晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 新郷重夫 工場改善の具体化と実例

2011年07月31日 | ものづくり・工場改善

(2011年8月1日発行)(次回は2011年8月8日発行予定)

たいへん暑くなってきましたね。
神鍋高原には、中小企業診断士の実務実習でお店などの調査をしているので、帰れていません。
日中に店舗の調査に歩きまわるので、たいへん暑く感じます。

さて、今回は、以前紹介した新郷重夫先生の改善の本の続刊のような本です。全体では5回目になります。
年間12冊の中の8月の一冊です。

タイトル:改善はだれでもできる 工場改善の具体化と実例
著者:新郷重夫
出版社:日刊工業新聞(昭和32年初版)

ここが読みどころ:

 本書は「改善は誰でも出来る」の2部作の1つで、すでにブックレビューを書いている”工場改善の見方・考え方”に続くものです。”工場改善の見方・考え方”は、改善のヒントの掴み方を説明してあるが、この本”工場改善の具体化と実例”では、改善を実行するための色々な難問題を解決する方法が書かれている。
 何事にも定石がありますが、「改善の立案と実行のやり方」にも定石があり、定石に従えば改善案が実現する可能性がズット高くなります。このことを意識して読んでください。

内容:
 本の中で一番大きなポイントである、第1編第2章の中にある
「反対論の捌き方 10カ条」
について書きます。今でも十分に通用する内容です。

(1)例外論法
そんな事実(例外)があるというような、”抽象的な理由”だけで、量的な裏付けの無いままの反対論。対応策は、量的な裏付けをとること。例外なので、発生確率はたいへん低い。
(2)アラサガシ論法
改善案の欠点(アラ)のみを指摘する反対論。対応策は、大局的な視点に立ち、今のやり方と改善案の長所と欠点の両方をマトリックスで正当に評価するようにする。
(3)お題目論法
看板に掲げられた「お題目」のみを眺めると”全く正しくその通り”であるが、”実質を伴わない”反対論。対応策は、お題目が正しいのでやりにくいが、実質を伴わないことを的確に示す。
(4)エリグイ論法
自分に有利な文句やポイントのみをエリゴノミして選んで使用しする反対論。正に、盲人の象探りに同じである。対策案は、真相の全部・全体を知ること・知らせることである。
(5)ニワトリ論法
「ニワトリが先か?タマゴが先か?」と対立する2つの主張を繰り返す水掛け論。対応策は、水掛け論を続けないために、対立の外にある条件から解決を導くこと。
(6)オ玉ジャクシ論法
「オ玉ジャクシ」が成長すれば「カエル」となることは間違いないが、時間的には異なる。しかし、「オ玉ジャクシ」と「カエル」を同列に並べて反対する理論。作業改善直後は慣れ無いためにやりにくいが、この「オ玉ジャクシ」状態が、将来効率的な改善「カエル」になると主張するのが対策案。
(7)仮定論法
たとえば「○○は旨い!」と言ったときに、何を基準に旨いと言っているのか明確にしないままの反対論。基準が不明確である。対応策は、前提の立論の基礎を明らかにするすること。
(8)ヤブニラミ論法
反対が、手段に対する反対であり、目的に対する反対ではない反対論。目的までは反対をしていない。対応策は、手段の面の欠点を改善した方法を提案すること。
(9)ロータリー論法
ロータリーをお互いが同一方向に廻って合致しないように、議論がぐぐぐる廻って結論の出ないこと。対応策は、議論が廻りだしたら「おや、これはロータリー論法では?」と考えてみることで、気付きがあり、議論からの抜け出しが可能。
(10)ユサブリ論法
相手の指摘事項に対して説明をして、相手から了解の結論をもらわないうちに、相手の次の指摘事項への説明を始めてしまう議論。相手の「ユサブリ」にはまってしまっている。対応策は、はじめに全ての指摘事項を出してもらうことである。

