思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2015年3月 ② 変わり種ミステリ

2021-04-21 11:04:19 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年3月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『名探偵はもういない』霧舎(きりしゃ)巧
作者がメフィスト賞受賞者という経歴で、
ちょっと読むのを躊躇してしまった。
が、おもしろかった。
木岬が最後まで探偵ではないだろうと思っていたけど、
あんな感じで退場とはね。あと、あんなにポンコツだとはね!
外国人親子を名探偵にするのはいいけれど、
エラリー・クイーンを名乗らせるのはいただけない。
架空の有名な探偵さん、でいいじゃないか。本家に失礼じゃないか。
ロマンスの描写は中二病ぽくて(さゆみの夢とか)鳥肌モノでしたが、
伏線ぽかったし、ちゃんと回収されたので、良しとする。

(おもしろかった、と言う割に文句も多い笑
 ミステリとしての仕掛け盛り沢山な感じは、おもしろかったと思います)


『Nのために』湊かなえ
「白ゆき姫」はいまいちだったけど、こちらは良かった。
ただ、ミステリではないな。
恋愛小説だな!
それぞれがそれぞれに大切に想う「N」がいるという話し。
ミステリ設定に期待してしまったので、
最後ががっかりだったけど、総じて面白く読めた。
安藤の性別は、なんでわかりにくく書いたのかな。それが謎。

(一応、帯などでは「純愛ミステリー」と書かれてます。
 高層マンションの自宅で夫婦が殺害され、
 現場付近には4人の「N」が居合わせた。
 それぞれが、それぞれの視点で証言をするが…。
 というなんともミステリっぽい話。
 まあ、ミステリではなく、恋愛小説ですね。
 イヤミスとも、ちょっと違う気がする)
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【読書メモ】2015年3月 巷説百物語

2021-04-20 11:54:10 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年3月>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『西巷説百物語』京極夏彦

「続巷説百物語」を2008年に読んでいた。
山岡百介はなんとなく覚えてた。
「西」の主人公の林蔵は記憶にないのだけど
初出演では無いみたい。むう。
又市はなんとなく覚えてた!
「西」は悪党成敗ものっぽいかな。
他も読みたいと思うけど、分厚いからなあ、
買うと場所とるしなあむにゃむにゃ。

(人間の心に潜む罪悪感や不安に合わせて
 妖怪の存在を感じさせ事件を解決するという物語。
 「小悪党」を自称する一味の活動を
 戯作者志望の山岡百介が記録する体裁。

 『巷説百物語』
 『続巷説百物語』
 『後巷説百物語』
 『前巷説百物語』
 『西巷説百物語』

 の順番でシリーズ刊行されています。
 そもそもの一作目を読んでいなかった笑

 『嗤う伊右衛門』『覗き小平次』などの
 <江戸怪談>シリーズと呼ばれる作品にも
 又一などのキャラクターがちょい出演しているそうです。
 へえ〜。
 読んだはずなんだけど、どうだったかな…?)
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佐藤亜紀『黄金列車』新刊だ!やった〜!

2021-04-19 10:43:56 | 日記
佐藤亜紀の新刊が出てたよ!!
やったー!!!

『黄金列車』2019年初版。

2年前じゃないか!!!
誰か教えて!!!
(現代作家をあまり読まないので
 新刊チェックもしないタイプです)

今回も前作『スイングしなけりゃ意味がない』と同時期、
終戦間際のナチスの鬼畜っぷりから派生したひとつの物語です。

舞台はナチス占領下のハンガリー。
ナチスは敗戦色濃厚で、ハンガリーには連合軍側のソ連が迫っている状態。
ユダヤ人から強奪し「国有化」した財産を
ハンガリーの首都ブダペストからウィーン経由でドイツ方面に
「退避」させるのが、黄金列車です。

毎度おなじみ、歴史背景の説明一切なしで、
おもむろに黄金列車が出発します。
さすがです先生!!
1ページ目から読者おいてきぼり!!!

ハンガリーの歴史にそこまで詳しい読者、いる?
もちろん佐藤亜紀ファンは調教されてるから、調べるけどね!!

