について紹介したいと思います。当日の「ものづくり体験」場では、将来の職人さんが活躍されていました。2企業さんをご紹介したいと思います。
(尚、写真撮影にあたり、当日の現場におられた企業様の担当者にご了解をいただ上で撮影し、ブログへの掲載の了解をいただいています。)
株式会社 川島建設 様
出石町に本社がある総合建設業の会社さんです。最近は独自プロジェクト「古民家蘇生」にも力を入れられており、今回は木造建築で使用する木材の端部を使ったロボットの組み立てをされていました。
完成品はこれ!
穴が多数開いていますが、ここに木でできた丸ピンを打ち込んで、頭と胴体、胴体と手、胴体と足をつなげていきます。
このガラスのツボに木でできた丸ピンが入れてあります。
そこから丸ピンを取り出し、胴体と手などをくっつけます。写真は胴体と手がつながったところでしょうか。
さらに、足をつけるようです。
木の丸ピンを挿入するために、木槌で何回もたたくので、現場は大変うるさい状態になりました。
でも、完成したら、皆さん大満足のようでした。
株式会社 東豊精工 様
豊岡市でばねを製造されています。記念誌の従業員数110名を見て、わー大きな会社さんだと思いました。精密ばね(板ばね、薄板ばね)を製造されており、線経Φ0.02mmのコイルスプリングなどを製造されています。(ちなみに、線形Φ0.02mmは髪の毛よりも細いですから。)
完成品はこれ!
左側のばねの箱からばねを取り出して、中央のハンドルが付いた機械はハンドプレス(と思われます。詳しくはエキセンプレスといったと思います)で、ばねの端部の処理をするために、お兄さんが左手でばねを固定しています。
ハンドルを回して、ばねの端部を変形させているようです。
ちゃんとできたかな?
この後、子供さんの前にあるカラーボウルを入れて組み立てるようです。
最終的には、このばねを使ったアクセサリーが出来上がります。
できたー!
井上 直久
******************************************
ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第453回(2022年3月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 会社編⑫ 但馬ちりめん 丸源太田
******************************************
はじめに
今回の但馬のものづくり企業の訪問は、豊岡市但東町の丸源太田の太田源一様を訪問しました。
おじい様が丹後地方で丹後ちりめん(縮緬)の製造技術を取得され、但馬でちりめん製造を始められました。
源一様は7年前に但馬に帰ってこられて、家業である但馬ちりめんの製造を継承されています。
ちりめんとは何?という方もおられと思いますので、説明をしますと、絹で織られた織物で緯糸(よこいと)に回転(捩じり)をかけたものを使うことで織物の表面にシボ(凸凹)が出たものです。
品のある光沢と独特の風合いと手触り感があります。まさに芸術品です!
(これは家内が持っているちりめんの写真です。
左は白生地で、右は白生地上に染色が施されています。
どちらにもシボ(凸凹)がきれいに出ています。)
このシボ(凸凹)は下記のように、
まず、右回転の緯糸(よこいと)を2本、それから、左回転の緯糸(よこいと)を2本
順番に入れていくことで出来ています。
製織の工程
今回の訪問では、4000本の経糸(たていと)と回転をかけた緯糸(よこいと)で織る
「製織」の工程を見学させていただきました。
①経糸(たていと)が入荷
中央のビームというドラム缶のようなもの👆 に、経糸(たていと)が巻かれた状態で入荷します。
②経糸(たていと)を引き出す
ビーム(陰に隠れていますが)から適切なテンションをかけて経糸(たていと)4000本を引き出します。
③糸羽(いとば)
縦方向の糸羽👇 で、
4000本の経糸👆 をわずかに上げたりそのままだったりコントロールします。
④経糸(たていと)を上げるコントロール
糸羽(いとば)の上にはこんな大きな機械👇 があり
