(2011年11月7日発行)(次回発行11月14日予定)
今回は、ものづくり・工場改善の8回目になります。前回の吉原靖彦先生の5Sの本に続き、今回は高原昭男先生の「実践!5Sの定着」です。タイトルにあるように、5Sの定着を目指しますが、その方法は、①5Sを徹底する、②コーチングを活用する、③目で見る管理を活用することにあります。そのため、サブタイトルが「コーチングと目で見る管理で継続的にレベルアップ」となっています。5Sが形だけで、進化しない企業の方にお勧めの本になります。
実際に本を手に取って読んでください。役に立つと思います。
年間12冊の中の11月の一冊です。
タイトル:
実践!5Sの定着化 コーチングと目で見る管理で継続的にレベルアップ
著者:
高原昭男(ベーシック・マネジメント研究所代表)(経歴:1953年生まれ。キャノン、経営コンサルタント機関を経て83年独立、現在に至る。)
出版社:JIPMソリューション
ここが読みどころ:
著者は最後の第8章で5S定着化の基本原則を10個条にまとめてくれています。ここに著者の考え・主張が一貫して流れています。
【基本原則1】5Sの不十分な箇所を残さない
【基本原則2】5Sを苦労して取り組む
【基本原則3】5Sを楽しむ
【基本原則4】納得して取り組むこと
【基本原則5】5Sの指導はコーチングを活用して
【基本原則6】定期的な監査を受けること
【基本原則7】常に外部の目を入れること
【基本原則8】継続的・恒久的なステップアップを図ること
【基本原則9】目で見る管理でレベルアップを継続して
【基本原則10】本気さを持って取り組む
内容:
内容はここが読みどころのところで全て言ってしまったように思います。ここでは、サブタイトルにある目で見る管理について、その基本方向が4つのキーワードで解説されており、具体化方法も記載されています。それが大変参考になるので上げておきます。この様な記載は他の本では見たことはありませんので。
①見える化:透明化する。図表化する。表示する。色分けする。グラフ化する。かんばんを活用する。
②区別化:番号をつける。記号をつける。色分けする。範囲を明確化する。
③目印化:目印をつける。基準線を入れる。インデックスをつける。
④ルールの表示:統一化・ルール化・標準化。掲示。
付録として付いている「定着化に向けたチェックシートとワークシート」も有効に活用できます。
目次:
第1章 5Sが目指すもの
第2章 5Sの停滞について考える
第3章 5Sを定着化させる考え方・取り組み方向
第4章 定着に向けたコーチング
第5章 5Sの問題解決を促進するコーチング事例
第6章 5S定着化の施策
第7章 目で見る管理による定着化の徹底
第8章 5S定着化の基本原則
ページ数:165p
価格:1800円
表紙:
ものづくり・工場改善の本の紹介も7回目になりました。
今回は、5S関係の2冊目の紹介です。ぜひ本を購入して読んでください。
全体では7冊目です。
年間12冊の中の10月の一冊です。
タイトル:「5S」によるコストダウンの進め方
著者:吉原靖彦(東京都市大学工学部卒業。(社)中部産業連盟参与。主席コンサルタント)
出版社:中経出版
ここが読みどころ(ここがお勧め):
「5S」の本を整理・分類してみると、①実際の5Sのやり方、実施の前後の様子を写真で紹介した本(初歩的、基本的)②より高度な5Sのやり方などを紹介した本(応用的)に分かれると思いますが、この本は後者の部類です。「5S」を実施しているが会社としての成果が出ていない会社の方にお勧めの本で、サブタイトルには「成果を追求を徹底し、習慣化することで確実にコストダウンに結びつきます!」とあります。
本の中では、特に、本の最後についている切抜きのページ(5Sからコストダウンへの繋げ方説明が入っている)は有効かつ参考になります。
内容:
43p、45p、47p及び最後についている切抜きのページに記載されている、
5Sの展開(ホップ)
⇒経営資源4Mの質の向上(ステップ)
⇒PQCDのレベルアップ(ジャンプ)
⇒コストダウン(労務費、材料費、経費の削減)
の流れを図で理解ください。形の5Sではなく、コストダウンという成果を強く追求する中で、徹底・習慣化の5Sにすることで、成果が必ず上がります。
また、コストダウンも、労務費狙いなのか、材料費狙いなのか、経費狙いなのか目標項目を明確にした活動が大切です。
最後に、4Mの質の向上がコストダウンにつながるところの説明・事例が少なく、読者の一人として、この点は理解ができなかった点を付け加えておきます。
目次:
序章 今こそ5S活動で差をつける
第1章 5Sなくして改善の成果は上がらない
第2章 逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
第3章 コストダウン活動の基本を押さえる
第4章 コストダウンに直結する5S実践法
第5章 コストダウンをめざす5S導入法