が!
さすがにマニアックすぎというか、
いささかの説明の必要を感じたのか、
巻末に「覚え書き」として歴史的解説が載っています。
ありがたや〜。

まずはそこを読んでから、本編だな!
これから読む人も、まずは巻末をチェックだ!!!
(近作では巻末に覚書としてヒントが添えられていることが多い)

というわけで、ようやく本編を読みました。

ユダヤ人から略奪した財産の「管理委員会」の
事務屋であるバログ氏が、一応、主人公。

委員長は没収財産を私物だと勘違いしている
ダメダメ人間ですが、
次長以下、委員会の人々は
役人として「国有財産」の列車を保護しようと奮闘します。

列車の中身は、なんとなーく、みんな知っているものだから、
ダメ上司やら、ナチス敗残兵やら、ウィーン政府やら、クソ役人やらが、
列車の所有権を求めて、ゆすりたかりに来るわけです。

委員会の面々は、それらに対して至って役人的かつ冷静に、
交渉や書類や、若干の分譲(ちゃんと受領書とってる!)で
なんとか列車を守ろうとする。
粛々と。

本編の黄金列車の移送と並行して、
主人公バログの親友であり、家族ぐるみでも仲が良かった
ユダヤ系ヴァイスラーの思い出(悲しい結末になるに決まってる)が。

物語としては、ずいぶんシンプルな構成だなと思ったけれど、
やっぱり佐藤亜紀先生はすごい。
読むうちに心の底の方が、じりじりする。
文章はすごく淡々としているのに。

最後の赤毛は、どう考えてもエルヴィンではないのだけれど、
なんか、ぐあ〜っときた!
言葉になってないけど!!

次の新刊、マダカナ〜。
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【読書メモ】2015年2月 ③ 日常の謎系ミステリ

2021-04-16 15:40:25 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年2月 ③>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『和菓子のアン』坂木司
ちょっと太めの女の子が主人公。
一人称、表現が軽いかな?と思うけど
主人公の愛され女子っぽさを思うと、いいんじゃないかと。
和菓子のうんちくは読んでいてい楽しいし、
和菓子の由来を知ると季節の生菓子を食べたくなる。
最終的に食べたくなったのは熱々スフレだけど。
「焼きたてのスフレを前にしたら、すべては後回しです!」
と言う喫茶店の店員さん超かわいい。
「30秒!」って。

(読書メモに和菓子の感想しか書いてませんが笑
 デパ地下の和菓子屋さんが舞台の「日常の謎系」ミステリ連作です。
 シリーズ続編で『アンと青春』『アンと愛情』が刊行されてます)


『手焼き煎餅の密室』谷原秋桜子
一人称の心理表現が賑やかである。
「そうだったのか…!」と、しょっちゅうひらめいているみたいな。
そんなに驚くほどのひらめきではない。
あと短編を繋ぐ軸が犯人一家でいいのだろうか。
それで大丈夫?

(<美波の事件簿>シリーズとやらの前日譚らしいです。
 本編では高校生だという主人公の美波ちゃん、
 今作では中学生。
 だから心理描写が賑やかなのか、そういう性格なのか、謎ですが。
 こちらも「日常の謎系」ミステリ短編連作集。
 アンよりもライト。
 あと、煎餅の他にオヤツは出ません)


『ほおずき地獄』近藤史恵
<猿若町捕物帳>シリーズの第二弾らしい。
シリーズ初読。
なんかふわふわした時代物だなと思った。
現実味が無いというか。
まあいいのだけど。
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【読書メモ】2015年2月 ②

2021-04-15 16:20:14 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年2月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『御手洗潔の挨拶』島田荘司
久しぶりに読んだら面白かった。
御手洗先生おもしろい。
以前読んだときはうっとうしい人だなと思ったのだけど。
『異邦の騎士』を読んで石岡くんに同情しはじめたからだろうか。

(なんとなく御手洗潔の性格が愛らしく感じ始めました。
 あまり冒頭から登場すると「うるさいな」と思いますが笑)


『石の猿』ジェフリー・ディーヴァー
リー・カンメイって名前が記憶にあった気がしたのだけど。
他の作品に出てなかったっけ…。

(カンメイという中国名の登場人物で印象的な人、
 アメリカ系小説で読んだ気がするんですが…。
 検索しても『キングダム』の人しか出ませんね笑
 『石の猿』は<リンカーン・ライム>シリーズ4作目。
 中国からアメリカへの密入国がテーマ。
 ディーヴァーらしい「どんでん返し祭り」で、楽しいです)


『推理小説』秦健日子(たけひこ)
ドラマ「アンフェア」の原作らしい。観てないけど。なんで映像化までこぎつけたか謎な小説だけど、まあ、作者が脚本家だからでしょう。主人公の雪平刑事の魅力がわからない。相棒の安藤くんも何のためにいるのかわからない。ついでに作中作わかりにくい。わからなくてもどうでもいいという気持ちにもなる。解説に「ジャンル名をタイトルにしている作品は難しい」とあって、完全同意である。「恋愛小説」(椰月美智子)というのも存在していてなかなか厳しい出来らしい。わかるよ、これもそうだもの。残念。あ、でも横溝正史の「探偵小説」はどうなのかな。これだけは気になるから読もう。

(我ながら、よくまあこんなに怒涛の感想を綴ったものだと思う。
 6年前の自分に落ち着けと伝えたい)
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