夕刊/金田ヒサ

THE RAMBLINGSのフロントマンが贈る漂流記

雑記帳より その壱

2008-11-21 | 戯言集
18才の俺は熊本のとあるビルの最上階から

スクランブル交差点を見下ろしている。

蟻のように見える人の群れと、その流れはひたすら遅く

急ぐ必要など無いかの様に横断歩道を移動している。

この街の人々のスピードは俺を和ませるには充分だったし

よそ者の俺にはお似合いのテンポじゃないかと感じている。



今思い返せば記憶のスタートはいつもあの風景。

ビルの最上階から見ていたあの風景が全ての始まりだった。





ひなびた駅の裏通りにある純喫茶で珈琲を飲みながら

柄にもなく過去を振り返っている俺も年が明ければ34になる。

窓の外を見ると街はすっかりクリスマス気分で浮かれている。





俺の父は従業員30名ほどの小さな会社を経営しており

いわゆる世間的には中流家庭と呼ばれる環境下で

俺は何一つ不自由なく育ってきた。

欲しい物で手に入らないものは無かったし

好きな習い事も続けるという条件付きながら

必ず好きにやらせてもらい必ず長続きしなかった。

このさき不満なんて感情を持つことさえないような

幸せな日々をそれこそ平々凡々と過ごしていた。

そんな俺が家からの脱出を計画し始めたのは

高校二年の秋にさしかかった頃だったろうか。

3才年下の妹だけは俺の企みに薄々感づいていたようで。

当時フォークシンガーきどりで下手な自作曲を

誰に聴かせる訳でもなく1人部屋で調子っぱずれに

唄うのが俺の趣味であり日課であった。

ある日、俺の歌に隣部屋の妹が聞き耳を立てていると

家を出る~とか旅立つのさ~等と呑気に唄っているのだから

大抵の人にはバレて当然、しかも相手は共に育った妹である。

妹には固く口止めし計画は更に進んでいくのだったが・・・。




雑記帳より その弐へつづく。
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雑記帳

2008-11-21 | Weblog
最近使っていないギターのメンテナンスをしようと

ハードケースを開けたら文庫本サイズの

ノートが入っており開いてみると1ページ目に

曲順らしきものが書き込まれていた。

ページをめくると小説らしき文章がつらつらと

書かれておりました。

読んでみると小説などと呼べる代物ではなかったが

興味深い事が幾つか文章となっていた。

記憶にないのでどこまで本気なのか判らないが

ランブリングスを始めるキッカケが書いてあるので

たわいもない文章の一部を紹介しようと思います。

最後まで発表させてもらうかは

気分的な問題も絡むのであしからず。
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