第6章 躾で5Sを強化・維持する
ページ数:173p
価格:1400円
(2011年9月12日発行)(次回は2011年9月19日発行予定)
雑談(それともつぶやき?)ですが、ここで書いている本は、いろいろな分野ごとに20冊程度読んでみて、ぜひ皆さんに読んでもらいたいなという本を数冊だけ取捨選択してのせています。たまたまあった本を載せているわけでないので、約1ケ月の期間をかけて、読み込み、読み込み、準備することもあります。それなりにたいへんです。
全体の6回目になります。
年間12冊の中の9月の一冊です。
タイトル:くたばれ!ISO
著者:森田 勝(経歴:ご存じの方も多いと思いますが、月刊誌「工場管理」で「工場運営の光と影」のページを執筆されています。)
出版社:日刊工業新聞社
ここが読みどころ:
皆さんの会社のISOマネジメントはうまく機能していますか、成果は上がっていますか?この本の帯には「ISOは日常業務の役に立つのか?ISOは企業に利益をもたらすのか?その明確な答えがここにある!」とあります。この本のタイトルを見て、実際に読んで、正直にいえば衝撃的でした。だから、この本は、ISOマネジメントがうまくいっていない会社の方にぜひ読んでいただきたい本ですが、読んでもらいたいポイントがかなり多く、「ここ」というポイントを指定するのがむずかしいです。そのため、まず目次を見ていただきます。
目次:
第1章 ISOの取得を目的にするから、ISOのために仕事をするようになってしまうのだ
第2章 ISOは役に立たない。それはマネジメントシステムの中身がないからだ
第3章 必然性があるから文章化がある。それがなければ面倒くさいだけだ。
第4章 不必要なものを管理してもしょうがない。帳票でプロセスを一元管理するのだ!
第5章 ISOで価値観が固定されてしまったら、経営改善のツールとはならない
第6章 経過でなく、結果に焦点を当てれば、ISOの効果的な運用ができる
第7章 会社の方向性を整理するためにも品質と環境の統合マニュアルは必要だ
第8章 審査時に言われぱなしではダメ!もっと議論を深めよう
ここが読みどころ(続き):
目次を読んでいただいていかがでしたか。衝撃を受けられた方、思い当たることがある方はぜひこの本を読んでください。
内容:
タイトルに「くたばれ!」と入っている衝撃的なタイトルの本ですが、ISOを攻撃する内容ではなく、ISOをうまく使って、経営改善・工場改善をしていこうという本です。
内容も、代表的な項目のみを並べるだけにさせていただきます。
問題点例
①管理責任者が規格要求の勉強に熱心だと、頭でっかちのシステムになってしまう
②まず要求事項ありきでは、その会社に合ったマネジメントシステムは構築できっこない
③規格の順番にそって構成したマニュアルでは、自社の特徴を生かしたマネジメントシステムにはならない
④100点満点のシステムをつくろうとするから、ISOのために仕事をするようになってしまう
⑤ISOは自己増殖する
改善の方向性
⑥せっかくお金を払うのだから、企業にとって役に立つISOにしなければ損
⑦ISOの強制力を、組織と改善力の強化に活かせ
⑧ISOを経営改善のツールと考えれば、こんなにもすぐれた側面がいっぱいある。
出発点
⑨本当に役立つISOにするためには、プロセスの整理と改善からスタートする
ページ数:227p
価格:1500円
表紙:
(2011年8月1日発行)(次回は2011年8月8日発行予定)
たいへん暑くなってきましたね。
神鍋高原には、中小企業診断士の実務実習でお店などの調査をしているので、帰れていません。
日中に店舗の調査に歩きまわるので、たいへん暑く感じます。
さて、今回は、以前紹介した新郷重夫先生の改善の本の続刊のような本です。全体では5回目になります。
年間12冊の中の8月の一冊です。
タイトル:改善はだれでもできる 工場改善の具体化と実例
著者:新郷重夫
出版社:日刊工業新聞(昭和32年初版)
ここが読みどころ:
本書は「改善は誰でも出来る」の2部作の1つで、すでにブックレビューを書いている”工場改善の見方・考え方”に続くものです。”工場改善の見方・考え方”は、改善のヒントの掴み方を説明してあるが、この本”工場改善の具体化と実例”では、改善を実行するための色々な難問題を解決する方法が書かれている。
何事にも定石がありますが、「改善の立案と実行のやり方」にも定石があり、定石に従えば改善案が実現する可能性がズット高くなります。このことを意識して読んでください。
内容:
本の中で一番大きなポイントである、第1編第2章の中にある
「反対論の捌き方 10カ条」
について書きます。今でも十分に通用する内容です。
(1)例外論法
そんな事実(例外)があるというような、”抽象的な理由”だけで、量的な裏付けの無いままの反対論。対応策は、量的な裏付けをとること。例外なので、発生確率はたいへん低い。
(2)アラサガシ論法