経糸を上げるかどうかのコントロールはパターン紙👆 でされます。
パターン紙には下の写真のように穴が開いていて👇 上げるコントロールがされます。
⑤緯糸(よこいと)を通す(別の織機になります)
上がっている経糸(たていと)群と上がっていない経糸(たていと)群の間に
シャトルを使い緯糸(よこいと)を通します。
シャトルは動きがとても素早くてなかなか見えません。
真っ白い部分👆 が織りあがった部分
今、手に持っておられるのがシャトルです。2か所を右に行ったり左に行ったりして
往復するので、シャトルバスの語源にもなっています。
⑥出来上がったちりめん
綺麗にシボ(凸凹)が出来ています。
おわりに
シボ(凸凹)できたからこれで終わりというわけではありません。
この後、精錬というお湯に付ける作業をして、縮ませ、
よりシボがはっきり出るようにされて出来上がりです。
訪問し、見学させていただいて、つくづく思うことは、
縮緬の製造工程は実に複雑で工程数が多く、たいへんな仕事です。
技術的にも難しく繊細な工程がいくつもあるようです。
しかし、過去の色々なノウハウが詰まったその結果、
今の芸術的な但馬ちりめんが出来上がっていることを実感できました。
井上直久
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご紹介
高級絹織物 ちりめん 製造販売 丸源太田 さんの連絡先等
住所 :兵庫県豊岡市但東町中山764-1
電話 :0796-56-0038
FAX :上記に同じ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご参考
(どの工程も専門的で説明が難しいです)
製織までの経糸(たていと)の製造工程
①原料(生糸) ②ソーキング(下漬け) ③乾燥 ④糸繰り ⑤ワクたて ⑥整経、巻き取り ⑦経継ぎ ⑧機掛け
製織までの緯糸(よこいと)の製造工程
①原料(生糸) ②糸繰り ③合糸7本、合糸3本 ④緯煮(むきたき) ⑤下管巻き ⑥8丁撚糸(この工程で緯糸にスピンをかける) ⑦3本の下撚り済み揚げ返し ⑧カベ撚り用合糸 ⑨イタリー撚糸(カベ撚り) ⑩カベ撚り揚げ返し ⑪上撚り ⑫上管巻き(うえくだまき)
製織以降の工程
①検反 ②精錬 ③幅出し ④検査 ⑤白生地出荷 ⑥染め
*******************************************
ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第398回(2019年 10月 7日(月)配信)・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 会社編⑩ 石匠六代 但馬石材
*******************************************
はじめに
昨年の9月に父が亡くなり、今年のお盆が初盆でした。
初盆までには墓をつくりたいということで、但馬石材さんにお願いをしました。
今回は、ものづくりの視点から、
・墓地がきれいになっていく様子 と、
・石材やさんで一番難しいと聞いた墓石への文字の彫り込み を、
ご紹介したいと思います。
但馬石材さんの紹介
但馬石材さんは、写真の看板にあるように、なんと、
墓石専門に200年6代に渡り石匠をされています。
また、出身中学校の日高西中学校の前に石の加工工場があることから、
わりかし身近な感じがしていました。
今回、父のお墓をお願いすることにしました。
墓等に関しては全く経験・知識が無く、いろいろと困りごとも出ましたが、
いろいろと相談に乗ってもらいながら進めました。
墓地をきれいにしました
①荒れ放題の墓地
我が家の墓地は、約140年前に現在の位置に移転してきたようで、
また、その後あまり不幸が無かった為、3基のお墓を追加で作っただけで、
写真のように荒れ放題になっていました。
・お盆の花が飾ってあるせいでしょうか、遠目に見ると悪くはなさそうですが・・・
・近づいてみると、墓地の後ろ側は草ぼうぼうですし、
・右側の墓石の列は、苔が付き、傾いたり、壊れたりしていますし、
