晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

農業で利益を出し続ける7つのルール / 澤浦彰治 / ものづくり・工場改善 農業

2023年07月16日 | ものづくり・工場改善 農業


何の花かわかりますか?
答えはジャガイモの花です。
数時間前にジャガイモ掘りをしていました。明日もジャガイモ掘りです。

******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第481回(2023年7月17日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 農業で利益を出し続ける7つのルール / 澤浦彰治 / ものづくり・工場改善 農業
******************************************

はじめに
今回は、澤浦彰治さんの「小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール」という本をご紹介したいと思います。(本の出版時の記載では)群馬県で4つの農業企業の代表をされており、売り上げ合計は約20億になります。当初は大変苦労されましたが、売り上げ合計約20億を達成されるまでの苦労と成長の記録がこの本になるかと思います。
しかし、この本をピックアップした理由は、群馬県中小企業家同友会副代表理事をされていることからも分かりますが、農業に関する経営的な視点がよく出ていると思うからです。

目次
いつものように、内容を概観するため目次のタイトルを以下に書き出しました。
イントロダクション なぜ小さな家族農業が、売り上げ20億の会社に成長できたのか
ルール1 はじめての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ
ルール2 作物を商品化することで、利益は生まれる
ルール3 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める
ルール4 経営規模に合った自分のお客をつくる
ルール5 できる農家は毎日欠かさず日記をつけている
ルール6 手元資金があっても、設備資金は借金をする
ルール7 個人と組織を活かす「方針管理手順」で、利益を出し続ける

目次の分析
内部構造は、イントロダクションとルールの2つに分かれ、重点はやはりルールにあると思います。そのルールの1~7について、経営的な視点で見ると以下のような分野に関係すると思われます。
ルール1 経営全般
ルール2 6次産業化の生産
ルール3 6次産業化の加工・製造
ルール4 6次産業化の流通・販売
ルール5 ISOの記録・PDCAのCAに関係
ルール6 財務
ルール7 経営理念・組織

各ルールのポイント
ルール1~7のそれぞれの項目について、特に重要と考えられるポイントとページを書き出してみました。
ルール1 089p 種をまく前に売る
     077p 栽培技術と管理技術
     088p 販売を考えて生産に打ち込む
ルール2 118p 農産物の6つの価値を考えようーーートータル価値の創造
ルール3 128p 相場による価格形成から安定価格にする
     132p 最初はお金をかけなくてもできる
ルール4 165p 規模に合った顧客は必ず存在する
ルール5 170p 駄農と篤農家の違いは日記をつけるかどうか
     177p パートさんの目を自分のものとする
ルール6 ページ無 農業は他産業と比べて現金商売でないために最初は資金が出ていくばかりで、
          場合によっては突然、ヒョウ害や台風被害に遭う可能性がある。
ルール7 204p 経営スタイルを変える
     211p 組織づくり
     219p 経営方針書

おわりに
農業で成功をされる方が増えてきているように思います。お一人の成功談よりも、多くの成功者に共通する内容があればそれが重要ポイントとなります。そんな重要ポイントが書かれていると思い、この本をご紹介しています。その中から、私の考える超重要ポイントを書き出してみました。本を読まれる場合には参考にしていただけたらと思います。

                            井上直久

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上垣守国養蚕記念館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年07月02日 | ものづくり・工場改善 / 但馬産業博物館


我が家のベランダでサボテンの花が咲きました。

******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第480回(2023年7月3日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 上垣守国養蚕記念館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
******************************************
但馬の産業に関係する記念館などを紹介する3回シリーズを始めます。
1回目が、養蚕
2回目が、但馬牛
3回目が、但馬杜氏
になります。
今回の1回目は養蚕についてで、但馬で養蚕を盛んにされた養父市大屋町蔵垣の上垣守国養蚕記念館に見学に行ってきました。

はじめに
蔵垣の部落の道にはこんなに大きなカイコのモニュメントが。


すぐに、上垣守国養蚕記念館は見つかりました。


この建物が上垣守国養蚕記念館です。


さあ、中へ。


上垣守国翁
この方が上垣守国翁です。


年表にあるように、東北地方にカイコの卵を買い付けに行かれ、但馬に持って帰られました。
三丹(但馬、丹波、丹後)地方の蚕種の改善に効果があったようです。


そして、いろいろ工夫をされて、生産性を向上させ、
その工夫を他の人々に口授されました。
ノウハウを広く公開されているところが素晴らしいですね。


1803年には、養蚕秘録という本を出されました。


本の価値がどれほどのものか、写真の中に解説があります。
この本は、シーボルトがヨーロッパにわざわざ持って帰ったそうです。
フランスで翻訳されました。


こちらは、国立研究開発法人 農業生物資源研究所が出している
「カイコってすごい虫!」より。
記載がなされているところがすごい。


養蚕を特に但馬に広めたことで、明治時代になり、顕彰碑が建てられています。
題字は兵庫県知事によるものだそうです。


カイコが桑を食べて繭をつくる
まずカイコの一生を先ほどの本から引用しました。


カイコを


給桑台に乗せ


桑を与えます


こちらは桑の拡大写真(実家でもカイコを飼っていましたのでなつかしい)


カイコは5回脱皮し、体重は10000倍にもなり、下のような寝床で
繭をつくります。


こちらが取り出した繭


繭からとれた真綿だそうです。


カイコ飼育の建物
現在は、温度と湿度はエアコン後管理可能なためでしょうか、下の写真の
飼育所で飼育されているようです。


昔は大変でした。温度は25度程度にキープする必要があり、
湿度も管理する必要があり、建屋の屋根に小さな屋根があり、
空気抜きになっています。


空気抜きを裏側から見ています。


製糸用の機械
糸くり機:繭から糸を取り出す道具


経台(へだい):何をするか不明


つむぎ車:糸に撚りをかけたり、機織りの縦糸とする糸を巻き取るのに使う
手動の回転車


上記のつむぎ車のシステム全体


最後に
記念館を出て、お墓にも参ってきました。
墓までの道と墓周辺はきれいに掃除がされており、蔵垣の皆さん
ご苦労様です。


                           井上直久

(記載をわかりやすくするため、簡略化などしています。)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする