晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 ムダとり・改善① 本のリスト

2014年10月26日 | ものづくり・工場改善 ムダとり・改善

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第215回記事(2014年10月27日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 タイトル ものづくり・工場改善 ムダとり・改善 ① 本のリスト
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 今回から「ものづくり・工場改善」の中に、「ムダとり・改善」のカテゴリーを作成して、
「ムダとり・改善」の本の紹介をしていきたいと思います。

現在考えている本は以下になります。
①ムダ・ムラ・ムリの見つけ方となくし方
 西塚宏
 日刊工業新聞
②利益を食いつぶす工場現場のムダを駆除する方法
 古越淳
 セルバ出版
③ムダとりの達人 山田日登志の カイゼン7つの方法
 宮坂賢一
 日経BP社
④5現主義 ムダ取りの実践
 古畑友三
 日科技連
⑤改善のやり方が面白いほど身につく本
 東澤文二
 中経出版

 このカテゴリーのポイントは「ムダ」になります。「ムダ」は、むだと書く人もいれば、無駄と書く人もおられるかも知れません。
 そこで、「ムダ」の定義等をしておかないといけませんが、共通的なものは無いようです。
 また、「ムダ」の内容については、トヨタ自動車さんでは7つのムダが定義され、これがたいへん有名です。
 ・造りすぎのムダ
 ・手持ちのムダ
 ・運搬のムダ
 ・加工そのもののムダ
 ・在庫のムダ
 ・動作のムダ
 ・不良・手直しのムダ
また、ムダとりで有名な山田日登志先生は、
 ・停滞のムダ
 ・運搬のムダ
 ・動作のムダ
7つを3つに集約されているようです。
 ただ、これらのほとんどは製造工程自体で発生するムダで、製造工程以外でのムダが記載されていないように思います。たとえば、「トヨタの片づけ」(OJTソリューション著)や「5S導入ハンドブック」(西沢和夫著)では以下のムダも記載されています。
 ・スペースのムダ
 ・時間のムダ
 ・間違えるムダ
 ・取りに行くムダ
 ・レイアウトのムダ
 ・取り置きのムダ
 ・歩行・移動のムダ
 ・モノ探しのムダ
これらを見ると、間接部門関係のムダまで膨らみそう、「ムダ」の内容も結局、本を書かれた著者により変わると考えたほうがよさそうです。

                                                 井上三郎右衛門

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夢但馬産業フェア の 玄さん

2014年10月19日 | 玄さん

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第214回記事(2014年10月20日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 タイトル 夢但馬産業フェアの玄さん
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10日と11日に、豊岡市総合体育館・体育館前広場・じばさんTAJIMAにて、
「夢但馬産業フェア」があり、見に行ってきました。
テーマは、未来へつなぐ”但馬のものづくり”で、このブログのテーマとも繋がっています。
会場で「玄さん」の絵の入ったバッジをいたきました。

(何か問題があり写真が表示できないようです。とりあえず削除しました。)

<三>

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4周年のお礼と今後について

2014年10月10日 | はじめに


4周年のお礼と今後について
 この「晴耕雨読 in 神鍋高原」のブログは、今日2014年10月10日で4周年を迎えることが出来ました。4年間もの期間、ブログを継続することができたのは、いろいろな方にご協力いただいたおかげであり、あらためて感謝いたします。ありがとうございました。
 今日からは5周年を目指して、ブログを継続をしていきたいと思います。
 さて、今回の記事は4周年の記念号で、少し早い配信になります。旧竹野町での取材です。旧日高町・旧豊岡市以外での初取材になりました。
 今後は、神鍋高原・旧日高町に限定されず、記事を書いていきたいと思っています。

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ものづくり・工場改善 会社編 ⑥ しょうゆの花房

2014年10月10日 | ものづくり・工場改善 会社編

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第213回記事(2014年10月13日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 タイトル ものづくり・工場改善 会社編 ⑥ しょうゆの花房
  ~モーツアルトを聞きながら熟成されるさしみしょうゆ~
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お宅ではどこのメーカのしょうゆを使われていますか?
 突然ですが、お宅ではどこのメーカのしょうゆを使われていますか?しょうゆの味なんてほぼ同じと思うので、メーカにはこだわらない?私の実家では1年前までは自家製のしょうゆを使っていました。保存性を上げるためでしょうか、とにかく塩分が多かった。
 しかし、さしみしょうゆだけは竹野の浜の花房商店さんでした。まったりとしてさしみによくからみ、うまみ豊かな、そのさしみしょうゆは一度知ってしまったら手離せません。
 花房商店さんは、
   しょうゆの 花房
として但馬地方では有名ですが、我が家ではもっぱら
   さしみしょうゆの 花房
さんのイメージです。今回はその花房商店さん(住所:豊岡市竹野町竹野375。)のさしみしょうゆのおいしさの秘密をうかがいに訪問してきました。
  Photo_2
(工場玄関のしょうゆの花房のロゴマーク(左上)と、社長の花房さん(右)と奥様(中央)。)

(尚、取材の当日デジタルカメラが故障し、この記事に使用している写真は全て花房商店様からご提供いただきました。有難うございました。)

<しょうゆのおいしさの秘密は、①材料、②製法、③愛情>
 社長の花房さんに開口一番、
  「御社のしょうゆのおいしさの秘密は何ですか?」
とお聞きすると、
  「それは、”材料”と”製法”と”愛情”ですね。」
との即答。それぞれの項目について詳しく説明する前に、まずしょうゆがどんなにシンプルな方法でつくられているか説明する必要があります。
 下記の資料にあるように、
   ①蒸した大豆と
   ②炒った小麦を  
 
    ③混ぜ合わせ、
       ④これに麹菌を混ぜて温度管理された室で麹菌を増やし、
     ⑤さらに塩水を加えて(この状態をもろみという)、  
       
⑥蔵の中で長期間寝かせます(仕込)
   ⑦発酵がすすみ熟成したもろみを1年後に絞り、 
     
⑧加熱(これを火入れという)をして、
     ⑨ボトルにつめてしょうゆが出来上がります。
 つまり、材料は大豆と小麦と塩と水だけでとにかくシンプル、後は醸造する時間などが違う程度です。このシンプルな製造方法の中でどう他社と違うと言われるおいしいしょうゆを作るのか?工夫がいるところです。

  Koutei2
  (しょうゆの作り方)

<おいしさの秘密 その①材料・・・安全・安心な国産丸大豆を使用>
 花房商店さんは「安心・安全・おいしさ」をモットーにされており、その中の「安心・安全」の実現のために国産丸大豆を使用されています。
 「安全・安心」の為に国産丸大豆にこだわられる理由は、その対極にある遺伝子組み換え大豆と脱脂加工大豆について説明する必要があります。遺伝子組み換え大豆は遺伝子が操作変更されている為、それを食べたひとに将来何らかの問題が出てくる可能性が完全に否定されているわけではありません。また、脱脂加工大豆は丸い形状の大豆をつぶしたものですが、人体に有害な物質があるとの報告もあります。これらはあくまでも可能性についてのことですが、人が口にするものを製造するメーカだからこそ、安全について不安が無い材料を使うことで、消費者や子供に安心して口にしてもらえるしょうゆをという強い思いがあります。
 しかし、国産丸大豆を使用することはそんなに簡単なことではありません。一つ目に入手の問題があります。しょうゆ用の大豆の内、国産は約2.3%しかないため、入手には大変困難が伴います。二つ目に、国産大豆は輸入大豆に対してコストが高くなります。これらの困難があるにも関わらず、「安心・安全」のモットーを実行するため18年前の平成8年に仕込み材料を全て国産丸大豆に変更され、それ以来コストダウンの企業努力を継続されながらしょうゆづくりを継続されています。
Image025_2
  (各材料 左:天日塩 中央上:国産丸大豆 右:国産小麦)

おいしさの秘密 その②製法・・・・再仕込み天然2年醸造>
 しょうゆの熟成・醸造には長い歳月をかける必要があります。もろみを発酵が進行しやすい適温状態に置く適温醸造では、通常半年程度が醸造期間ですが、但馬の気候に熟成・醸造を委ねた約1年間の天然醸造が花房商店さんではされています。だから、出来上がったしょうゆは自然・気候が作り上げたしょうゆになります。また、しょうゆつくりには但馬の自然・気候を把握した職人の勘と経験が欠かせません。
 そして、さしみしょうゆにはこのしょうゆにさらにひと手間加えます。1年間天然醸造した加熱前のしょうゆ(これを生しょうゆという)を国産丸大豆と国産小麦と混ぜてさらに1年間熟成させ、合計2年間もの熟成をします。つまり、作業的には再度仕込みをすることから、再仕込みしょうゆとも言われます。2年間の熟成の結果、その再仕込みしょうゆは実に濃厚な味で豊かな香りを持ち、塩分は控えめとなります。(この再仕込みしょうゆの割合は全国的には約1%であり、たいへん貴重なものです。)
 最終的なおいしさは、材料を国産に変更された翌年に開催された第24回全国醤油品評会で2つもの賞を受賞されており、折り紙つきです。そしてその時の製法を今まで伝え守られています。
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  (国産小麦・麹菌と混ぜ合わせた、丸丸とした大豆)

<おいしさの秘密 その③愛情・・・・醸造中にモーツアルトを聞かせる>
 醸造は人がするわけでなく、しょうゆ麹菌という微生物による発酵の働きでできるものです。人間にできることはただ麹菌が活動しやすいようお膳立てをするだけです。しかし、同じように微生物で発酵させてつくるお酒でも、銘柄によって味が大きく変わります。なぜ?いろいろ調べてみると、水の違いが大きいようですが、杜氏の腕・人柄も影響するようです。お酒の味に杜氏の人柄が出てくるというのは科学的には信用しにくいのですが、微生物やお酒への愛情が大切なことは間違いありません。お酒と同様にしょうゆに対しても、いっぱいの愛情が大切です。
 花房商店さんでは、麹菌への毎日の愛情いっぱいの声掛けが行われています。醸造期間中は朝の7時から1時間ほど、モーツアルトの曲が醸造蔵に流れます。「波動理論」なるものがあって、この理論を応用して音楽を聞かせるとおいしいしょうゆができると言われている方もあるようです。しかし、花房社長さんは「科学的な根拠が不明確なので、この波動理論を私は信じていません。しかし、親が子供にすくすくと育ってもらいたいとの気持ちで胎教に良いと言われているクラシック特にモーツアルトを聞かせている方がいます。私も同様の気持ちでモーツアルトを毎朝流してしょうゆつくりをしています。」との事でした。
 曲の最初の部分を実際に聞かせていただきました。曲を聴いていると、麹菌に「おはよう。今日も一日しっかり頑張って発酵してね。」という愛情のこもった声掛けをされているように感じました。
  _01_2
(蔵の中の両脇の6つの丸いタンクの中で、毎朝モーツアルトを聞きながら発酵が進みます)

花房商店さんの本当の強み
 花房社長さんからお話をうかがって、花房商店さんのさしみしょうゆのおいしさの秘密は分かりました。①厳選した国産材料(丸大豆・小麦)。②再仕込み製法。③しょうゆへの愛情・モーツアルトの音楽。その他にも、有機材料の使用、地元材料の使用(特に兵庫県豊岡市産のこうのとり大豆の使用)、原材料からの一貫生産などなど。
 しかし、これらは商品のおいしさの理由であり、花房商店さんの企業としての強みはなんだろうか?という疑問が出てきます。価格が高い材料を使用し、長期間醸造すると資金の回転率が悪くなり、製品自体は高価格になります。国産大豆は海外産大豆の約3倍という話をどこかで聞いた記憶があります。コスト低減も企業の努力範囲を超えるのではないか?これでは、どうしても競合他社商品と比較して高価格となり、いくら「安全・安心・おいしさ」を訴えても、いくら希少なしょうゆであっても、スーパーなどの店頭では消費者は選ばないのではないのか?そんなことを考えながら花房商店さんを後にしました。

 そしていろいろ考えて、結局行き着いた花房商店さんの強みの結論は、
  但馬地方で一番早くさしみしょうゆを手がけた
ことと
  さしみしょうゆのおいしさを支持し選び愛してくれる消費者がいる
ことではないかと思い当たりました。

 詳しく説明します。但馬地方には海岸に近いしょうゆメーカもあれば、山間地にあるしょうゆメーカもあります。竹野の浜という魚介類が豊富に水揚げされる浜にある花房商店さんは、その魚介類にあったしょうゆを浜の住民・消費者から求められ、「再仕込み天然2年醸造」のしょうゆを但馬地方で最初に醸造した。そのしょうゆが住民・消費者に支持され、城崎温泉・湯村温泉などの旅館や香住・竹野などの民宿の宿泊客に支持された。つまり、おいしいさしみしょうゆを提供したいという花房商店さんのモットーからつくられた「再仕込み天然2年醸造さしみしょうゆ」が、提供した浜の住民・消費者・宿泊客によって支持され、選ばれ続け愛され続け、その結果、現在があるのである。

  消費者から選ばれ続け愛され続けるさしみしょうゆ 花房

だから、花房商店さんのさしみしょうゆは当然おいしいのである。

                                            井上三郎右衛門(記)

☆ ご参考 ☆
花房商店さんの「(天然2年熟成再仕込み)さしみしょうゆ」おいしいですよ。
一度お試しください。
また、お友達にもお勧めください。
HPアドレス:http//:www.syouyuhanafusa.co.jp/
もしくは「しょうゆの花房」で検索。
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経営の本棚 ⑩ 「小倉昌男 経営学」 小倉昌男

2014年10月05日 | 経営の本棚

第212回記事(2014年10月6日(月)配信)・・・・毎週月曜日配信予定

それは9年前の2005年のある日でした。
新聞の片隅にある小さな記事を目ざとく見つけ、たいへん残念な気持ちになりました。
その記事は、ヤマト運輸の元社長の小倉昌男さんが亡くなられたとの記事でした。
享年80歳。(日本ではなく)アメリカで。
小倉さんは、宅急便の関係で名前をご存知の方が多いと思います。しかし、
私には、福祉の関係、特に作業所の工賃アップの活動をされていることでよく知っていました。
そして、静かにご冥福をお祈りした記憶があります。

記事を書くために、この本を何度も読み返しました。
そして、「名著」であるとの思いを新たにしました。
それは、事業をするにあたり、特に新たな事業である宅急便事業を起こすにあたり、
どれだけ「論理的に考え」られて実行されたかが詳しく書かれているいる点です。
とにかくその1点だけを強調しておきます。

(正直多くの良い点を書きたいです。
しかし、多くのことを書くと、この「論理的に考える」という点がぼやけてしまいますので。
この点だけにしました。
名著です。一読されることをお勧めします。)

Photo

井上三郎右衛門

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