・左側の墓石の列では、墓石がつくられずに放置されています。
②まず、後方の石垣をつくり墓地の区域が明確になりました
・墓地の工事が始まると、この蜘蛛のような機械が据え付けられ
・墓石自体が後側と左側にどかされ、(写真は後ろ側にどかされた墓石)
・中央部分はきれいさっぱり何も無くなりました。
・そして、まず後ろ側に石垣がきれいに積まれました。
(え、まず石垣をつくるのですかとびっくりしました。)
左右の石垣とも違和感なくマッチしています。
(とてもきれいに積まれているので、素晴らしいですねと社長さんに言うと、
いつもやっていることですからとのことでした。)
③左右の墓石の列つくり(左側を例に取り上げています)
・土を掘り、墓石が傾かないように、地盤をコンクリートで固め、
・一直線に伸びた縁石が設置され
・墓石のレイアウトを確認して、
・墓石が整然と設置されました
④全体の出来上がり
・出来上がった全体の状態はこんな感じです。
・父の墓もできました。
墓石で一番難しい墓石への文字の彫り込み
技能が・技術が必要なポイント
墓石に刻まれている戒名の文字は、よくよく見てみると、
太い部分は深く彫られています。
(「大」の右下のはねる太い部分は深く彫られています。)
かつ、周囲が掘られた島のようになった部分は欠けたり取れてしまわないように
しないといけません。
(「姉」の「女」の中央に残った島が取れてしまわないようにしないといけません。)
この2点が一番技能・技術が必要なポイントだそうです。
(失敗が許されないので、難しそうですね。)
墓石に戒名を刻むには、
①まず戒名を普通はパソコンソフトでプリントアウト
ただ、今回は母が習字の心得があり、自分で書きたいということなので
戒名の文字は人が書きました。
(母は上手に書かれていると褒められ、ご満悦のようでした。)
②戒名を書いた紙を墓石に貼り付け
温めた墓石に厚さ約4mmのゴムシートをまず貼り、
ゴムシートをゴムハンマーでたたいて密着性を高めます。
さらに、その上から戒名を書いた紙を貼り付けます。
紙の周囲を養生テープで剥がれないように貼っておきます。
下の写真の左側が習字で書いた文字です。
右側が墓石に紙を貼り付けたものです。グレーの文字が転写された状態です。
③ゴムシートの文字の部分を彫刻刀で切り、剥がす
写真のような彫刻刀を使い、ゴムシートの文字の部分に切れ込みを入れてゴムを剥がします(カッティング)。
丁寧にきれいに剥がさないと文字がゆがんだり変形するなどの問題が出る可能性があります。
作業終了後、再度ゴムシートをゴムハンマーでたたき、密着性を向上させ、
後工程のサンドブラスト工程で問題が発生しないようにします。
④文字の部分を機械で荒彫りする
荒彫り機械で文字の部分をざっと荒彫りします。
荒彫り機械は、ドリルのようなものが回転して、石を削るイメージです。
(素人目には既に出来上がっているように見えますが。)
⑤サンドブラスト機械で文字をさらに深く彫る
サンドブラスト機械は、文字の部分にサンド(砂という意味ですが、社長さんによると鉄を使うそうです)
を一方向から吹き付けて(ブラストは風という意味です)、
ゴムシートをとった部分の石を削り彫る機械です。
ゴムシートがマスクの役割をすることで、きれいに文字が深く彫れます。
むかしはこれをいちいち人が手でやっていたのですから大変な手間ですね。
また、出た石の粉を肺に吸い込み病気になられる職人さんが多かったそうです。
以上の工程をまとめると以下のようになります。
⑥必要により、文字に色を付ける
墓石自体が白っぽいので、文字(の彫った部分)は黒色に、
まだ生存している母の戒名の一部分は赤字にします。
⑦ゴムラバーを剥がす
ゴムラバーを剥がして出来上がりです。
良い石匠さんは掘られた文字が「きれい」とのことなのですが、
素人の私にはなかなかその「きれい」の違いが分かりませんが、
但馬石材さんには父の立派なお墓をこしらえて頂きました。
ありがとうございます。
井上 直久
◆但馬石材さん連絡先等
本社
所在地:豊岡市日高町十戸滝ノ前
TEL:0796-44-0777
工場
所在地:豊岡市日高町十戸西中学校前
TEL:0796-44-0227