改善案の欠点(アラ)のみを指摘する反対論。対応策は、大局的な視点に立ち、今のやり方と改善案の長所と欠点の両方をマトリックスで正当に評価するようにする。
(3)お題目論法
看板に掲げられた「お題目」のみを眺めると”全く正しくその通り”であるが、”実質を伴わない”反対論。対応策は、お題目が正しいのでやりにくいが、実質を伴わないことを的確に示す。
(4)エリグイ論法
自分に有利な文句やポイントのみをエリゴノミして選んで使用しする反対論。正に、盲人の象探りに同じである。対策案は、真相の全部・全体を知ること・知らせることである。
(5)ニワトリ論法
「ニワトリが先か?タマゴが先か?」と対立する2つの主張を繰り返す水掛け論。対応策は、水掛け論を続けないために、対立の外にある条件から解決を導くこと。
(6)オ玉ジャクシ論法
「オ玉ジャクシ」が成長すれば「カエル」となることは間違いないが、時間的には異なる。しかし、「オ玉ジャクシ」と「カエル」を同列に並べて反対する理論。作業改善直後は慣れ無いためにやりにくいが、この「オ玉ジャクシ」状態が、将来効率的な改善「カエル」になると主張するのが対策案。
(7)仮定論法
たとえば「○○は旨い!」と言ったときに、何を基準に旨いと言っているのか明確にしないままの反対論。基準が不明確である。対応策は、前提の立論の基礎を明らかにするすること。
(8)ヤブニラミ論法
反対が、手段に対する反対であり、目的に対する反対ではない反対論。目的までは反対をしていない。対応策は、手段の面の欠点を改善した方法を提案すること。
(9)ロータリー論法
ロータリーをお互いが同一方向に廻って合致しないように、議論がぐぐぐる廻って結論の出ないこと。対応策は、議論が廻りだしたら「おや、これはロータリー論法では?」と考えてみることで、気付きがあり、議論からの抜け出しが可能。
(10)ユサブリ論法
相手の指摘事項に対して説明をして、相手から了解の結論をもらわないうちに、相手の次の指摘事項への説明を始めてしまう議論。相手の「ユサブリ」にはまってしまっている。対応策は、はじめに全ての指摘事項を出してもらうことである。
目次
第1編 改善案を実現させるには
第1章 案をたてる
第2章 判断と再着想
第3章 提案を実行して貰うために
第4章 改善は誰でもできる
第2編 色々な改善の実例
第1章 生産と実務の改善
第2章 改善に関する実例
むすびの言葉
ページ数:221p
価格:1300円(昭和54年当時)
(2011年7月4日発行)(次回2011年7月11日発行予定)
ものづくり・工場改善の4回目になります。
年間12冊の中の7月の一冊です。
タイトル:大不況に勝つ5Sのすすめ方[実践活用版]
著者:山名敏文(名古屋工業大学卒業、中小企業診断士、中部産業連盟でコンサルタントをされていたようです)
出版社:三修社
ここが読みどころ
タイトルにある「大不況に勝つ」と「実践」の2つの言葉に惹かれてこの本を購入しました。
調べてみると、5Sの本には大きく分けて2つのタイプがあるようです。1つ目のタイプは初心者のために豊富に事例写真をいてている。2つ目のタイプが5Sの先にある経営改善を目指すものです。
この本は、「実践」の言葉にあるように豊富な事例が業種別に写真で紹介されているとともに、「大不況に勝つ」に表わされるように経営改善の方法も記載されています。そのため、この本には両方のタイプが入っています。また、「5Sはやったが経営改善につながっていない」と嘆いている方には、何が間違っているかを示しており、その点でも参考になるのではと思います。
内容:
第1章で5Sに関する5つの間違いが指摘されています。
①5Sの正しい意味(定義)を知らない
②5S運営の仕方が間違っている(組織)
③5S運営の仕方が間違っている(行事)
④5Sの展開を「物」だけと思っている
⑤5Sは常に「進化」が必要なのを知らない
①については、たとえば、整理の定義は「今、必要な物と不必要な物を区分けして、不要な物を処分すること」(太字部分が正しい定義では追加)となっています。
④⑤については、対象が「物」に限定されるわけではなく、会社の状況により、「安全」→「物」→「機械」→「情報」→「仕事」と進化させるべきだと言っています。
ただ、②③の項目に関しては、間違ったものと正しいものが比較されていないため、よく理解できませんでした。
物だけの5Sから次のステージに進めていない方、5Sが経営改善に寄与しておられない会社の方にはたいへん役に立つと思います。
目次:
第1章 利益が出ない原因は?利益が出る5Sと出ない5S
第2章 5Sの対象は企業が置かれている環境で違う
第3章 品質・納期・原価との関係は
第4章 5S活動に有効な道具立て
第5章 業種別の対応の仕方、注意点と良い事例
あとがき
ページ数:166P
価格:2200円
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