目次
第1編 改善案を実現させるには
 第1章 案をたてる
 第2章 判断と再着想
 第3章 提案を実行して貰うために
 第4章 改善は誰でもできる
第2編 色々な改善の実例
 第1章 生産と実務の改善
 第2章 改善に関する実例
むすびの言葉

ページ数:221p
価格:1300円(昭和54年当時)

外観
Photo

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神鍋山の四季 2011年7月

2011年07月18日 | 神鍋山の四季

(2011年7月18日発行)(次回発行2011年7月25日予定)

台風で天候が荒れ模様になっり、外出が億劫になります。
梅雨が明け、夏山シーズン到来と思い、神鍋山に徒歩で登山してきました。
車でも登れるのですが、車はふもとにおいての、徒歩での登山です。

●火口の外輪の一番低いところから、山頂とおぼしき方面と火口の一番低いところを望む。
火口の内部は一面のススキです。
Photo

●火口の外輪から、溶岩の流出した谷の方面を望む。溶岩により、いろいろな滝ができました。
スキーリフトの設備が見えています。
右側の白い三角の屋根が、日本で一番大きな木造建築の「但馬ドーム」です。
Photo_2 

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四季の花 2011年7月 ストケシア

2011年07月10日 | 四季の花

(2011年7月11発行)(次回2011年7月18日発行予定)

先ほど神鍋から帰ってきました。梅雨明けの大変暑い中で長時間農作業をしていましたので、
熱中症の手前のふらふら状態です。

今月の花はストケシアという、キク科の花です。
紫の色合いがとっても素敵なのですが、写真では伝えきれておらず、残念!!です。

Photo

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ものづくり・工場改善 山名敏文 大不況に勝つ5Sのすすめ方[実践活用版]

2011年07月03日 | ものづくり・工場改善

(2011年7月4日発行)(次回2011年7月11日発行予定)

ものづくり・工場改善の4回目になります。
年間12冊の中の7月の一冊です。

タイトル:大不況に勝つ5Sのすすめ方[実践活用版]
著者:山名敏文(名古屋工業大学卒業、中小企業診断士、中部産業連盟でコンサルタントをされていたようです)
出版社:三修社

ここが読みどころ

 タイトルにある「大不況に勝つ」と「実践」の2つの言葉に惹かれてこの本を購入しました。
 調べてみると、5Sの本には大きく分けて2つのタイプがあるようです。1つ目のタイプは初心者のために豊富に事例写真をいてている。2つ目のタイプが5Sの先にある経営改善を目指すものです。
 この本は、「実践」の言葉にあるように豊富な事例が業種別に写真で紹介されているとともに、「大不況に勝つ」に表わされるように経営改善の方法も記載されています。そのため、この本には両方のタイプが入っています。また、「5Sはやったが経営改善につながっていない」と嘆いている方には、何が間違っているかを示しており、その点でも参考になるのではと思います。

内容:
第1章で5Sに関する5つの間違いが指摘されています。
①5Sの正しい意味(定義)を知らない
②5S運営の仕方が間違っている(組織)
③5S運営の仕方が間違っている(行事)
④5Sの展開を「物」だけと思っている
⑤5Sは常に「進化」が必要なのを知らない
①については、たとえば、整理の定義は「今、必要な物と不必要な物を区分けして、不要な物を処分すること」(太字部分が正しい定義では追加)となっています。
④⑤については、対象が「物」に限定されるわけではなく、会社の状況により、「安全」→「物」→「機械」→「情報」→「仕事」と進化させるべきだと言っています。

ただ、②③の項目に関しては、間違ったものと正しいものが比較されていないため、よく理解できませんでした。

物だけの5Sから次のステージに進めていない方、5Sが経営改善に寄与しておられない会社の方にはたいへん役に立つと思います。

目次:
第1章 利益が出ない原因は?利益が出る5Sと出ない5S
第2章 5Sの対象は企業が置かれている環境で違う
第3章 品質・納期・原価との関係は
第4章 5S活動に有効な道具立て
第5章 業種別の対応の仕方、注意点と良い事例
あとがき

ページ数:166P
価格:2200円
写真
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